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科学における女性と女児の国際デー(2月11日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ

プレスリリース 25-007-J 2025年02月10日

Photo:Adobe Stock/ jittawit.21

10年前、「科学における女性と女児の国際デー」が初めて記念された日に、一つの根本的な真実が認識されました。それは、科学技術を通じてより良い世界を築くためには、女性の参加が不可欠だということです。かつて私自身が工学を教えていた時、そのとてつもない可能性を目の当たりにし、数多くの女性科学者たちの持つ卓越した才能や創造力、決意を見て取りました。

しかし今日でもなお、世界の科学界における女性の割合は、全体のわずか3分の1にすぎません。十分な資金や出版の機会、大学における指導的立場に恵まれていないことで、女性と女児は、科学・技術・工学・数学(STEM)分野でキャリアを築く上で、苦しい闘いに直面し続けています。

新興デジタル技術の発展を見れば明らかです。人口知能(AI)を含め、男性があらゆるレベルにおいてこの分野を支配しています。その結果、バイアスのかかったアルゴリズムや不平等の組み込みが急増し、デジタル上の男性優越主義の新時代が到来するおそれがあります。

STEM分野から女性を排除すればするほど、私たちは気候変動、食料安全保障から公衆衛生、技術変革に至るまで、喫緊の世界的課題に対処するために結集する自らの力を制限してしまうことになるのです。

公平な競争の場をつくるためにできること、しなければならないことは、まだ数多くあります。

奨学金やインターンシップ、メンター制度の機会を拡大し、STEM分野で女性と女児に門戸を開く。科学分野に女性を引きつけ、定着させ、昇進させる職場環境を創出する。幼少期から女児たちのSTEM分野へのエンゲージメントを奨励する。メディアを通じて科学分野の女性リーダーたちを擁護する。そして、ジェンダーに基づくステレオタイプを排除することが挙げられます。

加盟国が昨年9月に合意した「未来のための協定」は、科学分野における女性や女児たちの全面的で平等、そして意味ある形でのアクセスを妨げている障壁に対処することを約束し、これらの目標に向けた機運に新たな弾みをもたらします。

この重要な日が10周年を迎えるにあたり、また「北京宣言」からの30年を振り返る中で、女性や女児たちが自らの価値に値する、そして世界もそれを必要としているSTEM分野におけるキャリアの道を切り開いていけるよう、後押しをしていこうではありませんか。

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原文(English)はこちらをご覧ください。