アフリカ・デー(5月25日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 05/046-J 2005年05月25日
毎年一度のアフリカ・デーは、アフリカの将来とその窮状について考える機会です。
アフリカ連合は引き続き、紛争の防止、解決、管理のための制度強化に努めています。多くの国々では、自由な選挙を通じて政権交代が実現し、民主化のプロセスが勢いを増し続けています。「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の実施も加速し、25ヵ国が自主的に参加する「アフリカ・ピアレビュー・メカニズム」など、いくつかのプログラムで進展が見られています。
しかし、サハラ以南をはじめとするアフリカの多くの地域は依然として、武力紛争や極度の貧困、さらには病気による悲劇的な影響を受けています。スーダンのダルフールでは、人々が攻撃を受けて避難を続けており、少なくとも260万人が緊急援助を必要としています。貧困やHIV/エイズの蔓延をはじめとする病気の重い負担は、あまりにも多くの国々で膨大な惨禍をもたらし、苦労の末に築き上げた発展を後戻りさせています。アフリカはこのため、ミレニアム開発目標(MDGs)の実現においても、他の開発途上地域に後れを取っているのです。
2005年はアフリカにとって重要な年となるかもしれません。世界の指導者は9月、国連に参集し、ミレニアム宣言の実施状況を審査することになっています。このサミットは、アフリカの特殊なニーズへの大胆な対応策を含む決定の時となるはずです。私が国連加盟国に提出した報告書『より大きな自由を求めて』には、安全保障、開発、人権を希求するアフリカの人々を支援するための幅広い提言が盛り込まれています。その他、国連の委託によって「ミレニアム・プロジェクト」と「脅威・挑戦・変革に関するハイレベル・パネル」から提出された2件の重要な報告書に加え、英アフリカ委員会の報告書も、実際的な提案を行っています。6月の国連総会での開発資金に関する対話、7月のG8サミット、そして9月の国連本部でのサミットはすべて、アフリカの開発に対する国際的な援助をさらに引き出す上で、大きなチャンスとなるでしょう。
今年のアフリカ・デーにあたり、国連はアフリカ連合の活動に対する支援、さらには、アフリカの男性、女性、そして子どもたちの一人ひとりが、より大きな自由の中で暮らすために行っている努力への支援を新たにしたいと思います。