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ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(1月27日)事務総長メッセージ

プレスリリース 14-005-J 2014年01月27日

私たちは毎年、アウシュビッツ強制収容所解放の記念日に、ホロコーストの犠牲者を想起します。私たちは数百万の罪のない人々が受けた苦難に思いを馳せ、反ユダヤ主義をはじめ、あらゆる憎悪がはらむ危険を強く認識するのです。

私たちは今年、ホロコーストが歩んだ道に焦点を当てます。そして私は、私自身が最近歩んだ道を思い返します。

昨年11月、私は「働けば自由になれる」と書かれた悪名高きアウシュビッツ・ビルケナウ収容所の門をくぐりました。この時のことを、私は決して忘れないでしょう。

ジェノサイドという恐ろしい仕組みの遺構だけでなく、1930年代にヨーロッパで暮らしていたユダヤ人の結婚式や一家団らんの食事など、日常的な生活をとらえた、心動かされる映像も目にしました。そのすべてが、人類史上類を見ない組織的殺りくによって消え去ったのです。

ユダヤ人、ロマ人、シンティ人、同性愛者、反体制派、捕虜、障害者が、この上なく厳しい状況で最後の日々を過ごした収容施設も目の当たりにしました。

国連が創設されたのは、このような恐怖が再び起きないようにするためでした。しかし、カンボジアからルワンダ、さらにはスレブレニツァに至るまで、世界各地で起きた悲劇は、ジェノサイドという毒薬が今でも力を失っていないことを示しています。

私たちは常に、偏狭な考えや過激なイデオロギー、コミュニティ間の緊張状態、少数者に対する差別を警戒しなければなりません。そして、子どもたちをしっかりと教育しなければなりません。「ホロコーストと国連アウトリーチ・プログラム」は、これらの教訓を全世界の学生に伝えるための効果的な教材と、強力なパートナーシップを作り上げています。

アウシュビッツの遺体焼却炉の傍らに立った私は、そこで起きたことを思い、深い悲しみに包まれました。しかし、その一方で、全人類のために死の収容所を解放した人々に感銘も受けました。今こそ力を合わせ、すべての人が平等に、尊厳を持って暮らせる世界への道を共に歩もうではありませんか。

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◆ 映像資料のご案内◆

国連広報局(DPI)は、米国ホロコースト記念博物館の協力のもと、同博物館制作のドキュメンタリー『ナチス、ジェノサイドへの道』(”The Path to Nazi Genocide”)に、国連公用語(アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語)の字幕を付け、製作しました。このドキュメンタリーは、1月27日の「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」を記念し、世界63カ国にある国連広報センター(UNIC)のネットワー­クを通じてご覧いただけます。

日本語字幕版は東京の国連広報センターが作成しました。是非ご覧下さい。

http://bit.ly/KWPFAZ

 

また、「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」に寄せる事務総長のビデオ・メッセージは以下でご覧いただけます。

http://bit.ly/1aWqclD

©UN Photo/Evan Schneider