東京会議2025に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ(東京、3月4日)
プレスリリース 25-014-J 2025年03月12日
各国代表の方々、友人の皆様、
東京会議に心からのご挨拶をお送りできることを嬉しく思います。
今年は、第二次世界大戦の終結と国連の創設から80周年を迎えます。
この節目は、人類史上最も暗い時代の一つから生まれた永続的な原則を再確認する重要な機会です。
その原則とは、対話を通じた平和、人権と国際法の尊重、社会的進歩と持続可能な開発の促進です。
日本はこれらの価値を推進するリーダーであり、マルチラテラリズム(多国間主義)の柱です。
国際協力に対する日本の皆様の献身は、国家がいかに歴史的遺産を前向きな変化とすることができるのかを示す強力な実例です。
今日の世界に目を向けると、私たちは数え切れないほどの課題に直面しています。紛争の増大から猛威を振るう気候危機、不平等の蔓延から十分なガードレールのない人工知能(AI)に至るまで。
今年の東京会議のテーマは、グローバルな課題にはグローバルな解決策が必要であることを私たちに思い起こさせます。
昨年9月、国連加盟国は「未来のための協定」を採択しました。
この協定は、多国間制度を21世紀に見合うように改革する大胆な道筋を示したものです。
協定は、国の規模の大小にかかわらず、すべての国々が私たち全員の未来を形成する上での発言権を持てるように、安全保障理事会と国際金融アーキテクチャの改革を求めています。
予防、調停、平和構築を優先することを求めています。
地域機関との連携の強化を求めています。
そして、新たな安全保障上の課題に対する革新的なアプローチの策定を求めています。
この協定には、化学兵器と生物兵器の使用を終わらせるための新たな戦略、AIの国際規制に関する初めての世界的な合意、この10余年で初となる核軍縮に関する多国間合意が含まれています。
広島と長崎の破壊から80周年を迎えるにあたり、私たちは核兵器のない世界を目指すために、これからも勇気を与えてくださる被爆者の方々の行動とビジョンに導かれていくでしょう。
各国代表の方々、
世界中の政府指導者と多様な声を集めることで、東京会議は「未来のための協定」の目的を前進させ、マルチラテラリズムを未来に向けて導くための重要なプラットフォームを提供しています。
この機会を捉え、信頼、連帯、協力の基盤を強化し、持続的な平和、尊厳、進歩に向けた私たちの共通の旅路に新たな章を書き加えようではありませんか。
ありがとうございました。
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