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News in Brief(2000年)

国連ニュースセンターがお届けする日々の記事を英語で読んでみませんか。
その日の記事テキストだけでなく、その記事を読み上げた音声を聞くこともできます。
» News in Brief

また1999年1月~2021年6月の記事は日本語要約をアーカイブにしています

2000年12月29日

  • きのう、ガーナにおいて、大統領選(2回目)が終了。アナン事務総長はきょう、声明を発表し、同国の選挙が透明かつ平和的に実施されたことについて、その国民と指導者に賛辞を呈した。
  • 昨夜、コソボにおいて、セルビア人老夫婦が正体不明の男たちに襲われ、夫が死亡、妻が重傷を負った。UNMIKのクシュネル代表はきょう、声明を発表し、この襲撃事件を非難した。
  • イズマイリ事務総長特使(ミャンマー担当)は、ミャンマー政府と野党指導者との対話促進を図るべく、来年1月5-9日、同国を訪問する。同氏がミャンマーを訪問するのは、4月に特使に任命されてから3回目。
  • リベリア、ソマリアに対する制裁監視委員会はそれぞれ、安保理に報告書を提出し、近隣諸国をはじめとする国連加盟国に対し、これら2国に対する武器禁輸を遵守するよう要求した。
  • 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、ギニアとシエラレオネ・リベリアの国境沿いに兵力を派遣することを決定した。この数週間、暴力事件が発生していることから、その沈静化を図る。ECOWASによれば、マリ、ニジェール、ナイジェリア、セネガルが、計1676人の兵力を提供する。
  • バハマ、モンゴリア、タンザニア、ウズベキスタンがきょう、国際刑事裁判所規程に署名した。これら4カ国はいずれも批准の意向を示している。さらにイランとイスラエルが日曜日、署名する予定であり、これにより署名国数は138となる。またフィンランドがきょう、27番目の批准国となった(発効に必要な批准国数は60)。なお、国連本部での署名開放は、12月31日が最終日となる。

2000年12月28日

  • 安保理、コンゴ民主共和国に関する非公開協議開催。協議後、安保理議長は全理事国を代表して報道声明を発表し、ウガンダ・ルワンダの軍隊がコンゴ民主共和国のKatanga州およびEquateur州における戦闘を停止するとともに、両州からそれぞれ自国の兵力を撤収するよう求めた。
  • シエラレオネにおける戦争犯罪者を裁くための裁判所設置の問題について、現在、国連とシエラレオネ政府の話し合いが進んでいるが、安保理はこのたび、アナン事務総長に書簡を提出、この裁判所が法の裁きにかけるのは犯罪に責任を有する指導層に限定することなど提案した。
  • アンゴラ制裁監視メカニズムの報告書が、国連本部で発表された。報告は、対UNITA制裁に関する各国政府の真剣な取り組みを促すべく、意図的な制裁違反を犯した政府に対する制裁措置適用の必要を指摘した。
  • UNHCRはきょう、ギニアのGueckedou地域の難民キャンプから同国中南部Kissidougouに流出した人々(上限6万人)を収容すべく、Sangardoに仮避難所を新設する準備を開始した。
  • 国連経済社会問題局とUNCTADはこのたび共同で、「2001年世界経済状況と見通し」と題する報告書を作成し、きょう発表した。同報告によれば、1997、98年に世界経済を揺るがした金融危機から加速的回復は多少緩慢になるが、世界経済の成長は2001年にも緩やかなペースで続いていく見通し。
  • エチオピアとエリトリア両国の軍部指導層はこのたび、ナイロビで開かれた軍事調整委で、国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)要員の両国間における移動の自由拡大に合意した。同委員会は、UNMEE代表のPatrick Commaert少将が主宰した。

2000年12月26日

  • UNHCRの視察調査団がこのたび、ギニア南西部の町Gueckedouに入り、難民の状況を調査。この地においては12月前半から襲撃事件が相次ぎ、UNHCRは撤収を余儀なくされていた。今回、UNHCRがこの地に入るのは、撤収後初めて。
  • コンゴ民主共和国において、政府軍がこのたび、GbadoliteとGemenaの両地区の空港を爆撃。この爆撃による国連要員や施設への影響は、報告されていない。
  • 25日、中国Luoyangのダンスホールで火災が発生し、数百人の若者が死亡した事件について、アナン事務総長は江沢民主席に宛て書簡を送り、弔意を示した。
  • セルビア議会選挙において、政党Democratic Opposition of Serbia(DOS)が過半数を占めたことについて、UNMIKのクシュネル代表はコシュトニツァ・ユーゴ大統領およびセルビア首相Zoran Djindic氏に書簡を送り、祝意を表した。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、日曜日、様々な国連機関の職員10人が、パキスタンから、アフガニスタン内の各事務所に戻った。これら職員は、安保理がアフガニスタンに対する新たな制裁を科す直前の12月19日、予防警戒措置として、同国から撤収していた。

2000年12月23日

  • 総会は土曜日、2001年-2003年の国連通常予算の分担率を決定。分担率の上限については、25%から22%に引き下げた。

2000年12月22日

  • 総会第5委員会は、平和維持活動支援会計から約919万ドル、通常予算から40万ドル以上を使ってブラヒミ報告の実施を開始するよう提案するなど、国連平和維持活動の拡充に向けて一連の勧告を行なった。
  • ソマリア情勢に関する事務総長報告が発表された。報告において、事務総長は、ソマリアにおける最近の政治的変化を歓迎するとともに、国際社会に対して、同国の和平プロセス強化を支援するよう呼びかけた。
  • 安保理は決議1334を全会一致で採択し、シエラレオネ政府による法と秩序の回復努力に対する国連の支援を維持すべく、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の任期を3月31日まで延長した。
  • 安保理、コンゴ民主共和国に関する非公開協議開催。協議後、安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表、最近、同国において停戦合意が破られていることに深い憂慮を示すとともに、事務総長特別代表(同国担当)がきょう発表した戦闘停止への呼びかけを全面的に支持する、と述べた。
  • 世界銀行と国際通貨基金(IMF)はこのたび共同声明を発表し、22の重債務貧困国(HIPC)の債務救済のため、220億ドルを充当することを決めた。すでにラテンアメリカの4カ国、アフリカの18カ国に対する約200億ドルの提供は承認された。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、この6日間で、アフガニスタンの国内避難民4,600人以上が西部の町ヘラトに流入し、その難民キャンプの収容能力はすでに限界に近い状態となっている。
  • 西ティモールに残る東ティモール難民約350人がこのたび、クリスマス期間(3週間)の滞在予定で東ティモールに体験帰還。このうち、244人はディリ、100人はOecussiに到着した。UNHCRによれば、体験帰還としては、これまでで最大・最長のもの。
  • FAOとWFPは共同報告を発表し、スーダン南部において、内戦および干ばつが原因で、300万人以上が深刻な食糧不足に直面している、と述べた。
  • WHOは、休暇中アフリカを旅行する人々に対し、マラリアに罹らないよう十分に予防するよう警告した。

2000年12月21日

  • 安保理は議長声明を発表し、リベリアおよびシエラレオネの反政府勢力によるギニアへの侵入・襲撃事件を非難し、これら襲撃事件により多くの生命が失われ、夥しい数の人々の難民化を招いていることに憂慮を表明した。
  • ホルケリ総会議長、今年最後の記者会見。ミレニアム宣言は我々の時代の最重要文書であるとし、ミレニアムサミットの弾みを生かし続ける重要性を強調した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、ブルンジの武装集団が自らの目的達成のために暴力を続けていることを非難するとともに、これらの反政府勢力がアルーシャ和平プロセスに参加するよう促した。
  • コンゴ民主共和国(DRC)を担当する事務総長特別代表Kamel Morjane氏はきのう、キンシャサで今年最後の記者会見を行い、国際社会の善意だけではDRCに平和を回復することはできないとし、同国の人々が自ら、紛争終結の主要な責任を担うよう訴えた。
  • アナン事務総長はこのたび、米国のMichael Sheehan氏を、平和維持活動局内の兵站・管理・地雷除去活動を担当する事務次長補に任命した。
  • コソボ事務総長特別代表のクシュネル氏はきょう、UNMIKの合同暫定行政機構(JIAS)の隔週会合において、コソボ全土における暴力事件の継続により、国際社会がコソボに対し、マイナスのイメージを持ち始めている、と述べた。
  • 水曜日夜、国連人口基金(UNFPA)のサディク事務局長の退任式典において、アナン事務総長は演説し、事務局長の達成した成果と「勇気あるアドボカシー活動」に賛辞を送った。サディク氏は1987年、UNFPA事務局長の職務に就いた。現在、国連システムで事務次長のレベルで勤務する女性は5人いるが、そのうちの1人。
  • FAOは、報告書「アフリカのサブ・サハラ地域における食糧供給状況と穀物の見通し」を発表。同報告によれば、アフリカのサブ・サハラ地域において、干ばつおよび内戦の長期化により、約2800万人が深刻な食糧不足に直面している。最も深刻なのはアフリカ東部であり、その地域の2000万の人々が、2001年に入ってからも食糧援助の継続が必要である、と報告は指摘した。
  • 国連ボランティア計画(UNV)がきょう発表したところによれば、来年のボランティア国際年に向けて、すでに100カ国において、121の国内推進委員会が設置された。
  • 世界知的所有権機関(WIPO)はきょう、タイム・ワーナー・エンターテイメントが、絵本の登場人物であるハリー・ポッターに関連するインターネット・ドメイン名100以上の所有権を有する、との裁定を下した。そしてHaperStephens社が同様のドメイン名を所有する権利については、これを否定した。

2000年12月20日

  • 安保理、イラクのクウェート侵攻(1990年)以降行方不明となっているクウェート人と第3国人の問題について、非公開協議開催。この問題を扱うハイレベル調整官のユリ・ウォロンツォフ氏によるブリーフィングが行われた。協議後、安保理議長が報道陣に語ったところによれば、安保理メンバーはこれら行方不明者の安否に懸念を示し、イラク政府に対し、問題解決のための協力を促した。
  • このたびクシュネル氏の後任としてUNMIK代表に任命され、1月15日に就任予定のHans Haekkerup氏がニューヨークで記者会見し、コソボとボスニア・ヘルツェゴビナの紛争後再建活動を比較し、コソボが戦争の惨事を克服するまでには長い年月が必要である旨述べた。また昨夜、コソボのZubin Potokにおいて国連警察駐在所に対する発砲事件が起こり、国連車両などが破損した。けが人はなかった。UNMIKはきょう、この襲撃事件について、非難声明を発表した。
  • 旧ユーゴおよびルワンダ国際刑事裁判所の検察官Carla del Ponte氏は今年最後の記者会見において、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領を裁くのは同裁判所であり、その管轄権は決してユーゴ政府に移るべきものではない、と述べた。
  • フレシェット副事務総長が、国連財団からの新規資金拠出(1,500万ドル相当)を歓迎する旨表明した。今回の資金は主に、アフリカにおけるエイズの蔓延を食い止めるべく、ユニセフ、人口基金、UNDP、WHO、UNAIDが行う共同事業に充当される。国連財団が拠出した資金は現在、3億2,500万ドル以上となった。
  • 総会はきょう、国連システム・スタッフ・カレッジ(UN System Staff College)をイタリアのトリノに設置することを決めた。このカレッジは、経済社会開発、平和と安全保障、国連システム管理といった分野に関して、国連職員を訓練養成することを任務とし、規程承認後、2002年1月に開校される運びとなっている。
  • 東ティモール内閣がきょう、将来の国防軍に対し法的地位を与え、暫定政府内に国防軍担当部を設置する趣旨の提案を全面的に支持した。
  • 緒形貞子氏はきょう、UNHCR職員に対し、高等弁務官として、最後のスピーチを行い、難民支援の活動を遂行するうえで、職員たちが官僚主義に陥らないよう心がける必要を指摘した。
  • WHOはこのたび、世界的な傾向として、看護婦や助産婦が、低賃金、劣悪な労働条件、貧弱なキャリア・ディベロップメント、職業地位の欠落などの理由で、保健衛生分野の職業から離れつつある状況に警鐘を鳴らした。
  • 国連砂漠化防止条約の締約国会議が開催されるなか、UNEPとEurope Environment Agencyが共同作成した報告書“Down to earth: Soil Degradation and Sustainable Development in Europe”が昨日、発表された。適当な措置が早急に講じられなければ、ヨーロッパの土壌資源の悪化は今後も続き、さらに加速化するであろう、と報告書は警告した。

2000年12月19日

  • アナン事務総長は今年最後の記者会見を行い、2001年には、様々なことが真に動き始め、ミレニアム・サミット宣言が単に言葉だけではないことが証明されるよう願う、と自らの期待を語った。
  • 安保理は決議1333を賛成13、棄権2(中国、マレーシア)で採択し、タリバンに対してUsama bin Laden氏の引き渡しを迫るべく、当初1999年10月に採択した対タリバン制裁措置を一層強化した。
  • 総会はきょう、アフガニスタンの武力紛争、人道活動家の安全、グアテマラの平和活動、国連とOSCEの協力関係など、多くの問題について一連の決議を採択した。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)に関する事務総長報告が発表された。10月の地方選挙後、政治的動機に基づく暴力事件が起こったことは、コソボの脆弱性とともに、国際援助の継続の必要性を示している、と報告書は述べた。なお安保理はきょう、アナビ事務次長補から同報告についてブリーフィングを受けた後、広範で集中的な討議を行った。
  • アナン事務総長はきょう、声明を発表し、イスラエルとパレスチナ両代表が米国主宰の下、交渉を再開したことを歓迎する旨述べた。
  • 人権委員会の委員長、Shambhu Ram Simkhada大使は、占領下のパレスチナ地域でのイスラエルによる人権侵害行為に関する情報収集をすべく、人権調査委(3人構成)の委員を任命した。この3人は、南アフリカのJohn Dugard氏、米国のRichard Falk氏、バングラデシュのKamal Hussein氏。
  • エチオピアとエリトリア間を空路往来するためのルートがきのう、開通した。国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)が今年、両国に展開してから初めて。同空路は4,200人のUNMEE要員の兵站・医療ニーズに対応すべく、UNMEE国際要員のみの利用に供するもの。
  • 過去数週間、ギニアとシエラレオネ・リベリアとの境界地帯で越境攻撃が発生し、地域の安定が脅かされていることから、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)はこのたび同地帯に兵力を展開することを計画した。UNHCRはきょう、同計画を歓迎する旨表明した。
  • イラク石油輸出監視委員たちはこのたび、安保理制裁委の要請に応じ、石油買付け業者らがイラクに対し、いかなる追加料金も支払うことのないよう警告した。
  • きのう、東ティモールのディリを訪れた元併合派指導者Joao Corbafu氏はUNTAETのデメロ代表と会談し、西ティモールに残る難民の帰還促進のため全力を尽くす旨確約した。
  • 先週、国連グアテマラ人権検証団(MINUGUA)が平和建設活動の重要な要素として、子どもの人権に焦点を当てた報告書を発表。ユニセフ事務局長は声明を発表し、この画期的な報告書が、人権尊重の文化構築こそ平和と繁栄を持続する唯一の方法であることを明確にした、と指摘。その活動は何よりも先に、明日の市民、指導者である子どもに対して行われる必要がある旨述べた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所所長Navanathem Pillay氏は書簡をアナン事務総長に送付し、1994年ジェノサイドの犠牲者に対する賠償問題については、裁判所自体の扱うところとはせず、別個のメカニズムを設置するよう提案した。裁判所の判事たちの意見によれば、賠償問題を扱うことになれば、裁判所の日常業務は深刻な影響を被り、その主な任務が大きく損なわれることになる。事務総長は同書簡を安保理に回送した。
  • WHO、ユニセフ、UNESCO、UNAIDS、UNFPA、世界銀行はこのたび、「健康、繁栄への鍵:開発途上国における成功物語」と題する報告書を合同作成し、発表した。報告書は、エイズ、結核、マラリアなどとの闘いにおいて参考となる各国の成功事例や戦略を示し、説明している。

2000年12月18日

  • アナン事務総長は、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に関する報告書を安保理に提出し、同ミッションの任期を2001年3月末まで、3ヶ月間延長するよう勧告した。
  • アナン事務総長はきょう、世界中の死刑廃止を求める嘆願書(300万人が署名)を受け取った。そして、生命を奪うということは、たとえ法的プロセスに裏付けられたものだとしても、人間として他者に課するにはあまりにも絶対的、不可逆的過ぎることであるとし、死刑廃止を支持する旨表明した。この嘆願書を提出したのは、Moratorium 2000 campaign、Amnesty International、Sant' Egidio communityの代表。
  • 日曜日、ミトロビツァにおいて暴力事件が発生し、数人が死亡、地方警察駐在所が放火された。国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)のクシュネル代表はこの暴力事件を強く非難した。
  • 過去50年の国連活動を描いたポスター展、ニューヨーク国連本部で開始。テーマは、“For a Better World: Posters from the United Nations”。
  • きょうは、初の「国際移民デー(International Migrants Day)」。この国際デーの目的は、移民がそれぞれの祖国において示すプレゼンスや貢献が確実に認識されるようにすること。先月、総会がこの国際デーを宣言し、国際社会に対し、移民の保護に寄与するとともに、この問題に関する情報を共有するよう奨励した。
  • WFPはきょう、ベトナムが健全な経済状態にあり、世界第2位の米輸出国になったとして、同国における活動を今月末に終了する、と発表した。
  • スロバキア国会において、同国最高裁長官の更迭手続きが進んでいるが、国連特別報告者(裁判官および法律家の独立を担当)Param Cumaraswamy氏はきょう、この動きについて深刻な憂慮を表明した。同氏は、この行為は国内的にも国際的にも、法律に基づいたものではなく、政治的な措置であると見なされるとするともに、現状において、スロバキア司法の非独立性を指摘した。

2000年12月15日

  • アナン事務総長はきょう、メキシコのErnest Zedillo前大統領を、「開発金融に関するハイレベル・パネル(High-level Panel on Financing for Development)」の委員長に任命した。同パネルは、2002年に開かれる開発金融に関する会議に向け、来年5月までに具体的な勧告を行う予定。
  • アナン事務総長は、ブッシュ米国大統領(次期)と働けることを楽しみにしている、と述べた。また事務総長は、米国が国際舞台における「自然な」リーダーであるとして、その米国と国連が様々な懸念を共有していることを強調した。(今朝、登庁時、記者団に対し語った)
  • 「国連越境組織犯罪防止条約」の署名会議、閉幕。4日間の日程のなか、120カ国以上が署名した。また条約に付随する2つの議定書についてもそれぞれ、70以上の国が署名した。この条約は、総会が11月15日に採択したもので、40カ国の批准を得て発効することになっている。
  • 国連西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の第24会期、マリのバマコで開催。アナン事務総長は、西アフリカ地域の和平活動に対するECOWASの貢献に敬意を示すとともに、加盟諸国に対して、今後も国連との協力を続けるよう促した。事務総長による同声明は、事務総長特別代表Oluyemi Adeniji氏が代読した。
  • UNHCRはきょう、2001年における活動資金として、9億5370万ドルの拠出を求めるアピールを発信、早速2億1470万ドルの拠出が誓約された。内訳は、米国が1億2500万ドル、スウェーデンが4000万ドル、オランダが2300万ドル、ノルウェーが1800万ドルなど。
  • 世界食糧計画(WFP)は声明を発表し、アンゴラ緊急援助活動続行のための緊急資金を求めた。そして、拠出がない場合、アンゴラにおける食糧援助の大幅な削減を余儀なくされ、100万人以上が影響を受ける、と警告した。
  • UNHCRはきょう、アフガニスタン・タジキスタン国境地域に滞在するアフガン難民の窮状に引き続き憂慮している旨表明した。タジキスタン政府は依然、UNHCRの要請に応じず、アフガン難民に対して国境を閉鎖している。同国境は、ドゥシャンベ・モスクワ合意の下、ロシア兵士が警備にあたっている。
  • アナン事務総長はきょう、ペルーのEnrique Roman-Morey氏をジュネ-ブ軍縮会議の副事務局長に任命した。同氏はこれまで、ラテンアメリカ・カリブ地域核兵器禁止機関(OPANAL)の事務局長を務めていた。また事務総長はきょう、オランダのHenry Hans Holthuis氏を旧ユーゴ国際刑事裁判所の書記に任命した。
  • 国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)がこのたび確認したところによれば、西サハラ問題の一方の当事者であるポリサリオ戦線がきのう、ラマダン月の善意を表すため、200人以上のモロッコ人捕虜を解放した。
  • 国連開発計画(UNDP)はこのたび、ウガンダのエボラ出血熱との闘いを進める政府およびパートナーを支援すべく、保健衛生職員の感染防護服の調達などの資金として、ウガンダ政府に対し、5万ドルを提供した。

2000年12月14日

  • 安保理は決議1332を全会一致で採択し、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)の任期を来年6月15日まで半年間延長するとともに、兵力引き離しラインを監視する要員の拡充を求める事務総長の提案に合意した。
  • 安保理議長はきのう、理事国を代表して報道声明を発表、セルビア南部における最近の暴力事件を非難するとともに、同地におけるすべての暴力行為の即時終結を求めた。
  • アナン事務総長はきょう、このたび米国次期大統領に決まったジョージ・W・ブッシュ氏に書簡を送り、祝いの言葉を述べた。この書簡のなかで、事務総長は、国連が米国の積極的な指導力を必要としている、と訴えた。
  • コソボのプリシュティナにおいて、最高裁判所の設立式典が行われた。国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)のクシュネル代表は式典出席後、平和維持活動の歴史において、これほど早く司法システムが確立したことはなかったと述べる一方、このシステムはまだ不完全であり、すべての人々がその向上のために尽くさなければならない、と訴えた。
  • ギニアのGueckedou地域における戦闘の発生により、WFPは、同国南部での食糧援助活動を暫定的に停止する旨発表した。
  • きょう、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の設立50周年。緒形高等弁務官はジュネーブで記者会見し、UNHCRが長く存続していること自体は決して祝うべきことではないが、世界の難民の勇気と貢献はすべての人々の尊敬に値する、と述べた。
  • 東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のデメロ代表はこのたび、比嘉氏ティモールの徴税システムの改正規則に署名し、労働者の給与への課税、企業所得税などを規定した。
  • ユニセフ事務局長は、授乳によるHIV母子感染の危険性はあるものの、開発途上国においては、不衛生な条件の下での粉ミルク使用も、乳児が感染症に罹り死亡する原因となっていると指摘した(きょう発表した声明において)。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)の年次会合がきょう、ブラジルで開始。会期は2日間。
  • 国連文明間の対話年(2001年)・有識者グループの初会合が、ウィーンで開始。同国際年担当の事務総長個人代表Giandomenico Picco氏はきょう、同地で記者団に対し、この国際年が世界中で多様性を祝うための好機を提供するものである、と述べた。
  • 総会はきょう、ソマリア、ベリーズ、コンゴ民主共和国など自然災害により被災した国々や地域に対する経済支援、ならびにチェルノブイリ原発閉鎖やパレスチナ人民支援などに関する一連の決議を採択した。
  • 教育、人権、ジェンダー平等などの問題への取り組みで知られるグラサ・マシェル氏がこのたび、平和大学学長に任命された。コスタリカに本部を置く平和大学は、1980年12月の総会決議により設置が決まったもの。

2000年12月13日

  • 安保理は決議1331を全会一致で採択し、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の任期を2001年6月15日まで半年間延長した。
  • シエラレオネにおいて、きょう、反政府勢力RUFからUNAMSILへの略奪武器返還が行われた。この後、Magburakaにおいて、RUF指導者のIssa Sesay将軍はUNAMSILと非公開会合を行い、和平プロセスに対するコミットメントを強調するとともに、今後、国連からの略奪武器をさらに返還していく旨表明した。
  • グルジアのアブハジアにおいて、先週日曜日に拉致された国連軍事監視員2人がきょう、無事解放された。
  • 12日間停止していたイラク石油輸出が再開。イラク南部のMina al Bakr港において、イラク石油荷積が行われた。
  • 東ティモール暫定内閣はこのたび、難民の再統合、人権侵害の文書化、人権保護のためのセーフガードづくりを行うべく、「真実・受容・和解委員会」を設置することに合意した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所はきょう、ボスニアのセルビア人Stevan Todorovic被告について、裁定に関する合意が成立した、と発表した。内容は、同被告が政治的、人種的、宗教的な性格の犯罪を認め、自らの逮捕を不法とする裁定請求を取り下げるかわり、検察官側としてはすべての残る起訴を破棄し、5年以上、12年以下の懲役を勧告するというもの。同被告は1998年9月30日の初公判で、すべての起訴内容について、無罪を主張していた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所のCarla del Ponte検察官は、メディアを通じジェノサイドを扇動した罪で問われている3人のルワンダ人、Jean-Bosco Barayagwiza、Ferdinand Nahimana、 Hssan Ngeze被告の公判を、アルーシャでなく、キガリで行うよう要請する意向を示した。同検察官によれば、スイス政府からこのたび、ルワンダ最高裁の法廷をこの公判用に改装するための費用を拠出する旨の申し出があった。
  • WFPは、干ばつに襲われたタンザニアにおいて、飢餓の広がりを防ぐため、今後5ヶ月間にわたる緊急活動(1500万ドル規模)を開始した。
  • ベノン・セバン安全調整官はきのう、総会第5委員会で演説し、加盟国に対し、危険な地域で活動する国連職員を保護するための緊急行動を求めた。安全調整官事務所の記録によれば、昨年、世界で、国連職員に対する暴力事件は、略奪、身体的攻撃、レイプなどを含め全部で292件発生した。また1992年以降、180人以上の国連職員の生命が失われている。

2000年12月12日

  • エチオピアとエリトリアはきょう、アルジェで包括的和平合意に署名し、国境をめぐる紛争を正式に終結した。アナン事務総長もこの署名式典に出席し、合意事項の即時実施を求めた。
  • 安保理、ボスニアヘルツェゴビナ情勢に関する公開会合を開催。事務総長特別代表のJacques Kein氏がUNMIBHの活動に関する最新報告を提出し、国連活動の成果および今後の計画について説明した。同代表は、安保理に対し、最近の地域情勢の進展を捉え、バルカンの和平促進を図るよう呼びかけた。
  • 越境組織犯罪防止条約の署名会議が、イタリアのパレルモで開始。アナン事務総長は冒頭演説し、すべての国々に対し、同条約の早急な発効を可能にすべく、速やかに批准するよう促した。
  • ギニアの町Kissidougouで12月10日に起こった襲撃事件について、アナン事務総長は非難声明を発表し、状況を視察し、国連の支援方法を探るべく、シエラレオネ事務総長特別代表Oluyemi Adeniji氏を特使として、ギニアおよびリベリアに派遣する意向を明らかにした。
  • 総会は、国際テロと闘うための包括的条約と核兵器テロ抑止をめざす条約の作成交渉の継続を支持し、アドホック起草委員会を来年2月12日-23日、10月15日-26日に開催することを決定した。
  • アナン事務総長はきょう、ウクライナがチェルノブイリ原発の閉鎖を決定したことを歓迎、この動きが世界の核の安全達成に向けた重要な一歩である、と述べた。
  • ユニセフ、2001年子供白書を発表。誕生後の3年間に乳幼児に対し十分な栄養や愛情を与えることがいかに重要であるかということについて、あまりにも多くの政治・経済指導者が認識を欠いていることから、子どもたちの福祉が非常に損なわれている、と同白書は述べる。
  • 12月10日、グルジアのアブハジアで警邏活動を行っていたUNIMOG軍事監視員2人が拉致された。国連スポークスマンMarie Okabeはきょう、この2人が拉致されながらも、生存が確認されたことを発表した。なおグルジア当局は国連に対し、これら監視員を早急に解放すべく、活動中である旨伝えてきている。
  • アフガニスタンの紛争両当事者であるタリバンと連合前線は日曜日、トルクメニスタンにおいて、事務総長個人代表のプレゼンスの下、1年ぶりに、非公式な会談を行った。この1年以上、両者の会談は全くなかった。
  • 国連イラク石油食糧交換プログラム下のイラク石油輸出が、停止後12日目に突入。一方、イラクはきのう、同プログラム運営のための了解覚書(1996年)の6ヶ月延長に正式に署名した。イラク政府は11月30日、12月の石油価格の合意が成立しないことを理由に石油輸出を停止、その後、安保理制裁監視委は、12月価格表を承認している。
  • シエラレオネの反政府勢力RUFは、国連に対する誓約(先週金曜日)にしたがって、同国のMagburakaとMile91間の道路を開通した。
  • WHOはきょう、中東で続く紛争と暴力がパレスチナ自治地域の脆弱な保健衛生システムに重大な影響を及ぼしている、と警鐘を鳴らした。
  • 月曜日夜、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の平和維持兵1人が、Aidabaleten(ディリの西60キロ)で、民兵と思われる者に襲われ、負傷した。

2000年12月11日

  • 安保理、キプロスに関する非公開協議。協議において、安保理メンバーは、全当事者に対して、キプロス問題の解決を図るため、事務総長が現在払っている努力に協力するよう促した(協議後、議長のラブロフ・ロシア大使が、記者団に対して協議内容を集約し、語った)
  • アナン事務総長、パレルモ(イタリア)入り。事務総長は明日、同地で開かれる越境組織犯罪防止のための高位級政治会議に出席する予定。
  • レバノン南部担当事務総長個人代表Rolf Knutsson氏はきょう、ラフード大統領など、レバノン高官と会談。同氏は会談において、全当事者が撤退ラインを尊重する必要を強調するとともに、国連による全面的支援を約束した。なお、これらの会談は、このたび国連イラク賠償委員会・委員長に任命された同代表の離任挨拶を兼ねて行われた。
  • 先週金曜日、シエラレオネにおいて、UNAMILのOpande司令官とRUF指導者のSesay准将の会談が行われたが、この会談において、Sesay氏は、平和構築支援、国連に対する武器返却、RUF支配地域における国連平和維持兵の即時展開および援助活動家の立ち入り許可を確約した。
  • 日曜日、ヨハネスブルクにおいて、UNEP主催の下、122カ国代表が参加して交渉が行われ、農薬などの残留性有機汚染物質を最小限に抑え、廃止するための条約を完成させた。同条約は2001年5月22日-23日、ストックホルムで開かれる外交会議で正式に署名される予定。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の主任検察官事務所はきょう、昨年東ティモールで起こった人道に対する罪を問い、初の起訴状を発行した。今回、同事務所は、東ティモールのLos Palosで昨年4月21日から9月25日に行われた殺人、拷問、追放、強制移住など、人道に対する罪を犯したとされる11人を起訴したが、このなかには、インドネシア国軍のLt. Sayful Anwar氏も含まれる。なお、同起訴状は、ディリ地区裁判所の重大犯罪特別パネルに提示された。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の警察機構担当報道官はきょう、プリシュティナのUNMIK本部で記者ブリーフィングし、12月10日にプリズレンで起こった殺人事件の犯人が血縁関係者である点を説明し、コソボにおける個人の武器所有の広がりにより、暴力事件が日常茶飯事と化している事態を指摘した。
  • 国連砂漠化防止条約の第4回締約国会議がきょう、ボンで開始。ホルケリ総会議長は会議で冒頭演説し、同条約の実施における協力の重要性を強調した。
  • ILOがきょう発表した報告書“Globalizing Europe”によれば、ヨーロッパ諸国の情報伝達技術(ICT)の分野において、労働者間の技能格差がICT産業の拡大を妨げる重大な要因となる危険性がある。この報告書は、ILOの第6回ヨーロッパ地域会合(明日開幕)で取り上げられる。
  • 12月10日の人権デーを記念し、ロビンソン人権高等弁務官は、来年9月の「人種主義に新関する世界会議」に向けて、情報ニュースレター“Durban 2001 -United against Racism”第1号を発行した。

2000年12月8日

  • 「植民地と人民に独立を付与する宣言」の採択40周年を記念し、総会は、決議を採択し、植民地の完全かつ早急な撤廃に必要な全ての措置を講じる決意を再確認した。また、これに関連して、総会はきょう、2001年から2010年までの10年間を、「植民地主義撤廃のための国際の10年」と宣言した。
  • アナン事務総長は、ギニアにおけるシエラレオネおよびリベリア隣接地域の情勢悪化を注視しているが、きょう、発表した声明において、同国の武装勢力による襲撃の結果、罪のない市民の生命が失われていることに遺憾の意を表明した。
  • 昨日、イラク石油食糧交換プログラムの下、イラク石油売買機構(SOMO)と国連石油監視委メンバーは、12月の石油価格に関する合意を成立させた。今週金曜日、対イラク制裁委員会はこの合意を承認する見込みである。
  • アナン事務総長はきょう、エチオピア訪問を終えた後、エリトリアに入った。事務総長はアディスアベバで記者会見し、エチオピア・エリトリア間の戦争終了を受けて、これから両国の再建および経済社会開発を緊急に開始しなければならないことを強調するとともに、国際社会に対し寛大なる支援を求めた。エリトリアに入った後も、事務総長は同様の呼びかけを繰り返した。
  • アナン事務総長はきょう、安保理に対し、クシュネル・コソボ担当事務総長特別代表の後任として、デンマークの現国防大臣Hans Haekkerup氏を任命する意向を通告した。Haekkerup氏は1月中に就任する予定。
  • 国際刑事裁判所設立準備委員会の委員長、カナダのPhilippe Kirsch大使はきょう、ニューヨークで記者会見し、裁判所設立のための準備作業が現在、順調に進んでいる旨述べた。なお、現在、裁判所規程の署名国数は118、批准国数は24。規程の発効、裁判所の発足には60カ国の批准が必要である。
  • 12月10日は、人権デー。今年は、人権教育の重要性に焦点があてられる。アナン事務総長はそのメッセージにおいて、これまでに人権教育のための実効的な国内戦略をたてた国はほんのわずかに過ぎないことを指摘するとともに、「国連人権教育の10年」になされた約束と、実際に誓約された資源の間に「大きな落差」があることに注意を喚起した。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)のDaniel Opande司令官はきょう、シエラレオネ中部の町Mile-91において、反政府勢力RUFの指導者 Issa Sesay将軍と会談し、アブジャ停戦合意の実施について話し合った。11月10日の停戦合意署名以降、Sesay氏と国連高官の間で行われる会談は今回が初めて。
  • ブルンジ和平プロセスに関与する国連特使、国家および地域機関の代表らがきょう、ニューヨーク国連本部に集まり、同プロセスを進めるために講ずるべき次の手段について話し合った。
  • UNHCRはこのたび、アフガニスタンの戦闘や干ばつを逃れてパキスタンに流出し、New Shamhshatoo仮設避難所に滞在する3万7000人のアフガン難民に対して、2000以上のテントと防水シートを配布した。
  • 国際司法裁判所はきょう、コンゴ民主共和国(DRC)が提訴した係争事件棄却を求めたベルギーの要請を却下した。この問題の発端は、今年4月、ベルギーがDRC外相代行Yerodia Abdoulaye Ndombasi氏の人道法違反を問い、外国犯罪人引き渡しを求める逮捕状をだしたことに遡る。その後、10月に入り、DRCは、この逮捕状は主権侵害であるとし、裁判所に提訴していた。

2000年12月7日

  • アナン事務総長はアフリカ開発フォーラム(エチオピア)で演説し、参加首脳たちに、エイズとの総力を結集した闘いを呼びかけるとともに、「アフリカのエイズ禍との闘いのための国際パートナーシップ」の発足を宣言した。
  • 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)に関する事務総長報告がきょう、発表された。報告において、アナン事務総長は、同ミッションの任期を来年6月15日まで半年間延長するよう勧告した。
  • 国連エリトリア・エチオピア・ミッション(UNMEE)はきょう、エチオピアとエリトリア両国の前線地域を通過する陸上ルート2本を開通した。一つは、エリトリアのAsabとエチオピアのManda間、もう一つはエリトリアのShambikoとエチオピアのShiraro間を結ぶ。
  • UNHCRは、ギニアの南西部の町Gueckedouにおいて、政府軍と反政府勢力の衝突が起こり、UNHCR事務所が損壊したことを報告し、同国において人道的非常事態が起こりつつある、と警告した。
  • WFPは現在、バルカン地域に対する9000万ドルにのぼる緊急援助活動(来年1月から2001年末まで)の開始に向けて用意を整えている。この活動の焦点は、食糧価格の高騰および厳しい経済状況に苦しむセルビア人に置かれる。
  • アナン事務総長は、スウェーデンのRolf Goran Knutsson氏を、国連イラク賠償委員会の事務局長に任命した。同氏は現在、レバノン南部担当事務総長個人代表を務めている。
  • 上記人事を受け、アナン事務総長は、Knutsson氏の後任として、スウェーデンのStaffan di Mistura氏を、レバノン南部担当事務総長個人代表に任命した。
  • 東ティモール支援国会合(12月5-6日)の終了後、UNTAETのデメロ代表は、ドナーたちが東ティモールに対し、独立までの期間およびその後における継続的支援の意向を新たにしたことに謝意を表明した。
  • コソボ合同暫定行政機構・評議会の初会合、開催。UNMIKのクシュネル代表は同評議会に対し、選挙実施後、セルビアのプレセボ峡谷で起こった暴力事件について説明した。
  • 欧州連合(EU)はこのたび、旧ユーゴ国際刑事裁判所に対し、その広報強化や資料の拡充など様々なプログラムに充当する資金として、130万ドルを拠出した。同裁判所は、この拠出を歓迎する意を表明した。
  • 海外直接投資に関して、UNCTADがこのたび発表した暫定推計によれば、世界の海外直接投資は今年、昨年に比べて14%拡大し、1兆1000億円を上回る見込みである。
  • きょうは、国際民間航空デー。今年のテーマは「基準および望ましい慣行の実践‐航空の安全と効率性への鍵」。
  • ロビンソン人権高等弁務官と、チリのHeraldo Munoz外相代行はこのたび、技術協力プログラムの開発と実施に関する合意に署名した。

2000年12月6日

  • 安保理、テロリズムに関する公開会合。ハンス・コレル法務担当事務次長がテロ行為との闘いにおける国連の役割と活動についてブリーフィング、引き続いて集中討議が行われた。その後、安保理は議長声明を発表し、テロ事件の増加に憂慮を示し、すべての形態のテロ行為を非難するとともに、その脅威に対応する用意がある旨表明した。
  • 上記会合に引き続き、安保理は東ティモールについても公開会合を開催。会合の終わりに、安保理は議長声明を発表し、東ティモールおよびインドネシアを訪れた派遣団の勧告に支持を表明するとともに、インドネシア政府に対し、西ティモール残留難民の問題を解決するため、迅速な措置を講じるよう奨励した。
  • アナン事務総長はきょう、アディスアベバにおいて、エチオピアの首相や外相らと会談。アナン事務総長は、エチオピアとエリトリアの和平合意署名式典(12月12日)がアフリカ大陸にとっての希望の兆しであり、平和はもうすぐそこまで来ている旨述べた(首相との会談後、記者団に対して)。
  • 総会は決議を無投票で採択、地雷の被害に苦しむ国々に対して、国連が支援を継続するよう求めた。この他、総会はきょう、行政調整問題諮問委員会および分担金委員会の人事について扱い、両委員会の空席を埋めた。
  • UNRWAのハンセン事務局長は、イスラエル占領下にある領土の社会経済状況の悪化に対処すべく、活動資金の拠出を求める緊急アピールを発した。
  • ギニア南西部の国境地域において反政府勢力による襲撃が再開し、敵対関係の増幅がみられるなか、UNHCRはきょう、同国に流入した約40万人のリベリアおよびシエラレオネ難民の生命に重大な脅威が及ぶことに懸念を表明した。
  • アフガニスタンにおける北部同盟とタリバンの衝突を逃れた避難民が、ロシア軍の警備する国境を越えてタジキスタンに入ることを許されず、国境地域のPyandj川の島や州に数週間とどまっている。UNHCRはこのたび、タジキスタン政府に対し、これら避難民1万人に対し国境を開き、受け入れるよう促した。
  • アフリカ開発フォーラム、アディスアベバで開催中。ユニセフのベラミー事務局長は、フォーラムに参加するアフリカ諸国指導者たちに対し、初等教育を無償化するグローバル・キャンペーンに加わるよう訴えた。
  • 気候変動枠組み条約に関する非公式協議、オタワで開始。UNEPのテプファー事務局長はこの協議開始に歓迎の意を示すとともに、協議のなかに開発途上国を十分に組み入れる必要を強調した。
  • アナン事務総長はこのたび、日本の大島賢三氏を、人道問題担当事務次長兼緊急援助調整官に任命。大島氏は現在、総理府国際平和協力本部の事務局長を勤めている。就任は、1月中旬の予定である。
  • アナン事務総長はこのたび、旧ユーゴおよびルワンダ国際刑事裁判所の拡充策のために必要となる資金を明らかにした。この拡充策は、安保理が11月30日に決定したもので、特定の裁判を必要に応じて担当する非常勤判事27人をプールするというもの。事務総長は、2001年予算として、旧ユーゴ裁判所については1億1770万ドル、ルワンダ裁判所については9570万ドルが必要である、との見積もりをだした。

2000年12月5日

  • イスラエル占領下のパレスチナ領土担当特別調整官(UNSCO)Terje Roed-Larsen氏はこのたび、パレスチナ領土の経済状況に関する報告書を発表。同報告によれば、9月下旬から約2ヶ月間にわたる危機的事態により、パレスチナ経済が被った損失は5億ドル以上にのぼる。
  • コートジボワールの最高裁判所がAlassane Ouattara候補の議会選挙参加資格を剥奪し、その後、同国が騒乱状態に陥っている事態を受け、国連ではこのたび、同国に対する選挙技術支援を中止し、国際監視員の活動調整にあたる意向も撤回する旨決定した。
  • 国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)に関する事務総長報告がきょう、発表された。同報告において、アナン事務総長は同平和維持軍の任期を来年6月15日まで、6ヶ月延長するよう勧告した。
  • 昨日、ボンベイにおいて、医薬品、情報システム、化学製品など、インドの主要産業を牽引するリーダー20人以上が集まり、グローバル・コンパクトに対する全面的な支持を表明した。事務総長が提唱したグローバル・コンパクトは、産業界、労働界に対して、環境、雇用法、人権に関する基準を尊重するよう奨励するもの。
  • 国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)に関する事務総長報告が発表された。報告において、アナン事務総長は、UNMIBHがボスニア・ヘルツェゴビナに平和をもたらすうえで、明確かつ重要な役割を演じ、予定どおり、2002年12月にはその中核的任務を終了するよう提案した。
  • UNHCRによれば、コンゴ民主共和国のカタンガ州における政府軍と反政府勢力の衝突を逃れて、6万人近くの難民がザンビアに流出した。
  • アナン事務総長はきょう、ベナン訪問を終え、エチオピア入り。
  • ブリュッセルにおいて、東ティモール支援国会合(2日間)が開始。
  • 人種主義に関する世界会議(2002年)のアメリカ地域準備会合、チリで開幕。ロビンソン人権高等弁務官はその演説において、地域の政治的・経済的安定、公正な社会の創造を確保すべく、アメリカが人種主義と排外主義克服の課題に向き合わなければならない、と訴えた。
  • ウガンダの病院で、医者1人と看護婦12人がこのたび、エボラ出血熱に感染し、死亡した。これについて、国連スポークスマンはきょう、遺憾の意を表明。
  • FAOとUNEPはこのたび、「家畜の多様性のためのワールド・ウォッチ・リスト(第3版)」を共同刊行。同報告によれば、毎週、世界において、2種類の家畜が消滅しており、また近い将来には、1350種が絶滅するおそれがある。
  • WHOはこのたび、電子情報伝達手段を利用した新しいプロジェクト“Health InterNetwork”を立ち上げた。これにより、開発途上国は、疾病に関する最先端の科学情報を入手することが可能となる。
  • UNHCRはきょう、国連ボランティア(UNV)に対し、今年のナンセン賞を授与する、と発表した。UNVは、世界じゅうの困難な場所において、国連の現地活動に関与するボランティア4500人を擁する組織。
  • UNHCRによれば、セルビアの緊張が緩和するにしたがい、アルバニア人たちが少しずつコソボから戻っている。この3日間で、約600人がBujanovactoとPresevoの市町村落に向かっている。

2000年12月4日

  • 安保理、イラク石油食糧交換プログラムに関して、非公開協議。イラク・プログラム部担当のベノン・セバン事務局長はブリーフィングにおいて、対イラク制裁委員会が現行の活動形態を見直し、人道物資のイラク搬入の迅速化を図るよう促した。また、イラクの援助活動の政治化を回避し、その人道的性格を維持するよう訴えた。
  • アナン事務総長は、「民主主義の刷新および回復・第4回国際会議」(コトヌー、ベナン)で演説し、民主主義とは多数決の支配を意味するばかりでなく、社会のすべてのグループが、人種、肌の色、文化、信条の区別なく、発言権を有し、権利を尊重されていると感じることが肝要である旨指摘した。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)のクシュネル代表はこのたび、新しい規則に署名、コソボにおいて治安を確保すべく、法執行担当官が治安撹乱者の追放を命令し、さらに、この命令に背いた者については処罰することを規定した。
  • エチオピアおよびエリトリアは、UNMEEの移動の自由を促進すべく、両国間を結ぶ2つの陸路を開通した。なお明日、アナン事務総長がエチオピアおよびエリトリアを訪問する予定。
  • 東ティモールにおいて、UNTAET平和維持兵はこのたび、先週金曜日に平和維持兵(オーストラリア人)を銃撃した容疑で捜索していたインドネシア派民兵を発見、その後、この民兵との間で銃撃戦となり、一人の容疑者が死亡し、もう一人は逃亡した。国連兵士に負傷者はでなかった。
  • キプロス担当事務総長特別顧問のアルバロ・デソト氏はきょう、トルコ・ギリシャ両系住民指導者と個別会談を行った。
  • フレシェット副事務総長は、国際開発協会のワシントン支部年次会合で基調演説を行い、グローバリゼーション、武力紛争、エイズ、環境悪化は複合的に開発に影響を及ぼしており、これらに対処するためには、相応の政治的意思が必要である、と述べた。
  • 総会において、国連加盟各国は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の2001年度予算に対し、3850万ドルの拠出を誓約した。また同時に、パレスチナ難民のための緊急アピール(11月8日)に対し、一部諸国から計1840万ドルの拠出誓約があった。
  • 平和維持活動特別委員会はきょう、危険地域における国連要員の安全確保の強化を促すなど、一連の提案を採択し、1ヶ月に及んだ特別会期を終了した。
  • ユニセフは、世界の人道危機地域の子どもたちを救うべく、2億700万ドル(ユニセフ全体予算の4分の1に相当)の拠出を求めるアピールを発信した。
  • 12月3日、国際障害者デー。今年のテーマは、「情報技術は全ての人々のために(Making information technologies work for all) 」。アナン事務総長はそのメッセージにおいて、情報技術が真に万人にとって利用可能なものとならない限り、すべての国、すべての人々のエンパワーメントをもたらす情報の潜在的可能性が顕現することはない旨指摘した。
  • 12月2日、奴隷制度廃止国際デー。アナン事務総長はそのメッセージにおいて、全ての奴隷形態をなくすための連帯行動を求め、国連加盟国に対し、関連の国際条約を批准するよう促した。
  • 12月3日、エチオピアのアディスアベバにおいて、アフリカ開発フォーラム2000会議が開始。会期は7日まで。テーマは、“AIDS - the Greatest Leadership Challenge”。アフリカの指導者や政策立案者、市民社会組織、若者、民間部門代表、開発パートナー代表など、1500人以上が参加する。
  • 「人種主義に関する世界会議」(来年9月、南アフリカ)のためのアメリカ地域準備委員会がきょう、チリのサンティエゴで開始した。会期は7日まで。人種主義の犠牲者、予防措置、賠償、完全平等を達成するための戦略などの問題について話し合う。
  • 総会は、難民や薬物など、社会、人道、文化問題に関する第3委員会の勧告について、一連の決議を採択した。
  • 国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)はきょう、学者、ジャーナリスト、ネット・サーファーのための数多くの情報を盛りこんだ、簡便なホームページを新たに開設した。アドレスは、http://www.odccp.org

2000年12月1日

  • 総会は、中東情勢およびパレスチナ問題に関する討議を終了、これらの議題について、計6件の決議を採択した。
  • きょうは、世界エイズ・デー。アナン事務総長はメッセージを発し、エイズは他の誰かの問題として片付けられるべき問題ではなく、またエイズ感染者・患者に対しては心を大きく開き、私たちの連帯を示さなければならない、と述べた。
  • 世界エイズ・デーのきょう、国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピーター・ピオット事務局長は、努力の持続、事前の措置により、エイズの回避が可能である、と述べた。
  • イラク石油食糧交換プログラム第8期の実施状況に関する事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長はイラク政府に対し、石油売却収益による救済物資の支払いのため、人道物資の契約を迅速に進めるよう訴えた。現在の契約高は、第8期の契約限度額の28%にとどまっている。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)のチームが、シエラレオネ中央部を訪問し、反政府勢力RUF幹部と会談した。同チームは、アブジャ停戦合意の実施について、RUFの最も高いレベルの指導者との直接会談が緊急に必要である旨強調した。アナン事務総長の訪問を前に、同国の情勢は現在、全般的に落ち着いている。
  • コートジボワールの最高裁判所がこのたび、Alassane Ouattara候補の議会選挙(12月10日)への参加資格を剥奪。これを受けて、Rassemblement de R姿ublicains党は、同選挙への不参加を決定した。アナン事務総長は、この事態に失望を表明。
  • 西ティモールにおいて、オーストラリアの平和維持兵ひとりが何者かに銃撃され、負傷した(UNTAET発表)。
  • 国連薬物統制犯罪防止事務所(UNDCCP)、ブラジル訪問中。きょう、アマゾン川流域を通って、同国に入る不法薬物の阻止に取り組むアマゾン軍事司令部を視察した。
  • 国連開発計画(UNDP)のブラウン総裁が、ジンバブエ訪問を終了。訪問目的は、同国の土地改革プログラムの支援。
  • UNDPはこのたび、エストニアでの7年に及ぶ開発援助活動を終了し、年末までに現地事務所を閉鎖する。UNDP現地代表のPatra Lantz氏によれば、同国は、市場経済への移行を短期間で成功させ、特に開発のための情報技術利用において、模範的事例を示した。
  • アイルランド人の移住を象徴した船のブロンズ製彫刻の除幕式がきょう、国連本部で行われた。アイルランドが国連に贈呈したこの彫刻の主題は、「到着(Arrival)」。

