*国連人口基金(UNFPA)東京事務所のプレスリリースのご案内です。
女性に対する暴力撤廃の国際デー(11月25日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース UNFPA作成 2006年11月27日
女性に対する暴力は、語られざる苦痛であり、何代にもわたり家族をむしばみ、地域社会を貧困化するものです。また、女性が自分の能力を発揮することを妨げ、経済成長を抑制し、発展をそこなうことになります。女性に対する暴力のある場所には文明社会があるとは言えません。
先月、私は人類の半数 ― 収入や階層、人種、民族の違いにかかわらず全ての大陸、国、文化において ― がこうした危険にさらされているという事実を示した詳細な調査を発表しました。人権が法律によって認められ、国際的な文書の中で保障されている秩序ある世界に私たちは住んでいるとしても、人権を享受することは個人や地域社会、世界の福利にとって不可欠だと分かってはいても、そして2005年の世界サミットにおいて、女性に対するあらゆる暴力を撤廃させるため、世界の指導者たちが努力を倍加させると誓ったにもかかわらず、女性に対する暴力は止みません。
この惨劇を終わらせるためには、非常に一般的で根深い考え方を変える必要があります。女性に対する暴力が容認される余地はなく、それが許されるべき理由は存在しないということを、はっきりと示すべきです。
世界中の女性団体や運動家たちは、女性に対する暴力を私的な領域から公的な領域、つまり国家の説明責任を追及するための活動に、多年にわたり辛抱強く取り組んできました。多くの国が効果的な法律を制定・施行しており、被害者に対してジェンダーを考慮した包括的なサービスを行っています。さらに、国際基準の設定においても進歩がありました。
この取り組みを、次の段階へと推し進める時が来ました。国連にいる私たちが、より強力で協調的な、そして明確な役割を果たさなければなりません。加盟国は、公約した国際的な法的・政治的枠組みを遂行するため、さらなる努力をする必要があります。そして私たちは皆、市民社会との強力で効果的なパートナーシップを形成するべきでしょう。なぜなら、市民社会はこの問題に関して、あらゆるレベルで極めて重要な役割を担っているからです。
私たちは、女性に対する暴力が容認されない環境を作るため、共に力を尽くすべきです。この問題についての詳細な調査が私に課されたことからも、国連加盟国のそういった環境整備に取り組む姿勢がうかがわれます。この調査結果と勧告が既に手元にある今、政治的コミットメントを喚起し、必要な資金や人的資源を確保しなければなりません。女性に対する暴力撤廃の国際デーである今日、この任務を果たすため、女性も男性も手を取り力を合わせて取り組みましょう
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