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世界水の日(3月22日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ

プレスリリース 25-016-J 2025年03月20日

UN-Water

今年の「世界水の日」のテーマは、安全保障、繁栄、正義のためには氷河の保全が不可欠であるという冷厳な真実を思い起こさせます。

氷河は自然の貯蔵所として、地球上の淡水のおよそ70%という貴重な資源を蓄えています。

氷河の融解は、コミュニティーの渇きを癒し、生態系を維持し、農業や工業、クリーンエネルギーを支えます。しかし酷暑によって、ヒマラヤ山脈からアンデス山脈、アルプスから北極圏に至るまで、この貯蔵所が記録的な速さで枯渇しつつあるのです。

致命的な洪水が起こり、都市や農村を問わず、何十億もの人々に影響が及んでいます。海抜の低いコミュニティーや国全体が存亡に関わる脅威に直面している一方で、水や土地をめぐる競争が緊張を悪化させています。

氷河が後退することがあっても、私たちは自らの責任から後ずさりすることはできません。

昨年9月に各国が合意した「未来のための協定」は、各国が世界の氷河を保護、回復、維持するとともに、コミュニティーのレジリエンス(強靱性)を高めるべく野心的な行動を起こすことを約束しています。私はまた、淡水資源の持続可能な管理における国際協力を強化するため、水担当特使を任命しました。

今年の行動が極めて重要です。あらゆる国が、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるという目標に沿った強力な国別気候行動計画(NDC)を策定しなければなりません。

持続的かつ大規模な気候変動対策資金を解放するための国際金融アーキテクチャの改革によって下支えすることで、気候変動適応策とレジリエンスに向けた資金調達を増額しなければなりません。

氷河という人類の生命線を保全するため、共に行動しようではありませんか。

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原文(English)はこちらをご覧ください。