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ルワンダのジェノサイド13周年(4月9日)に寄せる
潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 07/019-J 2007年04月09日

私は昨年、事務総長への任命に先だってルワンダを訪れ、ジェノサイドの犠牲者に哀悼の意を表するとともに、生存者の方々に敬意を表しました。人類史上最悪ともいえる惨事に耐えてこられた方々と膝を突き合わせ、話し合う機会にも恵まれました。この経験は今でも私の心に深く刻まれています。私は日々、この記憶を胸に、国連事務総長としての職務に励んでいます。

ルワンダのジェノサイド13周年にあたり、どうしても伝えねばならないメッセージが2つあります。

第1に、決して忘れてはならないということ。

そして第2に、ジェノサイドが二度と起きないよう、努力を続けねばならないということです。

私たちはきょう、ジェノサイドの犠牲となり、恐るべき速さでその命を奪われていった80万人を超える罪のない人々に思いを馳せます。そして、犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。

生存者の方々のことも忘れられません。その精神的な強さには、頭が下がるばかりです。

また、ジェノサイドが広がる中で殉職していった平和維持要員や民間人など、国連ファミリーで働いていた仲間たちのことも思わずにはいられません。人命の救助に精一杯努めた彼らの勇気と献身を心に留めておくべきです。

13年前の数週間にわたる惨劇から、国連は大きな教訓を得ました。私たちはジェノサイド防止に関する特別顧問を任命しました。同じく新設されたジェノサイド防止に関する諮問委員会は、重要かつ野心的な報告書を提出しています。しかし、課題は山積しています。私は今後数週間のうちに、特別顧問のポストを常勤職に格上げすることを含め、ジェノサイド防止メカニズムの強化を図る予定です。

アフリカでも具体的な動きが見られます。画期的な「大湖地域における安全、安定および開発に関する協定」には、ジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪の予防と処罰に関する議定書が盛り込まれています。大湖地域諸国が一丸となって、同地域を襲った恐るべき紛争についてじっくりと考え、将来の世代が自国のみならず、近隣国の人々とも仲良く暮らせるよう努めていることは、誠に心強い限りです。私は、この議定書の早期批准を心から期待しています。

世界の全ての政府は原則として、保護の責任に同意しています。その実現に向けたステップを踏むことで、この理念に実質的な意味を与えることが目下の課題です。保護の責任が具体化してはじめて、ジェノサイドや戦争犯罪、人道に対する罪、民族浄化に直面する人々に希望が生まれるのです。

ジェノサイド防止は集団的責任であると同時に、個別的責任でもあります。政府、メディア、市民団体、宗教団体、そして私たち一人ひとりに、それぞれ果たすべき役割があります。ジェノサイド防止に向けたグローバル・パートナーシップを作り上げようではありませんか。そして、政府に保護の能力も意思もなければ、私たちがその国民をジェノサイドから守ってゆこうではありませんか。