世界水の日(3月22日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 05/029-J 2005年03月10日
水は生命に欠かせません。それでも、世界中で何百万もの人々が水不足に直面しています。毎年、数百万人の子どもたちが水系伝染病で幼い命を失っています。また、世界でもっとも貧しい国々の中には、恒常的に干ばつに見舞われているものもあります。
世界は、このような状況を改善するため、対策を図らなければなりません。特に農業分野で水効率を高める必要があります。しばしば遠いところまで水を汲みに行かなければならないという毎日の労苦から、女性と女子を解放することが必要です。水管理についての政策決定に女性を参加させなければなりません。衛生設備の普及を優先課題とする必要があります。この分野での前進はもっとも遅れているからです。また、水資源が紛争の火種になるとは限らないことも示さなければなりません。それどころか、水資源は協力のきっかけにもなりうるのです。
これまでに大きな進展が見られてきました。しかし、さらに真剣な取り組みが必要です。今年の「世界水の日」に「命のための水」の10年が幕を開けるのはこのためです。2015年までに、水と衛生に関する国際的に合意済みの目標を達成し、さらにその後の前進に向けた基礎を作り上げるのが、私たちの目標です。
これは人間開発にとっても、人間の尊厳にとっても緊急の課題です。今年の世界水の日にあたり、全世界の人々に安全できれいな水を届けることを決意しようではありませんか。そして、地球上の水資源の管理を改善するという誓いを新たにしようではありませんか。人間の生存はもとより、21世紀の持続可能な開発にとっても、水は命綱なのですから。