2000年11月30日

  • 安保理は決議1329を全会一致で採択し、旧ユーゴ・ルワンダ国際刑事裁判所のそれぞれの所長からの要請に応じ、裁判所規程を改正、その能力を拡大した。具体的には、必要に応じて個別の訴訟を担当する27人の判事をあらたにプールするようにした。これら判事は、自国に待機し、訴訟を担当したときのみ裁判所に出向く。
  • アフガニスタン情勢に関する事務総長報告が発表された。紛争、貧困、干ばつ、人権侵害などに直面する同国の厳しい状況を説明する一方、アナン事務総長は紛争当事者が2日、対話開始に合意したことを指摘し、微かな希望の光を与えるものである、と述べた。
  • アナン事務総長はきょう、シエラレオネ、ベナン、エチオピア、エリトリア歴訪に向けて、ニューヨークを出発する。アフリカ4カ国の後、12月12日には、イタリアのパレルモで開催される越境組織犯罪禁止条約の署名会議に参加し、翌13日にはニューヨークに戻る予定。
  • 安保理、パプアニューギニアに関する非公開協議。協議後、安保理議長は報道声明を発表、安保理メンバーが協議のなかで、同国政府と和平合意当事者の間で現在続く交渉が近い将来、明確な結果を生むよう希望した旨明らかにした。
  • 安保理の対イラク制裁委員会(通称、661委員会)は、国連のイラク石油売却監視担当官が石油買付け業者に対し、12月分の石油価格表が未決定である旨伝えるよう要請した。
  • アナン事務総長が、コートジボワール元外相のアマラ・エシー氏を、中央アフリカ共和国およびコンゴ共和国担当事務総長特使に任命した。任務は、コンゴ民主共和国の紛争が人道・経済・政治・社会・治安の側面で、この近隣2カ国に及ぼす影響の評価。同氏は早速、土曜日に両国を訪れ、12月18日には事務総長に結果を報告する。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)において人道・人権分野を担当するイアン・マーティン事務総長副特別代表が11月23日にエリトリアに入り、職務に就いた。同氏は人権および平和維持活動の分野で豊かな経験を積んでおり、今回の任務の前には、東ティモール住民投票担当事務総長特別代表、および、国連東ティモール・ミッションの代表を務めている。
  • 国連開発計画(UNDP)のブラウン総裁はジンバブエにおいて、同国政府高官と会談し、同国の土地改革のあり方に関して建設的な話し合いを行った。
  • UNDPはきょう、「エイズから自由な世代へ(Towards an AIDS-Free Generation)」と題する報告書を発表。報告書は、ボツワナのエイズ感染率について、それが世界最悪を記録しているものの、包括的な予防・治療・開発努力の下、性行動における社会革命を通じ、蔓延をとめることができる、と述べている。
  • 国連人口基金(UNFPA)は、ドイツ・テレビ界の著名人Alfred Biolek氏を、親善大使に任命した。同氏は、ドイツにおいて、UNFPAの“Face to Face”キャンペーンのスポークスマンを務めることになる。このキャンペーンは、リプロダクティブ・ヘルス・ケアや家族計画サービスに対するアクセスを否定された女性や若者の窮状を伝え、そのアクセス権利やサービスの重要性について、人々の意識向上をめざすもの。

2000年11月29日

  • きょうは、パレスチナ人民連帯国際デー。アナン事務総長はパレスチナ委員会で演説し、事務総長の権限で使えるあらゆる資源と手段を通じて、公正で平和的な解決を探り続ける、と述べた。
  • 安保理はギニアビサウに関して、公開会議を開催。議長は声明を発表し、同国における最近の政治的騒乱が平和の強化努力や、援助国による再建支援を阻害する可能性に憂慮を示した。そして、同国の元軍事政権メンバーに対し、文民体制に従い、政治プロセスから退くよう求めた。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)はこのたび、エチオピアとエリトリア両国を結ぶ初の道路を開通した。UNMEE司令官は、この道路開通が両国の信頼醸成に大きく貢献し、和平プロセスを前進させる、と述べた。
  • 総会は決議を賛成119、棄権1(米国)で採択し、加盟各国に対し、南大西洋平和協力地帯宣言(1986年10月)がうたう目的の促進に向けて協力するよう求めた。
  • アナン事務総長は昨日、イラクのSaeed Hasan大使と会談。来年に入ってから、早い時期に、イラクの安保理決議遵守の問題について、事務総長とイラク間の対話プロセスを開始することに合意した。
  • アナン事務総長の要請を受けて、国連開発計画(UNDP)のブラウン総裁は今週、ジンバブエを訪問し、同国の土地改革プログラムについて、ムガベ大統領や政府の担当者、その他の関係者らと会談する予定。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)のクシュネル代表はこのたび、「アシュカリア/ロマの帰還に関する共同委員会」が設置された旨発表した。アシュカリア/ロマの人々は現在、治安状況の悪さのため、帰還するのを躊躇しており、同委員会では、細心の注意を払って帰還を進めるべく、どの村に住居の建設が可能であり、また治安が確保されているか特定していく。
  • 11月13日、ボスニア・ヘルツェゴビナの町Prijedorにあるナイトクラブ3軒の家宅捜査に加わった6人の国連警察官がこのたび、権限を超えた行動を取ったとして懲戒処分を受け、辞職した。UNMIBHによれば、国連警察官には執行権限がなく、あくまでも現地警察が行動を取るのを後ろから支える任務に徹しなければならない。(13日の家宅捜査においては、売春を強制されていた33人の女性が解放されている。このなかには14歳の少女もいた。)
  • FAOは、パキスタン、スワジランドと3者間協定に署名し、パキスタンの農業専門家および技術者を、農業支援のためスワジランドに派遣することを決めた。

2000年11月28日

  • 国連は2001年度機関間合同アピールを発し、世界の約3500万人に対する人道援助提供のため、ドナーが22億6000万ドルを拠出するよう求めた。
  • アナン事務総長、安保理議長と会談。事務総長は現在、イスラエルおよびパレスチナ双方に対し、中東における国際プレゼンスの展開に合意するよう働きかけているが、その進展状況について議長に説明した。
  • 安保理、東ティモールに関する公開会議。デメロ事務総長特別代表がブリーフィングし、同領土が独立に向けて歩みを進めている状況を説明した。
  • 緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏は安保理に対し、コンゴ民主共和国の人道状況についてブリーフィングした。代行は、同国の状況が、その規模において世界で最悪の人道危機のひとつに数えられるとし、援助活動家が直面している厳しい状況を指摘した。
  • ハイチ国際文民支援団(MICAH)の活動に関する事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長は、ハイチが現在政治的に混乱し、また不安定な状況にあることから、新しい形の支援が必要であると指摘し、MICAHの任務終了を勧告した。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)とWHOはベルリンで、「エイズ最新情報」を発表。報告によれば、2000末現在、世界中のエイズ感染者・患者数は、3610万人。これは、10年前の予想をはるかに上回る人数である。
  • ブルンジ和平合意・実施監視委員会の初会合開催。議長は、大湖地域担当事務総長特別代表Berhanu Dinka氏が務めた。同氏は最近、アナン事務総長から議長に任命された。
  • アナン事務総長はきょう、COP6で合意が成立しなかったことに失望を表明し、温暖化ガス削減のための国際的目標に到達すべく、各国政府が互いの相違点を乗り越えるよう促した。
  • FAOは来年11月、世界食糧サミット(1996年)で設定され目標に向けた進捗状況を再検討するための特別会議を開催する、と発表した。同サミットにおいて、参加諸国は2015年までに世界の飢餓人口(推計8億人)を半分に減らすことを誓約している。
  • ボランティア国際年(2001年)、開始。アナン事務総長は国際年開始式典において、ボランティア精神の根底にあるものは、奉仕と連帯の理念であり、また私たちが協力すれば世界をより良いものに変えられるとの信念である、と述べた。
  • コートジボワールにおいて、12月10日に議会選挙が予定されているが、きょう国連スポークスマンFred Eckhardが発表したところによれば、国連選挙支援部が国際監視員派遣の調整を主導することになる。
  • 国連のイラク石油売却監視委員はこのたび、イラクが提出した12月分の石油価格表は現在の市場価格を正確に反映していないとし、修正したものを提出し直すよう求めた。

2000年11月27日

  • 日曜日、レバノン南部からのイスラエル撤退境界線を侵害する事件が発生。アナン事務総長は声明を発表、全ての当事者に対し、この境界線侵害を停止するよう求めた。
  • アナン事務総長は、ジョージ・ミッチェル米上院議員が率いる中東事実調査委員会のメンバーと会談。同会談後、事務総長は記者団に対し、同委員会が事態沈静化に一役買う可能性があることから、できる限り早急に中東地域を訪問すべきである、と述べた。同委員会は、先月の中東爆破事件の調査のため、シャルムエルシェイク首脳会議合意の下に設置が決まったもの。
  • ロビンソン人権高等弁務官はきょう、このたびの中東訪問に関する報告書を人権委員会と総会に提出。報告書提出後、弁務官は記者団に対し、占領下パレスチナ領土における国際監視プレゼンス設置の可能性を探るため、あらゆる努力を払うべきである、と述べた。
  • アナン事務総長は総会第5委員会で演説し、ブラヒミ報告が国連平和活動向上のために提案した措置の実施に必要となる資金を早急に提供するよう訴えた。
  • 安保理、コソボ・セルビア南部における暴力事件に関して、非公開協議。ロシア連邦の要請で、アナビ平和維持活動担当事務総長補がブリーフィング。一方、プリシュティナにおいて、KFORは、同地域の暴力事件はこの数日間で沈静化してきたものの、引き続き警戒が必要である旨述べた。
  • フレシェット副事務総長は、欧州安保協力機構(OSCE)の第8回閣僚理事会で演説し、危機的事態に対応するためには良質のシステム、戦略、パートナーシップが不可欠である、と述べた。
  • ロシア訪問から戻った緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏はきょう国連本部で記者会見し、チェチェンの国内避難民約16万人に対する援助提供を求めると同時に、援助が祖国への帰還を強制する材料として使われるべきではない、と強調した。
  • 第6回国際刑事裁判所・設立準備委員会、開始。今会期では、裁判所のいくつかの実際的取り決めについて審議する。同裁判所は60カ国の批准により発足するが、現時点では署名国が116カ国、批准国は22カ国である。
  • 人道に対する罪で起訴され、逮捕された元ルワンダ軍幹部のCaptain Innocent Sagahutuがこのたび、アルーシャの勾留施設に移送された。近々、その初公判が予定されている。これで現在、裁判所勾留施設の収容人数は、43人となった。
  • アナン事務総長はきょう、大湖地域特別代表Berhanu Dinka氏を、ブルンジ和平協定実施監視委員会の委員長に任命した。ブルンジ和平プロセス促進者を務めるネルソン・マンデラ氏との協議のもと、この任命は決まった。
  • 土曜日、気候変動枠組み条約の第6回締約国会議が、2週間の集中討議を終了し閉幕。今会議においては、京都議定書実施のための詳細な計画について、合意成立をみることはなかった。プロンク議長(オランダ環境大臣)は失望を表明したが、一方、成功をめざす政治的意思は依然生きているとして、楽観的な展望を示した。

2000年11月24日

  • アナン事務総長は安保理に報告書を提出し、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)の任期を6ヶ月間延長するよう勧告した。
  • 来週月曜日、人権委員会のビュアローは、占領下のパレスチナ領土情勢を調査する委員会設置に関して討議を開始する予定。人権委員会は、この調査委員会の設置を早くから求めていたが、今週水曜日には、経済社会理事会が、賛成21、反対19、棄権11で決議を採択し、その設置への支持を示した。
  • 国際労働機関(ILO)のソマビア事務局長はジュネーブで、パレスチナ自治政府代表団と会談。会談後、ソマビア氏は、パレスチナ領土が失業者の増加により、大きな危機に直面している、と警鐘を鳴らした。
  • 中央アフリカにおいて、労働者の賃金未払いをめぐる政府と労働団体の緊張が高まっている。アナン事務総長は、同国経済が困難な状況に陥っていることを指摘し、全当事者に対して、解決手段に対話を選び、緊張を悪化させるような行為を自制するよう求めた。
  • 木曜日、コソボのイブラヒム・ルゴバ氏のスポークスマンであり、コソボ情報センター長を務めていたXhemajl Mustafa氏がプリシュティナにおいて、何者かによって殺害された。国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の副代表Jock Covey氏は、これについて、コソボの民主化の動きを阻もうとする過激派による卑劣な行為であるとして、強く非難した。
  • きょう、地雷除去サービス部など国連システムの地雷除去活動に関する詳しい情報を盛りこんだ事務総長報告が発表された。同報告は、国連が今後、さらに多くの国や地域から地雷や不発弾の除去支援の要請を受けることになるであろう、と指摘した。
  • UNHCRは、パキスタンによるアフガニスタン国境閉鎖(11月9日)により、アフガニスタン紛争犠牲者の被害が拡大することになると懸念を表明し、同国政府に対して、国境閉鎖について再考し、支援を必要とする人々の同国への入国を許可するよう促した。
  • 木曜日、東ティモール防衛軍の設置に関する国際会議の終了にあたり、ポルトガルとオーストラリアは、同防衛軍に対する初期訓練の提供を主導する旨誓約した。
  • キプロス事務総長顧問のアルバロ・デソト氏はこのたび、11月終わりにギリシャで、12月初めにトルコで、会合を開くことを決めた。これらの会合終了後、12月4‐5日には、キプロスにおいて、クレリデスおよびデンクタシュ両氏と会談する。
  • コートジボワールの議会選挙が12月10日に予定されているが、国連ボランティア計画の選挙監視員たちがこのたび、同選挙の準備支援のため、同国に入った。
  • 下水処理、海洋汚染、都市貧困層の浄化水アクセスなど、衛生関連の問題に関して、“Sanitation Connection”と題したホームページがこのたび、立ち上げられた。WHO、UNEP、世界銀行、水供給衛生協力評議会、国際水協会などが共同で作成した。

2000年11月22日

  • 安保理、アラブ・グループからの緊急要請に応えて、中東情勢に関する公開会議を開催。20カ国近くの代表が討論に参加した。
  • 経済社会理事会は、パレスチナでのイスラエルによる人権侵害状況の調査委員会を緊急設置した人権委決議(10月9日)を支持する旨決定した。この決議は、賛成21、反対19、棄権11で採択された。
  • アナン事務総長は来週月曜日、中東における先月の暴力事件に関する事実調査委メンバーと会談、ブリーフィングを行なう予定。アナン事務総長が本日、国連本部で記者会見し、明らかにした。この調査委員会は、シャルムエルシェイク・サミットで設置が決まったもので、ジョージ・ミッチェル米上院議員が議長を務める。
  • 本日、コソボのプリシュティナにおいて、ユーゴ連邦共和国・連絡委員会代表の自宅が爆弾による襲撃を受け、一人が死亡した。また昨日、セルビア南部において、セルビア警察官が襲われた。安保理は議長声明を発表し、これら襲撃事件を強く非難するとともに、これら事件を調査し、責任を有する者を裁きにかけるよう求めた。
  • 本日コソボで起ったユーゴ政府代表の自宅襲撃事件に対し、UNMIKのクシュネル代表は、憤りを表明した。
  • このたびエチオピア・エリトリア両首脳との会談を終えた事務総長特別代表Legwaila J.Legwaila氏は本日、アスマラで記者団に対し、両者が和平プロセス前進を望むと確約した旨指摘した。
  • アナン事務総長は本日、西アジア経済社会委員会(ESCWA)の新・事務局長として、エジプトのMervat M. Tallawy氏を任命した。5つの地域経済委員会の事務局長に女性が任命されるのは、ヨーロッパ経済委員会(Danuta Hubner氏)に継いで2人目。
  • WHOとユニセフはこのたび、世界の衛生事情に関する報告書モThe Global Water Supply and Sanitation Assessment 2000モを共同作成、発表した。同報告書によれば、世界中で、約24億の人々が、不十分な衛生条件の下で暮らしている。
  • ハビタットはプレスリリースを発表し、来年の「イスタンブール+5特別総会」に向けた一連の地域準備会合がこのたび終了し、同総会への弾みがついた、と指摘した。またその中で、ハビタット事務局長のAnnan Tibaijuka氏は、世界の都市や町において、人間居住の最善の管理方法について、数多くの胸踊る革新的事業が行なわれている、と述べた。
  • リプロダクティブ・ヘルス専門家Audrey Elster氏がこのたび、エイズ対策プロジェクト「アフリカ青年同盟」の長として選出された。このプロジェクトは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が5700万ドルを出資し、ボツワナ、ガーナ、ウガンダ、タンザニアの若者たちのエイズ認識を向上する活動のために立ちあげたもの。この人選は、国連人口基金(UNFPA)と、そのパートナーである保健応用技術プログラム(PATH)、パスファインダー・インターナショナルによって行われた。

2000年11月21日

  • 安保理は議長声明を発表し、エチオピア・エリトリア停戦協定に対する強い支持を表明するとともに、両国相互の不信を消すうえでの信頼情勢の重要な役割を強調し、双方に対し、信頼関係の向上のための一連の手段に合意するよう促した。
  • アナン事務総長は、昨日ガザで発生した暴力事件を最も強い調子で非難、当事者に対し、さらなる暴力の拡大を防ぐよう訴えた。
  • 安保理、ブルンジとギニアビサウに関して非公開協議。その後、安保理は2国の情勢に関して、個別の報道声明を発表した。ブルンジに関しては、同国で引き続く暴力を非難し、和平プロセスの枠外にとどまるすべての武装グループに対して停戦と和平努力への参加を呼びかけた。ギニアビサウに関しては、Mane将軍の行動がさらなる騒乱を招くことがあれば、同人の責任を問うことになると強調し、同国の憲法秩序に基づき、政府との対話を開始するよう訴えた。
  • 安保理において、旧ユーゴおよびルワンダ国際刑事裁判所の検察官および両裁判所所長がそれぞれの裁判所の活動についてブリーフィング。同裁判所検察官および所長による安保理討議参加は、今回が初めて。
  • デイトン和平合意5周年を記念して、高等代表Wolfgang Petritsch氏は声明を発表、同合意が依然として、ボスニア・ヘルツェゴビナのより良い将来のための青写真である旨述べた。
  • 月曜日、総会は第1委員会の勧告にしたがって、核兵器の完全廃絶、小火器・軽兵器の過剰貯蔵、透明性の拡大、国際安全保障の強化をめざす広範な手段に関して、48の決議と一つの決定を採択した。
  • 東ティモールの防衛軍創設を支援するための国際会議が本日、ディリではじまった。オーストラリア、ブラジル、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、ポルトガル、フィリピン、シンガポール、タイ、英国、米国の12カ国が参加。デメロ事務総長特別代表は会議で演説し、防衛軍の創設が東ティモール自治に向けた持続的制度づくりの広範な努力の一環である旨述べた。
  • ノルウェー政府はこのたび、アフリカの女児教育プログラムを支援すべく、ユニセフに対し、2120万ドルの資金拠出を行った。
  • UNEPのテプファー事務局長は、国連気候変動枠組み条約の第6回締約国会議で演説し、世界経済を人間の福祉を脅かすものから、生命の多様性を育むものへと変えるために、参加者が行動するよう訴えた。
  • 国連イラクプログラム部によれば、イラク石油食糧交換プログラムの下、イラクは先週、1720万バレルの石油を輸出し、4億9300万ドルの収入を得た。

2000年11月20日

  • アナン事務総長は本日、ニューヨークで、イスラエルの国連大使およびパレスチナ代表と個別会談し、中東地域における国際プレゼンスの展開について話し合った。
  • 安保理代表団はこのたび、東ティモールおよびインドネシア訪問を終えてニューヨークに戻り、本日、安保理に対して視察結果を報告した。代表団・団長のアンジャバ大使によれば、昨年の騒乱による破壊の程度を考えると、UNTAETの成し遂げた進展は非常に印象的である旨述べた。代表団が提出した報告書には、治安、難民、領土施政、正義および和解などの問題に関する提案が含まれている。
  • 金曜日、アナン事務総長は、ニューヨークの暴力と人間生存センター(ジョン・ジェイ大学)で演説、核紛争の可能性が依然、とても現実的な恐ろしい問題として残っていると警告し、国際社会に対し、この脅威に向き合う中で、自己満足に陥らないよう求めた。
  • アナン事務総長は本日、国際平和アカデミーで演説し、「人道的」という用語を使って軍事活動を形容することに対して警告を発し、これら2つを明確に区別することが全ての人々の利益にかなうものである、と強調した。
  • レバノン南部担当事務総長個人代表Rolf Knutsson氏は本日、レバノン外相と会談し、同国南部の情勢について話し合い、和平構築の土台づくりのために共同で努力する必要について合意した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は本日、北京において、中国政府担当者とともに、人権分野における同国と国連との間の技術協力を規定した合意覚書に署名した。これにより今後、人権分野における国連の中国支援に新たな機会が創出される。
  • 事務総長はこのたび、環境被害を最小限に抑え、小火器・軽兵器を破壊する方法に関するマニュアルづくりの必要性を強調する報告書を作成、提出した。この報告書は、安保理が1999年の閣僚レベル会議で採択した声明を受けて、作成されたもの。
  • きょうは、アフリカ工業化の日。アナン事務総長はそのメッセージにおいて、グローバリゼーションがアフリカを無視して進んでいることは確かであるが、アフリカは遅参者として他者の過ちに学ぶことが可能である、と指摘した。
  • 土曜日朝、ボスニア・ヘルツェゴビナの町、Brckoにおいて、国連車両に仕掛けられた爆弾が炸裂、同車両を損傷させた。死傷者はでなかった。UNMIBHは本日、この襲撃事件を強く非難する声明を発表した。
  • コソボにおいて、先月、地方選挙が実施されたが、その際、投票者があまりにも少なく、投票結果が承認されなかった3つの地方(Leposavic、Zubin Potok、Zvecan)において、このたび、暫定的な議会メンバーの就任式典が行われた。
  • WHOによれば、オランダはこのたび、今後5年間にアフリカ、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカの予防接種プログラムの充実をはかるべく、1億ドルを超える金額を拠出した。この資金は「子どもたちのワクチンのためのグローバル・ファンド」を通じて割り当てられ、開発途上国が数多くの子どもたちをB型肝炎やその他の死にいたる疾病から守るため、ワクチン投与を行うことを可能にする。

2000年11月17日

  • アナン事務総長は本日、安保理に対して、エチオピア・エリトリア情勢に関するブリーフィングを行い、両国における国連活動が予定どおり展開していること、またこの活動が双方の国および国民、アフリカ、平和維持全般に大きな明るい見通しを与えていることを指摘した。
  • 事務総長、安保理に中東情勢に関してブリーフィングし、中東に派遣する可能性のある監視グループの種類や、その活動の性格について調査するよう当事者から要請を受けている旨述べた。
  • アナン事務総長は、コートジボワールの安定の回復をめざし、同国への特使派遣を決定した。スポークスマンによれば、ブラヒミ特使は11月21日から25日までアビジャンを訪問する。
  • 安保理代表団は本日、5日間にわたる東ティモールおよびインドネシア訪問を終了した。
  • UNMIKの警察官30人は本日、KFOR兵士200人の支援を得て、コソボのPolje地域において、ホテル・ヘルツェゴビナ、ブラック・レディー・バー、プレイボーイ・クラブなど、売春、女性の人身売買、組織犯罪への関与が疑われる18箇所の家宅捜査・救出活動を行った。その結果、レイプ、誘拐、売春強制により指名手配されていた7人が逮捕された。また12人のモルドバ人女性が警察に保護された。
  • 世界食糧計画(WFP)は本日、今後3カ月にわたり、約25万人のパレスチナ人を支援するため、390万ドルの拠出を求める緊急アピールを発信した。
  • UNHCRによれば、コンゴ民主共和国における内紛を逃れて、新たな難民が近隣諸国へと流出している。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所は、アフガニスタン・パキスタン国境封鎖が人道状況の悪化を招くおそれに憂慮を示し、すべての近隣諸国に対し、国際人道法に沿って行動するよう求めた。
  • ILO理事会は本日、ミャンマー政府が、強制労働を禁止するILO条約に違反していることに対し、一連の制裁措置を講じることを決定した。ILOが国家に対し、制裁措置を科したのは初めて。
  • ダムに関する世界委員会がこのたび、「ダムと開発:意思決定のための新しい枠組み」と題する報告書を発表した。エンジニア、環境活動家、政府担当者、先住民などのダムに対する様々な意見を集め、420億ドルといわれるダム産業をめぐる議論の収斂をねらったもの。UNEPは本日、この報告書を歓迎する意を表明した。

2000年11月16日

  • 総会、安保理改革に関する討議を開始。
  • 第5回年次世界テレビフォーラムが、国連本部で始まった。アナン事務総長は、世界の視聴覚メディアから参加した人々が、「変化のための使徒、発展のためのパートナー」となり、先進国と開発途上国を隔てるデジタル・デバイドの解消を支援するよう促した。
  • 安保理は公開会議を開催し、コソボでこのたび実施された地方選挙に関して、クシュネル事務総長特別代表からブリーフィングを受けた。同代表は、コソボが自治政府の樹立にいたる重要な進展を遂げたものの、同地の危機はまだ続いている、と述べた。
  • きょうは国際寛容デー。アナン事務総長は、この国際デーに寄せてメッセージを発し、すべての人々が「人類が平和のうちにお互いを受容し、尊重し、共存をはかることを可能にするような積極的な寛容さ」を身につけるよう求めた。
  • 安保理は議長声明を発表し、ソロモン諸島の紛争当事者が先月合意した和平協定に対し、支援を表明した。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の初の平和維持部隊が、展開地域に到着した。これでUNMEE活動の第3期が開始することになる。最終的に同部隊の要員数は4,200人まで増える。なお第3期の主な活動は、6月18日の停戦協定で合意された安全地帯の設置と監視である。
  • 安保理派遣団が本日、ジャカルタにおいて、インドネシア政府高官と会談、東ティモール問題について話し合った。会談後、派遣団団長のアンジャバ・ナミビア大使は、東ティモール情勢の正常化をはかるのは、UNTAETだけの仕事ではなく、すべての関係者の責任である、と述べた。
  • 昨日、総会は越境犯罪条約および議定書を採択したが、きょう、薬物統制犯罪防止事務所のアルラッキ事務局長はニューヨークで記者会見し、来月パレルモで開催される会議には100ヶ国以上が参加するであろう、と述べた。この会議においては、同条約と議定書が署名のために開放されることになっている。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピーター・ピオット事務局長は本日、ロシア連邦におけるHIVの広がりに対処すべく、ドナーたちが、今後3年間に少なくとも2000万ドルを割り当てるよう訴えた。同事務局長は、ロシア政府高官や非政府組織に対して、HIVへの対応を強化するよう促すため、本日、モスクワ入りした。
  • 朝鮮民主主義人民共和国は今年、深刻な干ばつ、台風、劣悪なインフラ、経済問題などの複合的原因により、7年連続の食糧不足に直面している、とFAOとWFPが警鐘を鳴らした。
  • 国連ウェブサイトに、「国連文明間の対話年」に関する新たなページが加わった。アドレスは、http://www.un.org/Dialogue。

2000年11月15日

  • 総会は本日、越境組織犯罪禁止条約および2つの議定書を採択した。議定書は、人身売買の防止、抑止、処罰に関するものと、陸路、海路、空路を使った移民の不法輸送禁止に関するもの。これらの条約および議定書は、12月12日から15日まで、イタリアのパレルモで開催されるハイレベル会議で、署名のために開放される。
  • 安保理は本日、国連平和維持活動を終了させる時期と方法について討議した。15理事国を含めて、30ヶ国以上が討議に参加。この討議は安保理議長を務めるオランダ大使の発案で開催されたもの。議論を促すためオランダが提出したノン・ペーパーは、平和維持活動の出口戦略には、紛争地域の自立的な平和につながるような長期計画がなければならない、と論じた。
  • エチオピア・エリトリア担当事務総長特別代表Legwaila J.Legwaila氏はエチオピア・エリトリア両国がこの5ヶ月間、敵対的行為を控えていることを指摘、残る全ての問題の解決に向けた両者の準備状況について楽観視している旨述べた。
  • 中米に関する事務総長報告(総会宛)が発表された。報告において、事務総長は、中米が「変容を遂げた地域」であると形容し、同地域の民主主義強化のためには、平和建設活動が実効的に完遂されなければならない、と述べた。
  • 安保理派遣団、西ティモールを訪問。アタンブアのハリウェン難民キャンプを訪問した折、団長を務めるアンジャバ・ナミビア大使は、東ティモール難民の安全な帰還を確保する必要性を強調した。
  • WFPは、西アフリカの深刻な人道状況が武力紛争により一層悪化していることに警鐘を鳴らし、ギニア、シエラレオネ、リベリアで窮状にあえぐ数十万の人々の支援のため、6500万ドルの拠出を求めるアピールを発信した。
  • 2000年11月15日―18日、世界最大規模のインターネット調査、モPlanet Project Pollモが実施される。健康、家族、犯罪など、幅広い問題について、人々の考えを調査する。アナン事務総長は、この世界世論調査について、現実世界の情報のために新技術がどのように使われるかを示す力強い事例であるとし、歓迎する意を表した。
  • UNMIKとユーゴスラビア連邦共和国の担当者は本日、プリシュティナで会合を開き、拘留者と行方不明者の問題解決に向けた具体的な措置について話し合った。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所検察官Carla del Ponte氏が現在、ベオグラード訪問を計画中。同裁判所スポークスマンによれば、検察官は昨日、可能であれば12月末までに、ベオグラードの検察官事務所を再開すべく、同市訪問のためのビザを申請した。検察官室がユーゴ当局と公式の接触をとったのは、これがはじめて。ミロシェビッチ政権当時は、同裁判所と同国との間に実質的関係は一切なかった。
  • 国連世界テレビフォーラムが明日、2日間の日程で開始する。テーマは、“TV@Globe//adding values in the digital era” 世界各地から産業界指導者や専門家を招き、デジタル時代においてテレビ業界が直面する課題、特にデジタル・デバイドの解消のために果たす役割について考える。
  • 国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)によれば、セルビア人共和国の町Prijedorにおいて、現地警察がこのたび、ナイトクラブ3軒を家宅捜索し、売春目的でルーマニアやモルドバなどから連れてこられた女性や女児を発見した。

2000年11月14日

  • 本日、ボスニア・ヘルツェゴビナ情勢に関して、総会、安保理でそれぞれ討議が行われた。総会は、同問題に関する広範な決議を採択、一方、安保理は公開会議において平和維持活動担当事務次長から情勢に関するブリーフィングを受けた。
  • 安保理、シエラレオネ情勢に関して非公開協議。協議後、安保理議長は報道声明を発表し、同国政府とRUFの間で先週金曜日に成立した停戦合意を歓迎する旨表明した。
  • アナン事務総長とバラク・イスラエル首相は、それぞれの乗った航空機が燃料補給のために立ち寄ったロンドン・ヒースロー空港で30分程度の会談を行い、中東情勢について話し合った。
  • 安保理、レバノンからのイスラエル撤退境界線(ブルーライン)をめぐる状況に関して、非公開協議。その後、安保理議長は報道声明を発表し、このブルーライン侵害の継続に終止符を打つよう求めた。
  • 安保理は議長声明を発表し、グルジア内紛の当事者が包括的解決を図れずにいる状態に深い懸念を示し、両当事者(特にアブハジア側)に対し、現在の政治的膠着状態を乗り越える努力をするよう促した。
  • 安保理派遣団は本日、2日間にわたる東ティモール訪問を終了。団長のナミビア大使はディリで行った記者会見において、同領土の独立過程におけるUNTAETの監督活動において多大な進展がはかられたことを指摘した。この後、派遣団は空路、西ティモールに向かった。
  • 人権のためのスウェーデン・フォーラム(ストックホルム)において、フレシェット副事務総長は基調演説、参加者たちに対し、国際社会が人権基準を実際に適用するうえで直面する一連の基本的問題に取り組むよう促した。
  • レグワイラ事務総長特別代表(エチオピア・エリトリア担当)は本日、アディスアベバにおいて、エチオピア首相と建設的な会談を行った。
  • UNHCRはこのたび、コンゴ民主共和国の国境沿い遠隔地域への2日間にわたる視察を終了。アンゴラから流入した難民たちと初めて、接触した。
  • イラクから要請されていた、石油食糧交換プログラムの使用通貨のドルからユーロへの変更がこのたび、承認された。
  • 米国女優のスーザン・サランドンさんが本日、ユニセフの特別代表として、インド訪問(4日間)を開始。幼い子供のヘルスケア向上の必要性に関して、人々の意識を高めることをねらう。また、昨日、世界チェス王者Anatoly Karpovさんはユニセフ事務局長との会談において、子供の権利のためのキャンペーン活動に対するコミットメントを再確認した。Karpovさんは最近、ユニセフから中央および東ヨーロッパ担当大使に任命されている。

2000年11月13日

  • 安保理は本日、ブラヒミ報告の勧告に対応し、国連平和活動の向上に向けた広範な措置を承認した(決議1327、全会一致の採択であった)。
  • 「国連文明間の対話年」(2001年)について、総会は無投票で決議を採択し、各国政府が社会の全構成員による貢献を呼びかけるよう求めた。
  • アナン事務総長、日曜日にカタールで開幕したイスラム諸国会議機構(OIC)に出席。事務総長はその演説において、パレスチナ人民が独立国樹立の夢の実現をはかるうえで、OICには果たすべき役割がある、と述べた。
  • 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、“The State of the Worldユs Refugees: Fifty Years of Humanitarian Action”を発行。紛争の根本原因解決、各地域の大量避難民の支援について、一層の取り組みがみられない限り、先進国へと避難する人々は今後も増大していく、と警鐘を鳴らした。
  • 気候変動枠組み条約の第6回締約国会議、ハーグで開始。会期は、11月24日まで。
  • 安保理代表団、東ティモールを訪問。同地での国連活動を視察、治安状況を調査する。
  • 先週金曜日、シエラレオネ政府とRUFが先週金曜日にアブジャ(ナイジェリア)で停戦合意に署名したことを受け、その実施側面について、事務総長特別代表Oluyemi Adeniji氏は本日、双方の担当者たちと協議を開始する意向を示した(ナイジェリアから戻った後、フリータウンで記者たちに語った。
  • 11月10日、ボスニア・ヘルツェゴビナにおいて、国際警察タスクフォース(IPTF)が現地警察施設の抜き打ち検査をしたところ、未承認・未報告の兵器が大量に見つかった。これらの兵器はどれも、軍隊が所有するレベルのものであった。UNMIBHはこれらの武器所有は規則に違反するものであるとし、非難した。
  • アナン事務総長はこのたび、コスタリカ大統領のJose Maria Figueres氏を、国連情報通信技術(ICT)諮問グループの代表に任命した。
  • 故イツハク・ラビン氏の夫人、レア・ラビンさん、死去。アナン事務総長は、哀悼の念を示し、同夫人による中東和平促進のための活動を称えた。
  • 総会の特別政治・非植民地化委員会は本日、情報に関する問題について討議を開始した。法眼健作広報担当事務次長はその演説において、国連が世界の人々との交信能力を向上するため、新技術の力を利用している一方、情報革新へのアクセスを欠く人々のための活動も拡大している、と述べた。
  • WHOは本日、ホームページ・アドレスにおいて、.comや.orgと並んで、拡張子を.healthとしたドメイン名が新たにつくられるよう提案した。ネット利用者に対し、健康問題に関する信頼できる情報への迅速かつ簡便なアクセスを提供することをねらう。

2000年11月10日

  • 安保理は本日、中東情勢に関して、非公開会議を2回、開催。1回目の会議では、アラファト・パレスチナ自治政府議長を、2回目はイスラエルのYehuda Lancry駐国連大使を個別に招き、中東情勢に関する聴取、討議を行った。
  • 緒方貞子氏、安保理において、難民高等弁務官としての最後の演説。この演説のなかで、緒方氏はドナー、人道援助組織、難民受入国の間で、「安全に関するパートナーシップ」を構築し、難民および、現地に派遣される援助要員双方の安全を確保する必要性を強調した。
  • 11月1日からジュネーブで再開されていたキプロス間接交渉が本日、終了した。デソト特別顧問は記者会見において、事務総長が両当事者に対し、1月下旬の再会談を呼びかけた旨明らかにした。
  • シエラレオネ紛争当事者間の対話再開をめざす協議が本日、アブジャで開始した。同協議は、当初昨日開始する予定だったが、RUF代表のアブジャ到着が本日になったことから、1日遅れの開始となった。
  • UNMIKのクシュネル代表は本日、プリシュティナで行った記者会見において、11月8日に同市北部の村で起こったアシュカリ人殺害事件の犯人捜査に全力を尽くす旨述べた。
  • 昨日、インドネシア国軍、UNTAET、IOMの代表者会議がデンパサール(インドネシア)で開催された。この場において、UNHCRは西ティモールの武装解除兵士グループの帰還を支援していくことに合意した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、中東訪問中。昨日は、イスラエルの法務大臣や最高裁長官と会談。本日午前中は、イスラエル政府において、パレスチナ領土との経済貿易関係に責任を有する担当者と会談し、午後はガザに入り、アラファト議長の代理を務めるIntassar Al Wazir氏と会談する予定。
  • パキスタンがこのたび、アフガニスタンとの国境を閉鎖し、難民の受け入れを停止したと伝えられる問題に関して、UNHCRは現在、パキスタンの担当者との協議を継続している(UNHCR発表)。
  • オランダと英国はこのたび、国連人口基金(UNFPA)が開発途上諸国に向けたリプロダクティブ・ヘルス関連の援助能力を向上できるよう、同基金に対し、あわせて7,500万ドルを超える額の拠出を行った。

2000年11月9日

  • 総会は本日、決議を賛成167、反対3(イスラエル、マーシャル諸島、米国)、棄権4(エルサルバドル、ラトビア、モロッコ、ニカラグア)で採択し、米国がキューバに対して科している経済・商業・金融の制裁を終結するよう求めた。米国による対キューバ制裁の終結を求める総会決議は毎年採択されており、今年が9年目となる。
  • コソボにおいて、PoljeからDosevac/Dashevc村に帰還した4人のアシュカリ人がまもなく、殺害された。UNMIKのクシュネル代表は、コソボの民主化に深刻な打撃を与える衝撃的な犯罪である、と述べた。なおアシュカリ人とは、コソボのジプシーたちのうちアルバニア語を話す人々のこと。
  • 安保理、コンゴ民主共和国に関する非公開協議。アナビ平和維持活動担当事務次長補がブリーフィングした。同事務次長補によれば、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)はその展開にあたって、さらなる停戦合意違反の可能性をはじめとする数多くの困難に直面している。
  • ジュネーブにおいて、キプロス間接交渉が継続するなか、アナン事務総長は本日、ヨーロッパおよび米国のキプロス問題担当者と一連の会談を行った。
  • 安保理代表団が本日、東ティモールおよびインドネシアに向けて、ニューヨークを出発した。UNTAETの活動を見るほか、インドネシアが西ティモールにおいて民兵の武装解除をどの程度進めているか視察する。
  • 内部監査担当事務次長Dileep Nair氏は国連本部で記者会見し、内部監査部(OIOS)がその監査活動を通じ、今年6月までの一年間で1700万ドルの経費削減を可能にした、と述べた。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)代表のPatrick Cammaert少将はアスマラで記者会見し、エチオピアとエリトリア双方がUNMEEに対して、とても協力的である旨指摘した。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の判事たちはこのたび、報告書を発表し、安保理に対して、同裁判所の管轄権内の犯罪犠牲者への補償メカニズムを創設するよう求めた。一方、報告書は、裁判所が補償問題を扱うと、迅速かつ公正な審判を下す作業に支障が生じるおそれがあるため、裁判所による補償への関与や、そのための規程修正はすべきではない、としている。
  • 紛争下で家畜を失ったコソボの貧しい農民たちに対し、世界銀行とFAOはこのたび、合同プロジェクトを実施し、家畜2500頭を提供した。

2000年11月8日

  • イスラエルおよびパレスチナ当局からの要請を受け、安保理は今週金曜日、中東危機に関して、両当事者との会議を開催することに合意した。
  • アナン事務総長は本日、キプロス問題解決に向けた包括的アプローチを醸成するため、キプロスのギリシャ、トルコの両系住民指導者Glafcos Clerides氏、Rauf Denktash氏のそれぞれと個別会談を行った。
  • ソマリア人道支援に関する事務総長報告が発表された。同報告によれば、政治的側面においては前向きな動きも見られるものの、ソマリアは依然として、災害に脆く、紛争や自然の脅威に晒されている。
  • 東ティモール人道支援に関する事務総長報告が発表された。迅速かつ寛大な人道支援のもとに、東ティモールは9月の住民投票後の騒乱事件で破壊された状態から復興した、と同報告は述べた。
  • コソボにおいて、刑務所での抗議行動が数日間続いている。国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)によれば、状況は依然として緊張しているものの、セルビアの刑務所に拘留されているコソボ・アルバニア人は無事である。
  • 平和維持活動担当事務次長Jean-Marie Guehenno氏は総会第4委員会で演説し、加盟各国に対して、国連の平和活動への支援を強化するよう促した。
  • ルワンダ軍部の元幹部Tharcisse Muvunyiは本日、ルワンダ国際刑事裁判所に初出廷し、ジェノサイドや人道犯罪など5件の容疑について、自らの無罪を主張した。
  • FAOは本日、アフガニスタンの深刻な食糧事情に関して、特別緊急報告を発表。同報告によれば、干ばつと紛争の継続により、アフガニスタンは深刻な食糧事情に直面しており、今後、国際的な支援が得られない場合、状況はさらに悪化する危険が大きい。

2000年11月7日

  • アナン事務総長は本日、ジュネーブ、バーレーン、カタール公式訪問に向けて、ニューヨークを出発する。カタールにおいては、イスラム諸国会議機構(OIC)の首脳会議の開幕式典に出席し、演説する予定。
  • クリントン米大統領はこのたび、シャルムエルシェイク合意に沿って、中東での一連の事件に関して真相究明を行う事実調査委員会のメンバーを任命した。アナン事務総長は、この任命を暖かく歓迎する意を示した。
  • 国連レバノン暫定軍(UNFIL)がこのたび、航空機やヘリによる度重なるレバノン領空侵犯を報告したことを受け、レバノン南部担当事務総長個人代表Rolf Knutsson氏は、ブルーラインに対する侵犯行為の即時停止を求めた。
  • UNMIKのクシュネル代表は本日、10月28日に実施されたコソボ地方選挙があらゆる規則を順守して行われたものであるとして、その結果を承認した。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の新代表Legwaila Joseph P. Legwaila氏が本日、国連本部において、就任の記者会見を行った。同氏は、エチオピアとエリトリア両国が合意に署名し、それを実施することを決意していることから、国連による同平和活動の成功を信じている旨述べた。
  • 国連イラク食糧交換プログラムの下、11月3日までの一週間で、イラクは石油1480万バレルを輸出し、3億8900万ドルの収入を得た(国連イラク・プログラム部発表)。
  • 世界保健機関(WHO)は本日、ウガンダにおけるエボラ出血熱の感染率が上昇していないことに「勇気づけられる」と述べた。WHOによれば、現在の罹患者数は284人、死者は91人。
  • フレシェット副事務総長は本日、内部監査部(Office of Internal Oversight Services)、合同監査団(Joint Inspection Unit)、会計検査院(Board of Auditors)の代表たちの会合で、国連においてアカウンタビリティー文化を創る努力こそがアナン事務総長の改革プログラムの核心である、と述べた。
  • UNHCRによれば、コンゴ民主共和国南部のバンドゥンドゥに流入するアンゴラ難民に対し、キンシャサから人道物資を運び入れる作業に遅れが生じているが、この遅れは、コンゴ民主共和国において燃料が不足していることに原因がある。

2000年11月6日

  • アナン事務総長はこのたび、ナイジェリアのMartin Luther Agwai少将を、同国のMohammad Garbar少将の後任として、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の副司令官に任命することを決定した。
  • ロビンソン人権高等弁務官が水曜日、中東を訪問する予定。中東における最近の動きを踏まえ、現地の情勢を調査するとともに、当事者に対し、人権と寛容の文化を醸成するよう訴える。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)はこのたび、コソボにおいて問題となっている売春および人身売買との闘いを遂行すべく、特殊警察部隊を設置した。UNMIKのスポークスマンによれば、22人の警察官で構成する同部隊は、すでにプリシュティナで活動を開始、今月末までには、5つの全地域での活動もはじまる予定。
  • 先週土曜日の夜、国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の新司令官、Patrick Cammaert少将がアシュマラ入り。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピーター・ピオット事務局長は本日、ラテンアメリカおよびカリブ地域エイズフォーラム2000(リオデジャネイロ)で行った演説において、エイズの治療が一部の人々や国々の特権のようになってはならない旨強く訴えた。
  • ホルケリ総会議長は、NGO会議(CONGO)の総会で演説し、国連と市民社会組織のパートナーシップ強化の必要性を訴えた。総会議長が同総会で演説するのは初めてのこと。CONGOの発足は1948年。その正式名称は、国連経済社会理事会との協議関係を有する非政府機関の会議(Conference of Non-Governmental Organizations in Consultative Relationship with the UN Economic and Social Council)。CONGOは共通の関心を有し、国連の原則および活動に関連した研究・計画・支援・行動をする組織に対し、フォーラムを提供する。その総会は3年ごとに開催される。開催場所はオーストリア、時期は11月の最初の週。今年のテーマは、「21世紀における国連とNGOの力学:社会正義、平等、平和のために手を携えて」
  • エルバラデイIAEA事務局長は総会で演説し、朝鮮半島をめぐる最近の前向きな動きにより、北朝鮮が核問題に関し、IAEAと協力する方向に向かうことを期待する旨述べた。
  • 今年末に退任する緒方貞子難民高等弁務官は総会第3委員会で最後の演説を行い、UNHCRの緊急対応能力を強化し、難民および援助活動家の安全を守る必要を強調した。
  • 国連貿易開発会議(UNCTAD)のリキュペロ事務局長は本日、イエメンを訪問。同国に滞在中、地域の後発開発途上諸国の将来見通しに関して、同国高官らとの一連の会談を行う。
  • 国連環境計画(UNEP)はこのたび、スウェーデンの専門家と協力し、世界の水資源に関するホームページを開設した。アドレスは、http://www.giwa.net。
  • スーダン政府とスーダン人民解放運動はこのたび、スーダンの被災者に対する救援物資提供に関して、その安全な輸送を確保すべく、ケニアのLikichoggioとスーダン南部のKapoetaをつなぐ回廊をつくることに合意した。

2000年11月3日

  • 安保理、アフガニスタン情勢に関して、非公開協議。ベンドレル事務総長個人代表(アフガニスタン担当)がブリーフィングにおいて、アフガニスタンの紛争当事者が長期化する内紛の早期収束のため、国連主宰の下、対話プロセスを開始することに書面で合意した旨を明らかにした。
  • 安保理は議長声明を発表し、シエラレオネ視察派遣団による勧告を歓迎する意を表明。特に、国連が中心となって、シエラレオネにおける全体的な戦略を調整するメカニズムを確立するよう求める提案に対し、支持を表明した。
  • 総会は本日、決議を全会一致で採択し、来年6月25日-27日にHIV/エイズに関する特別総会を開催することを決定した。
  • 国内避難民に関する特別調整官を務めるデニス・マクナマラ氏はこのたびエチオピア・エリトリア両国訪問から戻り、国連本部で記者会見した。同氏によれば、国連はエチオピア、エリトリア双方に対して、国境地帯の避難民への人道援助アクセスを可能にするよう求めている。
  • インドネシア政府はこのたび、昨年の東ティモールにおける重大な犯罪事件の調査に関して、インドネシアにいる39人の目撃者の聴取など、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)が行った数々の要請に応じることに合意した。
  • 国連環境計画(UNEP)の専門家チームは、月曜日から2週間、コソボを訪問し、昨年の紛争で使用された劣化ウラン弾による健康・環境リスクに関する調査を実施する。
  • 12月11日のスーダン議会選挙を前に、国連は現在、スーダンへのニーズ評価ミッショ派遣を計画中。スーダン政府から国際的な選挙監視団の派遣要請があったことを受け、国連選挙支援部が派遣する。
  • UNHCRはこのたび、財政事情の逼迫化により8月下旬以来、停止していたエチオピア東部からソマリア北西部への難民輸送を再開。この3日間で、3000人のソマリア人を輸送した。
  • UNHCRは本日、今年のナンセン賞をAbune Paulos氏(エチオピア)、Lao Mong Hay氏(カンボジア)、Jelena Silajdzic(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、Miguel Angel(アルゼンチン)に授与する、と発表した。これら4人はいずれも、国外逃亡者として、難民問題の解決に貢献した。同賞授与は1955年から始められたもの。その名前は、初の国際連盟・難民高等弁務官を務め、1922年にノーベル平和賞を受賞したFridtjof Nansen氏に因んでつけられた。

