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国際平和デー(9月21日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 04/085-J 2004年09月21日

「国際平和デー」はいつも特別な日です。しかし、私たちが毎年鳴らす「平和の鐘」が贈呈50周年を迎える今年は、特に重要な機会といえます。

60カ国の子どもたちが寄せ集めたコインから鋳造されたこの鐘が、日本国際連合協会から国連に寄贈されたのは、1954年のことでした。それから半世紀を過ぎた今でも、この鐘は平和を切実に求める人々のメッセージを、世界中に響き渡らせています。冷戦のクライマックスから内戦の激化に至るまで、また、エイズ危機の拡大からテロの台頭に至るまで、さまざまな動きが錯綜したこの50年間、平和の鐘だけは変わらぬ真実の声を明確に伝えてきたのです。

きょう鳴り渡る鐘の音は、この1年間の苦難に思いを馳せる私たちに慰めを、そして、さらなる苦難に立ち向かおうとする私たちに勇気を与えてくれるものです。今週、世界各国が集まって第59回国連総会が開催される中で、私たちにとっての課題が山積していることは間違いありません。これに効果的に取り組むためには、多くの根本的な優先課題を特に重視する必要があるでしょう。

まず、引き続き集団安全保障制度の強化に努め、21世紀の脅威に対処できるようにする必要があります。昨年、私が任命したハイレベル・パネルは、この取り組みのあり方を示すべく、検討を重ねています。

スーダンのダルフールなどで生じている人道的緊急事態に対処するため、国際的な連帯をさらに固める必要があります。

また、飢餓や無知、貧困、疾病と闘うとともに、21世紀によりよい世界を築き上げるための設計図として全加盟国が合意した「ミレニアム開発目標(MDGs)」を達成すべく、開発に向けた真のグローバル・パートナーシップを構築する取り組みも強化する必要があります。

さらに、世界の諸民族間で寛容と理解を育んでゆく必要もあります。平和と開発を確保しようとする私たちの取り組みにとって、宗教、民族あるいは文化の違いによって分断された世界ほど危険なものはありません。各国の国内でも、そして、あらゆる国々の間でも、共通の人間性に基づく結束を強める努力を怠ってはならないのです。

きょう鳴り響くこの鐘が、これら目標達成に向けた私たちの力となりますように。そして、真の平和を求める鐘の音が大きく、そしてはっきりと、世界中に響き渡りますように。