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ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(1月27日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ

プレスリリース 25-005-J 2025年01月28日

今年はホロコーストの終結から80年目にあたります。

私たちは、民族全体を滅ぼそうとしたナチスとその協力者によって殺害された、600万のユダヤ人を追悼します。

ロマやシンティの人々、障害者、そして奴隷にされ、迫害され、拷問され、殺害されたその他すべての人々に深い悲しみを表します。

私たちは犠牲者、生存者、その家族とともにあります。

そして、決して忘れないという決意を新たにします。

ホロコーストを記憶から風化させることは、過去を侮辱し、未来を裏切ることです。

記憶を呼び覚ますことは、道徳的行為であり、行動を呼びかけることです。

ホロコーストの歴史を知ることは、人類が堕ちうる闇の深さを知ることです。

ナチスが他者と共謀し、いかに凶悪な罪を犯すことができたのかを理解することです。

そして、私たち一人ひとりが厳粛な義務を負っていることを認識し、憎悪に対して声を上げ、すべての人々の人権のために立ち上がることです。

ホロコーストの地獄の後、各国は団結しました。そしてあらゆる人々の尊厳を世界人権宣言に刻んだのです。

暗黒の時代にあって、その文書は輝く光としてあり続けます。

ホロコーストの終結から80年が経っても、反ユダヤ主義は私たちの周囲にはびこっています。ナチスによるジェノサイドを許したのと同じ嘘と憎しみに煽られています。そして勢いを増しています。

差別が蔓延しています。

憎悪が世界を掻き立てています。

議論の余地のない歴史的事実が歪曲され、矮小化され、否定されています。

ナチスとその協力者たちに新たな衣をまとわせ、復権させようとする取り組みが見られます。

私たちは、こうした暴挙に立ち向かわねばなりません。

この分断の時代において、そして10月7日のハマスによる恐ろしいテロ攻撃から1年余が経過した中で、私たちは共通の人間性を固く守らねばなりません。

反ユダヤ主義を非難しなければなりません。それは、あらゆる形態の人種差別、偏見、宗教的偏狭を非難しなければならないのと同様です。

そして、すべての人々の尊厳と人権を擁護するという決意を新たにしなければなりません。

これらの大義は、まさに国連の核心に通じるものです。

私たちは、決してホロコーストを忘れません。そしてその闘いにおいて、決して揺らぐことはありません。

* *** *

原文(English)はこちらをご覧ください。