2000年11月2日

  • 本日、エルサレムで爆破襲撃事件が発生。これを受け、アナン事務総長は声明を発表し、テロ行為を厳しく非難するとともに、平和の敵たちが交渉解決の模索を阻んではならない、と強調した。
  • 総会第1委員会(軍縮および国際安全保障担当)が昨日、4週間半の会期を終了した。ダナパラ軍縮担当事務次長は本日、ニューヨーク国連本部で記者会見、同委員会の今会期の活動について概括した。今年、NPT再検討会議で最終文書の採択に成功し、交渉環境の改善がはかられたことから、委員会に上程された決議に対して、昨年よりも広範な支持がみられた、と同次長は指摘した。
  • 国連監視員100人が、エリトリア・エチオピア両国への駐屯を完了。これで、国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の展開は第2段階を終えたことになる。今後数週間のうちに、現地調査団が両国に入り、約4,200人の軍事要員展開となる最終段階に備える。
  • 本日、「21世紀に入って:法の支配に向けて」と題する会議(2日間)がモスクワで、開始した。モスクワの国連広報センターとロシア国際法協会の共催。ハンス・コレル法務担当事務次長は同会議で演説し、国際法に関する強固な知識は過去の過ちを繰り返さないための最大の防御であるとともに、また法の支配に基くより良い世界への最良のかけ橋でもある、と述べた。
  • ウガンダ北部のグル地区において、エボラ出血熱の感染者発生が報告されているが、WHOが本日、発表したところによれば、このたび、ウガンダ南西部のンバララ地区においても、同出血熱の罹患者が発生した。グル地区以外で、感染が報告されたのは初めて。
  • 国際労働機関(ILO)の理事会、ジュネーブで、今年の第3(最終)会期を開始。ミャンマーにおける強制労働、結社の自由が経済社会開発に及ぼす影響など、広範な問題にについて審議が行われる。
  • 国連環境計画は、NGOの自然財団(Wild Foundation)に加わり、Animal Planet、Jaguar Cars、American Electric Power、Home Depotの4つの企業に2000年自然賞を授与した。これらの企業が、企業広告を通じて、自然に関する肯定的なメッセージを発信した功績を評価した。

2000年11月1日

  • 総会は本日、満場一致で決議を採択し、ユーゴスラビア連邦共和国の国連加盟を承認した。
  • アナン事務総長はこのたび、報告書を発表し、平和・開発と民主化の必要の連関を説き、国連による民主制度確立支援への支持を呼びかけた。同報告書は、12月4日-6日にコトヌー(ベナン)で開催される「民主主義の刷新および回復に関する第4回国際会議(the Fourth International Conference on New or Restored Democracies)」に備えて、作成されたもの。
  • 国連レバノン暫定郡(UNIFIL)に関する事務総長報告が本日、発表された。同報告において、アナン事務総長は、イスラエル撤退領土に対するレバノンによる役務回復努力に実質的な成果がみられることを指摘。そのうえで、レバノン政府が同地域全体を実効支配し、撤退ラインでの挑発行為の継続に終止符を打つなど、全面的な責任を担うことが必要である、と強調した。
  • 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のハンセン事務局長は本日、ニューヨーク国連本部で記者会見を行い、占領地域における最近の相次ぐ暴力事件により、パレスチナ経済に深刻な損害がもたらされたと述べ、援助国の緊急支援増大を促した。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に関する事務総長報告が本日、発表された。同報告において、アナン事務総長は、ヨルダンおよびインド両部隊撤収によって、シエラレオネにおける和平努力に支障が生じるおそれがあるとし、各国に対して、同活動に兵力を提供するよう促した。
  • フレシェット副事務総長は今朝、総会第5委員会に対して、国連の人的資源管理の向上をめざす事務総長の一連の提案を盛りこんだ何件かの報告書を提出した。副事務総長は同委員会で行った演説において、説明責任こそ中心的課題であると述べた。
  • 国連の開発活動拠出誓約年次会議が今朝、ニューヨーク国連本部で開かれ、バングラデシュ、ミャンマー、アルジェリアなど21カ国が開発活動のための拠出誓約を行った。また、午後には、WFPのための拠出誓約会議も開かれ、イエメン、オマーン、アンゴラなど6ヶ国が100万ドル以上の拠出を誓約した。
  • ユーゴのコシュトニツァ新大統領の指令により、コソボのアルバニア人活動家Flora Brovina博士がこのたび、セルビア刑務所から釈放された。このニュースに対し、UNMIKのクシュネル代表は歓迎の意を表明した。
  • キプロス間接交渉が本日、ジュネーブで再開。交渉開始の前、デソト事務総長特別顧問は記者会見し、今回の交渉から目を引く成果が生まれることを期待しないよう促した。
  • 国連開発計画(UNDP)と国際選挙システム財団(IFES)は本日、世界の民主制度の構築を増進すべく、今後、選挙・政治プロセス、民主的ガバナンス、法の支配に焦点を当てた国家的、地域的および地球的プログラムの強化に関する新事業を共同で行っていく旨発表した。
  • 国連環境計画(UNEP)は、フランスの科学者Michel Batisse博士に今年の笹川環境賞を授与する、と発表した。
  • 月曜日、気候変動枠組み条約担当事務局長Michael Zammit Cutajar氏は国連本部で記者会見し、京都議定書の批准に道を敷くためにも、今月ハーグで開催される交渉を成功させなければならない、と訴えた。

2000年10月31日

  • 安保理は決議1326を全会一致で採択し、総会に対して、ユーゴスラビア連邦共和国の国連加盟を勧告した。これに伴い、安保理議長のMartin Andjaba大使(ナミビア)は声明を発表、同国に祝福の言葉を送った。
  • 安保理は決議1325を全会一致で採択し、紛争予防、平和促進、紛争後の再建支援における女性の役割を高めるための様々な措置を提案した。
  • このたび、アフリカにおいて、初の自由貿易地域として、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)が自由貿易地域となったことについて、アナン事務総長は、アフリカ地域の統合における分水嶺となるものであるとして、歓迎の意を示した。
  • 中東における相次ぐ衝突事件の発生を受け、アナン事務総長は当事者に対して、エジプト・シャルムエルシェイク首脳会談での合意を尊重するよう促した。
  • コソボでこのたび行われた地方選の投票率は約80%、そのうち90%の開票が済んだ。これまでの集計では、コソボ民主連盟(LDK)の勝利がほぼ確実。
  • 昨日、コンゴ民主共和国において、反政府勢力「コンゴ解放運動」の兵士が国連ヘリを銃撃。反政府勢力指導者Jean-Pierre Bemba氏は、兵士の過失であるとし、謝罪の念を表明した。
  • UNHCRによれば、西ティモールに滞在していた難民121人が昨日、東ティモールの飛び地Oecussiに自発的に帰還した。わずか1日でこれだけ多数の難民が帰還したのは、今年7月以来、初めて。
  • 世界食糧計画(WFP)は本日、干ばつに襲われたウガンダにおける救済活動を拡大する旨明らかにし、援助国に対し、同活動の遂行に必要な資金として、710万ドルを拠出するよう促した。
  • アナン事務総長は安保理への通告において、ケニアのDaniel Opande中将を国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の司令官に任命する意向を示した。
  • イラク政府がこのたび、イラク石油食糧交換プログラム下の石油売却で使用する通貨をドルからユーロに変更するよう求めたことについて、安保理の対イラク制裁監視委員会は昨日、会合を開き、この要請に反対しない旨決めた。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピーター・ピオット事務局長は「健康の発展に関するアフリカ・セミナー」(東京、日本政府主催)で演説し、開発途上国間のパートナーシップ、いわゆる南南協力がHIV/エイズの蔓延防止に不可欠である旨述べた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所によれば、ボスニア・セルビア人の戦争犯罪者Dusko Tadicがドイツに到着、同国において、20年の禁固刑に服する。裁判所とドイツ政府が今月はじめ、暫定協定を結び、Tadicの同国監獄への収容を可能とした。
  • 国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)によれば、Ilidzaの地方警察およびサラエボ内務省は、ナイトクラブモKenta Barモに強制的に立ち入り、不法な人身売買の証拠を発見した。国際警察タスクフォース(IPTF)が人身売買の犠牲者と思われる17人の聴き取り調査をしたところ、12人の女性が意思に反して拘束されたと訴え、東欧諸国への帰国支援を求めた。
  • ポルトガル語版国連ホームページがこのたび、立ち上げられた。このホームページは、リスボンの国連広報センターが開設したもので、アドレスは、http://www.onuportugal.pt。

2000年10月30日

  • アナン事務総長は本日、10月28日のコソボ地方選が、同領土の民主的発展の分水嶺となったと述べるとともに、投票が平和的に実施されたことに喜びを表明した。
  • 安保理は決議1324を全会一致で採択し、モロッコ政府とポリサリオ戦線が西サハラをめぐる双方の立場の違いの解決に向けて話し合う時間を確保すべく、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を4ヶ月間延長した。
  • アナン事務総長はこのたび、国連平和活動に関する専門家パネルによる提案を実現するのに必要な財政的資源について、報告書を提出、概観を示した。
  • 今朝、マドリッドにおいて、スペイン最高裁判事Jose Francisco Querol Lombardo氏とその運転手および護衛が襲撃を受け、殺害された。アナン事務総長はこの殺害事件に対して、衝撃と憤慨の意を示した。
  • このたび、コートジボワールにおいて、選挙後の騒乱による死亡者50人以上の遺体が集団埋葬された場所が発見された。アナン事務総長は、この発見に衝撃を受けた旨述べた。
  • 安保理が今年4月に設置したアンゴラ制裁監視メカニズムは本日、最新の報告書を発表。国際社会は、対UNITA制裁を実施するとの意向を示しているが、UNITAの軍事能力を削ぐためには、まだ非常に多くのことが行われなければならないと指摘した。
  • 国連グルジア監視団(UNOMIG)に関する事務総長報告が本日、発表された。報告において、事務総長は、アブハジア情勢に進展がみられないことについて深い遺憾の意を示すとともに、グルジア紛争の両当事者(特に、アブハジア側)に対して、現在の膠着状態の克服に努めるよう訴えた。
  • 経済社会理事会は本日、初めて、「新千年紀における飢餓の撲滅」という問題をテーマに会合を開き、集中審議した。この会合は、食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、世界食糧計画(WFP)との協力の下に開催された。
  • アナン事務総長は本日、ノルウェーのThorvald Stoltenberg氏を、イラクの人道状況を調査・分析する独立専門家グループ議長に任命した。同氏は1989‐1990年、国連難民高等弁務官を務めた。
  • 行政調整委員会において、ミレニアムサミット宣言の実施に関し、各専門機関、基金・計画の長による活発な議論が行われた。
  • アナン事務総長と安保理で交わされた書簡で確認されたところによれば、国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の司令官に、オランダのP.C.Cammaert准将が任命された。この任命は、11月1日に発効する。
  • WHOによれば、国際的な専門家で構成する独立パネルが本日、西太平洋地域におけるポリオの根絶を宣言した。この宣言は、本日、京都(日本)で行われたポリオに関する会議で発表された。
  • 国連は本日、初の小説“Marie - In the Shadow of the Lion”を発行した。世界の若者に対し、武力紛争下に置かれた若い人々の苦しみについて教え、その心に人道原則の促進への願いを養うことをねらう。12歳から15歳を対象にした同小説は、ニューヨークの国連書店で販売するほか、近いうちに、Amazon.comでの入手が可能となる。

2000年10月27日

  • コソボの地方選実施を明日に控え、アナン事務総長は、コソボの人々および政治指導者に対し、平和と寛容の精神で行動するよう促した。
  • 行政調整委員会が本日、ニューヨーク国連本部で開始。20以上の国連専門機関の長が一堂に会し、グローバリゼーションの影響、開発金融、後発開発途上国の特別なニーズなどについて検討する。
  • アナン事務総長は、スリランカの社会復帰施設に収容されていたタミル人のグループが殺害された事件について深い遺憾の意を示し、この事件の調査を求めるとともに、テロ行為を強い調子で非難した。
  • WFPは本日、アフガニスタンにおいて、この数十年で最悪の干ばつが続いているが、これに対処するための緊急援助活動に必要な資源が入手できない場合、今後数ヶ月間で数十万の人々が飢餓に直面するであろう、と警告を発した。
  • キプロス担当事務総長特別顧問のアルバロ・デソト氏は、次回間接交渉の準備のためのGlafcos Clerides、Rauf Denktash両氏らとの一連の会談を終了した。
  • 2万2,000人以上の国連職員がこのたび、紛争下および紛争後の状況における国連職員の安全の問題について、安保理との協議を求める嘆願書に署名、総会議長に提出した。同嘆願書は近いうちに、事務総長に送付される。国連史上において、国連職員が安保理討議の場への出席を願いでたのは、今回が初めて。
  • ギニア政府はこのたび、シエラレオネの国境近くの不安定な地帯のキャンプに滞在する難民12万5,000人の移動を申し出た。UNHCRは現在、この提案について検討中である。この地帯において、最近、UNHCR職員が襲撃され、殺害された。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)はこのたび、国民計画開発庁を設置した。UNTAETが東ティモールを去った後、再建活動のための有効な組織が存在する必要を考えた措置。
  • 国連イラク賠償委員会はこのたび、イラクのクウェート侵攻に伴い発生した損害について、38カ国政府および1つの国際機関に対し、12億ドルの賠償金を用意した。これにより、これまでに賠償委員会による支払い総額は、約94億となる。
  • 国連環境計画(UNEP)および世界気象機関(WMO)はこのたび、国連大学、国際防災戦略事務局などと協力し、エルニーニョ現象に関する研究報告を発行した。タイトルは、“Lessons from the 1997-1998 El Nino: Once Burned, Twice Shy?”。同報告は、エルニーニョに備えてしかるべき対策が講じられない場合、同現象は引き続き、数千人の犠牲者をだし、数十億ドルの経済損失を生むであろう、と警鐘を鳴らした。
  • このたび、UNEPの支援の下に、「酸性堆積監視ネットワーク(Acid Deposition Monitoring Network)」が設置され、東アジアの森林や建物の保護の強化に一役買うこととなった。昨日、新潟(日本)で昨日開かれた政府官会合において、同ネットワークの設置が決まった。このネットワークに加わるのは、中国、インドネシア、日本、マレーシア、モンゴル、フィリピン、韓国、ロシア、タイ、ベトナムの10カ国。
  • アナン事務総長夫人のナーネ・アナンさんがこのたび、子供向けに国連およびその人道活動を紹介した本“The United Nations: Come Along with Me!”を出版。本日、ニューヨーク国連本部の書店で、出版記念のサイン会を行った。

2000年10月26日

  • アナン事務総長は、コートジボワールにおける最近の動きに深刻な憂慮を表明、両当事者の自制を求めるとともに、同国の政治勢力に対し、民主的政治プロセスに向けた努力を促した。
  • 総会は本日、国際司法裁判所の年次報告を取り上げ、検討した。裁判所のジルベール・ギョーム所長は演説において、提訴件数の増大を指摘し、総会が裁判所の予算を増やすよう強く訴えた。
  • 西サハラ情勢に関する事務総長の最新報告がこのたび発表された。同報告によれば、本対象期間中、西サハラに関する国連和平解決案の実施について、いかなる進展もみられていない。
  • 安保理はこのたび、来月9日-18日、7カ国構成の派遣団を東ティモールに送りこみ、国連活動の状況や、インドネシアによる西ティモールの民兵武装解除の状況を視察する、と発表した。ナミビアのMartin Andjaba大使が団長として、アルゼンチン、マレーシア、チュニジア、ウクライナ、英国、米国の6カ国の代表を率いる。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ和平協定実施のための高等代表Wolfgang Petritsch氏は、安保理に対するブリーフィングにおいて、ボスニア・ヘルツェゴビナが民族主義的政治を捨て、他のバルカン地域における歓迎すべき変化に歩調を合わせることが必要である、と述べた。
  • 総会は本日、緒方貞子氏の後任として、次期難民高等弁務官にオランダのルベルス前首相を選出した。昨日のアナン事務総長の推薦を受けて、無投票で可決された。
  • アナン事務総長はこのたび、総会に対して、グアテマラに関する最新報告を提出、同国の和平プロセスが進行中であることから、事態の正常化を継続して支援するため、国連グアテマラ検証団(MINUGUA)の任期を2001年末まで延長するよう勧告した。
  • UNHCRは、ユーゴスラビア連邦共和国における約70万人の難民・避難民が今、国際緊急援助を受けなければ、非常に苛酷な冬に直面することになると述べ、これらの人々の食糧以外のニーズを満たすべく、2,000万ドルの追加資金を求めるアピールを発した。
  • 安保理は水曜日夜、非公開協議を行った。協議後、議長は報道記者たちに対し、安保理メンバーたちがブルンジにおける暴力の継続に遺憾の意を表明し、同国の紛争解決における武力の行使を非難した、と述べた。
  • 安保理議長は、水曜日夜の非公開協議の後、報道声明を発表し、ソマリアの暫定政府が国民和解を促進すべく努力していることを歓迎した。

2000年10月25日

  • アナン事務総長は、緒方貞子氏の後任として、次期・国連難民高等弁務官に、オランダのルベルス前首相を推薦した。
  • 安保理、女性と武力紛争の問題に関して、2日間にわたる討議を終了。安保理が同問題に関して公開討議を行うのは初めて。
  • アナン事務総長は、ナフィス・サディク氏の後任として、国連人口基金(UNFPA)の次期事務局長に、Thoraya Ahmed Obaid氏(サウジアラビア)を任命した。
  • アナン事務総長は本日、ヨルダンが国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)から自国部隊を撤収する意向であることを明らかにした。
  • UNTAETによれば、昨夜、東ティモールにおいて、民兵3人がニュージーランド部隊のパトロール地域(スアイの北東7キロ)に近づき、両者の銃撃戦が発生、民兵一人が死亡した。
  • アナン事務総長は本日、コートジボワールのゲイ大統領の無謀さに驚きを表明し、また、同国における動きとセルビアにおける最近の政変はどちらも、人々が諸権利にめざめ、主張を始めていることの表れである、と述べた。
  • 国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)によれば、31の国際金融センターがこれまでに、国連のマネーローンダリング・グローバル・プログラム会合(今年3月、カイマン諸島)で参加各国・領土が発表したコミュニケに積極的に対応している。同コミュニケは、国際的に受け入れられた基準の採用への地球的で、差別のないアプローチを求めたもので、アンギラ、アンチグア・バーブーダなど31カ国がこれまでに公式な誓約を行い、これら基準を採用している。
  • WHOによれば、HIVの母子感染防止を狙った薬物療法はこれまでのところ、限定的な環境においてのみ使用されているが、世界各国の専門家たちは、今月ジュネーブで行われた技術協議で、これが一般的なものとなるべきである旨決定した。
  • WHOによれば、ウガンダのエボラ出血熱、サウジアラビアのリフトバレー熱によって死亡した人々が増えつづけている。ウガンダ保健省によれば、これまでに、ウガンダのグル地区でエボラ出血熱に罹患した人々は、176人で、このうち64人が死亡した。サウジアラビア保健省によれば、リフトバレー熱の利感謝はこれまでに443人、85人が死亡した。

2000年10月23日

  • 約50人の平和メッセンジャーおよび親善大使が本日、初めて国連本部に一堂に会した。“The United Nations and Celebrity Advocacy in an Age of Cynicism”と題する公開フォーラム(司会:CNNのリズ・カーン氏)が開催され、グローバルな問題に対する注意の喚起、および国連活動の促進において、著名人がもつ影響力に焦点を当てた議論が行われた。
  • 本日、国連平和活動に関する専門家パネルが今年半ば行った提案をフォローアップする事務総長報告が発表された。同報告においては、パネルの提案をもとに詳細な行動計画が提示された。アナン事務総長は、国連が平和活動の業績を向上すべく様々な措置を講じているが、活動を適正に行っていくためには十分な資源が必要である、と指摘した。
  • 緊急特別総会は金曜日夜、決議を賛成92、反対6、棄権46で採択、占領下にあるパレスチナ領土におけるこのたびの暴力の発生を非難し、武力行使の終結を要求するとともに、全当事者がエジプト・シャルムエルシェイクで得られた合意を実施するよう促した。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)は、第2陣の軍事監視員をエチオピア・エリトリア国境地帯の前線地点に派遣した。UNMEEによれば、これで、展開計画3段階のうちの第2段階まで完了した。
  • 東ティモール独立派指導者のシャナナ・グスマン氏が本日、東ティモール国民評議会(East Timor National Council)の初会合で、議長に選出された。同評議会の前身は国民協議会(National Consultative Council)であるが、その最終会合は10月20日に行われた。
  • デソト事務総長特別顧問はキプロスにおいて、Glafcos Glerides、Rauf Denktash両氏らと一連の会談を行った。最近の行われた間接交渉のフォローアップと、次回交渉(11月1日から、ジュネーブ)の準備のため。
  • 国連食糧農業機関(FAO)は本日、“Solar Photovoltaics for Sustainable Agriculture and Rural Development”と題する報告書を発表し、開発途上国の農村地域における太陽エネルギーの使用を促した。
  • ニューヨーク国連本部で本日、軍縮展が始まった。軍縮を歴史的に考察するとともに、原爆使用、その後の核兵器競争、そして冷戦後に台頭する諸問題の検証を試みる。

2000年10月20日

  • 中東情勢に関する緊急特別総会において、アナン事務総長は演説し、同総会が中東危機への対応をはかるうえで真の違いをもたらすことができる、と述べた。
  • アナン事務総長、安保理非公開協議において、このたびの中東訪問に関するブリーフィングを行った。そのなかで、事務総長は、両当事者がシャルムエルシェイクでの合意を誠実に実施する必要性を強調した。
  • 人権委員会は昨夜、決議を賛成19、反対16、棄権17で採択、イスラエルがパレスチナ人に対し、重大かつ大規模な侵害侵害を犯していることを非難し、将来に向けて同様な事件の発生を防ぐことを目的として、情報収集のための人権調査委員会を設置することを決めた。なお同決議の賛成国は、バングラデシュ、ブータン、中国、キューバ、インド、インドネシア、マダガスカル、モーリシャス、モロッコ、ニジェール、パキスタン、フィリピン、カタール、セネガル、スリランカ、スーダン、スワジランド、チュニジア、ベネズエラ。反対国は、カナダ、チェコ共和国、フランス、ドイツ、グアテマラ、イタリア、日本、ラトビア、ルクセンブルク、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、英国、米国。棄権国は、アルゼンチン、ボツワナ、ブラジル、ブルンジ、チリ、コロンビア、コンゴ、エクアドル、エルサルバドル、メキシコ、ネパール、ナイジェリア、ペルー、韓国、ロシア連邦、ルワンダ、ザンビア。
  • コンゴ民主共和国(DRC)の人権状況に関して、特別報告者Robert Garreton氏が作成した報告書が発表された。同報告によれば、同国において、拷問や政治犯勾留、そして表現の自由が無いなどの広範な人権侵害状況がみられる。特別報告者は、国内紛争の全当事者による人権軽視の姿勢を非難するとともに、いずれの当事者もルサカ停戦協定を完全に尊重していないことを指摘した。
  • WHOは本日、エボラ出血熱への対応をはかるウガンダ政府を支援すべく、国際社会に対して、84万8,000ドルの拠出を求めるアピールを発した。現在、同出血熱の罹患者は、126人、死者は47人に上る。
  • 東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のデメロ代表は本日、将来の東ティモール議会の先駆けとなる、新設の国民評議会の人事を発表した。同評議会は、10月23日に発足する。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は本日、スーダンおよびケニアへの4日間にわたる訪問を開始、両国においてポリオ・ワクチン投与キャンペーンの立ち上げを支援する。
  • UNHCRによれば、アフガニスタン北部において、タリバンと北部同盟の激しい戦闘が伝えられるなか、同地域から数千の人々がパキスタンに流出している。今週は、2,600人以上のアフガニスタン人がTorkham国境地点を超えてパキスタンに入り、この数週間でパキスタンに避難したアフガニスタン人はあわせて、2万3,000人近くにのぼっている。
  • 国連人道問題調整部(OCHA)は本日、機関間アピールを発信、ベトナム政府が同国で発生した大洪水の被害者救済活動を行うのを支援すべく、国際社会に対し、940万ドルの拠出を求めた。

2000年10月19日

  • アナン事務総長はニューヨークで記者会見し、中東およびその他の全当事者に対して、自制の行使を求めるとともに、同地域の緊張緩和を支援し、和平交渉再開への道を敷くよう訴えた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の上訴審部は全会一致で、ルワンダの元首相Jean Kambanda氏に対し同裁判所審理部が下した有罪判決(終身刑)を支持した。これにより、同氏は、ジェノサイドの罪で有罪となり、刑に服する初の国家首班となった。
  • ノーベル平和賞受賞者のホセ・ラモス=ホルタ氏は本日、東ティモール暫定内閣の外相に就任した。今後、同氏は、東ティモールの外交問題に責任を有し、日々の外交業務を遂行していくことになる。
  • 国連イラク人道調整官Tun Myat氏はニューヨークで記者会見し、対イラク制裁監視委に対し、人道物資購入契約の棚上げ状態を早期に解消するよう訴えた。
  • 本日、ウズベキスタンにおいて、国際犯罪対策会議が2日間の日程で始まった。麻薬統制犯罪防止事務所(ODCCP)のアルラッキ事務局長は演説において、援助国に対して、中央アジアの犯罪予防活動に貢献するとともに、不法麻薬取引との闘いにおいて一層の行動志向段階に移行しようとする同地域の努力を支援するよう促した。
  • 国連人口基金(UNFPA)のサディク事務局長は、パキスタンのQuaid-i-Azam大学主催の健康と人口に関するパネル討論会で演説し、南アジアのHIV/エイズの脅威との闘いを進めるうえで自己充足に浸ることのないよう警鐘を鳴らし、同感染症が同地域における「待機中の災害」である、と述べた。
  • 人権委員会の特別報告者Abdelfattah Amor氏はこのたび、宗教的不寛容に関する報告を発表した。報告によれば、宗教不寛容の文脈において、世界各地で驚くべきレベルの差別状態がみられる。その一つの象徴的事例として、同報告者は、アフガニスタンのタリバンによる宗教的極端主義による惨劇の拡大を指摘した。
  • 国際労働機関(ILO)の専門家チームが本日、ミャンマーへと向かった。同国政府が、国際調査委から同国における広範かつ組織的な強制労働の疑いの指摘を受けて実施した所策について調査すべく、本日同国へと向かった。
  • 本日、WFPの大湖地域担当官Burk Oberle氏はエボラ出血熱の発生したグル(ウガンダ)への視察訪問から戻った。同氏は、ウガンダ北部における同疾病の発生にも拘わらず、WFPが同地域避難民キャンプに滞在する数十万の人々に対して、食糧援助を継続していく旨表明した。
  • 経社理は昨日、決議を採択し、新たな森林に関するフォーラムを設置した。あらゆる種類の森林の管理、保全、持続的開発を促進し、この目的に向けた長期的な政治的コミットメントを強化することをめざす。

2000年10月18日

  • 本日午後、総会は、占領下にある東エルサレムおよびその他のパレスチナ領土におけるイスラエルの不法な行為について、緊急特別会期を再開した。同会期は、総会が採択した「平和のための結集」決議の下、1997年4月に初めて開催された。その後、何回か中断・再開を繰り返したが、前回の再開会議は1999年2月に中断された。
  • スイス連邦のAdolf Ogi大統領辞任のニュースを受け、アナン事務総長は本日声明を発表、Ogi氏がその任期中、国連や専門機関などに対する同国の関与強化に主要な貢献を果たしたことに称賛の念を表明した。
  • ソーレンセン事務次長補(対外関係担当)は本日、記者ブリーフィングにおいて、10月23日、国連平和メッセンジャーおよび親善大使48人全員が初めて、ニューヨークで一堂に会する、と発表した。この日、主な催しの一つとして、CNNインターナショナルのリズ・カーン氏の司会により、“The United Nations and Celebrity Advocacy in an Age of Cynicism”と題する公開フォーラムが開催される。親善大使は、ユニセフ1954年にダニー・ケイ氏を任命したのが始まり。平和メッセンジャーは、国連の個々のプログラムに直接関わらない形で、事務総長により任命される著名人で、事務総長が1997年に任命したのが初めて。
  • OAUやフランス語圏、また国民民主協会(米国)などのNGOが、日曜日に実施されるコートジボワールの大統領選への選挙監視員の派遣を取りやめたことを受けて、国連としては、これら選挙監視員の調整を行わないことを決定した。今月に入り、アナン事務総長は、同国の重要政党を代表する多くの候補者が同選挙から排除されることについて遺憾の意を示していた。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)のクシュネル代表はこのたび、国連とユーゴ連邦共和国の指導層が11月24日にザグレブ(クロアチア)で開催されるバルカン・サミットにおいて、コソボの将来に関する交渉を開始するよう提案した。昨日、クシュネル氏はクロアチア大統領と会談したが、その後、この提案について明らかにした。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所は、人道に対する罪で20年の禁固刑を科されたボスニアのセルビア人Dusko Tadicが近いうちに、ドイツに移送され、同国において禁固刑に服すことになる、と確認した。
  • WHOは本日、ウガンダでエボラ出血熱に罹った人数が増え、計94人になった、と報告した。このうち、39人の死亡が確認されている。
  • 国連開発計画(UNDP)のブラウン総裁は、このたびシアトルで開催されたデジタルの配当に関する会議で演説。同計画が昨年、主導し、NetAidなどの先駆的パートナーシップを確立したことを紹介するととともに、デジタル・デバイドの解消および世界の貧者に対する新しい機会提供のため、情報技術(IT)の力を利用した、新しく大胆なパートナーシップを求めた。
  • 国連環境計画(UNEP)は10月23日、ジュネーブで、環境に関する多国間協定とWTOの協働と相互支援の向上に関する会議を開催する。この会議を前に、UNEP事務局長は本日、世界の政策立案者たちに対して、貿易と環境のルールを相互支援的なものにするよう促した。
  • 国際海洋法裁判所とドイツ政府は本日、ベルリンにおいて、同裁判所のハンブルクへの本部移転に関する合意書に署名した。同裁判所は、国連海洋法条約の下、海事紛争の裁判を行うべく、1996年10月に設置されたもの。今年11月に移転の予定。
  • コンゴ民主共和国(DRC)はこのたび、ベルギーの裁判所がDRC外相代行Yerodia Abdoulaye Ndombasiに対して発行した逮捕状を撤回させるべく、ベルギーを国際司法裁判所(ICJ)に提訴した。

2000年10月17日

  • アナン事務総長は本日声明を発表し、シャルムエルシェイクでの中東首脳会談の結果に安堵の念を表明するとともに、全当事者に対し、平穏な状況をつくり和平交渉を再開させるよう促した。
  • 人権委員会、中東情勢に関して特別会合を開催。ロビンソン人権高等弁務官は演説し、中東の平和で安定した未来への鍵は、人権と寛容の文化を発展させることにある、と述べた。
  • シエラレオネ訪問を終えて帰国した安保理代表団は、同訪問の結果報告を発表し、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)を、要員数、効率性、能力の面において強化するよう勧告した。
  • 総会、安保理の活動報告について検討。同報告の対象期間は、1999年6月から2000年6月まで。安保理はこの一年間、144の公式会合を開催し、67の決議を採択、38の声明を発表し、194の全体協議を行った。
  • このたび、朝鮮民主主義人民共和国の趙明禄・国防委員会第1副委員長が金正日総書記の特使として訪米、同国と米国との関係改善がはかられたが、アナン事務総長は本日、この進展を歓迎する意を発表した。
  • フレシェット副事務総長は本日、国連と化学兵器禁止機構(OPCW)の協力関係に関する協定に署名した。OPCWは、化学兵器禁止条約(現在、137カ国が批准)の実施に責任を有する機構である。
  • 貧困撲滅のための国際デー。アナン事務総長はこの国際デーに寄せるメッセージにおいて、世界が貧困撲滅のための知識と手段の双方を備えているものの、依然として、それらを使う意思を欠いている、と訴えた。
  • イラク石油食糧交換プログラムのための第2回機関間会合、開催。フレシェット副事務総長は、このプログラムの収益により、食糧や医薬品ばかりでなく、その他の様々なニーズに資金を提供していることから、「石油食糧交換(oil for food)」という名称が、すでにプログラムの性格を正しく反映するものではなくなった、と述べた。
  • UNTAETによれば、最近、民兵30人が西ティモールに帰還し、東ティモールに残る民兵の数は現在、100人程度となった。
  • UNHCRによれば、ギニアに設置されたシエラレオネおよびリベリア難民キャンプ6個所の状況は現在、「比較的静穏」である。一方、これらキャンプに滞在するほとんどの人々は、帰還を希望している。
  • WHOは本日、ウガンダにおいて新たに13人がエボラ出血熱に罹った、と発表した。これで、このたび発生したエボラ出血熱の罹患者数は計81人となった。
  • WFPが本日発表したところによれば、EUはこのたび、戦争で荒廃したアンゴラにおいて救済支援を必要とする人々のために、1,050万ドルを拠出した。この拠出金により、WFPは、同国における最も脆弱な人々に対して、トウモロコシ1万4,000トン、調理油1,300トンを輸送・、配給することが可能になる。

2000年10月16日

  • アナン事務総長は本日、中東危機の収拾をはかるための首脳会議(シャルムエルシャルク)に出席した。同地において、事務総長は昨日、ムバラク・エジプト首相およびムーサ外相と会談したのに続き、本日の会議開催前に、バラク・イスラエル首相、ソラナEU高等代表、アラファト・パレスチナ自治政府議長、アブドラ2世・ヨルダン国王、クリントン米国大統領らと会談した。
  • 中東首脳会議開催前日の日曜日、シャルムエルシャルクで記者会見した事務総長は、現在の中東危機について、その影響はあまりにも重大であり、その収拾に失敗するということは選択肢の一つとはならない、と述べた。
  • 国連プレブラカ監視団(UNMOP)に関する事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長は、ベオグラードにおける最近の進展が、プレブラカ半島に関する話し合いの再開に役立つよう希望を表明した。同半島については、クロアチアおよびユーゴスラビア連邦共和国が互いに、その領有を主張して争っている。
  • 国連軍縮局および広報局はこのたび、各国政府および市民社会グループの支援を得て、「完全武装して(“Armed to the Teeth”)」と題する文書を作成、発表した。フレシェット副事務総長はこの発表式典で演説し、小火器および軽兵器の拡散は、国連の平和建設や紛争予防および人道援助活動を常に脅かす「疫病」である、と述べた。
  • WHOによれば、ウガンダの北部グルにおいてエボラ熱が発生。本日現在、71人がエボラ熱に罹ったとみられており、このうち35人が死亡した。WHOでは現在、国際的対応の調整をはかっている。
  • 本日は、世界食糧デー。FAOは、「世界食糧不足状況(The State of Food Insecurity)」を世界の複数の都市で発表した。
  • WHO、ユニセフ、そのパートナーたちは本日、ナイジェリアで声明を発表し、西アフリカ地域において、過去最大のポリオ予防接種キャンペーンを実施する、と述べた。今後10日間、同地域の17カ国において、保健衛生担当職員およびボランティア数十万人が力を合わせて、7,000万人の子どもたちにポリオワクチンを投与していく。
  • アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)事務局長は本日記者会見し、同委員会が、アジア太平洋地域諸国に対し、“e-poverty alleviation”、“e-wireless”、“e-smart village”などの新しいプログラムを通じて、デジタル・デバイド解消のための支援を行っていく旨表明した。
  • 最新の国際原子力機関(IAEA)活動報告によれば、IAEAは現在、イラクに関する安保理諸決議の下の任務を実施できる立場になく、イラクによるこれら決議下の義務遵守についていかなる保証も提供することができない。しかしIAEAは今後も、急な通知の下、同国の過去の秘密核プログラムの状況を検証するため、検査を再開する用意がある、とした。
  • 金曜日、緒方貞子難民高等弁務官はソウルにおいて、ソウル平和賞(賞金20万ドル)を受賞したが、同弁務官はこの賞金を、新設の難民教育基金に寄付する、と発表した。この基金は、同弁務官事務所設置50周年を記念し、2000年12月14日に設置される予定である。

2000年10月13日

  • アナン事務総長、中東において平和創造活動を遂行中。本日、事務総長がエルサレムで記者団の質問に答え、同地域指導者たちの間で、首脳会合開催に向けた全般的な用意がみられる、と述べた。
  • 安保理メンバーは本日、国連アンゴラ事務所の任期を2001年4月15日まで、6ヶ月間延長することを決定した。安保理の非公開協議後、安保理議長がこの決定について発表した。
  • 安保理は全会一致で決議1323を採択し、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)の任期を12月15日まで延長した。
  • 英国政府はこのたび、シエラレオネ政府および国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に対して、一層の軍事支援を提供することを決定。これについて、本日、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。
  • NATOの安定化部隊(SFOR)が昨日、旧ユーゴ国際刑事裁判所により戦争犯罪の容疑で起訴されたボスニアのセルビア人Janko Janjicを逮捕しようとしたところ、同容疑者は手榴弾により自爆、死亡した。SFOR要員4人と容疑者の家族1人が、この爆発により傷を負った。この自爆事件は、セルビア人共和国東部の町Focaで起こった。
  • 国内避難民に関する特別調整官Dennis McNamara氏の率いる人道援助機関およびNGOのグループは明日、エチオピアおよびエリトリアの避難民の窮状について検討すべく、1週間にわたる現地調査ミッションに出発する。
  • 国連本部で本日発表された共同コミュニケによれば、安保理は昨日、インドネシア外相と「率直かつ建設的な」会談を行った。また安保理は、インドネシア政府が同理事会に対して、同国への招請を行ったことを歓迎する意を表明した。
  • UNHCRによれば、先週日曜日以降、2,102人のアフガニスタン難民が国内紛争を逃れて、パキスタンに流出した。1週間の難民流出数としては、今年最大である。難民流出(1週間)は、この3週間連続で記録的な数を更新している。
  • アナン事務総長は、今年のノーベル平和賞の金大中韓国大統領への授与が決まったことについて、歓迎の意を表明した。

2000年10月12日

  • このたびの西岸地区における暴力事件発生を受けて、アナン事務総長は、イスラエルとガザに戻るべく、レバノン訪問を早めに切り上げた。また今朝、事務総長は声明を発表し、現在の危機的事態が中東地域の安定を崩す危険性を指摘するとともに、全当事者に対して、自制を促した。
  • 安保理、中東情勢に関する非公開会合を開催。会合後、安保理議長は報道声明において、中東で引き続く暴力に重大な憂慮を示すとともに、事務総長による平和創造活動を全面的に支持する旨表明した。
  • 現在の中東情勢に鑑みて、ベラミー・ユニセフ事務局長は本日、中東地域の大人たちに対して呼びかけを行い、青少年を守り、交渉を通じて暴力の終結をはかるべく、可能な限りのことを行うよう求めた。
  • 安保理代表団が、シエラレオネ訪問を終了。今朝、代表団長を務めるグリーンストック英国大使はフリータウンで記者会見し、安保理が今後、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)を可能な限り効率的、有能かつ強固なものにする決意である旨述べた。
  • 総会は、経済社会理事会の18理事国を改選。来年1月から3年の任期を務める新理事国として、アンドラ、アルゼンチン、ブラジル、エジプト、エチオピア、グルジア、イラン、イタリア、ネパール、オランダ、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、韓国、ルーマニア、南アフリカ、ウガンダ、米国を選出した。
  • 国連貿易開発会議(UNCTAD)は本日、「後発開発途上国、2000年報告」と題する報告書を発行した。同報告は、世界の最貧国を支援するため、債務帳消しだけでなく、国際開発協力も含んだ「ニュー・ディ-ル」の必要性を指摘した。
  • ハビタット事務局長Anna Kajumulo Tibaijuka氏は本日、ニューヨークで記者会見し、汚染、失業、犯罪などの都市問題に取り組むためには、政治的意思が必要である旨強調した。
  • 国連東ティモール支援団(UNAMET)は本日、ニューヨークで行われた式典において、エリー・ウィーゼル倫理賞(Elie Wiesel Ethics Award)を受賞した。東ティモールの独立に関する住民投票実施を促進した功績を評価された。
  • インターネット利用を通じた絶対的貧困の解決をめざす、UNDPとシスコ・システムズの共同事業“Netaid.org”はこのたび、ペルーにおける学生退学率を減らすべく、新しいプロジェクトを開始する、と発表した。これは、“Two-for-One Learning for Life”と呼ばれるもので、ウェブ・サイトhttp://www.netaid.orgを通じて、インターネット利用者がオンラインで支援することを可能にする。
  • ミャンマーを訪れていたラザリ事務総長特使は、同国の政府および野党指導者らに対し、政治対話を開始するよう促し、本日、同特使による2回目の同国訪問を終了した。
  • コソボにおいて、現在、難民の収容施設が不足していることから、クシュネル事務総長特別代表は声明を発表し、コソボのアルバニア人難民を受け入れている各国政府に対し、来年3月まで難民帰還活動を停止するよう促した。
  • 世界保健機関(WHO)、最新のWHO速報を発行。同速報によれば、世界の子どもの死亡率は近年、急減した。しかし、その進展は国ごとに開きがあり、ヨーロッパにおいては、新生児の5歳未満死亡率が2%であるが、アフリカでは15%となっている。

2000年9月29日

  • 安保理、ブルンジ情勢に関する公開会合開催。マンデラ前南ア大統領(アルーシャ和平プロセス調停者)が同情勢についてブリーフィングした。その後、安保理は議長声明を発表し、ブルンジの市民に対するすべての攻撃を非難するとともに、反政府勢力に対して、対立点を解決し、アルーシャ和平合意を実施するよう促した。
  • UNTAETのデメロ代表が東ティモール情勢に関して、安保理にブリーフィング。同代表は、西ティモールの暴力的な民兵の問題を解決する責任を有するのは、唯一、インドネシア政府のみである、と述べた。
  • エルサレムおよびその他の地域で発生する一連の暴力事件を受けて、アナン事務総長はイスラエルおよびパレスチナ人に対して、和平交渉を忍耐強く継続するよう促した。
  • 昨日、ベルリンで、事務総長特使ジェームズ・ベーカー3世の後援の下、西サハラ問題に関する当事者直接交渉が行われたが、これまで同様、いかなる結論にも達しなかった。今後、同特使は事務総長に対し、フォローアップ会合を開催すべきかどうかについて、勧告を行い、さらに、これを受けて、事務総長は、和平プロセスの進捗状況とともに、果たして和平プロセスに前進の可能性があるかどうかを見定めることになる。
  • 国連アフガニスタン人道調整官事務所は声明を発表し、アフガニスタン北東部の紛争当事者に対して、一般市民および援助職員の安全を確保し、援助が必要な人々に人道援助が届くことを可能にするよう求めた。
  • 元カナダ首相のPierre Elliott Trudeau氏が死去。安保理は本日の会合の冒頭、同氏の冥福を祈り、1分間の黙祷を捧げた。アナン事務総長と総会議長はそれぞれ、同氏が死去したことに悲しみを表明した。
  • UNHCRによれば、過去5日間にアンゴラからザンビアに流出した難民8,500人の中にアンゴラ反政府勢力50人が混じっていた。流出難民の中にUNITA戦闘員の姿が見えるようになったということは興味深い兆候であり、UNITAメンバー自らが紛争を逃れはじめていることを示している。
  • ギニアで2週間前武装グループに拉致され、その後、リベリア治安部隊により解放、救出されたUNHCR職員Sapeu Laurence Djeya氏が本日、コートジボワールで家族と再会した、UNHCRは述べた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の判事らはこのたび、裁判所が誤って拘留・起訴あるいは有罪判決を下した人々に対して損害賠償を行えるよう裁判所規程を改定するよう提案した。この提案は、裁判所所長が事務総長に宛てた書簡に盛り込まれたが、事務総長はすでにこの書簡を安保理に送付した。
  • このたび、アフリカ以外で、初めて、リフト・バレー熱(RVF)の発生が報告された。WHOによれば、サウジアラビアにおいて、160人がRVFの疑いのある症状が見られ、そのうち33人が死亡。またイエメンにおいても、134人に激しい出血熱の症状が見られた。この事態を受けて、WHOとその国際パートナーは両国政府に対して、疾病確認、フィールド調査、疾病の拡散を防ぐ抑制手段の実施の分野に関する助言提供を行っている。

2000年9月28日

  • 2週間前にギニアで武装グループに拉致されたUNHCR職員のSapeu Laurence Djeya氏がこのたび、リベリア兵士によって救出され、コートジボワール当局に引き渡された。なお安保理は本日、ギニア、リベリア、シエラレオネの情勢に関して事務局からブリーフィングを受けた。その後、議長は報道声明を発表、この3カ国の情勢に憂慮を示した。
  • UNDPとイタリア外務省は、レバノン政府と協力し、レバノン南部の開発活動に携わるNGOを集めて国際会議を開催。レバノン南部担当事務総長個人代表Rolf Knutsson氏はその演説において、レバノン政府が南部地域全土を実効支配する必要を強調し、また国際援助コミュニティーが同地域における平和の強化のため支援するよう促した。
  • 国連イラク賠償請求委員会の管理理事会は昨日、イラク軍侵攻(1990年)により損害を被ったクウェート石油公社に対して、賠償金159億ドルを支払うことを決定した。
  • UNMIBHによれば、セルビア人共和国およびボスニア・ヘルツェゴビナ連邦は、双方の領土における不法移住の問題への対処を支援すべく、「不法移住および組織犯罪に関する合同タスク・フォース」の設置に関する取極めを完了した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は10月1日-3日、コンゴ民主共和国を初めて公式訪問する。同国滞在中、弁務官は、政府および反政府勢力の指導者、ならびに人権NGOなど市民社会の代表らと会談する予定。
  • WFPは、朝鮮民主主義人民共和国における食糧不足が今後さらに1年間続く可能性があるとして、憂慮を表明した。バーティーニWFP事務局長は本日、ローマ訪問中の朝鮮民主主義人民共和国外相と会談、その後、WFPとFAOが合同視察団を同国に派遣する旨発表した。
  • アナン事務総長はこのたび、安保理に書簡を送り、アフリカ問題担当特別顧問Mohamed Sahnoun氏および大湖地域担当特別顧問の任期を来年末まで延長する意向を通告した。安保理は、事務総長の意向に留意した。
  • WHOは同国のグランド・ケープ・マウント郡における黄熱病蔓延の脅威を回避すべく、リベリア保健省と協力し、緊急予防接種活動を実施し、8万6,000人(同地域人口の約70%)にワクチン投与を行った。WHOによれば、8月下旬、リベリア13州のうち7つの州で黄熱病が発生して以来、115人以上が黄熱病と思われる症状を示したが、大多数の人々は、グランド・ケープ・マウント州で感染した。
  • 「世界経済報告2000年、下巻」(国連経済社会局)、発行。多くの場合、開発計画において、農業は蔑ろにされているが、貧しい国々が貧困から抜け出すことを可能にするうえで、農業こそが主導的役割を果たすことができる、と同報告は指摘。
  • WHO、UNAIDS、欧州委員会の3者は今後、力をあわせて、開発途上国における疾病と貧困に対する闘いを行っていく、と発表した。

2000年9月27日

  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表が安保理公開会合で、コソボ情勢に関するブリーフィング。非アルバニア人コミュニティーの状況がコソボの最も大きな問題である、と述べた。同氏によれば、特にセルビア人とロマ人は依然として、日常生活において疎外されることが多く、またその安全が脅かされる危険も大きい。
  • 安保理が、8月に専門家パネルの提出した平和活動に関する報告書について、初の非公開協議を開催。フレシェット副事務総長(報告提言の実施案の監督者)およびブラヒミ大使(専門家パネル議長)がブリーフィングした。会合終了後、安保理議長が報道記者に述べたところによると、安保理メンバーは「明確で、信頼性があり、達成可能な」任務の重要性などに関して、意見の一致をみたほか、さらなる討議を行う必要について合意し、作業部会の設置を決めた。
  • 9月24日に実施されたユーゴ大統領選挙について、アナン事務総長は本日声明を発表し、一票を投じた人々の純粋な変化への願いを、開票結果は明らかにした、と述べた。
  • カンボジアにおいて、メコン川とトンレサップ川の洪水により、数千の家が破壊され、およそ22万ヘクタールに及ぶ水田が被害を受けたことから。世界食糧計画(WFP)は本日、犠牲者約50万人に対する緊急食糧援助を行う、と発表した。
  • ワシントン訪問中の旧ユーゴ国際刑事裁判所主任検察官Carla de Ponte氏は本日、米国司法長官、国防長官、CIA長官などと会談する予定。
  • ルワンダ国際刑事裁判所は、ルワンダのタバで、「証言者および証言者となり得る人々のための支援プログラム」を開始。ジェノサイドの生存者で、証言者となる人々に対し、法律ガイダンス、心理カウンセリング、再統合支援、身体リハビリなどの支援活動を開始した。
  • 東ティモール暫定内閣は本日、西ティモール全土に安全な陸上ルートが確保されるまで、東ティモール飛び地Oecussiとディリ間を旅客フェリーが舟航することを決めた。
  • 「ポリオ根絶のための世界パートナー・サミット(Global Polio Partners Summit)」がニューヨーク国連本部で開催。アナン事務総長は演説し、国連のポリオとの闘いは最後の一人の子どもが予防接種を受けるまで続く、と述べた。
  • 国連の平和メッセンジャー(Messengers of Peace)および親善大使(Goodwill Ambassadors)として活躍する、ノーベル賞受賞者、俳優、作家、科学者など、世界の著名人たちが10月23日、国連本部に集まる。地球規模の問題に対する啓発活動やより良い世界の推進において、著名人が及ぼす影響をテーマにした公開フォーラムが行われる。

