国連平和維持要員の国際デー(5月29日)事務総長メッセージ
プレスリリース 14-033-J 2014年05月27日
国連の平和維持活動には長く、誇るべき歴史があります。1948年の発足以来、活動は4大陸70件を超え、これまで100万人以上の平和維持要員が従事しています。今後も、新しい課題が生まれるたびに、国連の平和維持活動がそれに見合った進化を遂げていくことを、私たちは確信しています。
現在、120カ国以上から派遣された11万6,000人を超える国連要員が、16件の平和維持活動に従事しています。これら軍事、警察、文民要員は大きな身の危険にさらされながら、コミュニティの安定化、民間人の保護、法の支配の推進、人権の擁護を支援しています。昨年は、106人の平和維持要員が国連旗の下で任務遂行中に命を失い、平和維持活動の発足以来、殉職者総数は3,200人を超えました。私たちは、これら勇気ある一人ひとりの要員の死を悼みます。私たちは殉職者の友人や家族の方々と悲しみを共にし、その平和への貢献を決して忘れないという決意を新たにします。
国連は、将来の平和と安全の課題に確実に対処できるよう、平和維持活動の近代化を図っているところです。非武装の無人機をはじめとする最新技術を展開し、民間人をよりよく保護できるよう、その実践を高度化し、女性要員の割合を高めながら、地域機関とのパートナーシップも強化しています。国連は後方支援と事務の制度を改善し、インフラを整備するとともに、平和維持要員の能力を十分に活用するため、その他の策も講じています。私たちの目標は、大きな利益をもたらし、とりわけ人命を救う費用効果的かつ貴重な投資先としての平和維持活動を確立することにあります。
安全保障理事会はこの1年間、マリと中央アフリカ共和国で2件の平和維持活動を立ち上げ、困難な課題に立ち向かう国連平和維持要員に対する信頼を改めて示しました。国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)は、政府を支援し、同国東部で民間人に残虐行為を働いていた反体制派武装集団M23の制圧に貢献しました。南スーダンでは、国連平和維持史上初めて、平和維持要員が数万人の民間人に基地の門戸を開放し、その生命を救うとともに、政府と反政府組織双方による攻撃からの保護を提供しました。国連平和維持活動で初の女性司令官が誕生したことも、画期的な出来事でした。
安全保障理事会は今月、1994年のルワンダでのジェノサイドで1,000人もの命を救った末に殉職したセネガルの平和維持要員に因み、「ンバイ・ディアニュ大尉勲章」を設けました。この勲章は、並外れた勇気を示した国連要員に贈られるものです。故ンバイ・ディアニュ氏をはじめ、無私の奉仕で命を落とした英雄たちの先例に倣い、国連のブルーヘルメットを平和のための部隊、変革のための部隊、そして未来のための部隊とできるよう、力を合わせていくことを誓おうではありませんか。
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