第1回国際非暴力デー(10月2日)に寄せる
潘基文国連事務総長メッセージ
プレスリリース 07/075-J 2007年10月02日
国際連合は、人類が戦争を終わらせるだけでなく、究極的には戦争を無用のものにできるという希望のもとに創設されました。創設者たちは、国連が平和の文化を広め、寛容を促進し、人間の尊厳を向上させることにより、暴力の終息に貢献できると期待したのです。
この理想は、マハトマ・ガンジーから受け継がれたものだともいえるでしょう。きょうは師の誕生日にも当たります。南アフリカとインドの不当な政治体制に対する師の平和的な闘争は、世界の人々の心をとらえました。師の日常生活における非暴力の実践により、多くの人々がより良い、より有意義な生活を送りたいという気持ちを強く持つようになったのです。
「私の信条は非暴力に始まり、非暴力に終わる」。1922年、国家反逆罪で起訴されたガンジー師は、このように答えました。
今ほどガンジー師の発想が必要とされている時代はありません。私たちが目にするのは、不寛容と文化間の緊張が高まる中で、ますます身動きが取れなくなっているコミュニティの姿ばかりです。また、穏健派の勢力が後退する一方で、過激な独断的思想や暴力的なイデオロギーも台頭しつつあります。
私たちは最近、ガンジー師の教えの真髄を忠実に守り、武器を持たず、平和的なデモ行進をする人々に対し、実弾が発射される光景も目の当たりにしました。
個人から国家に至るまで、あらゆるレベルでこのような動きを食い止め、真の寛容と非暴力を推進する必要性は、今まさに高まっているのです。
このような取り組みを進める上で、「国際非暴力デー」はきっと役立つことでしょう。この日を機会に、非暴力というマハトマ・ガンジーのメッセージがさらに幅広い人々に伝えられ、毎日が非暴力デーとなる日が来ることを願っています。