2000年9月26日

  • アナン事務総長は、スイス、フランス、ベルギーの欧州3カ国を公式訪問(3日間)するため、9月30日にニューヨークを出発する。月曜日にはUNHCRの執行委員会に出席する(この日、同委員会では、緒形貞子難民高等弁務官の離任挨拶が予定されている)。
  • ニューヨーク国連本部で行われていたキプロス間接交渉が本日、終了。デソト事務総長特別顧問(キプロス担当)は記者会見において、この会談が質の高い一歩となったことを指摘したが、同時に、現状は近い将来に和平合意が成立するといった段階ではない旨付け加えた。
  • 本日、東ティモールのスアイ地区において、民兵と国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の間で銃撃戦が発生、民兵1人が死亡した。
  • 干ばつに襲われるタジキスタンにおいて、約100万の人々が現在、飢餓の危機に直面しているが、世界食糧計画(WFP)は本日、これらの人々に対し、6,200万ドル相当の緊急援助活動を行い、12万6,000トンの食糧を提供する、と発表した。
  • インド、バングラデシュ、カンボジア、ベトナムにおいて、数十年ぶりの大洪水が発生、これにより非常に数多くの人々が死亡し、あるいは避難民となっている状況について、アナン事務総長は憂慮と悲しみを表明するとともに、被災国に対する国連の支援を約束した。
  • UNHCRは、コンゴ民主共和国および周辺諸国への調査団派遣を発表した。コンゴ民主共和国のEquateur州において戦闘が発生し、新たな避難民が同国北部のコンゴ川及びウバングイ川沿いの地域に移動しているが、同調査団はこの影響評価を行う。
  • 国連イラク賠償請求委員会(UN Compensation Commission)の管理理事会が、3日間の日程を開始。
  • 世界食糧計画(WFP)は、モザンビークを今年襲った大洪水の被害に苦しむ約17万2,000人に対して、食糧援助を継続すべく、同国での緊急援助活動を6ヶ月延長する旨発表した。

2000年9月25日

  • ユーゴスラビア連邦共和国で日曜日に実施された選挙の結果発表を、アナン事務総長は大きな関心を示して待っているが、今回の選挙により、対話に開かれた民主政府が生まれることに希望を表明している。
  • コソボで、ユーゴスラビア連邦共和国の選挙に投票したのは、わずか4万5,000人であった(昨日、UNMIKのクシュネル代表がプレス・ブリーフィングで述べた)。
  • 安保理、アフガニスタン情勢に関する非公開協議。その後、安保理議長は報道声明において、アフガニスタン内戦が国境を越えて拡散し、近隣諸国の安定を脅かすことに憂慮を示すとともに、当事者(特に、タリバン)に対し、国連の後援の下、これ以上の遅滞なく、また、いかなる前提条件もつけず、交渉を再開するよう促した。
  • 昨日、西ティモールのアタンブアで武装解除式典開催。しかし、インドネシア副大統領らが式場を去った後、民兵指導者Eurico Guterresは支持者を同伴し、非常に興奮した状態で警察本部ビルに入るとともに、その間、民兵支持者200‐300人が警察本部ビルを取り囲み、国連代表に対する非難の言葉を連呼した。約一時間後、群集が去った後、国連代表らは護衛をつけて、東ティモールへ戻ることができた。これを受けて、本日、UNTAETのデメロ代表は、インドネシア政府による民兵の武装解除活動は全く効果のないものである、と不満を表明した。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の軍事監視員40人(8チーム)がこのたび、エチオピアとエリトリア両国への初期の展開を完了した。国境のエチオピア側の駐留地点は、Indra Silase、Adi Grat、Zalambesa、Mandaの4個所、エリトリア側は、Barentu、Adi Quala、Adi Keyh、Asabの4個所である。
  • ホルケリ総会議長は、米国国連協会・理事会の昼食会で演説し、マルティラテラリズムが大小問わず、すべての加盟国の国益を利するものである、と述べた。
  • 安保理は10月7日-14日、シエラレオネに派遣団を送り、決議の完全実施やUNAMSILの実効性向上をはかる方法について調査する。安保理議長がこのたび、アナン事務総長に書簡を送付し、通知した。
  • 本日は、国連スタッフ・デー。アナン事務総長は国連職員に対する演説において、相次ぐ国連職員殺害事件を受けて、国連職員の安全に関する具体的な提案を含んだ報告書を総会に提出する旨述べた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所が有罪判決を下した戦争犯罪者2人がこのたび、刑に服すべく第3国のフィンランドに移送された。2人は、Zlatko AlekovskiとAnto Furundzija。それぞれ7年と10年の残り期間の懲役刑に服する。第3国での受刑が決まったのは、これが2回目。1人目はDrazen Erdemovic、すでにノルウェーに移送され、5年の懲役刑に服している。同裁判所では、近いうちに勾留施設の不足することが予測されており、現在、フィンランド、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、オーストリア、フランス、スペインの7カ国が同裁判所を支援し、勾留施設を提供することに合意している。

2000年9月22日

  • 総会一般演説、最終日。ルワンダ、アンチグア・バーブーダ、タンザニア、ベネズエラ、モーリシャス、エリトリア、ベナン、赤道ギニア、ニカラグアの9カ国が演説を行った。ホルケリ総会議長によれば、ミレニアム・サミットの約束を実現し、国連をより効率的な道具にする必要を訴えた事務総長の冒頭演説が、今期一般演説全体を通じた基調となった。ホルケリ議長は総括演説において、平和と安全における国連の役割、安保理改革、開発議題、グローバリゼーションの挑戦などが、各国演説に共通する主なテーマとなった、と述べた。
  • 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)に関する事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長は、コンゴ民主共和国の和平プロセスの膠着状態に留意し、MONUCの任期を8週間延長するよう勧告。紛争当事者がこの追加時間を賢明に活かすよう期待を表明した。
  • コソボ情勢に関する事務総長報告が発表された。コソボの強硬派、主にアルバニア系住民が、暴力を使って民主プロセスに対する信頼を損なおうとしており、これにより、コソボの自治政府への移行が失敗するおそれがある、と事務総長は指摘した。
  • UNMIKは、ユーゴ連邦共和国が日曜日、コソボで実施する選挙を正式に監視することはないが、選挙に関するすべての活動を注視するとともに、治安を乱す事件を防止するため必要な措置を講じる(UNMIKスポークスマンがプリシュティナで記者団に述べた)。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所所長はこのたび、総会および安保理に報告書を提出し、今後の訴追件数の増大に対処するための3つの措置を提案した。具体的な提案内容は、裁判官の権限の一部の上級法務職員への付与、必要な場合に備えた裁判官のプール制、上訴審担当裁判官の増員。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の軍事監視員第1陣の40人が、エチオピア・エリトリア両国国境地帯へと移動を開始した。今後2日間で、国境沿いの両国それぞれの4地点への駐留を完了する予定。
  • UNHCRによれば、ギニアの国境沿いの地域でギニア人数十人およびUNHCR職員が殺害された後、数千の人々が同地域を逃れ、より安全な地域へと移動している。
  • 西サハラ紛争当事者のモロッコとポリサリオ戦線が9月28日-29日、事務総長特使のジェームズ・ベーカー3世の後援の下、ベルリンで直接交渉を行う。またアルジェリアとモーリタニアがオブザーバーとして出席する。
  • メコン川流域で大規模な洪水が発生、東南アジア諸国の村落において、水の氾濫が継続していることから、世界食糧計画(WFP)はベトナムで最大の被害を受ける4万の人々に対する緊急食糧援助を行う(WFP発表)。
  • 児童労働や強制労働など、労働者の権利に関する8つの中核的条約の批准総数がこのたび、1,000を超えた。具体的には、オーストリアとエクアドルが2つの条約を批准、トーゴとセントクリストファー・ネイビスが4つの条約を批准したことにより、批准数が997から1,005となった。
  • 食糧農業機関(FAO)は声明を発表し、ひとの移動、動物や肉食品などの取り引きにより、動物特有の疾病が国境を超えて拡散する事態を招いている、と警鐘を鳴らした。
  • 9月22日、「世界をきれいに(Clean up the World)」運動開始。24日までの3日間。この運動は、UNEPの支援を得て、8年前に始った世界的運動である。今年、128カ国の4,000万人がこの運動に参加し、清掃、植林、教育、リサイクル、コンサート、街頭行進などを通じ、環境の問題に取り組む。
  • シドニー・オリンピック参加選手のうち、マラリアに罹患しすでに快復した選手たちが、WHOなど国連機関の「マラリア撃退運動」に参加している。男子マラソンのFokasi Wilbroad Fullah選手(タンザニア)や、男子200mのOumar Loum選手(セネガル)がこの運動に支持を表明している。

2000年9月21日

  • 本日、ニューヨークやジュネーブを含め、少なくとも28の各都市(町、村)で、数千人の国連職員が街頭行進を行った。最近、西ティモールとギニアで相次いで殺害された4人のUNHCR職員に哀悼の意を示すとともに、加盟各国に対して、援助活動家たちの安全確保を要求した。
  • アフガニスタン情勢に関する事務総長報告が、発表された。同報告によれば、最近、アフガニスタンからイスラム戦闘員が他の中央アジア諸国に侵入し、これらの国々の治安部隊との衝突事件が発生しているが、このことは、アフガニスタン紛争の拡散のおそれを示唆し、同国の危機に対する包括的な解決策を見出す必要を明らかに示している。
  • イラク・プログラム部を担当するべノン・セバン事務局長は、安保理非公開協議で行ったブリーフィングにおいて、イラクの人々のための人道プログラムを政治と切り離して考えるよう求めた。
  • 3人の国連職員が殺害された9月6日の西ティモール襲撃事件の容疑者6人がこのたび、逮捕されたことについて、UNTAETのデメロ代表は本日、歓迎の意を表明した。
  • イラン上訴裁判所はこのたび、7月、シラズ市においてスパイ容疑で逮捕され禁固刑となっていた10人のイラン系ユダヤ人の減刑を決めた。これについて、アナン事務総長は本日、歓迎の意を表明した。
  • インドはこのたび、事務総長に対して、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)から自国軍隊を撤収する考えを示唆した。インドを除くUNAMSIL兵力提供国は、次のとおり。バングラデシュ、ボリビア、カナダ、中国、クロアチア、チェコ、デンマーク、エジプト、フランス、ガンビア、ガーナ、ギニア、インドネシア、ヨルダン、ケニア、キルギスタン、マレーシア、マリ、ネパール、ニュージーランド、ナイジェリア、ノルウェー、パキスタン、ロシア連邦、スロバキア、スウェーデン、タイ、英国、タンザニア、ウルグアイ、ザンビア。
  • 総会一般演説、続く。今朝はイエメン、モンゴル、コモロ、グルジアなど、午後には、アンドラ、ハイチ、ナウル、バヌアツなどの国々の代表が演説した。
  • FAOとWFPは合同グルジア調査団の報告を発表し、中央アジアを襲う干ばつにより、グルジアにおいて70万近くの人々が緊急食糧援助を必要としている、と述べた。
  • アフリカの角地域における干ばつに関する特使、キャサリン・バーティーニ氏によれば、大規模な国際援助活動により、エチオピアが広範な飢餓に直面する危険は回避された(エチオピアの干ばつ被害中心地の町Godeを訪問した後、記者団に対して、語った。)
  • ジュネーブ軍縮会議が本日、終了。2000年会期全体を通じて、核軍縮および宇宙空間における軍備競争の防止という2つの問題に関する加盟国間の合意成立がはかれず、作業計画を採択することができなかった。昨年に続き、作業計画を採択できない膠着状態が続いている。次会期は、2001年1月22日に開幕する予定である。
  • 世界銀行はこのたび、「貧しい人々の声 変化を求める叫び(Voices of the Poor: Crying Out for Change)」を発表。23の開発途上国の貧しい男女2万人以上の貧困体験を記し、貧困問題への取り組みにおいて重要な考え方を提示する。

2000年9月20日

  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の現況に関する事務総長報告が、発表された。事務総長は、エチオピア・エリトリアがそれぞれ、お互いの人権侵害について非難合戦を続けている状況に憂慮を示し、UNMEEに人権部門を設置するよう提案した。
  • 安保理は決議1321を全会一致で採択し、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の任期を2000年12月31日まで延長することを決定した。同決議により、安保理は、シエラレオネにおける国連平和維持活動の状況について、10月31日までに再検討することを決定した。
  • インドネシア政府特使の政治・社会・治安問題調整大臣Susilo Bambang Yudhoyono氏は安保理に対するブリーフィングにおいて、同国政府が説得工作・強制手段を用いながら、西ティモールの民兵たちを武装解除していく計画である、と述べた。ブリーフィングに続いて、すべての理事国が参加し協議が行われた。この協議に関して、安保理はコミュニケを発表し、決議1319(9月8日採択)の早期完全実施の必要性に関して、率直かつ建設的な話し合いが行われた旨述べた。決議1319は、インドネシア政府に対して、西ティモールの法と秩序の回復し、民兵たちを即時に武装解除・解体するよう求めている。
  • UNHCRは本日声明を発表し、日曜日に武装勢力に拉致された女性職員の捜索のため、ECOWASや地域のすべての国々、オランダ、米仏などに支援を求めたり、メディアを活用するなど、あらゆる手段を講じている旨述べた。
  • 米国上院がこのたび、中国に対する最恵国待遇恒久化法案を可決したことについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。この動きは中国のWTO加盟に向けた、そして「ルールに基づいた」多国間貿易体制への国々の統合に向けた、重要な1歩である、と述べた。
  • 国連人口基金(UNFPA)は本日、「世界人口白書2000(Lives Together, Worlds Apart - State of World Population 2000)」を発表。20世紀の大きな変革にもかかわらず、女性・女児に対する差別や暴力が世界の各文化に深く根を張っている状況を示した。
  • 総会一般演説、9日目。スロバキア、アゼルバイジャン、ナミビア、カンボジア、ミャンマーなどの代表が演説した。
  • 昨日午後の総会一般演説においては、シエラレオネ、タイ、トルクメニスタン、フィリピンなどの国々の外相が演説を行い、ダイヤモンドと武器の取引、エイズ、麻薬密輸、貧困などの問題への対処における地球的協力と連帯の必要性を強調した。
  • 国連開発計画(UNDP)、国連経済社会局、世界エネルギー会議はこのたび、「世界エネルギー・アセスメント:エネルギーと持続可能性の挑戦」と題する報告書を共同作成、本日発表した。同報告によれば、21世紀における広範な経済開発は、よりクリーンな効率的なエネルギーを奨励するような、遠い将来を見据えた政策や価格メカニズムを実現できるかどうかにかかっている。
  • WHOによれば、このたび13の開発途上国において予防接種運動(1億5,000万ドル相当)が行われるが、これにより、毎年10万人以上の子どもたちの生命が救われる。この資金は、「子どもの予防接種のためのグローバル基金」から充当される。この基金は今年、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が7億5,000万ドルを拠出して発足した。その後、ノルウェー、米国、英国が2億ドル近い追加的資金の拠出を誓約したほか、オランダとカナダも、この基金に対する資金拠出に関心を示している。
  • 月曜日、コソボのGracanicaで、KFORが、ボスニア内務副大臣の暗殺事件(1999年3月)の容疑者として、3人のセルビア人を逮捕。これを受け、英国の検察官Gary Garland氏が、この裁判の担当となった旨発表した。

2000年9月19日

  • UNHCRスポークスマンは本日記者団に対し、昨日ギニアで武装集団に拉致されたUNHCR職員を捜しだすため、UNHCRがあらゆる措置を講じていく旨述べた。一方、安保理議長は本日、報道声明を発表し、昨日ギニアで起こった襲撃事件を強く非難した。
  • アナン事務総長は、国連が今後、世界各地で平和維持活動、開発、人道活動に従事する職員を保護するため、さらなる措置を講じていく、と述べた。(今朝、国連本部ビル内に入る際、記者団に対して)
  • 月曜日夜、ソマリア南部の町MerkaにあるWHO事務所が武装集団に襲われた。武装集団は半時間ほど、現地護衛官たちと銃撃戦を展開した後、現場から逃げ去った。この町は、今年前半WHO事務所および近くの空港に対する襲撃事件が発生して以来、国連の陸上および航空活動に対して閉鎖されていた。襲撃時、同事務所には、その治安状況を調査するため、この日同地に入った国連治安担当職員2人が滞在していたが、国連側に死傷者はなかった。なお、まもなく、この2人の職員は同地から退避した。
  • 総会一般演説、続く。モルドバ、韓国、パナマ、インドネシアなどの外相が自国の意見を述べた。オブザーバー資格を有するパレスチナも演説した。
  • ギニアにおいてこのたび発生した危機的事態により、多くのシエラレオネ難民が自国へと戻っていくことが予想される。WHOは本日、シエラレオネに設置された保健衛生施設はすでに、能力の限界を超えて活動しているとし、新たな難民流入により、さらなる負荷が加わることに警鐘を鳴らした。
  • 昨日、シエラレオネ反政府勢力、West Side Boys元戦闘員162人が国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に武器を引き渡した。日曜日には、同戦闘員64人が武器の引き渡しを行っている。昨年11月以来、様々な武装戦力の元戦闘員1万7,800人が、国連に武器を引き渡した。
  • 月曜日の真夜中12時直前、コソボのGracanicaにおいて、KFORと国連警察は共同捜査活動を行い、不法な武器や爆発物を押収するとともに、不法爆発物との関連で、6人の容疑者を逮捕した。
  • UNCTAD、「貿易開発報告2000」を発表。主要先進国がこのまま、地球的な影響を考慮せず、その政策を立案し続けていくなら、開発途上国の経済は今後、急速に悪化していく、と警告した。
  • ルワンダ虐殺(1994年)の扇動容疑で起訴されたジャーナリスト3人の裁判について、弁護側は、担当判事2人の資格欠落の認定を求めていたが、ルワンダ刑事裁判所は本日この動議を却下した。今回裁判で証言を行う人物は、別の裁判でも証人となっていたが、2人の判事はその裁判でも判事を務めたことから、弁護側は、これら判事が証人の信頼性を評価することはできない、と主張した。
  • 収穫減少、貧困悪化に加え、75年ぶりの大干ばつの被害を受けるタジキスタンに対して、国連人道問題調整部(OCHA)はこのたび、7,660万ドルの緊急資金提供を求めるアピールを発した。
  • イラク・プログラム部によれば、国連イラク石油食糧交換プログラムの下、イラクはこの1週間で、1,680万バレルの石油を輸出し、4億9,000万ドルの収入を得た。

2000年9月18日

  • 日曜日、ギニアの南西部の町、マセンタにおいて、UNHCR現地事務所代表のMensah Kpognon氏が何者かに襲われ、死亡した。また、コートジボワールのDananeにある事務所からマセンタに物資を届けに来たUNHCR職員Sapeu Laurence Djeya氏が拉致され、行方不明となっている。事務総長は声明を発表し、この殺害事件に衝撃を受けたとするとともに、拉致された職員の安否について非常に憂慮している旨表明した。また人道援助活動家に対する無意味な暴力を強く非難するとともに、西アフリカ諸国の指導者たちが拉致された職員の解放に向けて、可能な限りのことを行うよう訴えた。
  • アナン事務総長は、後発開発途上国の閣僚レベル会合で演説し、世界の最貧国と最富裕国の間の貿易交渉において、「開発ラウンド」をはじめるよう求めるとともに、双方の経済格差を埋めるために構ずべき一連の措置について概要を示した。
  • 本日、ジャカルタで、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のデメロ代表とインドネシアの政治・社会・治安問題担当調整大臣Susilo Bambang Yudhoyono氏が会談。同大臣はデメロ氏に対し、西ティモールにおける民兵組織の武装解除および治安情勢の改善のため、具体的な計画を作成している、との保証を与えた。
  • 国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の軍事監視員の駐留に先駆けて、アディス・アベバとアスマラにおいて、4日間の訓練プログラムが開始した。訓練の内容は、平和維持活動の組織、国連軍事監視員の役割、行動綱領、活動地域の歴史・文化・経済・地理、紛争および人道情勢の概観、救急医療およびヘルスケア、地雷に関する啓発活動など。
  • 「アフリカの角」の干ばつに関する特使、キャサリン・バーティーニ氏が現在、ケニアとエチオピアを訪れている。干ばつにより、「アフリカの角」地域の1,400万人および大湖地域の200万人の生命が脅かされている状況を視察し、その影響評価を行う。
  • 総会一般演説が2週目に入った。今朝、演説を行った国は、ベリーズ、エチオピア、ロシア連邦、イスラエルなど。
  • 本日午後も、総会の一般演説は続けられ、バーレーン、アルメニア、ウクライナ、チュニジアなどの各国代表が、地域および国際社会全体の問題について自国の意見を述べた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の検察官たちが本日、ルワンダでの虐殺事件に関与した3人の容疑者の裁判において、冒頭陳述を行った。Andre Ntagerura、Samuel Imanishinwe、Emmanuel Bagambikiの容疑者3人は1994年、ルワンダ南西部のCyanguguで起こった虐殺事件に関与した、とされる。
  • UNMIKによれば、コソボのミトロビツァ勾留施設の警備体制が厳しくなった。今月前半、同施設から13人の拘置者が脱走したことを受けた措置。
  • 国際労働機関(ILO)は本日、「グローバル経済における持続可能な農業」と題する報告書を発表した。同報告によれば、農業労働は各国に最も共通した職業であるが、同時にまた、最も危険な職業のひとつである。様々な機具や化学製品の使用が拡大してきたことが、農業に従事する人々の事故や病気の原因となっている、と報告は述べている。

2000年9月16日

  • 本日も、総会一般演説が続く。各国外相が演説し、安保理による現行の制裁措置に対する疑問を投げかけた。そのほか、国連改革、デジタル・デバイド、地域問題などに多様な問題についても、自国の意見を述べた。
  • 昨日夜、パラグアイ、セントルシア、ベラルーシ、オーストリア、コンゴ民主共和国、朝鮮民主主義人民共和国の6カ国代表がそれぞれ、総会で一般演説を行い、国連改革、核兵器削減、HIV/エイズ(特にアフリカの危機事態)などの問題について、行動をとるよう促した。

2000年9月15日

  • 安保理は決議1320を全会一致で採択し、国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の4,200人兵力展開を承認した。当初の任期は6ヶ月。エチオピア・エリトリア両国間の停戦監視など、多岐にわたる検証活動を行う。
  • アナン事務総長、グループ77外相による年次会合に出席。事務総長は同外相らに対して、ミレニアム・サミットが偽りの夜明けとならず、まさに新しい始まりとなることを確実なものとするよう促した。
  • シエラレオネ政府が最近、ダイヤモンドの輸出認定体制を敷いたことについて、安保理は議長声明を発表し、歓迎の意を表明した。安保理は、決議1306(6月29日)により、この体制を要請するとともに、すべての国がシエラレオネ産のダイヤモンド輸入を禁止するよう要求していた。
  • 現在、シエラレオネ難民4,500人が、駐ギニア・シエラレオネ大使館に避難しているが、UNHCRはこのたび、これら難民の状況について憂慮を表明した。
  • ソマリア大統領は総会で演説し、国連が過去10年間、ソマリアの人々の苦境を緩和すべく尽力してきたことに謝意を表した。また最近、ソマリア国民議会が設置されたことが、平和と安定の新時代のはじまりとなるものである、と述べた。
  • 総会において、一般演説が続く。パプアニューギニア、マレーシア、ポルトガル、アイスランド、アラブ首長国連邦、キューバなど、各国の外相が、それぞれの国や地域、そして、国際社会全体の直面する具体的な問題について演説した。
  • 昨日遅く、総会は、一般演説を再開。カナダ、オランダ、ヨルダンなど、12カ国の外相が演説において、人道的介入やグローバリゼーションをはじめとする問題について自国の意見を述べた。
  • 昨夜、インドネシアのデンパサールにおいて、UNTAETとインドネシア政府が会合をもち、西ティモールの治安状況について話し合ったが、何ら進展はみられなかった(UNTAET発表)。
  • 朝鮮民主主義人民共和国において、深刻な干ばつが灌漑貯水池に被害を及ぼし、水田となり得る土地が干上がっている。これにより、同国の人々は厳しい食糧不足の危険に直面していることから、WFPは本日、これらの人々に食糧を提供すべく、1億ドル近い資金の拠出を求めるアピールを発した。
  • 「対人地雷の使用、貯蔵、生産および移譲の禁止並びに破棄に関する条約」の第2回締約国会議は、最終報告を採択し、5日間の会期を終了した。この報告には、対人地雷全廃に対する「揺るぎ無いコミットメント」を再確認する宣言が含まれている。この会議開幕以降、バングラデシュ、コロンビア、ガボン、キリバス、モルジブ、モルドバの6カ国が新たに締約国となった。これにより、締約国総数は現在、107。
  • FAOが、「食糧および農業の現状、2000年」と題する報告書を発行。同報告によれば、技術革新は食糧生産を拡大したが、8億人以上(世界人口の13%)は依然として、十分な食糧を得ていない。
  • アナン事務総長は、コンゴ民主共和国の全紛争当事者に対して、WHOおよびユニセフが同国で第3回(最終)ポリオ予防接種キャンペーンを実施できるよう、国内全土における敵対行為を停止するよう促した。
  • UNDP、UNEP、世界銀行、世界資源研究所(WRI)は本日、「世界資源2000-2001年、人々とエコシステム、磨耗した生命体系(World Resources 2000-2001: People and Ecosystems, The Fraying Web of Life)」と題する研究書を発表した。同書は、生命持続プロセスが広範に縮小している事態を食い止めるため、エコシステムの管理に対する新しいアプローチを取るよう呼びかけた。
  • 人権委員会(Commission on Human Rights)が初の非公式会議(会期は1日)を開催。ロビンソン人権高等弁務官は同会議に出席し、総会に対する年次報告書で扱う事項の一部について概要説明し、東ティモール、チェチェン、シエラレオネの問題に触れた。また、本日の会議が新境地を拓くものであると重要性を指摘し、人権委員会が毎年6週間の年次会期に限定されず、一年を通して継続するものであることを示した、と述べた。
  • 東ティモールの選手4人が、シドニー・オリンピックの開幕式典に参加し、会場の人々から大きな拍手を浴びた。選手の内訳は、マラソン選手2人、ボクサー1人、重量挙げ選手1人。

2000年9月14日

  • ジブチ大統領は本日、安保理非公開会合において、ソマリア情勢に関するブリーフィングを行い、国連が同国における紛争後平和建設活動について真剣に検討するよう求めた。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の拡大の財政的影響に関して、事務総長報告が発表された。この報告によれば、同ミッションを1万1,100人から最大2万500人に拡大した場合、2000年7月1日から2001年6月30日の1年間に、約3億550万ドルが追加的経費として必要になり、結果、同1年間の総額は7億8,220万ドルとなる。
  • 安保理議長が本日、記者団に発表したところによれば、安保理は、インドネシア政府の特使としてニューヨークを訪れる同国調整大臣Bambang Yudhoyono氏と会談し、西ティモール治安情勢の悪化について話し合う予定である。同大臣は17日、ニューヨークに到着する予定。
  • 総会一般演説において、多くの国の外相らが、安保理改革や国連平和活動の向上などに焦点を当てて演説を行った。本日、演説した国は、レバノン、ノルウェー、イギリス、リビア、ドイツなど。
  • ミャンマーにおいて、このたび、アウン・サン・スー・チー氏および野党指導者の行動規制が解除されたことについて、アナン事務総長は本日、歓迎の意を表明するとともに、同国における「実質的な政治対話」の実現を繰り返し呼びかけた。
  • 国連国際薬物統制計画(UNDCP)は本日、「ケシ栽培・年次報告2000」を発表。同報告によれば、アフガニスタンが現在干ばつに襲われ、これにより、ケシの国内収穫量が減少している。
  • WHOは本日プレス・リリースを発表し、10億にのぼる人々が恒常的に、WHO基準を最大100倍上回るレベルの屋内汚染空気に晒されている、と警鐘を鳴らした。
  • FAOは、ココナツ水を栄養スポーツ飲料として売買し、熱帯地域諸国の農家を利することを可能にする新技術に対する特許を取得した。
  • 日本政府が国連に対し、新しい「平和の鐘庭園(Peace Bell Garden)」を寄贈。本日、ニューヨーク国連本部で、この開園式典が行われた。この式典より前、同じく国連本部において、日本政府代表部が主催する茶会(“Tea for Peace”)が行われた。

2000年9月13日

  • 安保理常任理事国の5カ国外相は本日声明を発表、ミレニアムサミット宣言について、今後、具体化をはかっていく決意を示した。
  • エリトリア・エチオピアにおける国連活動の一環として、軍事監視員46人の第1陣が両国への駐留を開始。本日、エリトリアの首都アスマラに4人、エチオピアの首都アディスアベバに3人、合わせて7人の軍事監視員が到着した。
  • 総会、一般演説2日目。約20カ国が演説。日本の外相も演説した。
  • 西ティモールで先週、国連援助職員が殺害されたが、本日、これら職員の追悼式典が、東ティモールのディリで行われた。東ティモール住民や国際・現地職員ら500人以上が出席した。UNTAETのデメロ代表は弔詞において、UNHCR職員が命を賭した精神を生かし続けることは我々の責務である、と述べた。
  • FAOとWFPはこのたび、イラクの子どもたちの栄養状況に関して共同作成した報告書を発表した。同報告は、同国の一定の地域において、子どもの栄養不良の状態が非常に悪いとし、憂慮を示した。
  • このたび国連グアテマラ検証団(MINUGUA)が発表した報告書によれば、今報告期間(昨年12月から今年6月)にグアテマラで発生した人権侵害の件数が、その前の半年間に比べて、多少増加した。
  • グラサ・マシェル氏(「武力紛争が子どもに及ぼす影響」の作者)がこのたび、1996年以降、子どもや女性への戦争の影響緩和においてみられた進捗状況をまとめた報告書を発表した。カナダおよびノルウェーの資金援助、ならびにUNIFEMおよびユニセフの支援を得て、作成された。同報告書は今週カナダで開催される「戦争の影響を受ける子ども達に関する国際会議」において、重要な参考資料となる。ユニセフは本日、この報告書が画期的なものであるとして、賛辞を呈した。
  • アフガニスタン周辺諸国ならびにロシアおよび米国は、国連本部で高位級会合を行った後、同地域における薬物統制のための行動計画を承認した。
  • 火曜日、コソボのミトロビツァ南部のTrepca産業工場で、硫黄酸化物の大量漏出事故が発生した。国連要員およびKFOR兵士130人以上はこの事態に対処すべく、1晩中作業を続けた。
  • 世界銀行が、「世界開発報告2000/2001」を発表。同報告によれば、世界人口のほぼ半分、約28億人が1日2ドル未満で暮らしている。

2000年9月12日

  • 総会一般演説、開始。アナン事務総長は冒頭演説を行い、総会に対して、ミレニアム・サミットでの「大胆な公約」を行動に移すよう促した。
  • ジブチ大統領は一般演説において、ソマリアが「現代で最も長い国家崩壊の時期」を終えてこのたび新政府を樹立した、と称えるとともに、国際社会の支援を求めた。
  • トーゴ大統領は一般演説において、アフリカで発生する紛争に対する関心が他の地域の問題に比べて薄いと述べ、安保理に対して、地域による区別なしに、すべての紛争に平等の関心を払うよう求めた。
  • 第55回総会、一般演説を開始。20カ国以上の代表が、平和と安全の維持、「万人のためのグローバリゼーション」の促進、環境保護など、国際社会の直面する重大な問題に関して、それぞれの立場を表明した。
  • キプロス間接交渉、開始。この間接交渉には、ギリシャ系住民およびトルコ系住民が、包括的解決につながる意味ある交渉の土台を築くべく、1999年12月以来参加している。
  • シエラレオネの反政府勢力メWest Side Boysモがこのたび、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に投降。週末、同勢力の拘束下にあった英国人兵士6人とシエラレオネ軍兵士1人が解放された後、Masiaka地域では緊張状態が続いているが、全体としては同国の治安状況は落ち着いている。
  • 東ティモールにおいて、一部の民兵組織から離脱したメンバー数人がこのたび、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)に投降した。UNTAETのデメロ代表は、民兵に対して、安全の保証と再定住支援を得るかわりに武器を差し出すよう奨励する大々的なキャンペーンが効果を表しはじめている、と述べた。
  • コソボ・アルバニア人の著名な建築家であり、元プリシュティナ都市開発計画再建部部長のRexhep Luci氏が昨日、殺害された。本日、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)はこの事件を強く非難する声明を発表した。同氏は最近、プリシュティナの不法な建設物の破壊プロジェクトに従事していた。
  • UNHCRはこのたび、ギニア当局にメッセージを送り、同国に流入した難民への保護の提供を継続するよう促した。
  • モスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)において、ボスニア・クロアチア戦争退役軍人協会(HVIDRA)がCarinski橋の閉鎖を続けている。国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)は、この閉鎖が市民の移動の自由を奪っている、と非難した。
  • タジキスタン・アフガニスタン国境地帯において押収される麻薬量が、過去1年間で4倍となった。アルラッキODCCP事務局長は、国連によるタジキスタンおよびロシア国境警備隊への支援によって、即時かつ優れた成果がでた、と述べた。
  • ノルウェーはこのたび、WHOによる今後3年間のアフリカ健康プログラムに対して、約500万ドルの資金を拠出することを決めた(昨日、ノルウェーの駐ジンバブエ大使館で発表された)。

2000年9月11日

  • 総会は本日、今期の議題(計179件)を採択。なお総会議長Harri Holkeri氏は、先週の選出後初めて記者会見し、今総会においては、「いつもの仕事」というような気持ちを持たず、先週の画期的なミレニアム・サミットで生まれた弾みを維持するよう努めなければならない、と述べた。
  • アナン事務総長は、ミレニアム・サミット開催中にニューヨークの人々が示した「礼儀、理解と支援」に謝意を表し、週末および月曜日の夜、国連本部ビル両側に“Thank you NY”の文字をライトアップするよう指示したが、同時にまたニューヨークの市長および警察部長にも謝状を送付した。
  • アナン事務総長はUNDP執行委員会の閣僚級会合で基調演説を行い、UNDPが国々の自助努力支援において果たしているユニークな役割を指摘するとともに、デジタル・デバイド解消や紛争後の平和建設など、UNDPの遂行する様々な活動に対して、強固な国際的支持を求めた。
  • 国連、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、シエラレオネ政府の3者間で、初の調整会合が開催された。アナン事務総長は冒頭演説を行い、リベリアとギニア間の国境地帯で緊張が高まっていると伝えられることについて、憂慮を表明。そしてシエラレオネに悪い影響を及ぼすことにもなり得る事態の悪化を防ぐため、ECOWASが全力をつくすよう希望を表明した。
  • 明日、キプロス間接交渉がニューヨークで再開。アナン事務総長は最初、午後3時から1時間、Glafcos Cleridesおよびその代表団と会談し、その後、午後4時から、Rauf Denktashおよびその代表団と個別に会談する。
  • イラク石油食糧交換プログラムの実施に関する最新の事務総長報告が発表された。同報告によれば、イラク政府は、石油食糧交換プログラムの資金を利用したイラクの財・サービス購入取極めに関する話し合いを拒否している。また同国当局は、その人道状況調査のために国連が任命した独立専門家への協力やビザ支給を行う意向がないことも示唆した。
  • 今後2週間にわたり、UNEPが集めた国際専門家チームがアルバニアとマケドニア旧ユーゴスラビア共和国を訪れ、両国においてコソボ紛争が及ぼした環境被害の実態を調査する。

2000年9月8日

  • ミレニアム・サミットは今夜、国連の今後の役割に関して宣言を採択し、閉幕した。同宣言は、平和、開発、環境、人権、弱者の保護、アフリカの特別なニーズ、国連強化といった主要な分野に関して、一連の目的を打ち出した。
  • アナン事務総長はミレニアム・サミット閉幕式典で演説し、各国首脳に対し、サミットが打ち出した目的の実現をはかるよう求めた。また事務総長は、自らに与えられた任務について、その実行に全力を尽くすことを約束した。
  • 安保理は決議1319を全会一致で採択し、西ティモールでの民兵による国連職員襲撃事件(UNHCR職員3人が死亡)を非難するとともに、インドネシア政府が民兵の武装解除・解体、法と秩序の回復、難民と援助職員の安全確保、東ティモールへの侵攻防止のため、即時に追加的な措置を講じるよう求めた。
  • UNHCRによれば、西ティモールにおける国連職員殺害事件に対して、国際的な非難が高まるなか、同地では依然、民兵が住民を襲撃し、援助職員を威嚇するなど、不安定な情勢が続いている。
  • ミレニアム・サミットの共同議長は、サミット最終会合の開催前に声明を発表し、参加各国首脳が示した「率直かつ建設的な」精神に賛辞を呈するとともに、首脳たちが宣言の内容を行動に移すよう求めた。
  • ミレニアム・サミット、最終日。多くの首脳がその演説において、グローバリゼーションを肯定的な力として利用し、貧困、疎外、不平等などの問題を解決する方策に焦点を当てた。
  • ミレニアム・サミット最終日、アフリカの特別なニーズという問題も、多くの首脳たちの演説において優先的に取り上げられた。
  • ミレニアム・サミット第4回円卓会議において、テロリズムや債務帳消しなど、逼迫したさまざまな国際問題に関する活発な討論が行われた。同会議後、議長を務めたアルジェリアのブーテフリカ大統領は記者会見し、先進国代表が開発途上国の問題に深い思いやりを示したことに特に感激した、と述べた。また、普段は国際会議に出席するための資金的余裕がなく、無視されている小国あるいは貧困な島嶼国の直面する窮状に衝撃を受けた、と述べた。
  • ミレニアム・サミット開催中の条約署名式典において、少なくとも85カ国の首脳たちが約40の国際条約に署名、批准あるいは加入した。人権、軍縮、環境保護などの分野の条約や議定書などをすべてあわせて、300件を超える署名や批准が行われた。
  • 経済社会理事会のビュアローが初めて、首脳レベルで開催された。会合の後、ビュアローの5カ国首脳(インドネシア、オーストリア、ブルガリア、カメルーン、コスタリカ)は声明を発表し、世界の人々の大多数が依然、貧困のなかに生きており、IT革命の恩恵を受けていない、と指摘。デジタル・デバイドを解消しようとするなら、国家、地域、国際レベルで、緊急かつ協調した努力が不可欠であるとするとともに、この目的の達成のために必要な努力や資源を動員するうえで、国連が役割を担わなければならない、と強調した。
  • アナン事務総長は、石油価格の上昇が世界経済に及ぼす影響の可能性に憂慮を示し、主要な石油生産国に対して、他の国々(特に貧困国)への影響を考慮するよう求めた。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ高等代表事務所および欧州安保協力機構(OSCE)は、ボスニア・ヘルツェゴビナにおける財産法の実施を阻害した公職員15人が免職処分となった旨発表した。
  • ミレニアム・サミット開催中、交通渋滞等の不自由を耐えたニューヨークの人々に謝意を示し、日曜日と月曜日の夜、国連本部ビル両側に“Thank You NY”の文字がライトアップされる。

2000年9月7日

  • 史上2回目の安保理サミット開催。安保理は、平和維持活動における国連の中心的役割を強化することを決意し、その目標達成のための具体的な措置を講じることを約束した。
  • ミレニアム・サミット2日目。60人を超える首脳が、総会本会議で演説する予定。
  • アナン事務総長は安保理サミットで演説し、国連が現在、「信頼性の危機」に直面していると述べ、参加各国首脳が国連に対して、効果的な活動のために必要な道具を与えるよう求めた。
  • 安保理は議長声明において、コンゴ民主共和国における敵対行為の継続に深い憂慮を示し、ウガンダ・ルワンダ軍およびその他のすべての軍隊が同国からの撤退を加速するよう求めた。
  • ミレニアム・サミットの第2回円卓会議が行われ、34人の世界指導者が、暴力や貧困等問題について話し合い、世界にとって最も切迫した問題を明確にした。
  • ミレニアム・サミットの第3回円卓会議においては、その中心的テーマとして、国連加盟国がそれぞれの努力を結集する必要性に焦点が当てられた。
  • 70カ国の首脳の夫人らが、ユニセフ主催の女子教育に関するフォーラムに参加する予定。性差別により、数百万の少女たちが学校に行けない状況について、情報の交換、経験の共有、注意の喚起を行う。
  • 西ティモールにおいて昨日起こったUNHCR職員殺害事件を受けて、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、西ティモールのアタンブアとクパンから合わせて約140人の援助職員を退避させた。
  • 多国間条約署名式典、2日目。ミレニアム・サミットに出席した各国首脳らが続々と、多国間条約の署名を行っている。昨日に引き続き、最も署名が多いのは、児童権利条約の2つの議定書である。
  • オバサンジョ・ナイジェリア大統領とロック・グループU2のボーカル、ボノさんが、G8諸国に貧困国に対する債務帳消しを求めて「ジュビリー2000」のキャンペーンで集めた2,170万人の署名と請願書をアナン事務総長に手渡した。
  • 国連ボランティア(UNV)によれば、UNVはすでに、23人の情報担当職員を開発途上国に派遣し、現地の人々にインターネット利用技術を教えている。この構想は、アナン事務総長が今年前半、ミレニアム報告書のなかで発案した。これらUNITeSボランティアが現在、活動しているのは、ベナン、ボツワナ、ブルンジ、中央アフリカ共和国、エクアドル、インド、ヨルダン、南アフリカの8カ国。今後さらに、ブータン、ヨルダン、モンゴルの3カ国にあわせて6人のボランティア派遣すべく準備が進んでいる。

2000年9月6日

  • ミレニアム・サミット開幕。共同議長による開幕宣言につづいて、アナン事務総長は冒頭演説し、このサミットがユニークな機会というばかりでなく、ユニークな責任を提供しているとし、自国の市民の安全、健康、繁栄を保証するのは政治指導者の責務である、と指摘した。また「我々は、優先事項を決める必要がある。将来、その優先事項が明確かつ迅速な決定に反映され、人々の生活の真の変化へとつながるよう、我々は国連の適合化をはからなければならない」と述べた。さらに事務総長は各国首脳に対して、このたび専門家パネルが作成した平和活動に関する報告書、およびミレニアム報告書を検討するよう促した。この後、ホスト国の指導者として、クリントン米大統領が最初に演説、東ティモールとシエラレオネの例をあげ、国連の関与がなければ状況が非常に悪化していたであろう、と述べた。そのうえで、どちらの活動においても、仕事をやり遂げるために必要な道具が国連にはないと指摘し、世界の指導者に対して、紛争予防を支援するとともに、それらの道具を提供するよう呼びかけた。
  • 多くの国々の首脳がミレニアム・サミット演説において、中東和平プロセスに対する努力を新たにするよう促した。バラク・イスラエル首相は、我々が成功しようとすれば、いずれの側も夢の100%実現はできない、と述べた。アラファト・パレスチナ政府議長は、パレスチナ人およびその指導者は平和をめざして本気で取り組み、両者に受け入れ可能な妥協点に到達するため「苦痛の」譲歩を行った、と述べた。クリントン米大統領は、中東、ブルンジ、南アジアなどにおいて、対立と妥協の間で葛藤する指導者たちは国際社会および国連の支援を必要としている、と述べた。サウジアラビアは、加盟国が国連憲章の原則を実施、あるいは安保理決議を遵守しなければ、いかなる国連改革も、中東などにおいて平和をもたらす助けとはならないであろう、と述べた。
  • 国連本部で、事務総長に寄託された多国間条約の署名式典が開始。22カ国の首脳がともに、人権、軍縮、生物多様性など、70を超える条約に署名あるいは批准した。なかでも、本日、署名が最も多かったのは、児童権利条約の2つの議定書であった。
  • 西ティモールにおいて、本日、UNHCR職員3人が民兵に襲われ死亡。アナン事務総長はミレニアム・サミットでの冒頭演説で、世界の指導者に対して、この襲撃事件の発生を伝え、この悲劇が、紛争下、あるいは紛争後の状況で国連に従事する非武装の人道活動家の直面する危険を再び強調した、と述べた。総会は、アナン事務総長の要請で、本日死亡した「勇敢な同僚」に敬意を表し、1分間の黙祷を捧げた。
  • コダック社の写真家が本日、最新のデジタル技術を使って、ミレニアム・サミットに出席する各国首脳たちの集合写真を撮影した。サミット・スポークスマンによれば、この撮影はコダック社の善意で行われたもので、撮影料金はゼロ。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は本日声明を発表、セルビアがコソボで9月24日に実施する選挙は「茶番劇」であり、UNMIKが10月28日に実施する地方選挙を壊そうとする「露骨な試み」である、と述べた。そして、UNMIKが参加、支援、組織したり、あるいは容認、合法化することはない、とした。

2000年9月5日

  • 明日のミレニアム・サミット開幕を前に、サミット共同議長のフィンランド大統領Tarja Halonen氏およびナミビア大統領Sam Nujoma氏は本日、報道声明において、この画期的なフォーラムが「真に歴史的な意義をもつ機会」であると述べたうえで、サミットの終了後、そこで採択された宣言を実質的な行動に移していくことの重要性を強調した。
  • 国連本部で記者会見したアナン事務総長もまた、ミレニアム・サミットに出席する世界の指導者たちがこの機会をとらえ、世界の主要な問題に関する行動計画を採択するとともに、そこでなされる政治的公約を国内レベルで具体的な行動に移していくよう訴えた。
  • 明日、事務総長に寄託された多国間諸条約の署名式典が開始する。ミレニアム・サミットに出席するため集まった約82カ国の首脳が、250を超える条約に 署名、 批准あるいは加入する予定である。
  • 第54回総会、閉幕。グリラブ総会議長は最終会合で演説し、この1年間、総会の権威が依然として、侮蔑の対象となってきたのを自らの目で見たと述べ、すべての国々、特に開発途上国に対して、この傾向を改善するよう促した。
  • ミレニアム総会、開幕。フィンランドの元首相Harri Hokeri氏が、総会議長に選出された。
  • 朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)のミレニアム・サミット欠席について、アナン事務総長は失望の念を表明。また、これに伴い、予定されていた韓国とDPRKの会談が中止となることについては、両国がこれまで達成したものを踏まえ、引き続き関係正常化をはかっていくよう希望を表明した。
  • アフリカ、アジア、ヨーロッパの10カ国首脳が、国連本部で開かれた円卓会議に出席し、文明間の相違点を乗り越え、より調和のとれた世界をつくる手段として、文明間の対話を進める必要性に関して話し合った。この会議は、ユネスコが国連との協力の下、イランの支援を得て、開催したもの。この会議をもって、国連文明間の対話年(2001年)が開始した。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長はミレニアム・サミットに参加した世界各国の首脳に対し、世界の発展を測る主な尺度として、子どもの健康、成長、福祉に焦点を当てるよう促した。
  • 総会は決議を全会一致で採択、ツバルの国連加盟を承認した。これにより、国連加盟国総数は、189となった。
  • 安保理は決議1317を全会一致で採択し、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の任期を9月20日まで延長した。
  • UNHCRによれば、アンゴラ西部の州Moxicoの紛争を逃れて、ザンビアに流入する難民が急増している。
  • このたび、レバノンにおいて、20年ぶりに同国南部を含んだ議会選挙が実施されたことについて、アナン事務総長は本日、同国政府を祝福する言葉を述べた。
  • 東ティモール暫定行政機構の閣議はこのたび、国連平和維持ミッションとインドネシア政府が東・西ティモールの境界地帯問題を扱う委員会の設置について合意した取極めを承認した。

2000年9月1日

  • ミレニアム・サミット報道官が本日発表したところによれば、これまでに152カ国首脳がミレニアム・サミットに出席することを確認した。同サミットは9月6日に開会、8日に共同議長および事務総長が声明を発表して、閉会する。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏が8月24日、ヤンゴンからNLD会合に向かう途中、路上で移動の自由を奪われた状態が続いていることに懸念を示し、同国政府に対して、国際的な人権基準に従い、この膠着状態を解決するよう求めた。
  • ロビンソン人権高等弁務官は声明を発表し、このたびスウェーデンのHenrik Amneus大使を、コソボ危機に関連して自由を奪われた人々に関する特使に任命した、と明らかにした。当初の任期は6ヶ月。個別のケースへの介入というよりも、問題の性格を検討し、包括的解決を探ることを主な任務とする。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のデメロ代表は本日、ジャカルタで、ワヒド・インドネシア大統領と会談。大統領は、西ティモールの治安・難民問題を収束し、東ティモールとの良好な関係を維持すべく、支援を継続することを確約した。
  • UNHCRによれば、コロンビア人約500人が自国のラ・ピスタで起こった準軍事的勢力による襲撃を逃れ、保護を求めて、ベネズエラに流入した。
  • 国連アフガニスタン地雷除去プラグラムは、資金不足による活動の50%削減を開始した。具体的には、職員の2ヶ月無給休暇、給料凍結あるいはカット、ラマダン月の活動停止などの緊縮措置が講じられる。
  • 昨日、シエラレオネのカバー大統領は、同国西部の町Port Locoに展開する国連平和維持部隊を訪問した。同大統領がこの地域を訪問するのは、1996年の就任以来はじめて。この後、大統領はBumbunaも訪れ、市民およびシエラレオネ軍兵士に対し演説した。訪問先のこれら2つの町で、大統領は人々に対し、元RUF戦闘員が反省の姿勢を示すことを条件に、それら戦闘員を許すよう促した。
  • WHOは提案中の煙草統制条約に関して、関係当事者からの見解を求めていたが、昨日の提出期限までに、すべての主要煙草企業、食料・ホテル業界、宣伝広告企業、消費者団体、教会団体、喫煙権を主張するグループ、スポーツ団体、公衆衛生担当者など、多岐にわたる関係者から、非常に多くの見解が寄せられた(WHO発表)。

