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「国連気候変動枠組み条約」発効20周年に寄せる事務総長メッセージ

プレスリリース 14-016-J 2014年03月21日

ボン、2014年3月21日

私は「国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)」の発効20周年を祝えることを嬉しく思うとともに、その締結に尽力された方々全員に賛辞を送ります。

この条約によって、世界が気候変動という深刻な脅威に対し、多角的な解決策を探る機運が一気に高まりました。条約の「京都議定書」は、世界初の温室効果ガスの排出量削減協定として、先進工業国に拘束力のある約束を課し、世界的な炭素市場の確立に向けた土台を築き上げました。「クリーン開発メカニズム(CDM)」と「共同実施」の取り組みにより、先進国と途上国の排出量取引とカーボン・オフセットが可能になりました。REDD+プログラムは、森林に蓄積された炭素に価値を与え、森林破壊や土地劣化による排出量を削減することに貢献しています。金融や技術移転、能力育成によって、開発途上国が官民の資源を活用する道も開けました。UNFCCCは全体として、クリーン技術、再生可能エネルギー、改善された効率性、および適応へと開発の流れを変える重大な転機になったのです。

同時に、気候変動が提起するグローバルな課題に取り組むためには、その規模に見合うだけの意欲をかき立てる必要もあります。大気中の温室効果ガス濃度は、過去80万年で最も高くなっています。最も貧しく、最も弱い立場にある人々をはじめ、世界各地の人々が予測できない異常気象の深刻化による影響をますます受けるようになっています。

UNFCCCとその締約国の20年にわたる作業により、グローバル経済のレジリエンスを高め、低炭素化を進めるためのインフラが整備されました。私たちにとって現状の課題は、この枠組みを活用して、気候変動に取り組むだけでなく、すべての人に持続可能なエネルギーを届け、都市の大気を浄化し、暮らしを支えられる雇用を作り出すとともに、極度の貧困の根絶を助けることにあります。これらはすべて、ポスト2015開発アジェンダを相互に補強する要素となるものです。

各国政府は、2015年までに普遍的な気候協定を新たに結ぶことに合意しています。私はこれを支援するため、2014年9月23日に気候サミットを招集し、政治的意志の結集と、全世界的な意欲の向上に資する行動を呼びかけることとしました。私は世界の指導者のほか、主な市民社会や民間の代表に対しても、画期的な成果の達成に向けて連携するよう働きかけています。

何をどのようにすべきかは、すでに分かっています。この20周年を機に、気候変動枠組み条約の要となった約束を再確認しようではありませんか。そして、将来の世代のために、世界を持続可能な道へと導く有意義な気候協定の実現に向け、力を合わせようではありませんか。

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気候変動による異常気象が世界各地に被害をもたらしている。超大型台風ハイヤンにより甚大な被害を受けたフィリピンのタクロバンで©UN Photo/Evan Schneider