国際高齢者デー(10月1日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 05/085-J 2005年10月06日
世界の高齢者の過半数を占めるのは女性です。今年の国際高齢者デーのテーマ「新千年紀の高齢化:貧困、女性高齢者、開発の重視を」は、高齢化が男女にもたらす影響の違いを認識し、その全面的な平等を確保し、貧困根絶を目指す立法や政策、プログラムや取り組みにジェンダーと年齢の両側面を取り入れる必要性を強調するものです。
先月の世界サミットでは、全世界の指導者たちが、ミレニアム開発目標(MDGs)をはじめ、主要な国連の会議やサミットで合意された開発目標を実現するという決意を改めて表明しました。「高齢化に関するマドリード国際行動計画」は、こうした取り組みの重要要素となっています。各国政府はこの計画で、高齢者の安全確保に努めるだけでなく、そのエンパワーメントを図り、それぞれの社会の経済、政治、社会活動に全面的に参加できるようにすることを誓いました。
次の世代には、高齢者の数が全体的に増えるため、貧困の中で暮らす人々の中にも60歳以上の高齢者が増えることになります。その一方で、これらの人々は貧困根絶への取り組みにも、さらに積極的にかかわることでしょう。高齢者の方々はすでに、この課題に取り組むことを約束し、その決意を固め、それを行動で示しています。しかし、高齢者の潜在的な貢献はあまりにも見落とされがちです。それでも、女性をはじめとする高齢者がどのような貧困にあえいでいるかを理解できない限り、また、適切なプログラムや活動の策定と実施に対する高齢者の積極的参加を促進しない限り、私たちは貧困を根絶することも、その他の目標を達成することもできないのです。
今年の国際高齢者デーにあたり、私は各国政府とすべての関係者に対し、あらゆる年齢の人々が共存できる社会を推進し、「高齢化に関するマドリード国際行動計画」の実施に向けた取り組みをさらに強化するとともに、高齢者の方々が21世紀にその潜在能力をいかんなく発揮できるよう、行動、政策、実践の変革に努めることを求めたいと思います。