2000年8月31日

  • 安保理、ブルンジ情勢に関する非公開協議。同協議後、安保理議長は、理事国の意見を代表して、報道声明を発表。8月28日のブルンジ合意について、国民和解に向けた重要な第1歩であるとして歓迎し、同合意の署名国が武装勢力に対して、敵対行為の停止、交渉への参加、および合意の署名を求めた緊急アピールを全面的に支持した。
  • アナン事務総長は、このたび安保理に書簡を送付し、国連エチオピア・エリトリア・ミッション(United Nations Mission in Ethiopia and Eritrea=UNMEE)に兵力の提供を申し出た19カ国を明らかにした。この19カ国とは、アルジェリア、オーストリア、カナダ、中国、フィンランド、ガーナ、インド、イタリア、ケニア、ネパール、ペルー、ポーランド、ルーマニア、スペイン、スウェーデン、タンザニア、ウクライナ、ウルグアイ、ザンビアである。
  • シエラレオネ反政府勢力RUFは昨日、装甲兵員輸送車6台をUNAMSILに返還した。RUFの新指導者Issa Sesay氏は先週、車両や兵器などの略奪物資のなかで、5月に奪った7台の輸送車を最初に返還することを約束していたが、7代目の輸送車は引き渡し場所に行く途中で故障し、現在、移動不可能となっている。一方、反政府勢力West Bad Boysの拘束下にあった英国人兵士11人のうち5人が昨日、UNAMSILの支援を得て、解放された。現在、残りの英国人兵士6人とシエラレオネ軍兵士1人の解放をめざして、交渉が続いている。
  • 国連監視検証検査委員会(UNMOVIC)の安保理宛て報告が本日、発表された。同報告によれば、UNMOVICの初の訓練コース(7月11日-8月10日)が終了し、同委員会はイラクにおける兵器査察の準備に必要な数多くの活動を開始することが可能となった。しかし、イラクはUNMOVICチームの入国を許可しておらず、報告は、同活動の活動時期については明示していない。
  • アンゴラのフアンボ州当局がこのたび、Caala市における国内避難民の再定住を促進する措置を講じたことについて、本日、国連アンゴラ人道調整官事務所は歓迎の意を表明した。
  • スワジランドはこのたび、ルワンダ国際刑事裁判所に有罪の判決を下された受刑者の服役施設を提供することに合意した。昨日、スワジランドと裁判所の間で、正式な合意が成立した。スワジランドの前に、マリとベナンの2カ国がすでに、こうした施設の提供を申し出ている。
  • 東・西ティモール間の境界地帯における民兵活動の活発化について懸念が高まるなか、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のデメロ代表らはジャカルタにおいて、インドネシア指導層と会談、こうした治安情勢が難民帰還に及ぼす影響について話し合った。
  • オリンピックと国連は共有する寛容、平等、フェア・プレイ、平和の実現をめざす努力において勝者チームとなりうる、とアナン事務総長。シドニー・オリンピック(9月15日-10月1日)へのメッセージにおいて。
  • ESCAP主催の「第4回アジア太平洋地域環境と開発に関する閣僚会議」が、北九州で開始。会期は9月5日まで。行動計画および宣言を採択し、アジア太平洋地域の国々の環境保護に対するコミットメントを再確認する予定。

2000年8月30日

  • 安保理、コンゴ民主共和国(DRC)情勢に関する非公開協議。同国訪問から戻ったばかりの事務総長特使Abdulsalami Abubakar将軍のブリーフィングを受けた。同協議後、安保理議長は報道声明を発表し、同国政府が国連コンゴ民主共和国ミッションの展開を促進する意向を示唆したことに歓迎の意を示した。
  • 安保理はさらに、シエラレオネ情勢に関する非公式協議。安保理議長は報道声明を発表し、UNAMSILの兵力を2万500人まで拡大し、その機能強化をはかるよう求めた事務総長の勧告に関する迅速な取り組みの意向を示した。
  • 列国議会同盟(IPU)の主催する初の「世界議長会議(Conference of Presiding Officers of Parliaments)」が国連本部で開始した(会期は3日間)。アナン事務総長は基調演説し、今日のグローバル化した世界において、国会議員が自らの奉仕の対象である人々に国連等のグローバルな機関を近づけるうえで、中心的な役割を担っている、と述べた。
  • 東ティモール住民投票実施1周年。アナン事務総長はビデオ・メッセージにおいて、独立を求める東ティモールの人々の強さと決意に賛辞を呈した。
  • コロンビアの国内避難民に対する食糧提供のため、本日、WFPは国際社会に対して、援助を求めるアピールを発信した。今年前半、同国避難民のなかでも最も貧しい23万人に食糧を提供すべく、2年間計画(900万ドル相当)を立ち上げたものの、これまでに申し出があったのは、米国からの援助提供のみであり、必要な援助の25%でしかない。今後、同国政府当局による不法薬物取引の取り締まり強化の結果、暴力事件が新たに発生し、避難民が増える可能性がある、とWFPは懸念している。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、この1週間、400世帯のアフガニスタン人家族が干ばつに襲われたアフガニスタンの村落地域(Heart州、Ghor州、Badgihis州)を離れ、、Herat市に流入した。
  • インドネシア政府の招請により、裁判官および法律家の独立に関する特別報告者DatoユParam Cumaraswamy氏は、汚職罪に問われたスハルト元インドネシア大統領の裁判(31日、ジャカルタ)にオブザーバーとして出席する。
  • 世界保健機関(WHO)によれば、タンザニアのオリンピック選手2人(Restituta JosephさんとFokasi Wilbroad Fullahさん)がこのたび、WHOのマラリア撃退運動に協力し、アフリカにおける啓発活動を支援することになった。その他のアフリカ選手も支援するよう奨励されているが、これまでに、ウガンダ代表チームのほとんどがすでに支援を約束している。

2000年8月29日

  • 安保理、東ティモール情勢に関する公開協議。同協議において、アナビ事務次長補はブリーフィングし、東ティモールの経済・社会状況は引き続き懸念されるところであるが、経済活動は力強く活性化している、と述べた。さらに治安状況については、東ティモール中西部において、民兵の動きが活発化していることを指摘した。
  • アナン事務総長は「宗教・精神指導者のミレニアム世界平和サミット(Millennium World Peace Summit of Religious and Spiritual Leaders)」での演説において、21世紀には宗教的偏狭さや不寛容を許してはならないと強調し、世界の精神的指導者1,000人に対して、宗教間の対話と協力の模範を示すよう求めた。
  • 月曜日、アルーシャ(タンザニア)で成立したブルンジ和平合意について、アナン事務総長は歓迎の意を表明したが、同時に、すべての当事者が合意に署名していないことに遺憾の意を示し、可能な限り早急な署名を促した。
  • シエラレオネにおいて、8月25日、West Side Boysとして知られる反政府勢力に拘束された英国人兵士11人とシエラレオネ軍兵士1人の解放をめざして、現在交渉が続けられている。
  • 先週木曜日以降、ヤンゴン(ミャンマー)郊外の小さい町の近くで、アウン・サン・スー・チーさんおよびNLDの他の指導者たちが移動の自由を否定された状態が続いているが、アナン事務総長は本日、ミャンマー政府に対して、この膠着状態を早急に平和解決すべく、必要な措置を講じるよう求めた。
  • 先週水曜日、西ティモールにおいて、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員3人が襲われ負傷したことを受け、UNHCRは東ティモール難民キャンプでの全援助活動を停止していたが、インドネシア政府が同事件に関し迅速な調査を行ったことから、本日、UNHCRはこれに満足の意を表明し、援助活動を再開した。
  • 世界気象機関(WMO)は南極オゾン報告(最新版)を発表し、南極大陸上空のオゾン層が恐ろしく減少しつつある、と指摘した。
  • 国連イラク・プログラム部によれば、イラクは先週、石油1,720万バレルを輸出し、推計4億7,900万ドルの収入を得た。
  • 1992年のボスニア紛争時、破壊されたセルビア人共和国のモスクがこのたび再建され、日曜日、再開式典が行われた(UNMIBH発表)。

2000年8月28日

  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に関する第6次事務総長報告書が発表された。同報告において、事務総長は、UNAMSILが安保理決議1313に規定された優先的任務を実施できるよう、その平和維持兵を2万500人まで増員するよう勧告した。さらに、9月8日に期限を迎える同ミッションの任期を6ヶ月延長するよう勧告した。
  • シエラレオネにおいて、West Side Boysとして知られる反政府勢力の拘束下にある英国人兵士11人とシエラレオネ人兵士1人の解放をめざして、現在、UNAMSILは英国政府と現地当局を支援し、あらゆる努力を尽くしている。UNAMSILによれば、解放のための交渉が続くなか、これら人質の健康状態は良好であり、また適正な処遇を受けている。
  • 国連広報局主催のDPI/NGO年次会議が、3日間の日程で開始。約60カ国から約1,800人を超えるNGO代表の参加を得た。アナン事務総長は同会議で演説し、NGOの国連へのアクセスの拡大について、最終的には加盟国が決めることではあるが、自身の努力を今後も継続していくことを約束した。
  • NGO主催の「宗教・精神指導者の世界平和サミット(World Peace Summit of Religious and Spiritual Leaders)」が国連本部で開始。同サミットは、世界の宗教・精神指導者が協力し、国連の平和イニシアチブを支援する方法を考えるために開催された。1,000人以上の参加を得たこのイヴェントは、火曜日までは国連本部で行われ、その後2日間、Waldorf Astoria Hotelに場所を移して継続される。
  • 本日、ジブチにおいて、ソマリア新大統領Abdiqassin Salad Hassan氏の就任式典が行われた。アナン事務総長は祝賀メッセージにおいて、ソマリアを国家コミュニティーのメンバーとして再確立しようとする努力において、この式典が重要な一里塚となった、と述べた。
  • 日曜日、コソボにおいて、セルビア人を標的にした一連の暴力事件が起き、2人が死亡、何人もの負傷者がでた。クシュネル・コソボ事務総長特別代表は声明を発表し、これらの事件を非難した。
  • 東ティモール住民投票1周年の準備が進むなか、イアン・マーティン氏(デメロ事務総長特別代表の前任者)がディリを訪問。東ティモール民族抵抗評議会(CNRT)で演説し、CNRTの活動を称えた。

2000年8月25日

  • 国連は本日、アナン事務総長が昨年2月、リビア指導者のカダフィ氏に宛てて送付した、ロッカビー事件(1988年)の裁判条件を示す書簡を公表した。同事件のリビア人容疑者2人の弁護団が、英国当局に対して、書簡の公表を要請したことに応じた。今週火曜日、事務総長はこの書簡の写しを駐国連・英国大使に送付、本日、英米両政府が、事務総長の添え状とともに公表した。
  • シエラレオネのダイヤモンド・武器取引の関連情報収集のため、今月はじめに事務総長の任命した独立パネルが来週から、アフリカ西部諸国を訪問する。また9月16日には、南アフリカで開催されるダイヤモンドに関する政府間会議に出席する予定。
  • アナン事務総長は各国政府に対して、ミレニアム・サミットの機会を捉え、事務総長に寄託されている諸条約の締約国となるよう求めているが、これまでに70カ国近くが国連に対して、署名、加入、あるいは事務総長に批准書を寄託する意向を通知してきた。
  • ダライラマがNGOの「ミレニアム世界平和サミット」主催の宗教指導者会議(来週)に出席しないことについて、木曜日、事務総長は「失望を共有する」と述べるとともに、ダライラマが代理として、同会議に高位の指導者3人を送る意向であることに喜びを示した。
  • 国連エチオピア現地調整官は本日、エチオピアのTigrayとAfar両地域の国内避難民に対する復興再建プログラムのため、3,040万ドルの資金拠出を求めるアピールを発信した。
  • ハザラジャト(アフガニスタン)のための国連現地調整官によれば、世界食糧計画(WFP)がこのたび前線を越え、アフガニスタンのDara-e-Suf地域で援助を必要とする約2,600の家族に食糧を届けることに成功した。
  • UNHCRによれば、西ティモールは依然として、警戒を要する状態にあり、東ティモール難民キャンプ、あるいは東ティモールとインドネシア間の帰還ルート沿いの治安情勢に変化はみられない。
  • 国連軍縮秋田会議が今週、秋田(日本)で開催された。NPTの目的を達成することの重要性、アジア太平洋地域へのその潜在的な影響について、主に討論の焦点があてられた。
  • 全米テニス選手権大会を前に、テニス選手のマルティナ・ヒンギスさん(WHOのポリオ根絶親善大使)は明日、ニューヨークで、ポリオ根絶の必要性に関する啓発活動の一環として、同疾病の蔓延する国々を代表する子ども30人に対しテニスの特別レッスンを行う。

2000年8月24日

  • フレシェット副事務総長が、ニューヨーク国連本部で記者会見。来るミレニアムサミット(9月6日-8日)は、世界各国の政治的意思を活性化し、来世紀の国連の青写真を描くであろう、と述べた。
  • 安保理、コソボ情勢に関する公開協議。アナビ平和維持活動担当事務次長補はブリーフィングにおいて、コソボ地方選挙(10月28日)の準備が進むなか、政治絡みの暴力事件が増えていることに懸念が広がっている、と述べた。同氏によれば、特に、LDKの党員に対する暴力が増えており、UNMIKはこれらに対応すべく、現在、警察活動の優先順位を調整している。
  • 水曜日早朝、シエラレオネ西部のPort LokoとLungiを結ぶ道路沿いで、UNAMSILナイジェリア部隊がRUFに襲撃され、2人の兵士が負傷した。
  • 火曜日、スーダン南部で爆撃事件が起こったことを受け、スーダン人道道問題担当事務総長特使Tom Eric Vraalsen氏は本日ナイロビで、交渉を通じた平和的解決の必要性を強調し、当事者が政治的解決を求める努力を倍加するよう促した。
  • 国連スポークスマンによれば、コンゴ民主共和国政府はこのたび、自らの支配地域において国連部隊の展開を受け入れる意向を示唆した。
  • UNTAET人権班と東ティモール法律家協会は、東ティモール民族抵抗評議会(CNRT)の第1回会合に対して、6つの人権原則を提言し、各政党が人権に関する国内行動計画をつくるよう促した。
  • 世界保健機関(WHO)は本日、リベリアにおいて黄熱病予防接種を大々的に実施する、と発表した。WHOによれば、同国において、最近、29の症例が報告されている。

2000年8月23日

  • アナン事務総長は本日、自身が3月に設置した専門家パネルがこのたび完成した報告書で打ち出した、国連平和活動を向上させるための一連の提言に対する全面的支持を表明した。事務総長は安保理および総会に同報告書を送付する書簡において、「すべての加盟国が私と一緒に、これらの勧告の実施を検討し、承認し、支持するよう促す」と述べた。
  • 上記報告書を作成した「国連平和活動に関するパネル」の議長を務めたアルジェリアのLakhdar Brahimi大使がニューヨーク国連本部で記者会見。同氏によれば、パネルが接触した加盟国のほとんどの代表は、国連がより良く活動できること、またそのために支援がなされるべきであることを理解している。
  • 安保理は決議1316を全会一致で採択し、コンゴ民主共和国政府およびその他の当事者に対し、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)の展開を阻むすべての障害を取り除くよう求めるとともに、同ミッションの任期を10月15日まで延長することを決定した。この延長は、停戦合意を支援する一層の外交行動、およびMONUCの今後の活動および任務修正の可能性に対して、時間的余裕を与えることをねらったものである、と安保理は強調した。
  • 安保理、アフガニスタン情勢に関する非公開協議を開催。同協議後、安保理議長は報道声明において、安保理メンバーたちが、アフガニスタンで継続する武力紛争に深刻な憂慮を表明し、この問題のさらなる国際化の危険が大きくなっていることに意見の一致をみた、と述べた。
  • 今週火曜日、西ティモール難民でUNHCR職員3人が民兵に襲撃され重傷を負った事件を受け、UNHCRは本日、西ティモール難民キャンプでの援助活動を停止した。
  • アナン事務総長の招請により、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の兵力提供国がニューヨーク国連本部に集まり、同ミッションの活動を向上させる方策について検討した。
  • 国連は現在、次回のイラク兵器査察に向けて準備を進めているが、本日、対イラク安保理決議の実施に関して指針を提供する専門家グループがニューヨークで2日間の会合を開始した。このグループは、国連検証監視検査委員会のCollege of Commissioners(16人構成)。同委の委員長を務めるハンス・ブリクス氏が9月1日、安保理に提出する第2次報告書などについて、検討する。
  • 昨日、人種差別撤廃委員会は、スウェーデンとイギリスに関する報告をそれぞれ採択し、両国が人種・排外主義との闘いにおいて最近講じた法的措置を歓迎する意を表明した。

2000年8月22日

  • 明日、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の兵力提供国9カ国の国防担当幹部がアナン事務総長の招請を受けて、ニューヨーク国連本部で会合をもち、同ミッションの効率化をはかる方法について話し合う。この9カ国は、バングラデシュ、ガーナ、ギニア、インド、ヨルダン、ケニア、ナイジェリア、ロシア連邦、ザンビア。
  • 国連人道問題調整部が本日発表した報告によれば、安保理による制裁措置により、すでにほとんどの人々が厳しい状況に陥っているアフガニスタンの経済、またそれらの人々を支援する人道機関が、実質的にマイナスの影響を受けている。この制裁措置は、タリバンに対して、テロリストとして起訴されているUsama bin Ladenの引き渡しを迫るために科したもので、安保理が昨年11月に採択した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、FALINTIL(東ティモール民族抵抗評議会の軍事部門)と非公式協議を行い、東ティモールにおける治安部隊の編成について話し合った。話し合いでは、ロンドンのキングズカレッジによる独自の研究報告が提案した3つの選択肢が示された。第1の選択肢は、元FALINTIL兵士と徴収要員3,000人から5,000人で構成する部隊設置、第2は1,500人の通常部隊を中核とし、1年ごとに1,500人を徴収して補完する方法、第3は3,000人の非常勤志願予備隊の設置(その半数は元FALINTIL兵士で構成し、残る1,500人は志願予備隊員として自宅待機して、定期的に訓練を受ける)である。
  • 「2000年国連軍縮秋田会議」が開始した(会期は4日間)。テーマは、「21世紀の軍縮と国連:その戦略と行動」。アジア太平洋地域における平和を達成するための戦術、同地域における国連の役割、朝鮮半島情勢、NPT、核保有国の役割、核エネルギーの平和的利用、通常兵器、STARTプロセスなどについて検討する。
  • 30年ぶりの最悪の干ばつに襲われたイランにおいて、国民の半数以上、約3,700万人がその被害に苦しんでいる。視察のため、7月22日から8月8日まで同国に入った国連専門家によれば、同国の生活状況は日増しに悪化しており、水、家畜、穀物などの供給が厳しい状況となっている。
  • 国連環境計画(UNEP)は、世界各地の有害物質が健康に及ぼす危険性について調査すべく、500万ドル相当のプロジェクトを開始する、と発表した。現在、12の残留性有機汚染物質に関する条約づくりが進められているが、このプロジェクトの下、さらに12以外の残留性有機汚染物質に関しても情報を集め、それらが環境や公衆衛生に与える脅威の性格や規模を評価する。
  • 子どもの性を売り物にした観光を防止する方策に関して、観光専門家たちがバンコクに集まり、初のワークショップを開始した(会期は2日間)。「子どもの売春、ポルノ、人身売買を止めさせるためのオーストラリア・キャンペーン」がアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)と協力し、開催した。

2000年8月21日

  • バレンツ海に沈没したロシア潜水艦に関する報道を受け、アナン事務総長は声明を発表、犠牲者の家族らを慰するとともに、この災害に対して払われた国際的対応を称えた。
  • レバノン南部担当事務総長個人特使Rolf Knutsson氏は本日、レバノン南部の「撤退ライン」を訪れ、同地域の状況を視察した。
  • マリ大統領(ECOWAS議長)とナイジェリア大統領はアピールを発し、RUFの新指導者が自身と軍の全力を傾注して、シエラレオネの和平プロセスを支持するよう促した。なお、これより前、両大統領は、シエラレオネ大統領の同意を得て、前RUF指導者サンコー氏と会談し、RUF指導層が全会一致でIssa Sesay氏を新指導者に選んだことを伝える書簡を手渡した。サンコー氏は両大統領に対する返書において、その決定を理解し、これに全面的に合意する旨示唆した。(以上、UNAMSIL発表)
  • コンゴ民主共和国担当事務総長特使のAbdulsalami Abubakar将軍(ナイジェリア)は本日、ルサカ(ザンビア)を訪問し、同国大統領と会談。この後、火曜日にはキンシャサ(コンゴ民主共和国)に入り、同国大統領らと会談する。さらに、今週後半には、アディスアベバ(エチオピア)を訪問し、OAU議長とサリム氏と協議する予定。コンゴ民主共和国における戦闘停止、MONUCの移動の自由の保証などの問題が焦点となる。
  • 東ティモール民族抵抗評議会(CNRT)の初会期において、デメロ事務総長特別代表は演説し、各政党間の寛容の必要性を訴え、また東ティモールの完全独立の達成に向けた主なステップについて概要を示した。9日間の日程で行われる同会期には、東ティモールの13の地区、政党、市民社会グループから460人の代表が参加している。
  • ケニアにおいて、干ばつの悪化による影響が増すなか、5歳未満の子どもの栄養不良が深刻なペースで加速化している。ユニセフが5月と6月、最大の被害地域で実施した調査したところ、それらの地域では5歳未満の子どもの25%から30%が栄養不良に苦しんでいる(WFP発表)。
  • WHOがこのたび発表した研究報告によれば、海外から飛行機で運ばれて各国に入り込んだ蚊により、空港付近でマラリアに感染する症例が欧州や北米で数多く報告されている。同報告によれば、過去30年以上の間に、12カ国において、空港近くに住む人がマラリアに感染した症例が合計87件あった。
  • イラク・プログラム部によれば、先週、イラクは石油1,750万バレルを輸出し、4億5,200万ドルの収入を得た。
  • シドニー・オリンピック出場のため、東ティモール人選手がオーストラリアで5週間にわたる集中訓練を受けていたが、IOCは8月18日、同オリンピックに出場する4人の選手を発表した。これら4人は、Martinho de Araujo(重量挙げ)、Victor Ramos(ボクシング)、Calisto da Costa とAguida Amaral(マラソン)。IOC執行委員会は5月、東ティモール人選手がシドニー・オリンピックで、公認の国内オリンピック委員会を持たない国々を代表する選手のための特別枠で参加し、競技するよう決定した。

2000年8月18日

  • 安保理、コンゴ民主共和国の情勢について非公開協議。同協議後、安保理議長は報道声明において、理事国メンバーたちが同国の人道状況の悪化に深い憂慮を表明し、人権侵害の継続、および同国東部での発生が伝えられる残虐行為を非難した、と述べた。一方、アナン事務総長はこのたび、同国を担当する特使として、ナイジェリアのAbdulsalami Abubakar将軍を任命。ルサカ合意および関連する安保理決議に関して、同国政府と協議を行うため、事務総長は数日のうちに、同特使をこの小地域に派遣する意向である。
  • WFPとUNHCRは国際社会、特にEUに向け、支援要請アピールを発し、アフリカの難民キャンプの食糧不足を緩和するための資金拠出を求めた。WFP報道官によれば、援助資金の不足による食糧提供の減少の影響を最も受けているのは、ギニア、ザンビア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ケニア、タンザニアの6カ国。
  • 今朝、コソボの中心都市プリシュティナの国連ビルで爆弾が炸裂し、1人の女性が軽傷を負い、いくつかの政党事務所が損傷を受けた。クシュネル事務総長特別代表はこの爆破事件について、「民主化の敵」(ベオグラードとコソボの過激派)が10月28日の選挙実施に向けた活動の勢いを削ごうとし、その妨害を図ろうとしているのは明らかであるとしたうえで、「我々は可能な限り安全を確保する準備ができている」と述べた。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボの各地方の自治政府に関する規則に署名、これを拘束力のあるものとした。10月28日の地方選挙後に発効するこの規則により、各地方政府は、教育やプライマリー・ヘルス・ケアなど、多岐にわたる責任を移譲されるほか、観光、経済促進、スポーツ、レジャーなど、その他の活動も行えるようになる。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナのRogatica(首都サラエボの西70キロ)において、国連地雷除去専門家2人およびセルビア人警察官1人が、対人地雷の爆発により死亡した。8月14日、同じ場所で地雷が爆発、これにより死亡した漁師2人の遺体が放置されていたが、17日、3人は、この遺体の収容のため、そこに埋設された地雷を除去していた。
  • 昨日、裁判外・略式あるいは恣意的な処刑に関する特別報告者Asma Jahangir氏は、インドおよびパキスタン両政府に対して、カシミールで最近発生した暴力事件について調査を行うよう促した。
  • 昨日、タリバンが、カブールの製パン所24の閉鎖決定を翻し、再開を許可したことについて、本日、国連緊急援助調整官代行Carol McAskie氏は歓迎の意を表明した。しかしまた、同代行は、国連によるアフガン女性の雇用を禁止するタリバンの命令について、引き続き憂慮している旨も表明した。
  • アナン事務総長は本日、オーストリアのPeter Leuprecht氏を、カンボジアにおける人権担当事務総長特別代表に任命した。前任者のThomas Hammarberg氏(スウェーデン)は今年1月に、同ポストを離れている。さらに本日、アナン事務総長はもうひとつの人事を決定し、パキスタンのHina Jilani氏を、人権擁護者に関する事務総長特別代表に任命した。このポストは今年4月、人権委員会によって創設されていたものであり、同代表となるのは、Jilani氏がはじめて。
  • 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は本日、1999年統計概要を発表。それによれば、昨年末現在、世界の難民人口は1.6%増加し、1,170万人となった。その他、UNHCRは、120万の庇護を求める人々(asylum-seekers)、帰還難民240万人、国内避難民400万人に関心を払っている。
  • 拷問に関する特別報告者Nigel Rodley氏は今月20日‐9月12日、ブラジルを訪問する。同国滞在中、政府高官、NGO、民間人と会談する他、警察留置所などを訪問する。1993年に同特別報告者に就任して以来、同氏は、ロシア連邦、ルワンダ、コロンビア、パキスタン、チリ、ポルトガル(東ティモールに関して)、ベネズエラ、メキシコ、トルコ、ルーマニア、カメルーン、ケニア、アゼルバイジャンを訪問している。

2000年8月17日

  • 安保理非公開協議において、イラク担当高位級調整官のユリ・ウォロンツォフ氏が、過去10年間行方不明となっているクウェート人および第3国人の安否確認作業に関して、ブリーフィングを行った。同協議後、安保理議長は報道声明を発表し、同調整官の活動に対して、全理事国が一致して支援を表明した、と述べた。また、安保理メンバーが、これら行方不明者の苦境に深い憂慮を示し、イラク政府に対して、国連およびその他の人道機関に協力するよう促した、と述べた。
  • 先週、レバノン南部担当事務総長個人代表に任命されたRolf Knutsson氏が本日、ベイルートで本格的に活動を開始、レバノン大統領および首相と会談した。
  • シエラレオネの町Mile91において、現在、約3万5,000人が避難し、これらの人々に対する人道援助活動が行われているが、本日、UNAMSILインド部隊がこの町への駐留を完了した。インド部隊が到着するまでは、ナイジェリアとギニアの部隊が、周辺地域におけるRUFや強盗たちの脅威から、避難民を保護していた。
  • タリバンは、アフガン女性たちが経営する24の製パン所の閉鎖命令(昨日)を翻し、明日からの再開を許可。WFPは、この決定を歓迎する意を表明した。カブール市内に散在するこれら製パン所では、360人のアフガン女性が働いており、7,200世帯、約4万人にパンを提供している。
  • 金曜日、スーダン人道問題担当事務総長特使Tom Eric Vraalsen氏が、スーダンの首都ハルトゥームを訪問する。同特使は、同国高官と会談し、オペレーション・ライフライン・スーダンの安全かつ実効的な機能の確保に関して話し合う。なお、援助施設近辺への度重なる空中攻撃により、先週から国連機のスーダン乗り入れが中断していたが、同国大統領がオペレーション・ライフライン・スーダンに従事する要員および航空機の安全を確保するため、あらゆる措置を講じると確約したことを受け、昨日、国連機乗り入れは再開している。
  • アフリカ人研究者たちが本日、アディスアベバにあるアフリカ経済委員会(ECA)本部でワークショップを開催し、アフリカ人研究者と政策立案者をつなぐネットワーク構築の問題に関して討論した。

2000年8月16日

  • 安保理、ソマリア情勢に関する非公開協議。同協議の後、安保理議長は報道声明を発表し、新しいソマリア議会の樹立を歓迎するとともに、すべてのソマリア政治勢力が現在の和平プロセスを支援するよう強く促した。
  • 月曜日、アナン事務総長は安保理に書簡を送付し、今月末に任期期限を迎える国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)の任期を暫定的に1ヶ月延長するよう勧告した。MONUCに関する次の事務総長報告の提出期限は8月24日となっているが、昨日終了したルサカ首脳会合など、最近の動きの影響について評価するため、9月30日までの時間的猶予を安保理に要請することとした。
  • 安保理、ハイチの治安情勢に関する非公開協議。同協議後、安保理議長は報道声明において、ハイチの政治的危機に憂慮を表明するとともに、同国当局が国連および国際要員の安全を保証するため、具体的な措置を講ずるよう促した。8月7日、国連ハイチ国際文民ミッション(MICAH)の職員Garfield Lyle氏がポルトープランスで銃撃され死亡したが、同報道声明はこの事件に言及するとともに、ハイチ政府に対して、事件の早急な調査を行い、責任者を遅滞なく裁判にかけるよう求めた。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、ブルンジ紛争の全当事者に対して、遅滞なく敵対行為を終結するよう要求するとともに、ブルンジの女性たちが同国の和平プロセスにおいて果たしている積極的な役割に対して称賛の意を表明した。
  • 国連とロシア連邦政府が、北カフカスにおける人道活動に関する了解覚書に署名した。北カフカスにおいて、支援を必要とする民間人に対して、国連による援助提供継続のための基盤確立を目的としたもの。
  • このたびレバノン南部担当事務総長個人代表に任命されたRolf Knutsson氏が、その任務に着手すべく、ベイルート入り。
  • 国連食糧農業機関(FAO)は、このたび刊行した「サブサハラ・アフリカにおける食糧供給事情および穀物収穫予測(8月号)」において、東アフリカにおいて深刻な食糧不足に直面する人々の数が今年4月から300万人増え、2,000万人近くに達した、と警告した。
  • 最近、セルビアの刑務所において、コソボのアルバニア人が2人死亡したと伝えられることについて、コソボ暫定協議会(KTC)は憤りを表明し、セルビアに勾留されたコソボのすべての人々の国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)への即時引き渡しを要求した。情報によれば、Adem Cali Salahu氏が6月21日Pozarevac刑務所で、Shkelzim Halit Zllanoga氏は8月8日Nis刑務所で、それぞれ死亡した。2人が死亡した状況は不明である。
  • タリバン当局はWFPを強制し、カブールにおいて女性たちが経営する24件の全ての製パン所を閉鎖させた。これらの製パン所は、360人の女性労働者が経営し、助成金を得てつくったパンを何千ものアフガン女性や子どもに提供していた。国連緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏は、このタリバンの動きがアフガン女性の差別と苦しみを増幅するものであるとし、遺憾の意を示した。
  • 国連の物資調達に関する改革について、本日、事務総長報告(A/55/127)が発表された。同報告書は、入札プロセスにおける透明性および評価の客観性を向上させ、一方で、開発途上国および経済移行諸国の売り主からの入札参加を拡大するとともに、国連事務局の調達の効率を上げるため、事務局が講じた措置について詳述している。
  • 東ティモール行政機構の内閣は本日、東ティモール時間を1時間早めることを決定した。同変更は、9月16日(土)深夜に発効した後、永久に使用される。この変更は、省エネを促進し、東ティモールの時間帯を同地域と合わせることを目的として行われるものである。

2000年8月15日

  • アナン事務総長はスポークスマンを通じて声明を発表し、明日、スーダン全土における国連の人道物資空輸活動を再開する、と述べた。また、スーダン大統領が、オペレーション・ライフライン・スーダンに従事する職員および航空機の安全を保証すべく、あらゆる措置を講じると約束したことについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。国連の空輸活動は、同国の人道援助施設に対する度重なる空中爆撃を受けて、先週火曜日から中断していた。
  • 安保理、ボスニア・ヘルツェゴビナ情勢について、公開会合を開催。ミィエ平和維持活動担当事務次長はそのブリーフィングにおいて、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)が同国の警察統合を図ろうとする活動が成功を収めている状況を説明した。
  • アナン事務総長はこのたび、コンゴ民主共和国(DRC)の自然資源の不法開発に関する調査パネルの委員長および4人のメンバーを任命した。委員長に任命されたのは、コートジボワールのSafiatou Ba-N'Daw氏(元エネルギー大臣、元世界銀行高官)。6月2日、安保理が議長声明を採択し、事務総長に対して、この問題に関する専門家パネルを設置するよう要請していた。
  • 国連イラク・プログラム部担当事務局長のべノン・セバン氏は本日、バグダッドで記者会見し、イラク石油食糧交換プログラムの実効性を向上させる必要性を指摘した。なお、セバン氏は明日、16日間に及んだイラク訪問を終了する予定。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の人権担当官らはこのたび、シエラレオネの町Boおよびその周辺地域を訪問し、反政府勢力(RUF)に所属しているか、あるいは支持者と思われる市民たちに対して、民間防衛軍(CDF)が暴力を加えている事実を確認した。国連人権担当官はこの種の行為を止めるべく、今週後半、CDF指導層と会談する予定。
  • UNHCRによれば、アンゴラにおける戦闘の発生により、同国から数千にのぼる人々が危険な状況の下、近隣諸国に流出している。なかでも、ザンビアには、過去4ヶ月の間、毎月500人から1,000人のアンゴラ難民(そのほとんどが女性や子ども)が流れこんでいる。
  • ユニセフはこのたび、イランで発生した干ばつにより、最悪の被害を受けている地域において飲料水を提供すべく、7万5,000ドルの資金を拠出する、と発表した。最近、同国を視察した国連災害評価チームによれば、この干ばつにより、同国の50%以上の人々が被害を受けている。なお、UNDP、UNFPA、FAOはすでに、それぞれの支援活動を行っている。

2000年8月14日

  • 先週金曜日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、コロンビアのPutumayo地域に現地事務所を開設した。同国で3つめのUNHCR事務所である。この地域は、同国の主要なコカ産地であり、また長期間続いてきた紛争を逃れた多くの人々が避難している。
  • 安保理は決議1315を全会一致で採択し、シエラレオネの市民および国連要員が犠牲となっている重大な犯罪に深い憂慮を示し、同国紛争下の戦争犯罪に責任を負う者たちを裁くため、事務総長に対して、独立した特別裁判所を設置すべく、同国政府と交渉し、合意を作成するよう要請した。
  • ミィエ平和維持活動事務次長は、安保理に対するブリーフィングにおいて、今月後半には、国連軍事監視員100人がエチオピアとエリトリアに展開する用意が整うであろう、と述べた。本日、安保理は、同地域に展開する兵力について、両国間の停戦を監視するために、4,200人に拡大するよう求める事務総長の提案について討議した。
  • アフガニスタン事務総長個人代表のフランセスク・ベンドレル氏が現在、アフガニスタン近隣諸国を訪問中。各国政府は、個人代表との会談において、同国内戦の終結を図るうえで、国連外交に対する支持を表明している。同氏は明日、イランにおいて、今回の一連の交渉を終える予定。
  • 紛争が長期化するチェチェンにおいて、現在、約3万5,000人が飢餓に直面しているが、世界食糧計画(WFP)は本日、チェチェンに対する一連の援助物資輸送を開始した。
  • 「中央アフリカにおける安全保障問題に関する国連常設諮問委員会」は本日、ブルンジの難民・避難民の問題に取り組むため、ブルンジで3日間にわたる会議を開始した。同諮問委員会は、中央アフリカの信頼醸成措置を促進するため、1992年に総会により設置されたもの。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)が、電気使用料の支払いを大口顧客に請求し始めてから2週間が経過。本日、デメロ事務総長特別代表はディリにある複数の発電所を視察した。UNTAETによれば、1999年9月の騒乱事件前に、発電所は60箇所あったが、現在稼動しているのはわずか30箇所である。
  • ミトロビッツァ北部において、Zvecanの精錬所が6月に再開して以来、大気中の鉛濃度が急上昇。国際基準の200倍にも達し、住民の健康を害する危険が大きくなったことから、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は本日、大気汚染管理メカニズムが確立し、住民の健康状態に関する検査が終了するまで、同精錬所の管理に責任を有することとなった。
  • 国連イラク・プログラム部によれば、先週、イラクは石油輸出により、3億4,800万ドルの収入を得た。6月9日に始まった今期プログラムの下、これまでに、石油1億2,100バレルの輸出により、29億ドルの収入があった。

2000年8月11日

  • 東ティモールにおける最近の民兵による襲撃事件に関して、安保理が非公開協議を開催。同協議の後、安保理議長は報道声明を発表し、インドネシア政府に対して、西ティモールからの越境襲撃を止めさせ、民兵組織を解体・武装解除し、犯罪に責任を有する民兵を裁判にかけるため、実効的措置を講じるよう求めた。一方、事務総長もまた、スポークスマンを通じ声明を発表し、武装集団による活動が増大していることに懸念を示し、インドネシア政府に対して、西ティモールから東ティモールへの武装集団の侵入を防ぐため実効的措置を講じるよう期待を表明した。
  • 安保理は本日、決議1314を全会一致で採択し、武力紛争における子どもの保護に関して、いわゆる行動計画とも称すべき内容を打ち出した。オララ・オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)は、この決議が具体的かつ焦点を絞った新規の措置を非常に数多く盛り込んでいるとして、歓迎の意を表明した。
  • 安保理、スーダンに関する非公開協議。同協議後、安保理議長は報道声明を発表し、国連およびその他の人道活動を標的にした最近の度重なる空中爆撃について憂慮を示した。そして、紛争当事者に対して、人道的停戦を再開し、援助を必要とする全ての人々への国連のアクセスを認めるよう求めた。
  • UNHCRによれば、今週に入ってからわずか4日間で、約2,500人の難民がシエラレオネのダイヤモンド産地で拡大する紛争を逃れ、ギニアへ流入した。これら難民のなかには、これまで反政府勢力RUFにより拘束されていた15人の子ども兵士や女性・女児もいる。ちなみに、今年5月から7月までに、ギニアへ流入する難民は600人であったが、過去2週間で、この数は約4,000人に膨れ上がった。
  • コンゴ民主共和国における人権状況の監視を任務とする特別報告者Robert Garreton氏が同国政府の招請を受けて、8月13日から26日まで、同国を訪問する。Garreton氏による前回の同国訪問は、1999年8月28日-9月6日に行われた。今回、同氏は、1994年に特別報告者に任命されて以来はじめて、Kisangani、Gbadolite両市を訪問する予定。
  • 総会は本日、ミレニアム・サミット関連の手続きについての決議を全会一致で採択し、ナミビアのSam Nujoma大統領とフィンランドのTarja Halonen大統領が共同で、同サミットの議長を務めることを決定した。ナミビアは今総会、フィンランドは次総会の議長国である(総会議長は、国連の5つの地域グループが毎年、持ち回りで務めることになっている)。
  • 国連国際模擬国連会議がはじめて、ニューヨーク国連本部で開催された。世界33カ国から、175以上の大学を代表する約350人の学生が参加。フレシェット副事務総長は、同会議で演説し、「非難するだけでは十分でない-私達は行動しなければならない」と訴えた。
  • アナン事務総長は、本日発表された安保理宛書簡において、対イラク制裁監視委員会が石油・石油製品の輸出契約を承認するのを支援する監督官2人を任命した。今回任命されたのは、オランダのMichel Tellings氏とデンマークのMorten Buur-Jensen氏、2人ともに石油貿易に関する豊かな経験がある。1996年、石油食糧交換計画が開始したときには、ノルウェー、米国、フランス、ロシア連邦から1人ずつ、合計4人の監督官がいたが、その後の状況の変化により、最近ではロシア連邦からの1人だけとなっていた。そこで、安保理は今年6月、決議を採択し、事務総長に対して、追加的な監督官を任命するよう求めていた。
  • 8月12日は、国際青年デー(International Youth Day)。アナン事務総長は、この国際デーに寄せたメッセージにおいて、異なる国々の若者の間で、若者と政府の間で、また若者と国連の間で、実効的パートナーシップが必要である、と述べた。

2000年8月10日

  • アナン事務総長は安保理に宛てた報告書において、最近設置した国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE)の兵力を4,200人とし、同ミッションがエチオピア・エリトリア両国間の停戦監視をするよう勧告を行った。先月下旬、安保理は決議を採択し、100人の軍事監視員と必要な文民支援スタッフで構成するUNMEEの設置を承認するとともに、事務総長に対して、平和維持活動の展開計画を継続するよう要請していた。
  • 東ティモールのスアイの北東14キロの地点で、国連平和維持兵と民兵集団との銃撃戦が発生し、ネパ-ル人兵士1人が死亡、同兵士3人が負傷した。また、その場にいあわせた1人の東ティモール民間人も負傷した。
  • ミィエ平和維持活動担当事務次長はニューヨーク国連本部で、ユーゴスラビア連邦共和国の代理大使と会談し、同国により拘束されているUNMIK要員への国連のアクセスを認めるよう求めた。また本日、安保理議長は報道声明を発表し、UNMIK要員である2人のイギリス人、ならびに2人のカナダ人および4人のオランダ人が逮捕され、拘束されていることについて、同国政府が国際的義務を無視していると憂慮を表明した。
  • 火曜日、モスクワにおいて、爆弾が炸裂し、8人が死亡、90人以上が負傷したが、本日、安保理議長は報道声明を発表し、このテロ行為を強く非難した。
  • 安保理議長は報道声明において、スーダンにおける最近の暴力の拡大に憂慮を表明し、同国の治安・人道状況に関するブリーフィングを要請した。また、同国のBahr-El-Ghazal地域南部の援助施設近くでの度重なる爆撃事件に対して、アナン事務総長が今週前半に表明した懸念を共有する、と述べた。
  • コンゴ民主共和国担当事務総長特別代表Kemal Morjane氏はルワンダの首都キガリで同国政府高官たちとの会談を終え、昨日、キンシャサに戻った。ルワンダ当局は特別代表に対し、前線からの同国軍撤退の準備があると示唆。特別代表は、これを歓迎した。なお、ルワンダが支援する反政府勢力RCDの代表もまたキガリで特別代表と会談し、現駐留地点から撤退の用意がある、と述べた。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所は、国連の下で働く約5,000人のアフガニスタン人が、先日死亡した7人の援助活動家に弔意を示すことができるよう、この日の地雷除去活動を休止した。これら7人の活動家はNGOのOMARに所属し、同国の地雷除去活動に従事していたが、8月5日、同国西部のHeratで待ち伏せ襲撃を受け、殺害された。
  • 昨日、クシュネル事務総長特別代表は、コソボのすべての地域の各種裁判所に配属すべく、追加的な判事と検察官を任命した。現在、コソボの地方判事・検察官は405人である。

2000年8月9日

  • ハイチ情勢に関する総会宛事務総長報告が、発表された。同報告において、事務総長はハイチにおける政治的混乱や不寛容により、同国に芽生えている民主的体制を支援しようとする国連の努力が危険に晒されている、と述べた。一方、国連スポークスマンは、ポルトープランスで月曜日に起こった強盗事件で銃撃され、マイアミの病院に運び込まれた国連要員Garfield Lyle氏が死亡したことを発表した。
  • レバノン治安部隊の要員1,000人が、レバノン南部に駐留開始、同地域全土におけるレバノンの支配権の段階的回復に向けた最初の歩みをしるした。
  • 今朝、スーダン南部の援助施設の近くが9つの爆弾攻撃を受け、世界食糧計画(WFP)は職員を同地域から退避させた。バーティーニWFP事務局長は、同地域における爆撃の継続を強く非難した。
  • 本日、世界の先住民の国際デー。アナン事務総長はこの国際デーに寄せたメッセージを発表し、先住民の文化や価値の保護は若者たちを通じてこそ、なされるものである、と強調した。
  • 越境組織犯罪防止条約の作成に向けて、120カ国代表参加の下に行われていた交渉がこのたび終了した。交渉終了にあたり、アルラッキODCCP事務局長は、これからは越境犯罪にとって厳しい時代となると断言できる、と述べた。この条約は、イタリアのパレルモで12月12日‐15日に行われる高位級会議で署名のため開放される予定。
  • 国連環境計画(UNEP)は8月9日‐10日、環境に健全な生産に関する初の円卓会議(アフリカ)をナイロビ本部で開催する。

2000年8月8日

  • コフィー・アナン国連事務総長は、昨日南スーダンで起きた国連援助プログラム「Operation Lifeline Sudan」に対する爆撃に対し、「深い憂慮」の意を表明した。前回7月末に爆撃事件が発生した際、スーダン政府は、国連をはじめとする人道援助プログラムが利用している同国の施設の安全を確約していた。
  • 事務総長は、アフガニスタンで活動中の地雷撤去活動要員7人が襲撃され、殺害された事件に関し、深い悲しみを表明すると共に犯罪者の断罪を求めた。
  • コンゴ民主共和国(DRC)内で発生した戦闘により、最近新たに何千という難民が近隣諸国へ避難している。DRCからウガンダには7月下旬から約2,700人が避難し、その難民流入は依然として続いている。同様に、中央アフリカ共和国とコンゴ共和国にもDRCからの難民は到着して来ている。
  • 事務総長は本日、Rolf Knuttson(スウェーデン)をレバノン南部担当の事務総長個人代表に任命した。1978年の設立以来初めて、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)はレバノン南部全領域において展開を進めており、既に同地の17の新拠点に約400の部隊が展開している。
  • 国連ハイチ文民警察ミッション(MIPONUH)の職員が首都Port-au-Princeで強盗事件に巻き込まれ、頭部を撃たれた。被害者は依然として重体。今回の事件はMIPONUHが発砲事件に巻き込まれた初の出来事となった。
  • 東ティモールのマリアナ地区において、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のオーストラリア部隊と迷彩服に身を包み武装した民兵との間で、銃による交戦が発生した。
  • 世界食糧計画(WFP)の最新の報告によると、過去4年間の干ばつによる犠牲者は4倍にも増加している。20カ国におよぶ約1億人以上の人々が干ばつの被害を受けており、今年の干ばつ救済プロジェクトに充てられた費用は、WFPの緊急援助総額の約20%に達している。
  • タバコへの課税率を上げることが喫煙を減らすための有効な手段である、と世界保健機関(WHO)が最新の報告書で発表した。現在の喫煙習慣の傾向が今後も持続すれば、21世紀には犠牲者が10億人に達すると報告書は指摘し、タバコの喫煙を統制するための経済対策を、今回初めて、徹底的に分析している。
  • 国連食糧農業機関(FAO)は本日、世界の森林破壊は続くものの、そのペースは減速してきている、と発表した。一方、森林を破壊することなく、環境に優しい管理を行うためには今後も努力を怠ってはならない、とFAOは警告した。
  • アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)が主催した「開発への金融に関する高位級地域諮問会議」がインドネシアのジャカルタで8月2日から開催され、5日に閉幕した。健全な国内マクロ経済の管理と透明性の高い統治を実践するためには、ヘッジ・ファンドや投資銀行に代表されるグローバルな金融市場の取引が享受しているような透明性が必要である、との合意が会議参加国の間でなされた。
  • 世界の多国籍企業と現地中小企業の代表は共に、国連がマレーシアのペナンで本日から3日間開催する研修会に参加し、開発途上国における地元ビジネスの強化に関し討議する予定。

2000年8月7日

  • レバノンの南部一体において、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)展開が進むなか、境界線近くのファーテマ門で発砲事件が発生し、このような暴力が今後エスカレートしていく可能性に対し、国連は懸念を示した。
  • 3日間の東ティモール滞在を終えるにあたり、国連人権高等弁務官メアリー・ロビンソン氏は、「国際社会は、昨年の住民投票後に起きた暴力を引き起こした責任者が処罰から免れることのないよう、保証する責任がある」と本日、ディリの記者会見で述べた。
  • 先週末、アフガニスタンで国連人道援助調整官事務所の下で地雷の撤去に従事していた7名が何者かの奇襲により殺害され、さらに8名が負傷した。国連スポークスマンはこの事件に懸念を表明した。
  • シエラレオネのLungiにある武装解除センターに、この10日間で2名の子ども、260名の元戦闘員およびその家族を含む300人以上が出頭してきている。国連はこの動きを歓迎している、と国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)のスポークスマンは伝えた。
  • 生物兵器禁止条約に関してジュネーブで4週間にわたり開催されていた交渉が、本日、閉幕した。今回は、条約の拘束力ある検証体制に関して討議が行われ、「良い進展」が交渉の多くの分野にみとめられた、と交渉を担当した特別グループのTiber Toth(ハンガリー)議長が述べた。
  • 国連イラク・プログラム部の発表では、先週、国連が同国の人道援助の為に実施している「石油食糧交換(oil-for-food)プログラム」に基づき、イラクは石油の売却によって3億5,300万ドルの収益を得た。

2000年8月4日

  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、レバノン南部一帯に展開することにより22年前の創設以来初めて、安保理決議425を覆行できることになる。今朝、エミール・ラフード・レバノン大統領がUNIFILの拡大的展開を承認し、レバノン・イスラエル国境近くの複数の主要拠点へのUNIFILの再展開が明日午前6時から開始される予定。
  • 安保理は本日、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の9月8日までの延長を全会一致で承認し、UNAMSILの軍事部門を強化することにより、完全な国連ミッションの委任逐行を目指すこととなる。
  • アナン国連事務総長は、アフガニスタンにある国連およびNGO事務所の女性職員に対して、タリバン指導部がこの度出した禁止令に懸念の意を表明した。アフガン女性の雇用を規制するこの勅令は、深刻な干ばつと食糧不足に悩む同国における人道援助の実施を妨げることになる、と事務総長スポークスマンは伝えた。
  • 事務総長は、ユーゴスラビア政府によって火曜日からモンテネグロで勾留されている国連職員を「早急に解放」することを訴えた。勾留されているのは、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)に欧州安保協力機構(OSCE)から出行中のイギリス人2名である。
  • 雨が上がりトラック輸送が安易になった今週、スーダンから帰還するエリトリア難民の総数は1万6,746人に達した、と国連難民高等弁務官(UNHCR)のスポークスマンは発表した。
  • コソボの少数民族の一つであるRomaの家族が、引き続きドイツから国外追放になっていることに対し、国連難民高等弁務官(UNHCR)事務所は懸念の意を表明した。最近コソボでは帰還した3名のRoma人が殺害され、1人が負傷しており、UNHCRはこのような危険を伴う少数民族のコソボへの強制的帰還に反対する、と伝えた。
  • コソボ暫定行政協議会(IAC)は本日、コソボにおける最近の一連の暴力に対し、強い懸念を表明した。当地では水曜日だけで6名が殺害されている。
  • イランは深刻な干ばつのため、国内人口の半分に相当する3,700万人が被害を受けている。被害はイラン全28州のうち18州に広がり、特に西部、東部および中央部の状況は最悪となっている。
  • キプロスに関する国連事務総長特別顧問は、今回の間接交渉が閉幕するにあたり、問題の包括的解決を目指す上での交渉進展には、キプロス住民の長期的視野が必要である、と述べた。
  • 事務総長は、Mussagy Jeichande(モザンビーク)をアンゴラにおける彼の代表および現地事務所の長に任命した。アンゴラでの平和を回復し、人道・人権関係の活動を支援するため、政治、軍事、文民、警察の各当局との連絡を保つのがJeichande氏の事務所の任務である。
  • 安保理は「国際の平和および安全を維持する上での安保理の効果的な役割」というテーマで、同理事会構成諸国の元首・首脳レベルでのサミットを9月7日に開催することを発表した。この安保理サミットでは、アフリカ問題を中心に意見交換が行われる予定で、国連総会主催のミレニアム・サミット期間中(9月6~8日)に行われるものとなる。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、本日、東ティモールにおける初代検事総長Mohamed Chande Othman氏(タンザニア)の宣誓式を執り行った。 Mohamed Chande氏の就任は同地の司法組織を完全なものとする重要な一歩である、とデメロ東ティモール担当事務総長特別代表は宣誓式で述べた。

2000年8月3日

  • 安保理は、先週西ティモール国境付近で生じたニュージーランドPKO要員の死亡事件をめぐり、インドネシア政府に対し、国連との密接な協力の下、西ティモールからの襲撃の終結および国境付近で活動中の独立反対グループの武装解除に協力するよう呼びかけた。
  • 国連はインドネシアのMaluku州に、国内避難民を支援する国内外の国際機関を援助するため、国連の人道援助調整官室、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、国連食糧計画(WFP)および世界保健機関(WHO)からの5人のチームから構成される人道援助活動を開始した。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の報道官は、昨日生じた3つの殺人事件で計6人が死亡したと発表した。現在、コソボ民主同盟(LDK)メンバーと思われる4人の容疑者の事件との関連性を調査中である。
  • 国連は、7月5日タリバン政権が発令した、アフガニスタン女性の国連および非政府機関(NGO)での就労禁止条例を撤回するよう、政権側との話し合いを継続している。
  • 本日、国際原子力機関(IAEA)およびアイルランド原子力関連の専門家らはアイルランド海に放射能観測機を設置したと発表した。IAEAのトレーシー・ブラウン広報官は、このデータ収集によりアイルランドのみならず、科学界全体が恩恵をこうむることになるだろう、と述べている。
  • コフィー・アナン国連事務総長は最近の報告書で、中央アフリカ諸国―210ヘクタールにおよぶ密集した熱帯林の宝庫―では環境マネジメントに関して徐々に対応力を高めてはいるものの、財政上の問題や、複雑な官僚機構および非効率的な運営などが未だ障害となっている、と述べた。

2000年8月2日

  • 安保理は本日、ブルンジの紛争に関わる全ての当事者に対し、紛争の早期解決を図るよう求め、また、同国の開発援助の再開の必要性を強調した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の報告によると、西ティモール国境付近でUNTAETの軍事要員と現地武装兵との間で銃撃戦が発生し、武装兵2名が死亡した。
  • コフィー・アナン国連事務総長は、カシミールで夜間発生した一連の大量虐殺に関し、深い失望と懸念を表明し、全てのテロリスト行為の停止を訴えた。また、事務総長はインドとパキスタンに対し、カシミール問題解決に向けて早期の政治的決着を求めた。
  • 母国、ガーナを公式訪問中のアナン事務総長は、事務総長の名を冠した「コフィー・アナン国際平和維持活動研修センター」の開設に伴い、「良きPKO要員とは、良く準備を整えたもののことである」と語り、同センターの設立意義を強調した。
  • 世界保健機関(WHO)の専門家からなる国際委員会の報告によると、タバコ産業がWHOの禁煙キャンペーンに拮抗するため、WHOの活動に対する妨害工作を長年にわたり続けていたことが、明らかになった。
  • インドネシアのワヒド大統領はジャカルタで行われている「開発のための融資」に関するハイレベルな地域諮問会議において、最近アジアに再び広まりつつある財政上の不安感をふまえ、国連主催のハイレベルな財務会合が開催される必要性を述べた。
  • 国連ニューヨーク本部の報道官の発表によると、今月末に、国連の専門家パネルはシエラレオネのダイヤモンド密輸と武器密輸の関連調査に関する初会合を開催する予定。
  • アナン事務総長は国連グアテマラ人権検証団(MINUGUA)の長、および事務総長特別代表として、新たにGerd Merrem(ドイツ)氏を任命した。

2000年8月1日

  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は、この5月に生じた深刻な事態の後、その戦略的地域を掌握し、一般市民を攻撃したり人道援助の流れを妨げている武装グループに「断固として」立ち向かうため、「強い確信をもって」活動を行っている、と最新の事務総長報告書は伝えた。
  • 安保理制裁委員会の委員長は本日、シエラレオネに対する制裁違反および、同地紛争におけるダイヤモンドと武器などの物資の密輸取引を調査するためのパネルを設立し、その構成員を発表した。任命された構成員はダイヤモンド専門家、武器輸送に関する専門家、Interpol職員および国際民間航空機関(ICAO)の職員の計4名である。
  • アナン事務総長は母国ガーナでの公式訪問を開始した。事務総長はガーナ初代大統領のKwame Nkrumahを偲び、植民地からの独立戦争の指導者として活躍した同氏から受けた感動と「人間は発展を目指さなくてはならない」という教訓について語った。
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)は、本日、スーダン東部から帰還するエリトリア難民への支援協力を拡大している、と発表した。UNHCRは7月25日にエリトリア人に対する任意の帰還プログラムを開始し、それ以来、昨日まで、1万1,785人の難民がエリトリアの17の市町村に戻っている。
  • ロス・マウンテン国連緊急援助調整官補は “Operation Lifeline Sudan(OLS)”に対するスーダンのメディアの一方的な批判に対し、深い懸念を表明した。OLSは紛争により被害を受けている同国の人道援助のために、国連の援助機関とNGOとの協力関係を強化する目的で設立された。一方、これを受けてスーダン政府はOLSへの支援を改めて保証した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、ファリンティル(Falintil:National Liberal Armed Forces of East Timor)の東ティモール人兵士に対して、環境保全や応急手当などの非軍事訓練プログラムを開始した。
  • 国連はボスニア・ヘルツェゴビナの国境サービスが強化されたことを歓迎した。新たにIzacicに主に女性の人身売買および越境密輸取引の監視を目的とした国境サービス・ユニットが開設され、越境犯罪防止に対する「重要な一歩」である、とJacques Paul Kleinボスニア・ヘルツェゴビナ担当国連事務総長特別代表は伝えた。
  • 国連イラク・プログラム部の発表ではイラクは、先週、国連が同国の人道援助のために行っている「石油食糧交換(Oil-for-Food)プログラム」に基づき、3億8,700万ドル相当の石油を輸出した。

2000年7月31日

  • 本日、安保理は、エチオピア・エリトリア国境沿いにおける関係当事者との連絡と、今後の平和維持活動の円滑な展開に備える目的で、軍事監視員より構成される国連ミッションの設立を承認した。
  • 安保理制裁委員会は本日、シエラレオネの紛争におけるダイヤモンド密輸取引が果たしている役割を調査するため、公聴会を開いた。
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、レバノン・イスラエル両国間の撤退ライン(blue line)沿いに、本日までに、日曜日に配置された4ヶ所を含めた計6ヶ所の監視地点を展開した。
  • コフィー・アナン事務総長は本日付で、国連人間居住センター(ハビタット、UNCHS)の新事務局長にAnna Kajumulo Tibaijuka(タンザニア)氏を任命した。ハビタットは都市政策、住居、基礎的な生活サービス、インフラ開発において政府と市民社会との協力関係を構築し、企画の調整を行う主要な国連の機関である。
  • 本日、国連イラク・プログラム部(OIP)のべノン・セバン事務局長は人道援助のための「石油食糧交換(Oil-for-Food)プログラム」の実施状況を査定するため、2週間の予定でイラクへ向け出発した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、本日、東ティモール初の外交官養成研修コースを開始した。この1ヶ月集中コースはオーストラリア、ニュージーランド、ポルトガル、イギリス、アメリカの支援を受けて開催されたものである。
  • ミトロビッツァのセルビア民族評議会(SNC:The Serb National Council)の指導者、Oliver Ivanovic氏は本日、「難民帰還に関する合同委員会(JCR)」の定例会議に初めて参加した。JCRはセルビア人のコソボ帰還を支援する国際グループで、先週初めて実施された29名のセルビア人のコソボへの帰還を支援した。Ivanovic氏の今回の会議参加はこのことを受けて行われたものである。

2000年7月28日

  • 本日、アイルランドとガーナ小隊から成る国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が、初めて、レバノン・イスラエル間の撤退ライン(blue line)沿いに展開された。今後、UNIFILのフィジー、インド、ネパール、フィンランド隊からも同地に配備される予定。
  • Hedi Annabi平和維持活動担当事務次長補は本日、東ティモールへの人道上の緊急事態は大幅に回復をみたものの、インフラの復興および各種サービスの再建は「大きな課題」として残されている、と安保理に報告した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の報告によると、インドネシア法務長官から派遣された調査チームが本日、9日間の現地調査を終え、東ティモールの首都ディリを出発した。調査チームは住民投票後に起こった主な5つの刑事事件に関する証人喚問および証拠収集のために同地を訪れていた。
  • 安保理は本日、国連グルジア監視団(UNOMIG)を2001年1月31日まで、6ヶ月延長することを決定し、グルジア共和国のアブハジアにおける政情の安定と包括的な政治的合意の締結を強く支援することを表明した。
  • コフィー・アナン国連事務総長は経社理の高位級会合の閉会式において、新たな情報技術(IT)が既に存在する先進国と開発途上国の溝をさらに深めるものであってはならない、と述べた。
  • 安保理理事国はルサカ和平協定およびキサンガニ兵力引き離し計画への支援を再度誓約し、コンゴ民主共和国の全ての関係者に対し、両和平コミットメントの遵守を呼びかけた。
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)事務所は本日、セルビア系住民が支配するミトロビッツァ北部から、多数のアルバニア系住民が迫害や身辺の危険のため避難を続けていることに対して、深い憂慮の意を示した。

2000年7月27日

  • 安保理は本日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の任期を6ヶ月間延長することを決定し、レバノン政府に対して南部地域における主権を回復し、同地域へのレバノン軍展開を「可能な限り早急に」行うよう呼びかけた。
  • 安保理の決議により実施されているアンゴラ全面民族同盟(UNITA)に対する制裁が効果を表しはじめている、とIbrahim Gambariアフリカ問題担当事務総長顧問は、安保理に対し報告を行った。
  • 反政府勢力に対して、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)が月曜日に実施した先制攻撃「落雷計画(オペレーション・サンダーボルト)」が功を奏し、いくつかの反政府勢力の少数グループが武装解除を進めつつある。
  • アナン国連事務総長は本日、人権委員会において、コロンビアの人権状況、特に一般市民を標的とした誘拐および大量虐殺が頻発している事態に、深い憂慮の意を示した。
  • 事務総長は本日、国連をさらに無駄のない効率的な組織に改善すべく3年前から提唱している「静かな革命」が実を結び始めている、と述べた。同時に、国連が有能な職員を惹きつけ、保持するためには、国連自体が競争の激しい雇用市場において魅力ある条件を提供できることが不可欠であると警告した。
  • Kamel Morjaneコンゴ民主共和国事務総長特別代表は、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)司令官を伴い、ルサカ和平協定加盟国の外務、国防大臣らとの会合出席のため、ルサカへ赴いた。
  • コンゴ共和国において、国連の軍縮・政治専門家チームは小火器保有および元戦闘員の社会復帰に関する実情調査を開始した。
  • 本日、国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表したアフリカに関する報告書は、アフリカ諸国に対する現在の年平均100億ドルの資金援助を倍増すれば、アフリカの公的援助への依存は10年以内に解消されるとの見通しを発表した。
  • 国連はエチオピアとエリトリア間の休戦協定を遵守させるための新たな努力として、本日、エリトリアの首都アスマラに連絡事務所を開設した。

2000年7月26日

  • 本日、世界のビジネス、労働組合、市民社会の代表者が、国連ニューヨーク本部に集い、グローバル化に伴う普遍的価値観や責任ある企業運営を浸透させるためのイニシアチブを開始した。アナン国連事務総長は、会合の「滑り出しは好調」で「大変刺激的」であり、彼が提唱する「グローバル・コンパクト」を更に進めるものだ、と述べた。
  • 安保理は今年2回目の紛争下の子どもに関する包括的審議を開始し、深刻な紛争の犠牲から、いかに子どもたちを守るかという問題について討議を行った。
  • ラーセン国連中東特別調整官はイスラエル・レバノン両国間で合意に至った国連撤退ライン(blue line)遵守の確認のため、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)司令官らと共に陸・空路から視察を行った。
  • 国際援助諸機関は、国際社会は世界でも最も弱い立場にある3,500万人の命を救い、彼らの生活を向上させるためにその責任を十分に果たしていない、と批判した。国連から出された人道援助関連アピールは今年、総額22億ドルにのぼるが、各国政府から資金調達がなされたのは、うち36.6%のみで昨年同時期に比べても下回っている。
  • 国連スポークスマンは、来週、アナン事務総長が就任後初めて、母国ガーナを公式訪問する予定であると発表した。
  • 安保理決議により設置された「人道援助のための石油食糧交換(Oil-for-Food)プログラム」を監視している国連イラク・プログラム部の報告によれば、先週、イラクは石油1,300万バレルを輸出することによって、約2億9,600万ドルの収益を得た。イラクは同プログラムが開始された1996年12月から現在に至るまで、合計で石油19億400万バレルを輸出し、収益として307億ドルを得ている。

2000年7月25日

  • イスラエル政府が国連撤退ラインを完全に受諾したとのコフィー・アナン事務総長からの報告を受け、安保理は全関係者に対し、境界線(blue line)の尊重および南部レバノンにおける国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の平和的展開を促した。
  • コフィー・アナン事務総長は、キャンプ・デービッド中東和平交渉における精力的な努力にも関わらず、イスラエルとパレスチナ自治政府が合意に達しなかったことに対し、失意を表明した。事務総長は両首脳に対し、相互に妥協できる合意に向け、更なる努力を続けるよう求めた。
  • 昨日、東・西ティモールの境界付近の戦闘で犠牲となった国連平和維持活動要員の死を悼み、安保理の理事国は遺族に深い哀悼の意を表すと同時に、インドネシア政府に対し、境界付近の武装グループへの対策を講じるよう促した。
  • 本日、安保理は決議1309を採択し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を今年10月31日まで、3ヶ月間延長することを決定した。
  • 国連統治下にあるコソボは1999年の紛争によって大きな損害を受けたものの、過去12ヶ月の間、急速な生産面の改善をはじめとするかなりの農業復興を達成している。このことは、国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)の共同報告書で明らかにされた。
  • 来年、ブリュッセルにて開催予定の第3回国連後発開発途上国(LDC)会議の準備会合がニューヨークで始まり、同会議議長であるルーベンス・リキュペロ国連貿易開発会議(UNCTAD)事務総長はLDCの累積債務問題の解決がブリュッセル会議での主な課題となるであろうと語った。
  • 歴史的建築物である国連ニューヨーク本部ビルが、今後も引き続き加盟国への業務を遂行していくためには、改築が至急必要である、と国連事務局は指摘した。事務局はこの修復プロジェクトを実現するための資金繰りを現在模索中である。
  • コンゴ共和国とコンゴ民主共和国を分断するコンゴ川とウバンギ川に沿って避難している難民は現在6万―6万5千人と推定され、様々な健康上の問題に苦しんでいる。国連難民高等弁務官(UNHCR)事務所は各援助機関がこれら難民にアクセスし、医療援助を提供する緊急性を訴えた。
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)は本日、9万人と推定されるエリトリア難民の帰還作業を開始した。去る5月のエチオピア・エリトリア間における戦闘の際、これらのエリトリア難民はスーダンに避難していた。
  • 国連スポークスマン(ニューヨーク)の発表によると、シエラレオネに関する安保理制裁委員会は、来週、シエラレオネの紛争におけるダイヤモンド商取引の果たしている役割を審議するため、調査を目的とした公聴会を催す予定。シエラレオネのダイヤモンドおよび武器を含む物資の商取引の調査は、6月29日に採択された安保理決議1306で要請されている。

2000年7月24日

  • アナン事務総長は本日、レバノン・イスラエル間の境界線(blue line)における境界侵犯問題が全て解決したことを確認し、「2-3日中にも」国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が同境界に展開することを期待する、と述べた。また、事務総長はUNIFILに関する最近の報告書において、同ミッションの任務の6ヶ月延長を勧告しており、この先数ヶ月で1978年に採択された安保理決議425が要請する元来の任務が達成される「良い機会」が訪れるだろう、と述べている。
  • シエラレオネの首都フリータウンの北東部に駐留している国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)に対し反政府勢力が攻撃を計画していたが、UNAMSILによる巧みな先制攻撃により未然に防ぐことができた。
  • 東ティモールで初めて、国連平和維持活動の軍事要員から戦闘による犠牲者が出た。死亡したのは、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)に派遣されていたニュージーランド部隊の兵士で、西ティモールとの境界付近で武装グループとの銃撃戦に巻き込まれた結果による出来事であった。
  • アナン事務総長は先の九州・沖縄サミットにおいて、G7諸国が、既に公約済みの時宜に適った貧困国の債務軽減に関して、何ら具体策を提示しなかったことに対し、失望の意を表明した。
  • 12日間の一時休会を終了し、キプロス間接協議がジュネーブで再開した。今朝、デソト事務総長特別顧問はトルコ系とギリシャ系代表との個別会談を行った。
  • 本日発表された国連食糧農業機関(FAO)の推定によると、2030年までに世界人口80億人の食糧供給と食糧へのアクセスは改善をみるものの、飢餓と栄養不良に苦しむ人の割合は依然として高いレベルで維持される。
  • 世界食糧計画(WFP)は、史上初の「全学校給食プログラム」の開始にあたり、アメリカ政府よる同プログラムへの3億ドルの資金援助を歓迎した。WFPによると世界で3億人の子どもが慢性的飢餓に苦しみ、うち約1億3千万人が未就学である。男児が慣習的に優遇される地域では女児が就学していない場合が多くあり、学校給食によって親の教育に対する関心が高まり、子ども自身も勉強により集中できることが期待されている。

2000年7月21日

  • 安保理は本日、武力紛争の資金源となっているダイヤモンドの密輸を抑制するべきだとする安保理の提案に対し、ダイヤモンド工業界のリーダーが即応したことに感謝の意を表した。
  • 紛争下の子どもに関する最新の事務総長報告書には、国際社会が担う子どもに対する集合的責任として、国内的、地域的および国際的主体が実行すべき幅広い行動が示されている。
  • 沖縄G8サミットに向ける準備段階において、グローバルな開発格差と貧困国の苦境に関する懸念が高まる中、国連はデジタル・デバイド(情報技術の格差)を縮めることの重要性に関して最近まとめられた国連宣言を森喜朗総理大臣に送付した。
  • コンゴ民主共和国のEquateur Provinceにおける戦闘により、新たに約2万の難民が隣接するコンゴ共和国側のウバンギ川沿いの村に到着している、という「驚くべき」報告を現地の国連難民高等弁務官(UNHCR)事務所が受けている。戦闘とコンゴ民主共和国の軍艦の存在が原因で、ウバンギ川周辺の村は、現在、人道援助から遮断されている。UNHCRはコンゴ民主共和国とコンゴ共和国両国に対し、緊急に人道支援活動を確保し、ウバンギ川を利用して支援物資を輸送する船の通行を正常化するよう要請している。
  • アナン事務総長は国連グルジア監視団(UNOMIG)の6ヶ月延長を勧告した。事務総長はその勧告の中で、和平プロセスはゆるやかではあるものの、グルジアとアブハジア間の紛争解決において現地の国連監視活動は「極めて重要な役割」を果たしている、と強調した。
  • 国連難民高等弁務官(UNHCR)のスポークスマンがジュネーブで発表したところによると、西ティモールにおける過去数週間にわたる一連の治安悪化により、UNHCRは国境沿いのBetuna地域事務所を閉鎖し、3名の国際スタッフも撤退した。
  • 本日、旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)の上訴部は、1993年5月にイスラム教徒女性に対するレイプと拷問に対する罪で有罪判決を受けていたボスニア系クロアチア人による控訴を退けた。

2000年7月20日

  • 安保理は本日、紛争予防に関して長時間にわたる討議を行った後、議長声明を発表し、この問題について、2001年に外相レベル会合を開催する意向を表明した。さらに、事務総長に対して、紛争予防に関する分析報告、ならびに予防展開の分野において得られた教訓も含め、この問題に対する国連システムのイニシアチブに関する勧告を、半年以内に提出するよう要請した。
  • アナン事務総長は、上記の安保理会合で開幕演説を行い、紛争予防のための国際努力を効果的なものとするため、危機的事態を招くような社会の構造的問題に対処しなければならない、と述べた。
  • 7月26日、アナン事務総長は、企業、労働界、市民社会の3者代表を国連本部に招き、グローバリゼーションの課題に関するハイレベル会合を主催する。この会合において、アナン事務総長が昨年1月、スイスのダボスで発表した「グローバル・コンパクト」を本格的に立ち上げる。
  • G8サミットを前に、国連エイズ合同計画(UNAIDS)は声明を発表し、世界の先進国に対して、エイズ対策予算を大幅に増やすよう求めた。今月はじめ、UNAIDSはG8首脳に宛て書簡を送付し、これら諸国がHIV/エイズとの闘いを支援するため、さらに毎年15億ドルを追加拠出するよう促したほか、「アフリカのエイズと闘うための国際パートナーシップ(International Partnership Against AIDS in Africa)」の下、アフリカにおける行動の加速化を支援するよう促した。なお、先週金曜日には、南アフリカのダーバンで、第8回国際エイズ会議が終了、また、今週はじめには、安保理が、HIV/エイズの広がりに懸念を示す決議を採択している。
  • 水曜日、安保理は、コンゴ民主共和国情勢に関して、非公開協議を行った。その後、安保理議長は報道声明を発表し、同国のEquateur州における政府軍による襲撃について懸念を示すとともに、戦闘の即時終結を求め、すべての当事者に対して、自制を促した。
  • UNHCRは声明を発表し、アンゴラ内戦により自らの家を追われた30万人に対する緊急支援のため、840万ドルの拠出を求めるアピールをだした。
  • 国連アフガニスタン人道調整官Erick de Mul氏は、タリバンと会談し、アフガニスタンの女性が国連やNGOで働くことを禁じたタリバンの命令を撤回するよう働きかけを続けた。日曜日から同調整官はカブールで、タリバンとの話し合いを継続してきたが、本日、イスラマバードに戻った。明日、他の国連職員とともに、現在の情勢を再検討し、必要があれば、再びカブールを訪れる。
  • アナン事務総長とサリムOAU事務局長は、トーゴの人権侵害に関する真相究明委員会の新メンバーとして、Issaka Souna氏(ニジェール)を任命した。自らの都合により辞任したAmadou Ould-Abdallah氏(モーリタニア)の後任となる。この委員会は、1998年にトーゴで数百人が司法手続きを経ずに処刑された事件について調査すべく、2000年6月7日に設置されたもの。
  • コソボの町ミトロビッツァにおいて、月曜日、24歳のセルビア人青年が逮捕された後、セルビア人がこれに抗議し、3日間にわたり、騒乱状態が続いていたが、本日、この青年は、裁判所で、強盗および放火の罪で正式に起訴された。その後、この青年には前科がないこと、また今後の公判に出頭することを誓約したことを考慮し、この青年は釈放された。

2000年7月19日

  • エリトリア・エチオピア間の紛争の影響を受ける110万以上のエリトリア人に対して、食糧や農業関連物資、シェルターなど最優先の人道援助を提供すべく、国連援助機関は本日、総額8,730万ドルの資金援助を求めるアピールを発した。
  • 経済社会理事会において、高位級パネル討論会が開催され、武力紛争あるいは自然災害により、国際避難民となった人々に対する援助の問題に焦点を絞り、討論が行われた。この討論会は、経社理・実質会期に伴う一連の行事の一環として開催されたものであり、緊急援助、難民、子ども、国際避難民の問題に取り組む国連機関やNGOが参加した。
  • コソボにおいて、今秋実施される地方選挙の有権者登録の土台となる、コソボ人の登録作業が終了した。100万を超える人々がコソボ内で登録、15万人がコソボ外で登録した。およそ10万を数えるセルビア人は、登録しなかった(UNMIK発表)。
  • 国連人道機関によれば、シエラレオネ南西部のKenemaに、数千人の国内避難民が流入し続けている。これら避難民は、週末、政府軍と反政府勢力RUF間の戦闘を逃れて、Tongo Fieldsと呼ばれる場所や近隣の村からやってきたと思われる。
  • 国連人道援助機関は共同プレスリリースを発表し、中央・南アジアにおいて、6,000万を超える人々が現在、深刻な干ばつの影響を受けていると述べた。この干ばつにより、人々の健康の急速な悪化、住民避難、家畜や穀物の喪失がもたらされている、とした。
  • 東ティモールで昨年9月、住民投票後に発生した騒乱事件に関する犯罪調査を行うべく、本日、インドネシアから調査団がディリに到着した(UNTAET発表)。

2000年7月18日

  • 16日、シエラレオネ西部のRogberi Junction近くで、国連平和維持兵がパトロール中、反政府勢力RUFと思われる武装集団と遭遇、銃撃戦となり、ナイジェリア兵士1人が死亡した。
  • ハイチに対する長期的援助について詳述した事務総長報告が発表された。同報告によれば、国際支援を可能とするハイチ援助計画を国連がつくるのを阻んでいる主な問題として、同国の政治的危機の長期化および機能的な民主制度の欠落があげられる。経済社会理事会は昨年、ハイチ政府と協力し、同国支援のための長期的戦略と計画をつくるため、必要な措置を講じるよう要請をだしたが、この報告書はその要請を受けて作成された。
  • 世界食糧計画(WFP)は、アフガニスタンにおいて、約30年ぶりの大干ばつにより飢餓の危機に直面する160万以上の人々を救うための活動を開始する、と発表した。この活動により、WFPは今後12ヶ月間で、食糧12万トン(総額5,540万ドル)を同国に運び入れる。
  • 西ティモールの難民キャンプにおいて治安状況が悪化するなか、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は同地域での援助活動について再検討すべく、2日間の日程で、国連機関およびNGOとの会合を開始した。
  • コソボ訪問中のロバートソンNATO事務総長は本日、アルバニア系およびセルビア系両住民指導者に対し、コソボで頻発する流血事件を止めるためさらなる行動をとり、安全、民主的、かつ多民族共存の未来に向けた準備を始めるよう強く呼びかけた。
  • ブルンジ和平の推進において、同国の女性の声を反映させることを目的にした会議“All-Party Burundian Women's Conference”が昨日、タンザニアのアルーシャで開始した(17日‐20日)。国連婦人開発基金(UNIFEM)とMwalimu Nyerere Foundationの共催。同国19政党それぞれから指名された女性やブルンジ難民・避難民の女性ら、約50人が参加した。

2000年7月17日

  • 土曜日早朝、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は武力を行使し、反政府勢力RUFにより2ヶ月間以上包囲されていた国連兵士233人を救出した。安保理は議長声明を発表し、UNAMSILが示した「職業専門性、決意、剛勇さ」に敬意を示し、特にUNAMSIL司令官V.J.Jetley氏の指導力と技能を称賛した。またUNAMSIL要員の安全と移動の自由を回復するためには決然たる行動を取る以外に選択肢はなかったと述べた。そして軍事行動を主導したインド部隊に賛辞を表明するとともに、ナイジェリアおよびガーナ部隊に対しても、その側面・後方がなければ、軍事行動は不可能であったとして、謝辞を表明した。アナン事務総長も声明において、この救出作戦に参加した軍事要員および部隊に賛辞を贈った。また、軍事行動において、UNAMSILのインド人兵士1人が死亡し、6人が負傷したことについては深い遺憾の意を示すとともに、「同僚の救出のため、究極の犠牲を払ったこの勇敢なインド兵」の遺族に哀悼の意を表した。
  • 安保理は、HIV/エイズが国際の平和と安全に及ぼす影響に関して、拡大討論を行った。その後、安保理は決議1308を全会一致で採択し、国際協力の拡大を要求するとともに、エイズが平和維持要員の健康に与える破壊的影響を最小化するため、個々の加盟国が具体的措置を講じるよう求めた。
  • 本日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)とレバノン軍の将校らは、イスラエル撤退ラインを視察した。国連スポークスマンによれば、これまでのところ、この視察は成功しており、イスラエル側で発生した境界侵犯疑惑のほとんどを正すことができた。ただし、境界沿いの2地点については、レバノン軍将校らにより異議が唱えられた。本日じゅうに、撤退ラインの3分の1の視察が終わり、水曜日朝までには全体の視察が完了する予定。
  • エリトリア・エチオピアにおける平和維持活動の展開についての考えを含んだ報告書が、紛争当事者である両国とOAU代表との協議の経て、来週には安保理に提出される予定。国連スポークスマンFred Eckhard氏によれば、国連の計画チームがこのたび、地域の調査を終了し、本日、同チームを率いたティモシー・フォード少将(オーストラリア)がアディスアベバで、サリムOAU事務局長に調査結果の説明をした。
  • 国連人間居住センター(HABITAT)は、都市部の貧しい人々の直面する問題についての認識を高めることをねらって、“Global Campaign for Secure Tenure”と題するキャンペーンを打ち上げた。
  • 金曜日、コソボ北部の都市ミトロビッツァで暴力事件が発生。アルバニア系およびセルビア系両住民の指導者たちは土曜日、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)とともに、共同声明を発表し、この暴力事件を非難した。

2000年7月14日

  • ラーセン国連中東特別調整官はベイルートで、レバノン首脳と会談し、レバノン・イスラエル間の境界線(“blue line”)、およびレバノン南部の人々の窮状に対応するための援助国の活動について話し合った。
  • 週末、アンゴラの村Quissalaにある「子どもの町」が、武装集団100人により襲撃され、少年1人が死亡、子ども4人が負傷、さらに11歳から18歳までの子ども21人が誘拐された。国連アンゴラ人道調整事務所およびユニセフは本日、共同声明を発表し、この襲撃を強く非難した。
  • 西サハラ情勢に関する事務総長報告(S/2000/683)が発表された。報告において、事務総長は、6月28日のロンドン会合で全く進展がみられなかったことを指摘したうえで、来る専門家レベル会合(ジュネーブ)ではいくらかの進展がはかられるよう希望を表明した。また、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を10月31日まで、3ヶ月間延長するよう勧告した。
  • 緒方貞子難民高等弁務官は声明を発表し、西ティモール難民キャンプにおける暴力継続を非難するとともに、インドネシア政府が治安維持の公約を守らない場合には、UNHCRがその活動の見直しを行わざるを得ないであろう、と述べた。
  • 日本政府が、東ティモールに対して、総額2,700万ドル以上の援助資金を拠出した。東ティモール援助資金としては、これまでで最高金額を記録した。この資金は今後、ディリ地域の水道供給システムの向上、主要道路の再建、灌漑施設の改造、ディリ港の一部修復、中心都市および13の農村地域の電力施設、配電系統の再建に使われる。
  • コソボ暫定行政協議会(IAC)は、コソボにおける自治を定義する暫定的な法的枠組みを決めるべく、「コソボ社会のための協定(Pact for Kosovo Society)」の概要について話し合った(UNMIK発表)。
  • ギニアとコンゴ民主共和国の治安状況が悪化していることから、UNHCRは現在、両国で行っている難民帰還援助活動を一時停止した(UNHCR発表)。

2000年7月13日

  • 安保理は議長声明において、ボスニアの町スレブレニッツァで1995年起こった大虐殺を想起し、犠牲者に哀悼の意を表するとともに、この悲劇的事件を決して忘れてはならない、と強調した。
  • アナン事務総長は安保理に宛てて書簡を送付し、アンゴラ反政府勢力UNITAに対する制裁措置の実施を監視するための委員会のメンバーを務める専門家5人を任命した、と述べた。この専門家の任命は、安保理が4月18日の決議1295により、事務総長に要請していた。これらの5人は、Christine Gordon氏(英国)、Juan Larrain氏(チリ)、James Manzou氏(ジンバブエ)、Ismail Sekh氏(セネガル)、Lena Sundh氏(スウェーデン)。
  • アナビ平和維持活動担当事務次長補が、コソボ情勢について、安保理にブリーフィングを行った。同氏によれば、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は、今後数週間にわたり、治安および来る選挙に向けた準備という2つの切迫した問題に、活動の焦点を絞ることになる。
  • 米国キャンプ・デービッドにおいて、パレスチナの最終地位交渉をめぐる中東和平首脳会談が行われるなか、ラーセン中東和平プロセス担当事務総長特別調整官は、パレスチナ経済に関する報告書を発表、経済成長の前提となる平和の重要性を強調した。
  • 安保理は決議1307を全会一致で採択し、国連プレブラカ監視団(UNMOP)の任期を2001年1月15日まで6ヶ月間延長した。
  • 第13回国際エイズ会議(ダーバン)において、WHOとUNAIDSは共同声明を発表し、アフリカの主要な科学者たちが、「HIVワクチンのためのアフリカ戦略」を打ち上げたことを明らかにした。これら科学者たちは、HIVワクチンの開発を急ぐべく、アフリカ政府、地域・国際機関、産業界、援助国に対して、研究および実験を加速化するよう求めた。また、これとは別の声明において、WHOは、HIVと女性に対する暴力の関係について認識を広めることが、世界中のエイズ禍との闘いを進めるうえで不可欠である、と述べた。
  • 政府、国際機関、NGOの代表200人の参加を得て、独立国家共同体(CIS)における大量避難民の問題への対応策を練るための会合が、始まった。この会合は2日間の日程で開かれるもので、UNHCR、国際移住機構、欧州安保協力機構(OSCE)が主催する。
  • 昨日、東ティモールにおいて暫定的な内閣の設置が承認されたのに続いて、本日、国民評議会(National Council)の設置が決まった。この評議会は、政治、宗教、民間部門のそれぞれの代表で構成される。国民協議会(National Consultative Council)は、この評議会(33人の東ティモール人で構成)の初会合で解散することになる。なおUNTAETの長、デメロ氏は、同評議会が内閣に提案するあらゆる規則案の承認について、最終的な決定権限を有する。

2000年7月12日

  • OAUサミット最終日、アナン事務総長は会議の合間をぬって、西アフリカ地域3カ国(ガーナ、ギニア、ナイジェリア)の高官と会談し、シエラレオネ情勢について話し合った。事務総長が会談後、記者団に語ったところによれば、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の支援のため、何をすべきかについて、これら3カ国の間で意見の一致がみられた。これらの国々は、いずれもUNAMSILの兵力提供国である。
  • UNHCRは本日、声明を発表し、エチオピア・エリトリア紛争により、10万人近くのエリトリア人がスーダン、ジブチ、イエメンに流出するとともに、エリトリア国内で夥しい人々が国内避難民となっているとしたうえで、これらの人々に援助の手を差し伸べるための経費として、2,300万ドルが必要である、と述べた。
  • ユニセフ、「国々の前進2000(The Progress of Nations 2000)」を、ニューヨーク、ジュネーブ、ダーバン(南アフリカ)で同時発表した。この報告書は、HIV/エイズが若い人々に与えている多大な影響について詳述するとともに、若い人々こそがこの疾病との闘いにおいて鍵を握っている、と述べた。同報告によれば、エイズ患者・感染者の3分の1は、15歳から24歳までの若者であり、毎分、25歳未満の若者6人がHIVに感染している計算になる。また、女子がHIVに感染する危険性は、男子より50%以上高い。
  • デソト事務総長特別顧問は声明において、キプロス間接協議の一時休止(7月24日までの12日間)を発表した。デソト氏は、両当事者が協議の内容について報道機関に情報を漏洩することのないよう、合意を厳密に遵守するよう求めた。
  • 国連アフガニスタン人道援助調整官Erick de Mul氏は本日、イスラマバードで記者会見し、タリバンがアフガニスタン人女性の国連勤務を禁止した問題について、現在、解決に向けた動きが始まっている、と述べた。同氏は昨日、カンダハールを訪れ、タリバン高官と会談、この問題について話し合ったが、日曜日、今度はカブールにおいて、同当局との話し合いを継続する予定。
  • エチオピア・エリトリア間の停戦合意を受けて、平和維持活動の展開計画を練るためにエリトリアに入った調査団は4日間の訪問を終え、アジスアベバに戻った。本日、エチオピア政府高官と会談し、暫定的安全地帯の設置、軍事調整委員会、平和維持活動の任務や構成、地雷除去などについて話し合った。明日、調査団は、エチオピア北部前線の視察を開始する予定。
  • 日曜日、コンゴ民主共和国のポリオ予防接種キャンペーン開始3日目、同国のUvira近くの検問所で、援助団体International Medical Corps(IMC)の職員の乗った車両が武装した男たちに銃撃され、1人が死亡、数人が負傷した。この襲撃後、IMCは同国における予防接種活動を停止することを決定した(国連緊急援助調整官Carolyn McAskie発表)。
  • 今朝、コソボ南部の村Klokotにおいて、セルビア教会聖職者が親戚2人と子ども1人といたところ、走行してきた車から銃撃を受けた。この事件について、クシュネル事務総長特別代表は非難声明を発表した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は声明を発表し、東ティモール警察訓練大学の初の卒業生50人が本日、警察官としての任務に就いた、と述べた。

2000年7月11日

  • アナン事務総長は、来るG8サミット(沖縄)の参加国に宛てた書簡において、先進諸国に対して、貧困国の債務緩和を加速化するとともに、国々が開発を進めるうえで情報技術の恩恵に浴するようにするため、デジタルデバイドの問題を解決するよう求めた。
  • 安保理、シエラレオネ情勢に関して、非公開協議。アナビ平和維持活動担当事務次長補が、事務総長によるUNAMSIL拡大提案(5月19日付け)に関して、具体的な説明を行った。この後、安保理議長は報道声明を発表し、UNAMSILの能力強化が即時に必要であることについて、今回の協議で、理事国の間に全般的な同意がみられた、と述べた。
  • スレブレニッツァ陥落から5年目のきょう、アナン事務総長は声明を発表。スレブレニッツァ陥落から学んだ最も重要な教訓は、悪を認識し、それに立ち向かわなければならないということであったが、国際社会はまだ、この教訓に十分学んでいない、と述べた。
  • 第13回国際エイズ会議、南アフリカのダーバンで開催中(9日‐14日)。国連エイズ合同計画(UNAIDS)は声明を発表し、HIV/エイズが、最も深刻な被害を受ける国々の経済に多大な影響を及ぼし、個人、家族、企業に損害を与えるばかりでなく、経済成長を緩慢にし、貧困を悪化させる、と指摘した。
  • 世界人口デー。今年のテーマは、「女性の命を救うために」。国連人口基金(UNFPA)のサディク事務局長は、男女が教育やヘルスケアに対する平等な権利を有することを強調し、法律、慣行、態度、行動における変化を求めた。そして指導者たちは、変化を誘導し、目標を決め、障害を取り除き、恐れを追い払い、弾みを維持しなければならない、と述べた。
  • 西ティモールの境界線沿いの4地区において、主に治安上の懸念から、手続きの見直しをはかるため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、東ティモール難民登録作業の開始を最低24時間延期した。
  • タリバンは先週、アフガニスタンの自らの支配地域において、女性がNGOや国連機関に勤務することを禁じる、と発表した。この決定が多くの女性や人道援助活動に及ぼす影響は深刻なものになると思われることから、国連アフガニスタン調整官は、タリバン外相とこの問題について話し合うため、明日、カンダハールに向けて出発する。
  • 今週、オゾン層の破壊に関するモントリオール議定書の開放型作業部会が、開催される。同部会において、モントリオール議定書の第12回締約国会議(12月、ブルキナファソ)の準備が行われる予定。
  • 国連イラク・プログラム部によれば、イラク石油食糧交換プログラム第8期の下、イラクは先週、石油480万バレルを輸出し、約1億1,600万ドルの収入を得た。6月9日の第8期開始以降、これまでの総収入は、11億ドル。
  • アナン事務総長は、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)の新司令官に、スウェーデンのBo Wranker少将を任命した。今年8月1日に正式就任の予定。
  • 中・東欧、バルト地域の15ヶ国から、環境、健康、農業を担当する政府高官の参加を得て、環境に有害な殺虫剤の使用削減に関する国連会合(サンクトペテルブルク)が開始した。

2000年7月10日

  • アナン事務総長はOAUサミット(ロメ、トーゴ)の開幕式典で演説し、国連がアフリカを支援する用意があること、その際、場所や方法にこだわらないことを指摘した。
  • 金曜日、経社理高位級会合は、情報通信技術に関する討議を終了し、「開発と国際協力に関する閣僚宣言」を採択した。同宣言は、特に開発途上国において、情報通信技術が開発を推進できる可能性が十分に生かされていないことに深い憂慮の念を示し、国際社会のすべてのメンバーに対して、「デジタルデバイド」を埋めるとともに、「デジタルの機会」を促進するために協力するよう求めた。
  • アフガニスタンにおいて、30年ぶりの最悪の干ばつにより、生活条件がさらに悪化しているところ、追い討ちをかけるように、最近、戦闘が再発した。これについて、アナン事務総長は落胆している旨表明するとともに、紛争当事者に対して、暴力をやめるよう呼びかけた。
  • ハイチの選挙管理委員会および政府が日曜日、先日の議会選挙に関する未解決の問題を解決せずに、決戦投票を実施したが、これについて、本日、アナン事務総長は遺憾の意を表明した。また特に、OAS、その他の国内外の監視員が指摘した、上院議員に対する投票率の計算方法に不正がみられた問題で、選挙管理委員会がこれを正さなかったことに、事務総長は留意した。
  • ピーター・ピオット国連エイズ合同計画事務局長は、第13回国際エイズ会議(9日-14日、ダーバン、南アフリカ)で開幕演説し、HIV/エイズに関する支出を大幅に増加し、アフリカのサハラ以南地域における基礎的ケアおよび予防ニーズへの対処をはからなければならない、と述べた。
  • 11日は、スレブレニッツァ陥落5周年。事務総長特別代表Paul Klein氏は本日、声明を発表し、5年前、犠牲となった多くの人々や遺族に哀悼の意を表明した。
  • エリトリア・エチオピア間の停戦履行に関して、どのような国連平和維持活動を展開したらよいかアイデアを練るべく、国連調査団が金曜日、エリトリアを訪問した。週末、同国の西部、東部、中部の主要地点を視察、本日は、外務・防衛両省の高官と会談した。
  • シエラレオネ東部において、国連兵士233人が反政府勢力RUFによって移動の自由を制限されてから、2ヶ月が経過。金曜日、アナン事務総長は、これら兵士の移動の自由を即時かつ無条件に回復するよう求めるアピールを再度発信した。
  • 国連緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏は声明を発表し、スーダン南部において、同国政府と反政府勢力の戦闘が再発したことに深い憂慮を示すとともに、両当事者が今年前半に署名した人道的停戦を尊重するよう促した。
  • FAOは、ケニアの干ばつおよび食糧不足状況に関して特別報告(http://www.fao.org)を発表し、同国を襲った干ばつがもたらした飢餓により、死亡者が出始めたことを指摘するとともに、同国農家が重大な食料危機に直面する危険について警鐘を鳴らした。

2000年7月7日

  • OAUの委託を受け、ルワンダ大虐殺(1994年)について調査していた国際有識者パネル(7人構成)が本日、「ルワンダ:予防可能なジェノサイド」と題し、296ページに及ぶ調査報告を発表した。同報告は、国連安保理、米国、フランス、ベルギーが大虐殺の防止を怠ったとして非難するとともに、これらの責任者による賠償を求めた。アナン事務総長は、この報告書がルワンダの悲劇に光をあてる努力に対して重要な貢献をするものであるとして、歓迎の意を表明した。
  • 安保理、ギニアビサウ情勢に関して、非公開協議。その後、安保理議長は報道声明において、ギニアビサウが永続的平和、安定、持続可能な開発に向けて重要な進展をみせていることを歓迎する一方で、同国がセネガルとの国境線沿いで緊張を高めていることに憂慮を表明した。
  • 安保理、中央アフリカ共和国情勢に関して、非公開協議。その後、安保理議長は報道声明を発表し、バンギー協定および国民和解協定の実施が進展を見せていることに歓迎の意を表明した。しかし、同時に、法廷外殺害や恣意的死刑執行が増えるとともに、重大な人権侵害を行った者が罰を免れていると思われることについて、深刻な憂慮の念を表明した。
  • 情報技術をテーマに開催された経社理高位級会合、最終日。経社理議長Makarim Wibisono氏は最終日のきょう、記者団に対して、デジタルデバイドの問題について、高いレベルで話し合う初の世界会議としての同会合の歴史的意義を強調した。
  • アナン事務総長とガーナ大統領はアクラ(ガーナ)において、「国連平和維持活動:半世紀の経験」と題する展示会を開幕した。
  • ラーセン事務総長特使が、ベイルートで、レバノン大統領および首相と会談、両氏に対し、イスラエルのレバノンからの撤退ラインを示す詳細な地図を渡した。事務総長特使によれば、会談は、暖かい雰囲気のなかで行われた。なお来週末までに、フォローアップ会合が予定されている。
  • UNHCRによれば、別の民族が支配する地域へと帰還するボスニア人の数が増えている。5月末現在、1万5,600人の少数民族の帰還が登録された、これは、1999年の3倍以上である。
  • 国連プレブラカ監視団(UNMOP)に関する事務総長報告が発表された。事務総長は、プレブラカ半島における紛争の政治的解決を進展させるために必要な安定を維持するため、UNMOPの任務を加えず、その任期を2001年1月15日まで6ヶ月間延長するよう勧告した。
  • カナダ外相Lloyd Axworthy氏が本日、国際刑事裁判所規程、および武力紛争に関する児童権利条約選択議定書の批准書を事務総長に寄託した。国際刑事裁判所規程について、同国は14番目の批准国となり、一方、児童権利条約選択議定書については、初の批准国となった。
  • 日本政府は本日、アフガニスタンにおける地雷除去活動を支援すべく、国連に対し、最新式の地雷除去装置を寄贈した。この装置により、同国の困難な地勢条件において、地雷除去作業のスピードは300%から500%加速すると期待される。
  • UNHCRの委託により、このたび作成された独立研究報告“Trafficking and Smuggling of Refugees - The End Game of European Asylum Policy?”は、ヨーロッパにおいて、迫害を逃れ、保護を求める多くの純粋な難民たちにとって、人身売買が唯一の脱出方法となっている状況を示した。同報告は、欧州諸国に対して、それぞれの移民・亡命者保護政策を見直し、迫害を逃れようとする人々に正当な手段を与えるよう勧告した。

2000年7月6日

  • 安保理議長は報道声明を発表し、戦争で疲弊したアフガニスタンの人々の苦境に深刻な憂慮を表明した。またアフガニスタン領土が他の諸国の不安定化をもたらすための拠点として利用されているとの認識が拡大し、同国内戦のさらなる国際化の危険がある、と警告を発した。
  • ハンス・コレル法務担当事務次長は、クメール・ルージュの裁判に関して、カンボジア政府との公式協議を終了。この裁判は、国際的な判事および検察官の参加するカンボジア裁判所により行われることが想定されている。すでに、実質的な問題については、アナン事務総長とフン・セン・カンボジア首相の間で解決ずみであり、今回の協議は、裁判所の設置をめぐる技術的な側面に焦点を当てた。
  • 安保理議長は報道声明において、ハイチでこのたび実施された議会選挙において、投票率が高くなったこと、また全体として平和的な雰囲気で行われたことに満足の意を表明。しかし一方で、選挙期間中、暴力事件や不正事件があったとの報告に憂慮の念を示した。
  • 情報技術をテーマに開かれた経済社会理事会高位級会合、2日目。マリ大統領、ベラルーシ副首相などが演説し、デジタルデバイドの問題に焦点をあてた議論が行われた。この情報技術格差を埋める方法に関して、明日、閣僚レベル宣言および行動計画が採択される予定。なお、これら議論は、現在、ホームページ上で放映されている。アドレスは、http://www.un.org/webcast/ecosoc2000/
  • ジョン・ルギー事務次長補は本日、「国際貿易に関するワシントン評議会(シアトル)」に対して演説し、グローバリゼーションの挑戦に対応する企業の社会的責任を強調するとともに、米国企業に対して、アナン事務総長の主導する「グローバル・コンパクト」を受け入れるよう呼びかけた。
  • エリトリア・エチオピア両国が最近、和平合意を結び、平和への動きが見られる。しかし、その一方で、戦争の影響を受ける約75万のエリトリア人が今後引き続き、かなりの食糧援助を必要とすると予想される(WFP発表)。
  • 昨日、緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏が、「アフリカの角」地域の人道状況を視察すべく、ニューヨークを出発した。同氏は、同地域の干ばつおよび武力紛争などの状況を視察するほか、被災者のニーズに対応する現行の国連の調整取極めについて検討する。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、プリシュティナで行われた地雷除去実演説明会において演説し、コソボの地雷犠牲者が大幅に減少してきたことを指摘した。同氏によれば、昨年の夏は一ヶ月に140人を記録したが、11月以降は1ヶ月に20人にまで減った。また、コソボでこれまでに除去された地雷は、1万4,350個。現在、(既知あるいは疑惑)地雷原は、1,415個所であるが、そのうち503個所が一般社会に大きな影響がある地雷原として、最優先個所となっている。なおUNMIKは1999年6月、コソボの地雷除去に関するフォーカルポイントとして、地雷除去調整センター(MACC)を設置している。
  • 東ティモールから10人の競技選手が、キャンベラ(オーストリア)を訪問。シドニー・オリンピック参加のためのトレーニングおよび選考を受ける。選手10人の内訳は、ボクサー3人、マラソン選手3人、重量挙げ選手2人、テコンドー競技者2人。5月26日、国際オリンピック委員会(IOC)が、東ティモールの競技選手の参加を認める決定を下した。
  • 国連環境計画(UNEP)は、企業による経済的、環境的、社会的側面の業績報告を可能にするためのガイドライン改訂版を発表した。このガイドラインは、Global Reporting Initiativeが開発したが、UNEPの支援を得るとともに、UNEP代表が運営委員のひとりとなっている。賃金、エネルギー消費、人権、廃棄物の量など、広範な問題をカバーする。

2000年7月5日

  • クリントン米国大統領はニューヨーク国連本部において、児童権利条約の2つの選択議定書に署名した。これら選択議定書のひとつは、武力紛争における子どもの関与に関するもの、もうひとつは、子どもの売買および子ども売春・ポルノに関するものである。前者についてはこれまでに7カ国が署名、後者については5カ国が署名した。いずれの議定書も、発効には10カ国の批准を必要とする。
  • 安保理は決議1306を賛成14、反対0、棄権1(マリ)で採択し、シエラレオネ産出のダイヤモンド原石の不正取引が同国内戦の高まりの要因となっていることに憂慮を表明し、憲章第7章の下、この不正取引を禁止するとともに、すべての国々が、同国政府による原産地証明のある原石を除く、あらゆるダイヤモンドの直接・間接輸入を禁止すべく必要な措置を講じるよう促した。
  • 経済社会理事会、高位級会合(3日間)を開始。今期のテーマは、世界経済における情報技術の役割。デジタルデバイドの問題について、解決する方法を探る。
  • クリントン米国大統領がこのたび、バラク・イスラエル首相およびアラファト・パレスチナ自治政府議長をキャンプ・デービッドに招待し、両者首脳会談を設定したことについて、本日、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。
  • 第3回キプロス間接会談、ジュネーブで開始。アナン事務総長が、キプロス・トルコ両系住民代表と個別に会談した。事務総長がジュネーブを発った後は、アルバロ・デソト事務総長特別顧問が残って、議長役を務めることになる。
  • シエラレオネの町Masiakaにおいて、月曜日、同国政府軍兵士とRUFの間で戦闘が発生。昨日、この報告を受けて、UNAMSIL部隊はMasiakaに向かい、RUFとの銃撃戦の後、MasiakaをUNAMSILの管理下に置いた(司令官が、現地時間午後5時に発表)。報告によれば、負傷者は1人もでなかった。
  • MONUCによれば、コンゴ民主共和国において、ウガンダ軍がキサンガニから撤退した。ウガンダおよびルワンダ両軍は、6月、互角の激戦を1週間にわたり続けた後、キサンガニから撤退することに合意。ルワンダ軍はすでに、6月21日に撤退している。ウガンダ軍は、ウガンダの支援する反政府勢力MLCを伴って撤退したとしているが、国連はこの点について、まだ確認していない。一方、ルワンダの支援するRCDは依然、安保理決議1304に違反し、キサンガニに駐留している。
  • 昨日、アナン事務総長、「都市の将来に関する世界会議」(ベルリン)で演説。2025年までに、世界人口の3分の2が都市に居住しているとの見込みを示し、地方政府が国際レベルでより大きな役割を演じることを国連は歓迎する、と述べた。
  • UNTAET人権ユニットの長Sidney Jones氏はディリで記者ブリーフィングを行い、東ティモールにおいて、昨年9月の暴動事件以降、およそ1,000人から1,200人が殺害されたと思われる、と述べた。
  • ケニアは最近、これまで同国が経験したなかでも最悪レベルの干ばつに襲われ、同国の人々は現在、飢餓の脅威に直面している。WFPは本日、330万のケニア人に食糧を提供すべく、国際社会に対して、8,800万ドルの資金拠出を求める緊急アピールを発した。
  • 今年4月に開催されたアフリカ・マラリア・サミットにおいて、アフリカ諸国は、蚊帳や殺虫剤などマラリア対策関連商品に課している税金を撤廃すると約束していたが、本日、世界保健機関(WHO)のマラリア掃討作戦プロジェクト・マネージャー代行Awash Teklehaimanot氏は、アフリカ諸国に対して、この約束の実現を促した。
  • 国連イラク・プログラム部によれば、イラク石油食糧交換プログラム第8期の下、6月の最終週、イラクは石油1,040万バレルを輸出し、約2億8,200万ドルの収益を得た。6月9日に始まった第8期において、これまでの総収益は、10億ドルを超えた。

2000年7月3日

  • アナン事務総長は本日、エリトリア・エチオピア間の停戦合意(6月18日)の実施支援において国連が果たす役割を探るべく、同地域に高位級調査団を派遣した。調査結果に基づいて、調査団は、国連平和維持活動の設置について勧告を行うことになる。調査団派遣の意向は、エリトリア・エチオピア情勢に関する最新の事務総長報告において明らかにされた。同報告において、事務総長は、両国間の停戦合意を歓迎し、それが平和の回復に向けた最初ではあるが、非常に重要なステップである、と述べた。そして両当事者に対して、来るべき第2回間接交渉において、OAUと十分に協力するよう促した。
  • アナン事務総長は、国際海洋法裁判所本部(ハンブルク、ドイツ)の開設式典に出席、演説し、国際法こそが地球社会の言葉である、と強調した。
  • 6月28日、世界教会協議会の長Konrad Reiser氏はアナン事務総長に宛て書簡を送り、国連、世銀、IMF、OECDが先週共同発表した世界の貧困との闘いに関する報告書について、憂慮を表明した。Reiser氏によれば、多くのNGOは、世銀、IMFやOECDを、まさに貧困根絶の闘いにおける多くの問題の根本的原因であると見ており、国連がこれらの機関と連合を組んだことは憂慮すべきことである。本日、アナン事務総長は返書において、報告書が世界社会開発サミットなどで合意した目的を盛り込んでいること、IMFやOECDなどのパートナー機関がそれについて支援を表明していることを指摘。「何年もの間、これらの機関の支援を取りつけようと努力しながら、いざイエスの答えが返ってきたときに、これを受け入れないとしたら非常に皮肉なことである」と述べた。
  • 土曜日、社会開発に関する特別総会は、貧困緩和および雇用創出のための幅広いイニシアチブを打ち出す最終文書を採択、予定を1日オーバーして、閉幕した。
  • 今年の世界経済社会年次報告が、発表された。報告によれば、アジア危機(1997‐98年)以後の世界経済の回復基調は今後数年間、継続していく可能性が高い。
  • 6月30日、国際刑事裁判所設立準備委員会は、「手続きおよび証拠に関する規則(Rules of Procedure and Evidence)」ならびに「犯罪要件(Elements of Crimes)」のテキストを全会一致で採択した。準備委員会の次会期(11月)においては、財務規定、初年度予算、裁判所と国連の関係、ホスト国との本部設置協定などの問題が扱われる。
  • 中央アフリカ共和国情勢に関する事務総長報告が、発表された。報告において、事務総長は、中央アフリカ共和国において、開発と平和建設プロジェクトが早急に実施されれば、同国自らが長期的な安全保障をもたらすことができるとし、国際社会が拠出誓約した支援を早急に実施するよう促した。
  • 金曜日、女子差別撤廃委員会は、3週間の会期を終了した。今会期においては、イラク、オーストリア、リトアニア、キューバ、カメルーン、モルドバ、ルーマニアの7カ国からの国別報告書を審議し、各国の女性の地位向上のため広範な勧告を行った。
  • 6月30日、シエラレオネの町Mile91から西に20キロの地点で、UNAMSILヨルダン部隊がRUFとみられる武装集団の待ち伏せ襲撃を受け、1人が死亡、4人が負傷したが、国連スポークスマンによれば、この事件の後、シエラレオネは「静穏であるが、予測不可能」な情勢にある。
  • コンゴ民主共和国(DRC)は6月23日、ウガンダによる自国侵略容疑について、国際司法裁判所(ICJ)に提訴したが、ICJは7月1日、ウガンダ・DRC両国に対して、この提訴の審理中、武力紛争を控え、人権を尊重するよう命じた。
  • UNEPの下、世界保護監視センター(World Conservation Monitoring Centre=WCMC)が、ケンブリッジ(英国)に開設された。同センターは、種および生態系の健康、その生存への脅威を評価し、各国が生物の多様性に関する情報システムを構築するのを支援し、それぞれによる科学的な環境政策の開発を可能にすることをねらう。
  • アフリカの野生動植物の不正取り引きを禁じる、ルサカ協定(1996年12月10日発効)の管理理事会(6カ国)が、ナイロビ(ケニア)で開催され、UNEP事務局長およびルサカ・タスクフォースの報告書について審議した。同協定の締約国は、コンゴ共和国、ケニア、レソト、タンザニア、ウガンダ、ザンビアの6カ国。なおエチオピア、南アフリカ、スワジランドの3カ国が署名国となっている。
  • 土曜日、国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)は、東ティモールの町Bacauの公共施設再建事業3件の入札競争に加わる企業11社の名前を公表した。これらの再建事業はいずれも、7月24日までに始まる予定。

2000年6月30日

  • 社会開発に関する特別総会、最終日。現在、この日採択する予定の成果文書のなかで、依然として意見が対立し、議論が収斂されていないパラグラフについて、最後の調整が行われている。
  • シエラレオネの町Mile91の近郊で、UNAMSILのヨルダン部隊が、正体不明の武装集団による待ち伏せ襲撃を受け、1人が死亡、4人が負傷した。
  • このたび、サウジアラビア・イエメン両国が、海上および陸上の国境を画定する条約を批准したことについて、安保理は歓迎する旨表明した。
  • アナン事務総長、ハンガリー訪問終了。同国訪問最終日のきょう、アナン氏は、首相や国会議員らと会談した他、第2次世界大戦時、数千のユダヤ人をナチの迫害から救ったスウェーデンの外交官Raol Wallenberg氏の記念館を訪問した。
  • インドネシアのマルク諸島で暴力が拡大していることについて、アナン事務総長は憂慮を表明するとともに、同地域の衝突事件に責任を有する者たちに対して、人道的原則を尊重し、市民の保護を確保するよう訴えた。
  • ギニアビサウ情勢および国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(UNOGBIS)の活動に関して、最新の事務総長報告が発表された。この報告によれば、ギニアビサウは現在、永続的平和と安定の回復、ならびに低い生活水準の向上をはかっている。そのうえで、同報告は、同国が引き続き重要な課題に直面しており、国際社会の持続的支援を必要としている、と述べた。
  • 昨日、UNHCRは援助国会合において、西ティモールキャンプに待機する東ティモール難民の帰還・再統合を支援すべく、2,090万ドルの資金拠出を求めるアピールを発した。
  • 7月最初の土曜日は、共同組合の国際デー。アナン事務総長はこの国際デーに寄せるメッセージにおいて、すべての人々がグローバリゼーションの恩恵を共有できるようにするうえで、共同組合運動が支援的役割を果たすことができる、と述べた。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は、コソボの地方行政における市民参加拡大プロジェクトを打ち上げた。このプロジェクトの資金拠出国はノルウェー、実施機関は、国連開発計画(UNDP)である。まず、Gnjilane地域のKamenica、Prizren地域のDragashにおける試験段階を経たうえで、他のすべての自治体で実施されることになる。
  • UNHCRによれば、チェチェンにおいて、不安定情勢が継続し、戦争による広範な破壊がみられるため、イングーシェチアに待機する避難民の冬季前の帰還が無理な状態となった。このため、UNHCRは現在、秋・冬期における援助計画を練っている。

2000年6月29日

  • 安保理は議長声明を発表し、ソマリアにおいて、罪のない市民や人道援助職員に対する武装集団による襲撃など、人権侵害違反が引き続き起こっていることを非難。また、ソマリアの各派に対して、ジブチ大統領のイニシアチブの下で進められる和平プロセスに参加するよう促した。
  • 社会開発に関する特別総会、4日目。参加各国の政府代表は演説において、経済のグローバリゼーションの影響を人間的なものとし、利益の公正な分配をめざすのであれば、一貫した政策による管理がなされなければならない、と述べた。特別総会およびそれと並行して行われている関連行事への参加者総数は推計で、政府代表4,800人、NGO代表2,000人以上、ジャーナリスト750人以上。
  • シエラレオネのPendembuにおいて、RUFに拘束されていたUNAMSIL軍事要員21人がこのたび、チャールズ・テーラー・リベリア大統領の働きかけによって解放され、明日フリータウンに移送されることになった。この報告を受けて、アナン事務総長は歓迎の意を示すとともに、Kailahun地域で依然としてRUFに包囲されているUNAMSIL要員についても、即時かつ無条件に移動の自由が確保されるよう希望を表明した。
  • 国連開発計画(UNDP)が、「人間開発報告2000」を発表。人権とは、開発に本来内在するものであるとともに、開発は人権を実現する手段である、と報告書は主張する。
  • アナン事務総長、ハンガリー訪問。大統領や外相との会談において、環境問題が中心的なテーマとなった。
  • 東ティモール担当事務総長特別代表はニューヨーク国連本部で記者ブリーフィングし、現在、15人構成の国民協議会(NCC)を拡大、スタッフを東ティモール人に限定し、UNTAETから東ティモールに対して、より大きな権限の移譲をはかるための準備を進めている、と明らかにした。そして、まもなくNCCにおいて、内閣のポストが東ティモールの政治家たちに与えられ、これらの政治家たちが選挙や独立(2001年秋に予定)までの移行期間を管理する責任を負うことになる、と述べた。
  • 国連エイズ合同計画の事務局次長Kathleen Cravero氏は、2000フォーラム(特別総会と並行してジュネーブで開催)で演説し、エイズ禍が社会開発を損ない、世界社会開発サミットで決めた国際的目標に対して大きな脅威と与えている、と述べた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の第3審理部は、ルワンダ軍の元上級指揮4人の被告について、ジェノサイド共謀罪という同一の容疑で罪に問われていることから、審理時間の短縮や証人の負担軽減のためにも、一つのグループとしてまとめて裁判にかける、と決定した
  • 7月2日、メキシコ大統領選の日、同国の子どもたちもまた、特別に設置された投票所に足を運び、学校や地域、同国の民主制度についての自らの考えを示す。これは、「子どもたちの諮問(Children's Consultation)」と呼ばれるもので、ユニセフ、民間セクター、NGOの支援で行われる。(子どもの意見表明権は、児童権利条約第12条に明記されている。)
  • このたび、ベルギーが国際刑事裁判所規程を批准。これで、同条約の批准国は、14カ国となった。なお、同規程は60カ国の批准をもって発効する。

2000年6月28日

  • 安保理は、ブルンジ情勢に関する非公式協議を行い、プレンダーガスト事務次長からのブリーフィングを聴取した。その後、安保理議長は報道声明を発表し、ブルンジで進行する敵対行為を非難し、全紛争当事者が軍事活動を停止し、アルーシャ和平プロセスの促進者であるネルソン・マンデラ氏に協力するよう求めた。
  • 今朝、イラクにおいて、銃をもった男が食糧農業機関(FAO)のバグダッド事務所に押し入った。銃撃戦のなかで、FAO職員2人が死亡、6人(イラクの民間エンジニア2人、政府警護官4人)が負傷した。犯人は人質をとり、対イラク制裁の犠牲者への補償など、4件の要求を出して、事務所内にたてこもったが、数時間後、警察に投降した。
  • 社会開発に関する特別総会、3日目。参加各国の政府代表は、各国の援助拡大、貧困国の対外債務の削減を求めるとともに、今こそ、言葉を行動に移すときである、と強調した。当初の推計によれば、参加者総数は、政府代表4,600人、NGO代表750人、報道関係者600人である。
  • アナン事務総長、ポーランド訪問最終日。外相や首相と会談した。午後、空路、ハンガリーに向かった。
  • 経済社会理事会議長は本日、記者団に対して、同理事会が今回の高位級会合(7月5‐7日)において、開発を進めるための情報技術(IT)の可能性に関して討論を予定している、述べた。経社理が主導して、世界経済における情報技術の役割について検討するのは、今回が初めてである。なお、この会合に向けた準備の一環として、6月21‐22日には、ブラジルとインドで同時に地域円卓会議が開催された。
  • スーダンのBahr-el Ghazal地域で、政府軍とスーダン人民解放運動の間の戦闘が再発したことについて、アナン事務総長は懸念を表明。そして、罪のない市民の命を救うため、同国の紛争全当事者に対して、戦闘の即時停止を求めた。
  • この数日間、シエラレオネのMile 91周辺で、政府支持派勢力とRUFとの間の戦闘が続いているとの報告を受けて、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)のVijay Jetley司令官は本日、ヘリコプターで同地域を訪れ、状況を視察した。
  • ジェームズ・ベーカー3世・西サハラ担当事務総長特使がロンドンで、西サハラ紛争当事者と直接会談した。会談は、「十分かつ率直な」雰囲気のなかで行われた。
  • モンゴルの国連援助調整官は記者会見において、同国を襲った干ばつにより、数百万頭の家畜が失われ、その結果、推計50万の人々が厳しい状況に直面している、と述べた。
  • 今朝、コソボのミトロビツァ北部において、UNHCRが活動を再開した。火曜日、ユーゴ外相がUNHCRに対して、UNHCR事務所閉鎖(先週木曜日)の原因となった暴動事件の責任を有する者を裁判にかけることを約束したことから、今回の再開決定となった。
  • 国際労働機関(ILO)は、地方および国家レベルで持続可能な人間開発を進めるべく、新しい社会開発プログラムを開始する、と発表した。この“Universitas”プログラムは、当初、イタリア政府が拠出した750万ドルの資金援助を使い、中央アフリカ、地中海、西岸、ガザ、バルカン、アフリカの開発途上15カ国の開発援助職員およびILOパートナーを訓練し、「一定水準の労働」の促進をはかることをねらう。
  • 携帯電話の使用が健康に及ぼす影響に関して、WHO提言の改訂版が発表された。最近実施された調査は、携帯電話が脳の活動、反応時間、睡眠のパターンの変化をもたらす、と指摘しているが、WHOは、これについて確認すべく新しい研究を実施するよう提言。また、これとは別の提言として、人々に対して、自動車運転時に携帯電話を使用しないよう促した。

2000年6月27日

  • 安保理、東ティモールに関する公開協議。デメロ事務総長特別代表はブリーフィングを行い、東ティモールの選挙実施(あるいは、その後の独立)が、来年8月30日から12月初旬の間に実現するであろうとの見込みを示した。
  • 社会開発に関する特別総会、2日目。参加各国首脳は演説し、グローバリゼーションの成功の影で、何億もの人々が貧困に苦しんでいる問題を指摘した。
  • アナン事務総長、ポーランド訪問し、同国大統領や首相らと会談した。また本日、ワルシャワで開催された「民主主義国家コミュニティーに向かって(Towards a Community of Democracies)」と題する国際会議で演説、OAUが昨年、憲法に反する手段で権力の座についたアフリカの指導者たちについて、対等な立場では受け入れないと決定したことを歓迎する旨を表明した。そして「国連総会がアフリカの主導に従い、全加盟国に同様の厳しい基準を課す日を待ち望んでいる」と述べた。また、この会議の合間を利用して、事務総長は、インド外相、米国国務長官と会談した。本日朝、韓国外相とも会談している。
  • 月曜日、アフガニスタン情勢に関する事務総長報告が発表された。同報告によれば、アフガニスタンは依然、深刻な危機的事態に直面しており、人々は劣悪な状況下で生活している。
  • UNHCRによれば、アンゴラ北部の町Uigeにおける救済活動が、周辺地域の治安情勢の悪化により、実質的な停止を余儀なくされている。(20日、Uige周辺の2つの町MateusとKikayaが、UNITAと思われる武装集団からの襲撃を受け、19日にUigeに展開した緊急援助チームはその活動を半径2キロ以内に限定された。)
  • 昨日、フリータウンにおいて、民兵組織CDFの戦闘員4人が市民を襲い、強盗を働こうとしたところ、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)のナイジェリア部隊がその場に到着し、戦闘員を追い払った。その後、この4人は逮捕され、文民警察に引き渡された。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)は本日、「世界のエイズ禍に関する報告書(Report on the Global HIV Epidemic)」を発表。現在、エイズ禍の被害が最も大きい地域でエイズウイルスの蔓延がすすんでいるが、これにより、何年もの間、減少しつつあった死亡率が反転、若い成人たちの死亡率が急激に上昇するとともに、人口構造の劇的な変容が起こっている、と警鐘を鳴らした。
  • アナン事務総長は、グアテマラ和平協定のひとつである、“Fiscal Pact for a Future with Peace and Development”が署名されたことについて、深い満足の意を示した。
  • オララ・オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)、北アイルランド訪問。本日、“Building the Future: Young People and the Troubles”と題する会議(2日間)で演説し、北アイルランドにおいて、若い人々が、政府あるいは市民社会に取り組んで欲しいと願う問題を明確にすべく、「子どもたちの宣言書」をつくるよう提言した。
  • 国連イラクプログラム部によれば、イラク石油食糧交換プログラムの下、6月17‐23日の1週間で、イラクは1,600万バレルの石油を輸出し、4億3,000万ドルの収入を得た。

2000年6月26日

  • 社会開発に関する特別総会がジュネーブで開幕。会期は5日間。グリラブ総会議長は開幕演説において、国際社会が1995年で行った公約を守るよう呼びかけるとともに、債務帳消し、関税の引き下げ、貿易特恵措置を強化することの重要性を強調した。また、アナン事務総長はその演説において、社会開発と経済開発は別の概念ではない、世界の貧困との闘いにおいて社会的目的は単に付属品ではない、と強調した。
  • 特別総会開幕日、アナン事務総長はジュネーブで、「すべての人々のためのより良い世界(A Better World for All)」と題する報告書を発表した。報告書によれば、開発途上国と先進国が貧困の根本的原因に取り組む公約を実施に移せば、2015年までに世界の貧困を大きく緩和することができる。この報告書は、国連、世界銀行、IMF、OECDが共同で作成したもので、貧困との闘いにおける進捗状況を評価するとともに、将来に向けた共通のビジョンを示している。
  • フレシェット副事務総長は、「21世紀のためのパートナーシップ」と題する討論会(OECD主催、パリ)で演説し、世界の経済社会開発という多面的な課題に取り組むため、国際社会、市民社会、民間セクターの間で協力関係を構築することの重要性を強調した。
  • イスラエルのレバノン撤退ラインをめぐる違反行為に関して、安保理が非公開協議を開催。ジュネーブ訪問中のアナン事務総長も、テレ・コンファレンスを利用して参加。レバノン南部を含めて、自身が行った中東諸国の歴訪に関してブリーフィングを行った。安保理議長の報道声明によれば、同協議において、各理事国は、事務総長が可能な限り早急に違反行為を終わらせるべく、いくつかの措置を提案したことを歓迎するとともに、当事者が撤退ラインを尊重するよう求めた。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は、推計3万5,000の人々が避難している町Mile 91など、主要な地点を強化すべく、平和維持兵を派遣した。
  • 軍縮委員会(Disarmament Commission)、開幕。会期は3週間。ダナパラ軍縮担当事務次長は開幕演説において、世界の軍事費が再び増加に転じている、と述べた。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、1999年、軍事費は実質2%以上増加し、7,800億ドル(世界GNP比2.6%)となった、と指摘した。
  • 拷問の犠牲者を支援する国際デー。この日、人権高等弁務官、拷問禁止委員会、拷問担当特別報告者、拷問犠牲者のための任意基金理事会は共同宣言を発表し、すべての国が、拷問禁止条約に留保なく批准し、拷問の犠牲者に対する補償を行うよう促した。
  • 国際薬物乱用・不正取引防止デー。
  • 東ティモールのディリ、バウカウ、オエクシの3地区の地裁検察官は、1999年1月1日から10月25日までに発生した重大な犯罪事件の調査記録を、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)に引き渡した。今後、これらの犯罪については、ディリ地裁内に設置された特別パネル(東ティモール人と外国人の判事で構成)が起訴し、裁判を行うことになる。
  • 金曜日夜、コソボ南部のStrpceにおいて、セルビア系住民が国連事務所を襲撃し、コンピューター、書類、窓、備品などをすべて破壊した。本日、クシュネル事務総長特別代表は声明を発表し、この襲撃事件を強く非難した。
  • シドニー・オリンピック組織委員会が本日、開幕式典(9月)で使用するオリンピック・トーチの複製を国連に贈呈した。

2000年6月23日

  • 安保理、バルカン情勢に関して集中討議。カール・ビルト・バルカン担当事務総長特使がブリーフィングを行った。同地域に展開する3つの国連平和維持活動が撤退した場合、明日、戦争が起こってもおかしくない、と述べた。なお、この公開会合の開催にあたり、安保理はまず、手続き規則に従って、加盟国および関心を有する個人の参加を認めるか否かについて、決をとった。国連加盟14カ国、ビルト氏およびEUのソラナ共通外交安保政策上級代表、ユーゴ大使Vladislav Jovanobic氏がそれぞれ参加希望を表明。これについて、ロシアは、一括承認を求めたが、この提案は賛成4、反対10、棄権1で否決された。結局、14ヶ国、ビルト、ソラナ両氏の参加は反対なしで認められたが、ユーゴ大使の参加については、賛成4、反対7、棄権4で拒否された。
  • 月曜日、特別総会「ジュネーブ2000」が開幕する。この総会の公式名称は、「世界社会開発サミットを超えて:グローバル化する世界において、万人のための社会開発を達成するために」(World Summit for Social Development and Beyond: Achieving Social Development for All in a Globalizing World)。世界社会開発サミット(1995年)で合意に達した10項目の国際的公約について履行状況を検討する。
  • 事務総長は、UNIFILに対して、イスラエルのレバノンからの撤退ラインの情勢報告(日曜日)、その後の報告継続(毎週日曜日)を要請したことを明らかにした(ダマスカス空港で行った記者会見で)。
  • 2日間にわたり開催された東ティモール援助国会合(リスボン)において、各国政府は、東ティモール再建および新行政機構に対する支持の継続を誓約するととともに、2000年12月までの開発活動計画を承認した。(本日、世界銀行とUNTAETが共同声明を発表し、明らかにした。)
  • 緒方貞子難民高等弁務官、2週間にわたるアフリカ諸国歴訪を終了。最終日の今日、コンゴ民主共和国東部のゴマを訪問し、UNHCRによるルワンダ難民帰還活動を視察した。また、昨日は、同国のカビラ大統領およぶ政府高官と会談し、避難民の苦境への配慮を促した。
  • 国連スポークスマンが発表したところによれば、今後数日間のうちに、UNAMSILは、シエラレオネの町Mile91周辺におけるプレゼンスを強化し、紛争を逃れて、そこに避難している3万5,000人に対する人道物資提供を促進する予定である。
  • コソボの分断都市ミトロビツァにおいて、国際人道援助職員や車両に対する攻撃が再開したことから、UNHCRは、22日深夜以降、同都市北部でのすべての人道活動を一時停止(48時間)した。48時間後、UNMIKやKFOR等とともに現地情勢について検討し、この措置の見なおしを行う。
  • 昨夜、米国テキサス州において、Gary Grahamが死刑に処されたが、ロビンソン人権高等弁務官は声明を発表し、この死刑執行について深い遺憾の意を示した。同死刑囚は、少年時に犯した罪を問われ、死刑判決を受けていた。
  • アフガニスタンが30年ぶりの最悪の干ばつに襲われている。UNHCRスポークスマンは記者ブリーフィング(ジュネーブ)において、この干ばつに苦しむ同国の人々(上限200万人)に対する緊急援助を求めた。
  • 国際民間航空機関(ICAO)によれば、今後数年間で、航空機の利用が、「旅客人キロpassenger kilometre)」の単位で、数千億キロ増加するであろう。ICAO加盟国の輸送実績は1999年、2兆7,910億輸送人キロであったが、今後、毎年5%増加し、2000年には2兆9,560億輸送人キロ、2001年には3億1,180輸送人キロ、2002年には3兆2,840億輸送人キロとなることが予想される。

2000年6月22日

  • 安保理議長は報道声明を発表し、コンゴ民主共和国が、国民対話促進者(Facilitator of the National Inter-Congolese Dialogue)の事務所(キンシャサ)を閉鎖したことについて、遺憾の意を示し、この事務所の再開を求めるともに、同国政府に対して、ルサカ合意の中核的要素である「対話」への全面的な取り組みを再確認するよう促した。
  • アナン事務総長とバラク・イスラエル首相は会談し、イスラエルのレバノン撤退ラインをめぐり揉めている場所を調査すべく、イスラエル軍人と国連平和維持兵を派遣することに合意した。その後、事務総長は、パレスチナのRamallahに入り、アラファト氏と会談し、中東和平プロセスの進捗状況について話し合った。さらに本日、事務総長は、シリアを訪問し、バシャル・バース党書記長およびシャラ同国外相と会談した。
  • 事務総長が安保理に送付した書簡(本日発表)によれば、スウェーデンとウクライナがこのたび、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に対して、自国部隊の提供を申し出た。イスラエル軍のレバノン撤退に伴う任務の遂行のため、現在、UNIFILの部隊増強が行われているが、今回の2ヶ国の部隊提供もこの一環として行われるもの。
  • デメロ・東ティモール事務総長特別代表は、リスボンで2日間の日程で行われる資金拠出国会議において、開幕演説した。同代表は、東ティモールの救済から開発へと移行する不安定な時期における持続的援助の必要性を強調し、援助国が国連活動のための資金提供を継続するよう促した。
  • 国連エイズ合同計画(UNAIDS)とFAOは、“Sustainable Agricultural/Rural Development and Vulnerability to the AIDS Epidemic”と題する報告を共同で作成、発表した。同報告によれば、長い間、開発途上国において、都市部の問題と考えられてきたエイズ禍が、急速に農村部の問題となってきている。
  • ミトロビツァ北部において、セルビア人の群集が昨日、国連警察の車に放火したり、警察官と争ったりした騒乱事件について、現在、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)が、調査をすすめている。
  • コソボで昨年の紛争後初めて収穫された小麦が汚染されたり、毒を入れられたとする情報が流れているが、この情報について、コソボの農業、林業、農村開発、環境保護を担当する行政当局は、強く否定する旨宣言した。
  • 国連人口基金(UNFPA)は声明を発表し、エリトリア避難民の母子死亡率などを減らすべく、同基金が10トン相当のリプロダクティブ・ヘルス・キットをエリトリアに空輸する、と述べた。

2000年6月21日

  • 安保理は決議1305を賛成14、棄権1(ロシア連邦)で採択し、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の任期を2001年6月19日まで1年間延長した。UNMIBHには国際警察タスクフォースが含まれる。また同決議により、安保理は加盟国に対して、1996年安保理決議に沿って設置された安定化部隊(SFOR)を、さらに12ヶ月間継続して駐留させる権限を与えた。
  • シエラレオネ情勢をめぐり、安保理は、ECOWAS仲介安全保障評議会委員会の代表6人と非公開協議を行った。両機関のメンバーは、RUFがUNAMSIL要員を拘束、包囲していることを非難した。またシエラレオネにおける人道状況に憂慮を表明し、全当事者が援助活動家に対して、難民・避難民などに対する安全で妨害のないアクセスを保証するよう求めた。
  • アナン事務総長は、ヨルダンから陸路、イスラエルに入り、同国のレビ外相およびバラク首相と会談した。事務総長は、首相との共同記者会見において、イスラエルのレバノン撤退が平和への長い道のりにおけるひとつの重要な布石である、と述べた。
  • コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)によれば、キサンガニ情勢は依然として緊張しているものの、ウガンダ軍は同市の北部、ルワンダ軍は南部への撤退を継続している。
  • 「アフリカの角」地域の5ヶ国歴訪から戻ったベラミー・ユニセフ事務局長は本日、記者会見し、救済努力が同地域の人々の命を救っていることは確かであるが、干ばつと武力紛争に直面する1,300万の人々を救うためには、追加的な支援が不可欠である、と指摘した。
  • 20日深夜、東ティモールのAidabasalala(西ティモール境界から約30キロ)において、少人数の武装集団がUNTAET平和維持兵を襲撃。建物に損害を加えたが、負傷者はでなかった。
  • 昨日、コソボの中心都市プリシュティナにおいて、2人のセルビア人が何者かによって襲われ重傷を負った。本日、クシュネル事務総長特別代表は、コソボ暫定協議会メンバーとともに事件の発生場所に献花し、この襲撃を非難した。旧ユーゴ国際刑事裁判所検察官Carla del Ponte氏も、この献花に加わった。
  • 6月23日は、オリンピック・デー。アナン事務総長とサマランチIOC委員長は共同メッセージを発表し、世界各国の国内オリンピック委員会が今年のオリンピック・デーを平和の文化およびオリンピック停戦に捧げると決定したことに賛辞を呈した。
  • WHOは、「世界健康報告2000(World Health Report 2000 - Health systems: Improving performance)」を発表。同報告は初めて、世界各国の保健衛生制度の分析を行い、対応の早さや家庭の経済的負担など、さまざまな指標をもとに、191ヶ国を調査した結果を示した。この指標によれば、最良の保健衛生制度を備えた国はフランスであり、最も劣悪なのはシエラレオネ。
  • 国際司法裁判所は、パキスタンが同国航空機の墜落事件(1999年8月10日)に関してインドを提訴した問題について、裁判を行う管轄権がない、と決定した(14対2)。
  • ILOは、「世界労働報告2000(World Labour Report 2000: Income Security and Social Protection in a Changing World)」を発表し、世界中の失業者1億5,000万人の75%が現在、いかなる失業保健もない状態を指摘した。
  • 火曜日、国連ボランティア(UNV)は“Getting to the People”と題する報告書を刊行。同報告書によれば、1999年、UNV設立(1970年)以来最多の4,000人以上が、国連ボランティアとして、世界各地の選挙支援や人道援助活動などに従事した。

2000年6月20日

  • アナン事務総長、レバノン訪問最終日。ヒズボラ指導者Sheikh Hassan Nasralleh氏と会談し、UNIFILとヒズボラの協力態勢などについて話し合った。レバノンで行った短時間の記者会見において、事務総長は、国連が検証を完了したイスラエル撤退ラインをめぐるあらゆる違反を非常に重大なものとして考え、対処する、と述べた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所所長Claude Jorda氏は安保理公開会合において、ブリーフィングを行い、安保理が同裁判所規程を修正し、その効率性を向上させるとともに、戦争犯罪者に対する訴追能力の改善を図るよう求めた。
  • アナン事務総長は、社会開発に関する特別総会(ジュネーブ)の開幕日(6月26日)、「すべての人々のためのより良い世界(“Better World for All”)」と題する報告書を発表する予定。この報告書は、国連、世界銀行、IMF、OECDが共同作成。開発途上国および先進国が貧困の根本的原因に真剣に取り組めば、世界の貧困は2015年までに大幅に緩和できる、と述べる。
  • 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)によれば、ウガンダ・ルワンダ両国の軍隊のほとんどが現在、キサンガニから撤退した様子。なお軍事監視員は、これら軍隊の撤退完了を検証すべく、監視活動を行っている。
  • 水曜日、ECOWAS仲介安全保障評議会委員会の6人チームが、シエラレオネ情勢をめぐり、ニューヨークで安保理との非公開協議を行う。このチームは昨日、シエラレオネにおいて、カバー大統領と会談した。
  • 金曜日と土曜日、西チモールの3つの難民キャンプで、治安を脅かす事件が相次いで起こったことから、UNHCRおよびその他の援助機関が、これらキャンプでの援助活動を停止した。
  • 「アフリカ難民デー」。緒方貞子難民高等弁務官は声明を発表し、アフリカの難民問題の拡大に対して、これまで以上に大きな関心が払われる必要がある、と述べた。また、難民を受け入れた地域においてゼノフォビア(外国人嫌い)が現れはじめていると指摘し、これと闘うための共同の努力を促した。
  • WFPは本日、新設の国連人道援助対応貯蔵所(ブリンディシ、イタリア)から、緊急援助物資約36トンをエリトリアに空輸する作業を開始した。この貯蔵所が6月1日に設置された後、WFPが緊急援助物資の空輸を行うのは今回が初めて。
  • 国連専門家パネル(17人構成)は今週、開発途上国の情報技術の遅れを克服するための、公的および民間部門の関与のあり方に関して、初の報告書を発表した。現在、世界人口の80%はインターネットへのアクセスができないが、2004年までに、こうした状況を解消するためのプランを打ち出した。
  • 国連イラクプログラム部によれば、6月10日から16日までに、イラクは石油輸出により、総額約3億4,200万ドルの収入を得た。

2000年6月19日

  • アナン事務総長、レバノンに到着。同国の大統領や首相と会談し、イスラエルのレバノン撤退をめぐり、この数日間に持ちあがった様々な問題について話し合った。事務総長は本日、ベイルートで記者会見し、国連の任務は、同国南部の平和と安定の回復を支援することであると述べ、国連とレバノンがその目標に向けて密接な協力を継続していくことに自信を表明した。なお明日、事務総長は、ヨルダンを訪問し、同国国王らと会談する予定。先週末には、モロッコ、イラン、エジプトを訪問し、それらの国々の首脳と会談した。
  • 土曜日夜、首都フリータウンで1時間半にわたり、銃撃戦があり、少なくとも民間人1人が死亡したが、先週末からのシエラレオネ情勢は比較的落ち着いている。一方、同国の町、Mile 91の人道的状況について、国連は引き続き憂慮を表明している。人道援助調整部によれば、現在、この町において、避難民が3万人近く登録されており、その周辺地域では1万7,000人、今後、これに加えてさらに1万人が追加登録されることが予想されている。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、イラクが今なお保有しているクウェートの全財産を返還するとともに、すべてのクウェート人および第3国人の帰還、あるいは遺体の返還に協力するよう求めた。
  • エリトリアおよびエチオピアが、OAUの停戦協定案に合意・署名したことについて、事務総長は、歓迎の意を示した(カイロ訪問中に行った演説において)。安保理議長も報道声明において、同様に歓迎する旨表明した。
  • ハンス・コレル法務担当事務次長は来月5日、カンボジアを訪問し、クメール・ルージュの裁判のあり方に関して、当局との話し合いを継続する予定。
  • 英国のドーバーで、トラックの積荷のなかに、密航者58人の遺体が発見されたことについて、本日、UNHCRは、深い衝撃を表明するとともに、人身売買の問題への国際的関心の増大を求めた。
  • 日曜日、安保理は議長声明を発表し、イスラエルが6月16日、安保理決議425(1978)に沿って同国軍の撤退を終了したことを事務総長が最終確認したことを含め、イスラエルのレバノン撤退検証に関する国連活動について改めて支持を表明した。
  • 金曜日夜、安保理は決議を全会一致で採択し、コンゴ民主共和国情勢が国際の平和および地域の安全にとって脅威であるとするとともに、ウガンダ・ルワンダの双方の軍隊がキサンガニからから撤退するよう促し、同国全土における戦闘の停止および全当事者によるルサカ合意の厳密な遵守を求めた。

2000年6月16日

  • アナン事務総長は国連本部で記者会見し、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)によるイスラエルのレバノン撤退検証作業が終了した、と発表した。まもなく、事務総長は、中東諸国を歴訪、各国指導者と会談すべく、ニューヨークを出発する。
  • エチオピア・エリトリア両国がこのたび、OAUの停戦案に合意したことが確認された。これについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。
  • 緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏は声明を発表し、エチオピアの人々が干ばつと武力紛争の複合的被害に苦しんでいることから、援助国に対して、同国の避難民に対する資金援助アピールへの十分な対応をはかるよう促した。
  • アナン事務総長は声明を発表し、ソマリア民族和平会議が第2段階に入ったとの情報に勇気付けられたと述べるとともに、すべてのソマリア人が、ジブチの主導するこの和平イニシアチブに参加し、支援するよう促した。
  • 17日は、砂漠化および干ばつと闘う世界デー。この世界デーは、砂漠化防止条約の採択記念日。アナン事務総長はこの世界デーに寄せるメッセージにおいて、「人類のニーズが容赦なく増えつづけている。このため、我々は、可耕地の破壊が進んでいる状況を、たとえ反転は無理だとしても、少なくとも、くい止めるため、強力な措置を即時に講じなければならない」と述べた。
  • アンゴラにおいて、ユニセフの援助活動家Luis Felipe Gomes氏が子どものポリオ予防接種活動に従事していたところ、待ち伏せ襲撃を受け、殺害された。ユニセフは声明を発表し、この殺害事件を非難した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNATAET)の文民警察官および税関職員が、オーストラリアから到着した貨物船上で、不法弾薬の船荷を発見・押収した(UNTAET発表)。
  • ロッテルダム条約(Rotterdam Convention on the Prior Informed Consent Procedure)に関して、アフリカ諸国の啓発をはかるための訓練ワークショップ(ケニア、UNEP主催)が、3日間の会期を終了した。この条約は、有害物質の輸出にあたり、輸出国から輸入国への通告と、輸入国の受け入れ合意を義務付けるもの。1998年採択。発効には、50ヶ国の批准を必要とする。現在は、163ヶ国が参加し、自発的に実施している。

2000年6月15日

  • 安保理は、コンゴ民主共和国情勢に関して、2日間にわたる協議を開始した。
  • アナン事務総長は、韓国および朝鮮民主主義人民共和国の両指導者の「ビジョンと政治的手腕」を称えるとともに、歴史的な首脳会談の締めくくりに発表された「南北共同宣言」を歓迎する意を表明した。
  • イスラエルのレバノン撤退検証作業を行っているUNIFILチームが、イスラエル防衛軍の以前の駐屯地から、銃による攻撃(5発)を受け、検証作業が中断した。負傷者はでなかった。
  • 総会において、各国代表は、故アサド・シリア大統領に対して弔意を示し、一分間黙祷。総会議長代行、全地域グループの議長、アラブ・グループ、国連のホスト国である米国の代表が弔辞を述べた。その後、総会は、第5委員会からの勧告に基いて、シエラレオネ、中東、旧ユーゴなどにおける平和維持活動の予算などを承認する決議を採択した。
  • 過去6週間、国連シエラレオネ・ミッションの兵力増員が進んだ結果、現在、総人数で1万2,000人以上となっている。
  • クウェート財産の返還に関する事務総長報告が発表された。報告によれば、1991年から1994年までの間に、湾岸戦争時に盗まれた財産のうち相当の量がイラクから返還された。しかし、まだ多くのものが返還されていない。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は、「アフリカの角」において干ばつ、飢え、武力紛争に直面する数百万の人々の状況に世界の関心を集めるため、同地域諸国の歴訪(5日間)を開始した。
  • 最新の情報によれば、現在、100人を超える国家元首・首班が、ミレニアム・サミットへの参加の意向を示している。
  • このたび、ILOは、その81年の歴史上初めてILO憲章第33条を援用し、ミャンマーに対して、同国における「広範かつ組織的な」強制労働を改善するよう求めるとともに、同国が遵守しない場合、しかるべき措置を講じることを決定した。また、本日2週間の会期を閉じたILO総会は、これとは別に、妊産婦の保護に関する条約を採択した。同条約は、産休期間を従来の12週から14週に増やすことなどを規定している。
  • 「国連要員の安全と独立に関する第3回サミット」において、フレシェット副事務総長は演説し、世界中の国連平和維持兵・文民要員の安全を確保するため、国連要員を襲撃あるいは殺害した者が処罰されずにいる状況を終わらせることが必要である、と述べた。

2000年6月14日

  • 安保理は決議1303を全会一致で採択し、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の任期を12月中旬まで延長した。
  • アナン事務総長は声明を発表し、ハイチでこのたび行われた議会・地方選挙の投票率がかなり高かったことについて歓迎の意を示す一方、選挙後、特に野党側の候補者や運動員の多くが逮捕されていること、またOAUが不正な開票作業の継続を指摘していることについて憂慮を表明した。
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が、レバノン軍の専門家たちとともに、イスラエルのレバノン撤退検証作業を再開。本日、検証作業はかなりの歩みを進めた。(昨日、レバノン軍の専門家の数人がアサド・シリア大統領葬儀に出席するため、シリアに向かったため、作業が中断していた。)
  • ブーゲンビル情勢に関して、安保理の非公開協議が行われた。安保理議長は報道声明を発表し、ゲートウェイ・コミュニケ署名(6月9日)に歓迎の意を表し、和平プロセス諮問委員会(議長:国連)を開催するよう促した。
  • UNHCRは現在、エリトリアへの援助物資空輸を加速している。本日、UNHCRは声明を発表し、同国のKerena北部のキャンプの不十分な条件の下で数千人の避難民が生活していることに憂慮を表明した。この難民キャンプ地では、毎日、気温が40度を超え、突風が土埃を巻き上げている。
  • FAOは“Food Outlook”最新版を発表し、食糧危機に直面する国が先月、増加し、現在、36カ国が深刻な食糧不足に見舞われている、と述べた。
  • 東ティモールの全土から、女性500人以上がディリに集まり、初の女性国民会議が開催された。UNTAETによれば、同会議は6月17日まで続けられ、経済、健康、人権、和解など幅広いテーマについて議論する。
  • ミトロビツァの国連地域行政官William L.Nash氏は本日、司法における均衡をはかるため、セルビア人判事を増やす必要がある、と述べた。

2000年6月13日

  • コンゴ民主共和国情勢に関する安保理宛事務総長報告が、発表された。報告において、アナン事務総長は、キサンガニの状況に注意を喚起するとともに、安保理が、憲章第7章の下、ルワンダ・ウガンダ両国に対して、それぞれの軍隊の戦闘停止命令、キサンガニからの撤退、それに続くコンゴ民主共和国領土からの撤退を求めるよう招請した。
  • 先週土曜日に死去したアサド・シリア大統領に弔意を表し、国連本部で、国連旗(半旗)掲揚。安保理は本日の会合の冒頭、一分間の黙祷を行った。なおシリアで行われた同大統領葬儀には、イクバル・リザ事務次長が出席した。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ担当事務総長特別代表Jacques Klein氏が、安保理で公開ブリーフィング。同代表は、ボスニア・ヘルツェゴビナにおける国連活動が不可能なミッションではないと強調するとともに、UNMIBHの活動を国連の成功例に加えられるよう全力で取り組んでいる、と述べた。また同代表は、警察訓練および司法改革においてUNMIBHが進めた歩みを指摘し、2002年末までに中核的任務を果たすための中期計画を現在、作成している、と述べた。
  • アナン事務総長は、本日ピョンヤンで始まった歴史的な南北朝鮮首脳会談について、心から歓迎の意を示した。また、この首脳会談が実質的な結果を生み、南北朝鮮間の相互信頼および協力の新しい時代のはじまりとなるよう期待を表明した。
  • シエラレオネ北東部Rokel Bridgeにおいて、今朝(午前3時―午前6時)、UNAMSIL平和維持部隊がRUFにより、3回に及ぶ銃撃を受けた。負傷者はでなかった。
  • 昨日、シエラレオネの政府支持派民兵組織CDFが、ユニセフおよびNGOカリタスに対して、元兵士あるいは戦闘で家族と引き離された子ども138人(4歳-17歳)を引き渡した。ユニセフは声明において、CDFとシエラレオネ政府が戦闘部隊において子どもを使わないとのそれぞれの約束を守り行動したことを賞賛し、その他の勢力も、この例にならい、戦争の道具としての子どもの使用を止めるよう希望を表明した。
  • エリトリアの避難民の一部が週末、故郷へと帰っていったことに、良い兆しがみえる、とUNHCRが述べた。UNHCRによれば、アスマラから南に30キロ離れたDebarwaキャンプから約5,000人の避難民が週末、アレザ地域に向かった。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所・主任検察官Carla del Ponte氏は今月2日、NATOによるユーゴ空爆(1999年)について、刑事責任を問うための調査を実施しない旨決定したが、同裁判所は本日、その根拠となった報告書を一般公開した(http://www.un.org/icty/latest.htm)。
  • 国連イラク・プログラム部によれば、イラクはこの一週間(6月3日-9日)で、1,240万バレルの石油を輸出し、約3億2,000万ドルの収益を得た。これにより、第7期の6ヶ月間の収益は、総額で約82億8,500万ドルとなった。なお同プログラムの第8期は、6月9日に開始した。
  • 動物(食用)に対する抗生物質や合成抗菌剤の濫用や誤使用により、人間の疾病の治療が困難になっているとの懸念が増大していることを受け、本日、WHOは、各国政府、動物専門家、産業のための一連の原則となる“Global Principles for the Containment of Antimicrobial Resistance due to Antimicrobial Use in Animals intended for Food”を作成した、と発表した。この原則は先週、WHO本部で行われた専門家会議で作成されもの。また、これに関連して、WHOは昨日、人間の病気の治療における抗生物質や合成抗菌剤の使用に関する新しい研究報告“Overcoming Antimicrobial Resistance”を発表し、喉の痛みや結核など、現在ではありふれた治療可能な病気がそのうち治療不可能になるかもしれない、と警鐘を鳴らした。

2000年6月12日

  • 土曜日、特別総会「女性2000 21世紀のための男女平等・開発・平和」が、「北京宣言および行動綱領を実施するためのさらなる行動とイニシアチブ」と題する宣言、および成果文書を採択して、終了した。会期中、NGOから1,000人以上、各国政府からは、元首1人、副大統領5人、副首相7人、閣僚98人を含め、2,300人以上が参加した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、コンゴ民主共和国北東部の町、キサンガニにおけるルワンダ・ウガンダ間の武力衝突を非難した。一方、ルワンダ軍がキサンガニ中心部からウガンダ軍を駆逐し、現在、戦闘が停止していることから、国連援助機関は、これを利用し、援助物資提供を開始した。
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の検証チームが現在、レバノン人の専門家とともに、イスラエルのレバノン撤退を確認する作業を続けている。しかし、地雷が数多く埋設された地域での作業のため、そのスピードは緩慢であり、本日中の作業完了は期待できず、おそらく、完了までには、もう1日か2日かかるとみられる。
  • 先週金曜日、エリトリアがOAUの和平プランに合意、エチオピアもこれに原則合意する旨発表した。国連はこの動きを歓迎する意を表明。なお国連平和維持活動局の計画ミッション(3人構成)は、この和平プランにおける国連の役割に関する話し合いのため、アルジェに向かうべく、現在待機している。
  • グリラブ総会議長およびアナン事務総長は土曜日、シリアのアサド大統領が死去したことに深い悲しみを示すとともに、中東和平プロセスが今後も継続して進展していくことに期待を表明した。
  • 日曜日、アナン事務総長は、スタンフォード大学の学位授与式典で演説を行い、卒業生および同世代の若者が地球環境の保護に率先して取り組んでいくよう呼びかけた。
  • 国際刑事裁判所の第5回準備委員会、3週間の会期を開始。今会期の主要な課題は、「犯罪の要件」ならびに「手続規則および証拠」の2つの文書に用いられる言葉の最終調整。同裁判所の設立文書であるローマ規程は、60ヶ国の批准を得て発効する。現在、署名国は97ヶ国、批准国は12ヶ国である。
  • 第23回女子差別撤廃委員会、開始。同会期中、カメルーン、モルドバ、リトアニア、イラク、オーストリア、キューバ、ルーマニアの国別報告書を審議する。

2000年6月9日

  • クシュネル事務総長特別代表が、安保理公開会合において、コソボ情勢に関するブリーフィングを行った。同氏はブリーフィングにおいて、設置から1年が過ぎた国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)がその活動を通じてかなりの進展をはかったものの、寛容と民主主義に基づく社会を建設するという任務を完成させるには、さらに何年もの期間を要するであろう、と述べた。
  • 設置1周年を迎えたUNMIKに関する事務総長報告書が本日、発表された。同報告は、和解の実現は遠いとはいうものの、今日のコソボが、1年前に国際社会が目にしたよりは、はるかに良い場所となっている、と述べた。
  • アナン事務総長は声明を発表し、シエラレオネ東部のKailahunおよびPendembuにおいて、UNAMSIL要員(軍事監視員11人、インド部隊245人)が、RUFによって包囲・拘束されていることについて、引き続き非常に憂慮している、と述べた。
  • ルワンダおよびウガンダによる昨日の停戦合意にもかかわらず、コンゴ民主共和国北東の町キサンガニにおける戦闘は収まらず、5日目に突入。すでに数百人が死傷、電気や水道も止まり、キサンガニの人道状況はますます悪化している。本日、WFP、UNHCR、WHOおよび人道問題調整部、ユニセフは共同声明を発表し、キサンガニの市民の状況について深刻な憂慮を表明するとともに、ルワンダ・ウガンダ両政府に対して、罪のない市民の生命を奪う戦闘を即時終結するよう促した。
  • 特別総会「女性2000 21世紀のための男女平等・開発・平和」、最終日。婦人の地位向上部長Yakin Erturk氏によれば、特別総会の最終文書は、北京女性会議の成果を生かすべく、ジェンダー・メインストリーミング(ジェンダー問題の国連活動への組み込みをはかる考え)および時間的制約のある実施目標の設定に力点を置いたものになるであろう。
  • エチオピア・エリトリア間の紛争を逃れて、エリトリア・スーダン国境付近に集まっている数千人のエリトリア避難民の状況を視察すべく、UNHCRは本日、調査団を派遣した。
  • WHOは本日、声明において、干ばつの被害を受けた「アフリカの角」の1,340万の人々が保健衛生上の重大な危機的事態に陥らないようにするための行動計画の開始を発表した。2,500万ドルを超える資金を投入し、予防可能な疾病により死亡したり健康を害する人の数を大幅に削減し、今後数ヶ月間で、数千人の生命を救うことをねらう。
  • 国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)に関する事務総長報告が、発表された。ボスニア・ヘルツェゴビナで、戦争が終わってから5年が経過し、平和が根づき始めていることを示す「目に見える、また勇気づけられる」兆しがあるものの、まだ多くの仕事が残されており、国連の存在は依然として重要である、と事務総長は述べた。そして、UNMIBHの任期を2001年6月21日まで12ヶ月間延長するよう勧告した。
  • WFPおよびFAOは本日、声明を発表し、アフガニスタンにおいて、深刻な干ばつが原因で穀物が壊滅的状態となり、その結果、数百万のアフガニスタンの人々が深刻な食糧の危機に瀕している、と警鐘を鳴らした。
  • 木曜日夜、安保理は決議1302を全会一致で採択し、イラク石油食糧交換プログラムの期限延長を決定した。同プログラム第7期(6月8日期限)の終了後、第8期(6ヶ月間)が開始することになる。

2000年6月8日

  • 安保理議長は報道声明を発表し、エチオピア・エリトリア間の戦闘継続に遺憾の意を示し、両当事者が即時に戦闘をやめ、紛争解決のための外交努力に集中して取り組むよう求めた。
  • アナン事務総長とホルブルック米国大使の支援を得て、本日、ウガンダ・ルワンダ両国が停戦(ニューヨーク時間、午前10時に発効)に合意した。これについて、安保理は報道声明を発表し、歓迎の意を示した。この報道声明において、安保理メンバーは、ウガンダ、ルワンダおよび両国それぞれの支援勢力が、この合意を「遅滞なく、誠実に」履行し、キサンガニから撤退するとともに、同都市の非軍事化を尊重するよう強く促した。
  • 特別総会「女性2000 21世紀のための男女平等・開発・平和」、4日目。アナン事務総長は本日、声明を発表し、水曜日夜に北京プラス5の成果文書の完成に向けて進展がみられたことを指摘し、各国代表らの見せた協力の精神に歓迎の意を表した。そして加盟国に対して、1995年北京会議で女性の活躍により獲得したものを保護するよう促した。
  • イスラエルがこのたび、レバノンからの同国の撤退を検証するための境界線をめぐり、未解決だった1つの問題を解決。これを受け、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は本日午後4時、安保理決議425および426に沿って、イスラエルおよびレバノンの専門家とともに、同検証作業を開始した。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)によれば、シエラレオネ北部の町Kabalaにおいて、同国軍とRUF間の戦闘が継続、数千人の市民がこの戦闘を逃れ、近辺の森林に避難している。現在、平和維持兵300人(ケニア部隊)がこの町に駐留しているが、これまでに、これら兵士を巻き込んだ形での戦闘が行われたとの情報は入っていない。
  • 西ティモール知事Piet Tallo氏が、昨年9月以降初めて、東ティモールのディリを訪問。デメロ・東ティモール事務総長特別代表および独立派指導者グスマン氏は同氏と会談し、帰還作業の迅速化をはかり、ティモール島の貿易を拡大する方策について話し合った。
  • ルワンダ国際刑事裁判所は本日、ルワンダ・ブルンジ両国大統領が乗った飛行機が墜落し、両氏が死亡した事件(1994年4月6日)をめぐる状況について元国連職員が書いた文書の開示を求めた。この文書は、1997年、Michael Hourigan氏(国際刑事裁判所検察官室の元職員)が、内部監査部に短期契約で務めていたとき、自発的に書いたメモ。今年前半、国連本部で発見され、同裁判所に送られた後、その所長が封印後、保存した。Ignace Ntaganda Bagilishemaの事件ならびにGratien KabiligiおよびAloys Ntabakuzeの事件を扱う弁護人が、この文書の裁判における重要性と、弁護のための必要性を主張し、その開示を求めていた。
  • 昨日、アジア太平洋経済社会委員会、今年の年次会期を終了。

2000年6月7日

  • スリランカのコロンボで、本日、自爆テロが発生したことについて、アナン事務総長は深い衝撃を表明した。同国の工業開発大臣C.V.Gunaratne氏など罪のない人々の命が失われたことを深く嘆き、アナン事務総長は、最も強い調子で、あらゆるテロリズムに対する非難を繰り返した。
  • 安保理が、国連監視検証検査委員会(UNMOVIC)の第1四半期報告について非公開協議を行った。その後、安保理議長は報道声明において、イラクがUNMOVICに協力するよう求めるとともに、対イラク制裁解除のためには、この協力が得られなければならない、と再確認した。
  • 国連は、「アフリカの角」における干ばつが非常に大きな悲劇をもたらす可能性について警鐘を鳴らし、この地域で深刻な危険に直面する1,300万を超える人々を救うため、3億7,800万ドルの資金拠出を求めるアピールを発した。
  • 特別総会「女性2000 21世紀のための男女平等・開発・平和」、3日目。本会議において、約40ヶ国の代表たちが男女平等の広範な問題について演説した。これと並行し、アドホック全体委員会の2つの作業部会において、成果文書を仕上げるための交渉が、続けられた。
  • 国連婦人開発基金(UNFPA)が、2000年版の「世界の女性の発展(The Progress of the Worldユs Women)」を刊行。同報告書によれば、過去10年で、中等教育就学率における男女の平等をはかり、議会において女性議員を30%確保するという、世界が合意した2つの目標を達成したのは、わずか8ヶ国である。
  • 安保理が、キプロスに関して非公開協議。その後、安保理議長は報道声明を発表し、キプロスの現状は容認し難いとの見解を繰り返すとともに、すべての関係当事者がキプロス問題の包括的解決に向けた活動を継続するよう奨励した。
  • アナン事務総長は、コンゴ民主共和国東部の町キサンガニにおけるルワンダ・ウガンダ間の戦闘の再発に深い憂慮を示すとともに、この両国に対して、即時停戦と同都市からの軍隊の撤退を繰り返し求めた。
  • レバノンからのイスラエル撤退ラインをめぐり、未解決の問題があるため、撤退検証要員がまだ配置につけずにいる。しかしラーセン特使は火曜日、声明を発表し、この問題の解決に自信を示した。同氏は、2週間にわたる同地域訪問を終え、アナン事務総長への報告を行うため、現在、ニューヨークに向かっている。
  • シエラレオネで、昨日、RUFによりKuivaから連れ去られたインド人平和維持兵21人について、国連は、その一刻も早い解放を願う旨表明した。国連スポークスマンによれば、これらの要員は現在、同国東部の町Pendembuにいるとの情報が入ってきている。
  • アナン事務総長およびサリムOAU事務局長は本日、トーゴにおいて1998年、裁判を行わずに数百件の刑が執行されたといわれる問題を調査すべく、国連およびOAU合同の国際調査委員会を設置した、と発表。なお、この調査に関する枠組みは、国連人権促進保護小委員会が1999年8月に採択した声明に規定されている。同声明において、小委員会は、この調査を国連とOAUに対して行うよう求めるトーゴ政府の提案を承認し、また、この新設の機関に支援を提供するとの同政府の意向を歓迎した。
  • 昨日、ボスニア・ヘルツェゴビナが、国境管理業務(State Border Service)を開始。SBS第1陣が、税関・出入国管理のため、サラエボ空港に配置された。今後、同国国境200箇所以上の管理を行うことをめざす。ボスニア・ヘルツェゴビナ担当特別代表Jacques Klein氏は、SBSが今後、犯罪や腐敗との共通の闘いにおいて、国際的に認知された国境の実効的管理を確立することになるであろう、と述べた。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)と世界銀行は、1,270万ドルの援助資金により、東ティモールの保健衛生部門を整備することに合意、署名した。
  • 国連開発計画(UNDP)は声明において、同計画のアジア太平洋地域を対象にしたコンピューター訓練プログラムが、情報技術(IT)の分野における優れた先駆性を評価され、ストックホルム・チャレンジ賞を受賞した、と発表した。

2000年6月6日

  • 安保理は議長声明を発表し、コンゴ民主共和国東部において、最近、ルワンダ・ウガンダ間の戦闘が再発したことを非難するとともに、敵対行為の停止を求め、両国政府が合意した同地域の非軍事化を繰り返し要求した。
  • 特別総会「女性2000 21世紀のための男女平等・開発・平和」、2日目。本会議において、40ヶ国近くの高級代表たちが、女性の地位向上に関連する幅広い問題について演説を行った。また一方、アドホック全体委員会の2つの作業部会においては、「北京宣言および行動綱領を実施するためのさらなる行動およびイニシアチブ」と題する最終文書について、合意形成をはかるため集中的な非公式協議が行われた。
  • 昨夜、シエラレオネ東部の町Kuivaで、反政府勢力RUFに包囲されていたUNAMSILのインド人兵士23人のうち21人が、RUFによって、他の場所へ移送された。目的地は不明である。
  • 国連スポークスマンFred Eckhardによれば、イスラエルのレバノン撤退を確認するための実際的な境界線を引く作業が本日中にも終わる見込みであり、最善のシナリオによれば、早ければ明日にも、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が撤退検証を開始し、木曜日には作業を終了することができる。
  • アナン事務総長は、ソロモン諸島でウルファアル首相らが人質として拘束されている状況について、その動きを注意して追っている。本日、事務総長は、この暴力の拡大に憂慮を示すとともに、人質の即時解放と憲法支配の回復を促した。
  • UNHCRによれば、エリトリアの人道状況が過去1週間で一層悪化。より多くの難民がスーダン東部に流入し、アッサブ港周辺の紅海地区南部で新たに避難民が発生した。
  • イラク石油食糧交換プログラムに関する事務総長の最新報告について、安保理が非公開協議を行った。同報告において、アナン事務総長は、安保理制裁委員会による手続きの改善の結果、契約保留件数が減少したことに歓迎の意を表明する一方、さらに保留件数を大幅に減らすために、さらなる措置の必要性を訴えた。
  • ギニアからのリベリア難民の自発的帰還が再開したことから、UNHCRは、国際社会がリベリア問題に一層の関心を払うよう求めた。現在、ギニアには依然として、帰還を強く望むリベリア難民が13万人いる。うち約3万2,000人が今年、ギニア南東部のNzerekoreからの自発的帰還を望み、登録を行ったが、資金不足のため帰還が不可能となっている。
  • コソボ暫定協議会(IAC)は声明を発表し、セルビア人に対する最近の一連の暴力事件について、全当事者の過激派の術中に陥ったものであるとして、「可能な限り最も強い調子で」非難した。
  • 国連は、アフガニスタンが過去30年で最悪の干ばつの被害を受けていると警告し、同国の人道状況悪化への対応を支援するため、国際社会に対して、6,700万ドルの資金拠出を求めた。
  • 先週金曜日、来年、開催が予定されるフォーラム「金融と開発に関するハイレベル国際政府間イベント(“High-level International Intergovernmental Event on Financing and Development”)」の準備委員会が、第1回実質会期を終了。このフォーラムの主要議題として、資本フロー、対外債務、貿易、援助、国際金融システムの改革の問題を取り上げることを決めた。
  • ホームページ“The Hunger Site”、開設1周年。このサイトは、GreaterGood.comが運営するもの。誰でも、クリックするだけで、WFPに直接寄付することできる。この1年間に300万ドルの資金が集まり、その資金はブータン、ボリビア、ブルキナファソ、エチオピア、ハイチ、インド、モザンビーク、ネパール、パキスタン、ベネズエラにおける食糧援助活動のために使われた。WFPは本日、声明を発表し、このウェブ・サイトを賞賛した。

2000年6月5日

  • 第23回国連特別総会「女性2000 21世紀のための男女平等・開発・平和」、開幕。第4回世界女性会議(1995年)で採択された行動綱領の実施状況を再検討する。会期は1週間。最終日(金曜日)には、北京宣言および行動綱領に対する新たな取り組みを求める政治宣言を発表する予定である。
  • 上記の特別総会開催にあわせ、ニューヨーク国連本部で、UNIFEM、UNDPなどの国連機関、および「北京プラスファイブ」NGOホスト委員会がそれぞれ、独自のイベントや討論会を行った。
  • ラーセン特使はベイルートで声明を発表し、イスラエルのレバノン撤退確認のために使用する境界線について最終決定した、と発表した。特使は「この問題に関する我々の協議は、終了した」と述べ、これにより、国連は、イスラエル軍の撤退が安保理決議425および事務総長の安保理宛報告(5月22日)に規定された諸条件に沿ったものかどうかを確認するプロセスの最終段階に入る態勢ができた、と述べた。
  • 世界環境デー。テーマは、「環境ミレニアム 今、行動するとき(The Environment Millennium - Time to Act)」。今年は、オーストラリアのアデレードにおいて、UNEP主催の大規模な祝賀行事が行われた。
  • エチオピア・エリトリア紛争に関する事務総長報告が発表された。同報告において、事務総長は、エチオピアの戦争終結宣言(5月31日)以降、小規模の戦闘は継続し、また襲撃についてお互いの非難合戦が続いているが、大規模な戦闘の発生は報告されていない、と指摘。5月30日以降、OAUの後援の下、両国の間接交渉がアルジェで行われていることから、アナン事務総長は、両国がOAUに全面的に協力するよう促した。
  • 先週金曜日、シエラレオネにおいて、国連平和維持要員、戦略上重要な拠点Rogberi Junction(フリータウンの北西60キロ)をRUFから奪回し、そこに展開する兵力を700人まで増強した。
  • 先週木曜日に誘拐された4人--国連軍事監視員2人(デンマーク人)、「ハロートラスト」職員1人(英国人)、通訳1人(アブハジア人)--が無事、解放された。国連は本日、ヘリコプターで、この4人を、コドリ峡谷から、近郊の町セナキに移送。その後、4人は固定翼機で、トビリシ、スフミへと向かう予定。また、5人目の人質となった、もう1人のアブハジア人も土曜日に解放された。(土曜日、UNOMIGは、行方不明となったこれら5人が、地方の民兵“Swans”に誘拐された、との見方を固めた)
  • コソボ国民協議会(SNC)は日曜日、最近セルビア人に対する暴力事件が連続して発生し、多くの人々が命を落としていることから、暫定行政協議会およびコソボ暫定協議会の今週の会合に欠席すると決定した。この決定について、クシュネル事務総長特別代表は昨日、遺憾の意を表明した。しかし同時に、クシュネル氏は、この決定が、抵抗および憤りを示すものであることは理解すると述べるとともに、自身も暴力を非難した。
  • WHOがこのたび発表した研究によれば、日本人が健康な状態で生きる寿命は最も長く(1999年に生まれた新生児の推計寿命は74.5歳)、シエラレオネ人は最も短い(同25.9歳)。今回、191ヶ国に順位をつけるため、WHOが使った新しい指標は、“Disability Adjusted Life Expectancy(DALE)”と呼ばれ、ひとの一生のうち健康でない状態の年数をその度合いによって決め、その年数を寿命から差し引いたものである。
  • 第56回ESCAP総会の閣僚レベル会合、開始。タイ首相は冒頭演説を行い、アジア太平洋地域の経済状態について、展望は明るいとはいうものの、同地域諸国がそれぞれ、警戒を怠らず、世界市場での競争力の強化をはからなければならない、と述べた。アナン事務総長はメッセージにおいて、国際社会の最重要課題はリスクを管理し、グローバリゼーションの機会をとらえることである、と述べた。

2000年6月2日

  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の主任検察官Carla del Ponte氏は安保理に対して、ブリーフィングを行い、NATOの戦争犯罪容疑(昨年の旧ユーゴ空爆時)に関する調査の可能性について検討した結果、その根拠がないとの結論に達した、と述べた。また、この評価および基準の詳細については、近い将来、明らかにされるであろう、とした。
  • 安保理は議長声明を発表し、コンゴ民主共和国の天然資源やその他の形態の富の開発に関して、アナン事務総長が専門家パネルを設置するよう求めた。なお6月の安保理議長はフランス(Jean-David Levitte大使)である。
  • ジンバブエ政府はこのたび、大規模な商業的農業セクターから、804にのぼる農場を強制接収する旨発表したが、本日、アナン事務総長は同政府のこの決定について遺憾の意を表明した。UNDPは、1998年の土地改革会議の原則に従って、補償など、法に基づいた解決をはかろうと、国際的支援の構築をめざしているが、同国政府の今回の決定は、その能力を損傷するものであると述べた。
  • 特別総会「女性2000 21世紀のための男女平等、開発および平和(6月5日-9日)」を前に、総会議長は記者ブリーフィングを行い、女性の権利に関する画期的な国連会議が開催されてから5年が経過したが、女性の地位向上の真の進展に向けて、国際社会が歩まなければならない道のりは、まだとても長い、と述べた。
  • レバノン南部に埋設された地雷により、この1週間で、2人が死亡し、7人が傷害を負った。本日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、これら地雷の脅威に対して、憂慮の念を表明した。
  • コソボで、セルビア人の殺害事件が連続して発生している。今朝は、プリシュティナ南西の町、Ugorevoにおいて、地雷により車1台が爆破し、2人の男性が死亡。一緒に乗車していた母親と2人の子どもが現在、病院で手当てを受けている。昨日は、Gnjilane地域で、ひとりのセルビア人女性が銃殺された他、2人の男性が農場で働いていたところ、走行車からの銃撃を受けて重傷を負った。さらに昨日、Obilicにおいて、セルビア人の家2件が手榴弾による襲撃を受け、男性1人が傷害を負った他、年配のセルビア人女性が、アルバニア人の高速運転する車にひき逃げされた(その後、犯人は逮捕された)。これら一連の襲撃事件は、水曜日、Babin Mostで走行車からの銃撃でMilutin Trajkovicが殺害された後、始まった。日曜日には、4歳の少年1人を含む3人のセルビア人が、同じく走行車からの銃撃を受け死亡している。
  • 国連軍事監視員2人と、国際NGO要員2人、通訳1人が、グルジアのKodori Gorgeを通常パトロール中、UNOMIGとの連絡をたち、行方不明となってから24時間が経過した。国連は捜索活動を続けている。メディアは、これを人質事件として報道したが、国連では、まだ、そうした事件であると確定することはできない。
  • エリトリアの数千の人々が、エリトリア・エチオピア間の戦闘を逃れ、国境沿いの地域に集まっており、その人道状況が深刻なものになっている、と国連援助機関が警鐘を発した。
  • UNHCRによれば、このたびアフガニスタン、イラン、パキスタンを襲った干ばつは、ここ最近のなかで最もひどいもののうちの1つであり、地域のアフガニスタン難民および帰還者に深刻な影響を及ぼしている。
  • 国連アフガニスタン調整官によれば、タリバンは、第2回アフガニスタン免疫予防接種期間(National Immunization Days=6月3-5日)の停戦を遵守すると口頭での誓約を新たにした。また同調整官によれば、北部同盟もまた4月、ユニセフとWHOに対して、第1回と第2回ともに、このポリオ予防接種のための停戦を遵守すると口頭で誓約している。
  • UNEPがこのたび発行した「生態系の悪化と、人間の健康に関わるリスクおよび脅威の評価(An Assessment of Risks and Threats to Human Health Associated with the Degradation of Ecosystems)」は、殺虫剤の危険な使用や気温の上昇などより、環境があらゆる形で悪化していることにより、人間の健康が深刻な脅威を受けている、と述べた。
  • WHOがこのたび発表した研究報告によれば、アフリカの女性が、妊娠に関連する合併症により死亡する確立は、先進国の女性より200倍高い。この報告によれば、毎年、妊娠関連の原因で死亡する女性は50万人を超えるが、そのうち99%以上が開発途上国で死亡している。

2000年6月1日

  • アナン事務総長、CNNのライブ番組「グローバル・フォーラム」にゲスト出演。そのなかで、事務総長は国連平和維持活動について自身の考えを述べ、同活動が襲撃を受けた場合には、撤退せずに、抑止力として行動し、紛争終了後の国々における和平プロセスの維持のため、その能力が拡大されるべきである、とした。この番組は、日曜日午後2時(米国東部夏時間)に再放送される予定。
  • ラーセン事務総長特使および地図作成専門家チームが、レバノン大統領および首相と会談し、イスラエルのレバノンからの撤退検証のための実際的な境界線を引くため、国連が現在進めている作業の様々な側面の詳細について話し合った。
  • UNAMSILが発表したところによれば、昨日、シエラレオネのLunsar(首都フリータウンの西50マイル)で、RUFとシエラレオネ国軍との激しい戦闘が発生、その後、RUFがこの町を制圧した。
  • エチオピア・エリトリア間で最近発生した戦闘により、15万人を超えるエリトリア人が住む家を追われたとの報告を受け、UNHCRは、これらのエリトリア避難民に対する援助活動を開始した。これら避難民の多くは、十分な食糧や水を得ることができずにいる(UNHCR発表)。
  • ルワンダ国際刑事裁判所は、ベルギーの元ジャーナリストGeorges Henry Joseph Ruggiu氏を、ルワンダでのジェノサイドを扇動した罪および人道に対する罪で、12年の懲役刑に処した。裁判所が非ルワンダ人を起訴したのは、同氏が初めて。
  • アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)が、バンコク本部で年次会期を開始した。開幕日の討論においては、ESCAP改革および合理化に関して焦点が当てられた。
  • 日本政府からのポリオ根絶のための資金拠出(2,860万ドル)に対して、ユニセフ事務局長は本日、謝意を表明し、この巨額の拠出金により、ポリオ根絶への距離が縮まった、と述べた。この拠出金は、バングラデシュ、エチオピア、ガーナ、インド、ナイジェリア、スーダンのポリオ根絶活動のために使われる。現在、取り組みの優先順位の高い30ヶ国で、ポリオは、数百万の子どもたちに麻痺や死の脅威を与えているが、上記の国は、そのなかの6ヶ国。
  • 国連環境計画(UNEP)は、今年の「グローバル500賞」の受賞者を発表した。6月4日(日)、アデレード(オーストラリア)で、世界環境デー記念行事の一環として、受賞式典が行われる。同賞は、1987年に始まり、これまでに、701の個人・団体が受賞した。

2000年5月31日

  • 安保理は決議1301を賛成12、反対1(ナミビア)、棄権2(ジャマイカ、マリ)で採択し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を7月末まで延長した。同ミッションの任期延長にあたり、安保理は、紛争当事者が事務総長個人特使に対して、「解決案」に関する多くの問題解決のため合意できる「特定の具体的な提案」を行うとともに、紛争の早期かつ持続的な、合意に基く解決を達成すべく、あらゆる方法・手段を探るよう希望を表明した。また、これとは別に、本日、安保理は、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)について、決議1300を全会一致で採択し、その任期を11月30日まで6ヶ月間延長した。アナン事務総長は、最近の報告書において、イスラエル・シリア間の情勢が現在、静穏な状態を維持しているものの、中東問題の全側面の包括的解決が達成されない限り、中東情勢の潜在的危険性は継続するであろうし、また継続する可能性が高い、と述べたが、本日、安保理は、上記のUNDOF決議を補う形で議長声明をだし、この事務総長の見解を共有する旨表明した。
  • ラーセン中東担当事務総長特使は、シリア外相との会談後、ダマスカスで発表した声明において、レバノン南部からのイスラエル撤退に関するすべての事項について、同特使がシリアと完全合意に達した、と述べた。
  • シエラレオネにおいて、国連平和維持要員が拘束された事件への国連の対応について再検討すべく、国連調査団が本日、フリータウンに向けて出発した。団長は、以前、平和維持活動担当事務次長捕を務めていたManfred Eisele氏。同調査団はまた、UNAMSILの任務遂行能力を向上させるべく、様々な勧告を行う予定。
  • このたび、国連加盟国がつくる地域グループのひとつ、「西欧およびその他の諸国」がイスラエルを、暫定メンバーとして迎え入れる決定を行ったことについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。「この措置は、長らく続いてきた変則的事態を改善するものである・・・国連主要機関において、イスラエルが他の国々と対等な形で参加することに道を敷き、また国連憲章にうたわれた全加盟国の平等原則を支持するものである」と事務総長。
  • 国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)に関する事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長は、両紛争当事者の停戦遵守を確保するため、UNFICYPの任期を6ヶ月間延長するよう勧告した。
  • マルメー(スウェーデン)で開催されていた初の世界閣僚環境フォーラム(Global Ministerial Environment Forum)は、極貧と過度な消費パターンの不均衡を改善することに焦点を当てた行動志向の宣言を採択し、全日程を終了した。この宣言は、今後の環境および持続可能な開発のための地球的課題を設定することになるミレニアム総会(9月)およびリオ・プラス10(2002年)に対して、重要なインプットを提供するものである。
  • 「国連とビジネス 新千年紀のためのパートナーシップ」と題した会議(2日間)が、ニューヨークのJacob Javits Convention Centreで始まった。企業、開発銀行、業界団体、国連機関、政府、市民社会グループの代表ら約500人が参加。貧困の根絶において、国連を支援する一方で、民間部門をも利するパートナーシップの構築について検討する。主催は、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)。
  • 国連食糧農業機関(FAO)は、「アフリカの角」地域において連続する厳しい干ばつの被害に苦しむ何百万もの人々に対して、緊急援助を提供すべく、総額3,260万ドルの拠出要請アピールを発した。
  • 第4回世界女性会議(1995年、北京)後の進捗状況を再検討する特別総会(6月5日)を前に、本日、国連統計部は「世界の女性2000:傾向と統計(The World's Women 2000: Trends and Statistics)」を発行した。本書は、健康、人権、政治的意思決定、労働、教育、コミュニケーション、人口、家族などの分野に関する包括的データを提供。そのデータにより、女性の地位に向上が見られるものの、やはり男女格差が執拗に存在することを示した。
  • 「世界禁煙デー」。WHOによれば、現在、約1万1,000人が毎日、煙草関連の病気で死亡している。また世界の喫煙者は12億人いるが、そのほとんどが18歳より前に喫煙をはじめた。こうしたことから、現在、WHO(191加盟国)は、煙草の宣伝を世界的に禁止するよう求める議定書を含む、煙草統制枠組み条約について交渉している。
  • ユニセフが、「ドメスティック・バイオレンス世界要覧(Global Digest on Domestic Violence)」と題する研究書を発表した。同書によれば、ドメスティック・バイオレンスは世界中の女性・女児の権利を依然、否定し続けており、一部の国々では、2人に1人の女性の生命を危険にさらしている。

2000年5月30日

  • 昨日、ラーセン中東担当事務総長特使はベイルートで声明を発表し、国連がレバノン国境画定作業を数日以内に完成するとし、また、この国境線を今後、国連によるイスラエル撤退検証のために使う、と述べた。
  • 先週末、アナン事務総長は声明を発表し、シエラレオネで拘束されていた国連平和維持兵たちが解放されたことを歓迎するとともに、西アフリカ諸国の指導者、特に、(かなりの圧力をかけ、平和維持兵たちの解放について交渉した)リベリアのテイラー大統領に対して、謝意を表明した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、エリトリア・エチオピア間の間接交渉が昨日、アルジェで再開したことを歓迎するとともに、両当事者が戦闘をやめ、紛争を解決すべく外交努力に徹するよう促した。
  • UNTAET政務部長Peter Galbraith氏は、東ティモール再建会議で開幕演説を行い、国連から東ティモールの人々に全面的に権限が移譲されるまでの間、両者の共同政府をつくるよう提案した。内閣の閣僚職の配分については、協議のうえで決めるとしたが、当面、外交、防衛、司法については、UNTAETがその機能を受け持つ、とした。
  • ドイツの各州は、すべてのボスニア難民の帰還をはかり、そのなかで最も弱い立場にある難民だけに永住資格を与えるとの方針をとっているが、昨日、UNHCRはアピールを発し、この方針の転換を促した。UNHCRによれば、ドイツにいるボスニア難民約3万7,000人を調査したところ、その半数が、1992-1995年のボスニア内戦時の精神的後遺症を患っている。
  • 昨日、世界閣僚環境フォーラムがマルメー(スウェーデン)で開幕。UNEP管理理事会の特別会期として開かれたもので、世界各国の環境担当閣僚100人以上が集まった。フォーラムはマルメー宣言を採択し、ミレニアム総会に提出する予定。
  • 昨日、アナン事務総長は声明を発表し、ナイジェリアが民主主義を回復し、またオバサンジョ氏が大統領に就任してから1周年を迎えたことに対し、慶祝の意を表した。
  • 金曜日、ミレニアム・フォーラムが、宣言および行動のためのアジェンダを採択し、閉会した。
  • 人権高等弁務官事務所(UNHCHR)によれば、このたび、世界人権宣言の翻訳(300言語)が、インターネットで入手可能となった(http://www.unhchr.ch)。昨年11月、UNHCHRは、同宣言の翻訳(298言語)を収集し、配布したことについて、ギネス世界賞を授与されたが、このたび、モルドバ共和国およびブルガリアで話される言語Gagauzならびにアルゼンチンおよびチリで話される言語Mapudungunの2つがさらに加わり、計300言語となった。

2000年5月26日

  • アナン事務総長は、イスラエルのレバノン撤退の検証が今後数日間で完了するよう希望を表明するとともに、検証終了後に、国連平和維持軍の兵力を数千人増員する計画であると述べた(本日、国連本部登庁時、記者団に対して)。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は、今週前半にログベリで発見された遺体(国連制服を着用)が国連要員のものであることを示唆する事実がある、と述べた。UNAMSILによれば、遺体発見場所において、5月4日にUNAMSILとRUFとの戦闘があり、この戦闘後に、ザンビア部隊の4人が行方不明となり、また少なくとも2人のナイジェリア人が同戦闘以降、同様に行方不明になっている。
  • デメロ東ティモール担当事務総長特別代表は、東ティモールにおいて少数民族を迫害から保護することに対する、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のコミットメントを再度表明した。デメロ氏は、東ティモールの現行法に言及し、1999年10月25日より前に東ティモールで生まれ(あるいはその住民で)、現在も東ティモールに住んでいる者であれば誰でも、この領土に残る権利がある、と述べた。
  • 国連と、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)の設立準備委員会が、関係協定(“relationship agreement”)に署名した。1957年、国連とIAEAが関係協定を結んで以降、検証を行う自治的国際機関と国連がこうした協定を締結するのは初めて。
  • 昨日、総会が児童権利条約の選択議定書を採択したことを受け、オララ・オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)は、子ども兵士の使用を制限する新しい国際条約を歓迎するとともに、加盟各国に対して、議定書を早急に批准するよう求めた。またユニセフ執行委員会は、このたび総会が児童権利条約の2つの議定書を採択したことを熱烈に歓迎し、各国が遅滞なく、できれば9月のミレニアム総会で、これらを批准するよう奨励した。
  • 生物多様性に関する条約の第5回締約国会議が、2週間の日程を終了した。この締約国会議での最も大きな出来事は、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書が、64ヶ国政府およびEUにより署名されたことである。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)によれば、コソボ・アルバニア基督教民主党(Albanian Christian Democratic Party of Kosovo =PSHDK)が、今秋に予定されるコソボ地方選挙に参加するための登録申請を行った。PSHDKは、この登録申請をする初の政党となった。なお登録の期限は、6月1日。

2000年5月25日

  • 安保理議長は報道声明を発表し、エリトリア・エチオピア紛争により人々の命が失われたことを嘆き、両国が紛争の平和的解決を達成する必要性を強調するとともに、OAU、特にその議長による最近の和平努力に対する強い支持を表明した。
  • レバノン、22年間にわたるイスラエル占領の終結を祝う。ラーセン特使は、「これは、歴史的に重要な出来事であり、永遠に人々の記憶に残るであろう」と述べた。
  • 安保理議長は報道声明において、コンゴ民主共和国における反政府勢力のコンゴ解放運動(MLC)による停戦違反を嘆き、敵対行為の即時終結を求めた。
  • 東ティモール情勢について、アナビ事務次長補(平和維持活動担当)が安保理にブリーフィング。東ティモールにおいて、現在、公共施設整備、基礎的サービス提供が進んでいる様子について説明した。
  • シエラレオネにおいて、報道記者4人がRUFメンバーらしき者に襲われ、うち2人が死亡した。死亡した2人は、Kurt Schork氏(ロイター)とMiguel Gil Moreno(APTN)。他の2人(ロイターのMark Chesom氏とYanish Markish氏)も負傷した。これら4人は、シエラレオネ軍(SLA)の護衛の下、車両2台で移動していたところ、Rogberi Junction近くで襲撃された。SLAの兵士4人もこのときの銃撃戦で死亡した。アナン事務総長は、報道記者が襲撃され、死亡したとの報告に悲しみを表明し、同国を引き裂く無意味な暴力をやめるよう求めた。
  • 総会、児童権利条約の2つの選択議定書を採択。1つは、18歳未満の子どもの戦争参加や徴兵を禁止し、もう1つは児童取引や児童売春、児童ポルノを禁ずる。また本日、総会は第2回世界高齢者会議(2002年)の開催を決定した。これは、ウィーン高齢者世界会議の20周年を記念して開かれるもの。
  • アナン事務総長は、マラ・フィジー大統領に対して、1997年の同国憲法を基にして、現在の危機的事態を解決するよう強く訴えた。暫定政権が民主的に選ばれた首相とその政府に取って代わるよう、フィジー首長大評議会が提案したことを知り、失望を表明した。
  • アフガニスタン北東部において、5月20日、タリバンがTakhar州のTaloqanを爆撃し、国連援助職員Bashir Ahmad氏と、同氏の子ども7人のうち6人が死亡した。これについて、国連アフガニスタン調整官は本日、遺憾の意を表明した。「無差別の空爆やロケット砲により、アフガニスタンの非戦闘員が死亡したのはこれがはじめてではない。このような苦しみをもたらすことは卑劣極まりない。」
  • 昨日、アナン事務総長は、スリランカ・ジャフナ半島の紛争当事者に対して、民間人の安全、および人道活動家が援助を必要とする人々に阻害されずにアクセスできることを確かなものにするよう訴えた。
  • WFPとUNHCRは現在、エリトリアからスーダンに流入する難民たちに、緊急人道援助の提供を継続している(両機関発表)。スーダンにおいては、過去1週間に、エリトリア難民2万人以上が難民登録した。
  • アナン事務総長は、ワシントンを訪問し、ジョン・クインシー・アダムズ・ソサエティー(米国下院共和党穏健派の非公式グループ)主催の昼食会で演説した。「中央集権的な官僚組織の怪物として人々や国家の権利を踏み潰す」世界政府という考えほど、望ましくないものはない、と述べた。そのような考え自体が、今日の流動的、ダイナミックかつ相互につながった世界においては、時代錯誤である、とした。国連の影響力は、この機構が代表する、法の支配、寛容、平等の権利の尊重といった価値の力から来るものであり、この価値は実際、アメリカ自身が拠ってたつものである、と述べた。また、この後、ジョンズ・ホプキンズ大学(Paul Nitze School of Advanced International Studies)の学位授与式でも演説した。同演説においては、今日の戦争が、権力と個人的な富だけを求める国内特定地域の軍や民兵の指導者によって引き起こされていることから、平和維持活動に関して、中立、当事者の善意、武力不行使などの最も基本的な仮定を再検討しなければならない、と述べた。
  • 昨日、駐デンマーク・ロシア大使は、旧ユーゴ国際刑事裁判所所長と会談し、戦争犯罪の容疑で同裁判所によって起訴されたDragoljub Ojdanic氏が最近ロシアを訪れた際、逮捕されなかったことについて、内的機能不全の結果であるとし、2度とこうした間違いが生じないよう、しかるべき措置を講じた、と通告した。

2000年5月24日

  • 安保理議長は報道声明を発表し、シエラレオネで拘束されている国連要員の即時解放を再度要求し、テイラー・リベリア大統領など、影響力のあるすべての人々に対して、その目的に向けて行動するよう促した。報道声明によれば、各理事国は、Rogberi Junctionで国連平和維持兵とおもわれる死体が発見されたことに深い憂慮を表明し、RUFが犠牲者の生死に責任を負っていると強調した。
  • イスラエルのレバノン南部からの撤退完了が報道されるなか、アナン事務総長は本日、レバノン政府による領土管理の確保に対し、国連が協力し、同国南部の和平を維持していく、と述べた。事務総長は、同領土の法と秩序に責任を有するのはレバノン政府であるとしながらも、当面、事態の沈静化をはかるため、追加的な国連平和維持兵を派遣することもあり得る、と述べた(ニューヨーク国連本部に登庁した際、記者団に対して)。
  • アフリカ統一機構(OAU)議長を務めるアルジェリア大統領Abdelaziz Bouteflika氏が現在、アディスアベバにおいて、エチオピア・エリトリア間紛争の調停を試みているが、アナン事務総長は本日、声明を発表し、同氏のこの努力に対する支持を表明した。
  • このたび、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は、ルワンダおよびウガンダが、コンゴ民主共和国東部のキサンガニ市からの撤退に合意したことを歓迎。また同時に、同国北部において反政府勢力であるコンゴ解放運動(MLC)が軍事活動を再開したとの報告に対しては、憂慮を表明した。
  • スポークスマンのフレッド・エッカード氏によれば、アナン事務総長はこのたび、カンボジアのクメール・ルージュ指導者裁判について国際的に受容可能な取り決めに関する自身の書簡に対する、フンセン・カンボジア首相からの返答を受け取った。事務総長は、この返答を前向きな進展であると評価しているが、これについては、さらに明確化が必要であることから、現段階では、国連が詳細を論じることはない、とエッカード氏。
  • 洪水に襲われた西ティモールにおいて、国連およびその他の機関が被害を受けた地域の人々の救出を続けるなか、洪水による新たな犠牲者がでた。報告によれば、昨日、Melaka Tengah地区に架かる1つの橋の近くで、3人が水死した。これにより、洪水による死者はこれまでに、127人となった。
  • 本日、フィジーの首都スバにおいて、デメロ事務総長特使が、国会で拘束されているチョードリー同国首相らに会うことができた。また政府転覆をはかる違憲かつ暴力的行為に対するアナン事務総長の憂慮を、政府および政党指導者に伝えるべく、マラ大統領と会談した。さらに、この人質犯らを統率するジョージ・スペイト氏とも会談し、同氏の行動が国際社会には受け入れられるものではない、と伝えた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所に人道に対する罪で起訴・逮捕され、明日、初の出廷を控えた、元ルワンダ軍司令官のFrancois-Xavier Nzuwonemeye氏が火曜日夜、フランス当局により、アルーシャ(タンザニア)の拘留施設に移送された。
  • 生物多様性条約締約国によるハイレベル会議(UNEP本部)において、「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」が署名のために開放された。この議定書を署名することにより、各国政府は、遺伝子組換えが行われた農業作物や食品の貿易や誤放出による潜在的危険性を最小化するため、効果的レジームを創出する意向を示すことになる、とテプファーUNEP事務局長。

2000年5月23日

  • 安保理は議長声明を発表し、イスラエルのレバノン撤退を確認するための実施計画(昨日、アナン事務総長が提出)を承認し、この取り組みにおいて、すべての当事者が国連と協力するよう求めた。
  • イスラエルがレバノン南部からの撤退を早めるなか、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、イスラエル防衛軍とその同盟軍が撤退した地域の状況について、「予想に反して、静穏である」と報告した。
  • プレンダーガスト政治問題担当事務次長が、エリトリア・エチオピア紛争に関する安保理非公式協議において、ブリーフィングを行った。その後、安保理議長は報道声明を発表し、安保理がこれまでに採択した2つの決議に従って、同紛争の両当事者が即時停戦に合意するよう促した。
  • WFPやユニセフなどの国連機関は、紛争や干ばつに襲われるエリトリアおよびエチオピアにおいて、甚大な人道的災害が発生するのを回避すべく、現在、救援活動を活発化させている。
  • シエラレオネにおいて、このたび、国連バッジと制服を着用した6人から8人の死体が発見されたことから、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は死体発見場所のRogberi Junction(フリータウン北東)に調査団を派遣した。昨夜、この切断された死体発見に関する報告を受け、アナン事務総長は声明を発表。シエラレオネの紛争に浸透する暴力と残虐性の文化に慄然としたと述べ、すべての関係当事者が国際法および人権基準を完全に遵守するよう求めた。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、ジブチ政府が開始したソマリア和平のためのイニシアチブに対して、支持を表明した。
  • 国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)に関する事務総長報告が発表された。同報告は、ジェームズ・ベーカー3世・事務総長個人特使による西サハラ地域訪問、および当事者によるロンドン直接会談(5月14日)に留意。MINURSOについては、2ヶ月間の任期延長を勧告した。
  • 事務総長は安保理宛報告書において、ゴラン高原が依然、潜在的危険性をはらんだ状態であり、中東問題のすべての側面について包括的解決が見られない限り、この状態が継続するであろうと指摘。国連兵力引き離し軍(UNDOF)の任期を6ヶ月間延長するよう勧告した。
  • UNHCRはこのたび、緊急救援派遣団をアンゴラに派遣。先月、緊急調査団がアンゴラを訪れ、同国北部地域において、国内避難民が非人道的状況に置かれていることを報告していた。
  • 洪水に襲われた西ティモールにおいて、国連およびその他の機関による救援活動が続けられるなか、洪水が原因で死亡したことが確認された犠牲者の数は増えつづけている。現在、126人(UNTAET発表)。
  • フィジーにおいて、チョードリー首相らが拘束された事件(5月19日)を受け、昨日、デメロ特使(東ティモール担当事務総長特別代表)が同国に向け、出発した。同特使は、首都スバにおいて、政府転覆をはかる違憲かつ暴力的な行為に対する事務総長の憂慮を、同国政府および政党指導者に伝えるべく、マラ大統領と会談する予定である。
  • 月曜日、ESCAPが、今年度のアジア太平洋経済社会報告を発表。アジア太平洋地域の開発途上国における経済成長率が、0%近く(1998年)から5.6%(1999年)にまで回復した、と述べた。

2000年5月22日

  • アナン事務総長は報告書を安保理に提出し、シエラレオネにおけるRUFの脅威に対応すべく、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の兵力を1万6,500人まで増員するよう勧告した。先週金曜日、安保理は決議1299を全会一致で採択し、UNAMSILの兵力を1万3,000人まで増員することを決定している。
  • アナン事務総長は、レバノン南部からのイスラエル部隊の秩序ある撤退を監督するうえで、すべての当事者が国連に協力し、同地域におけるさらなる犠牲者の発生を防ぐよう訴えた(ニューヨーク国連本部で行ったプレス・エンカウンターで述べた)。
  • 土曜日、核不拡散条約(NPT)締約国会議、最終文書にコンセンサスで合意。同文書は、核兵器の全面廃絶を達成するため、核兵器保有国による明確な取り組みがなされるべきである、と述べた。
  • エチオピア・エリトリア紛争について、アナン事務総長は声明を発表し、ますます理解が困難となりつつある戦争の再発に大きな悲しみを示し、即時停戦を求めた。
  • 先週末、西ティモールで起こった洪水による死亡者数98人の確認が報告された。国連人道援助活動は継続し、50トンを超える規模の人道物資が被害の大きい地域に届けられた(UNTAET発表)。
  • ミレニアム・フォーラム開幕(国連本部、5月22日ー26日)。アナン事務総長は、このNGOの大集会で基調演説し、市民社会の代表たちに対して、世界の貧しい人々が世界経済に参加し、グローバリゼーションの利益を享受するのを助けるよう求めた。
  • 土曜日、第53回世界保健総会が、1週間にわたる日程を終了した。今会期において、同総会は、HIV/AIDSや結核などの感染症の及ぼす大きな人的・経済的影響、そして、食物の安全性や煙草・酒関連の非伝染性疾病の問題を扱う一連の決議を採択した。
  • イランに不登録滞在するアフガニスタン難民の問題に対応するため、UNHCRとイラン政府が2月に合意し、実施に移された特別プログラムに対して、積極的な反応がみられる、とUNHCR発表。この特別プログラムの下、イランのアフガニスタン難民は、帰還か滞在かのいずれかを選択する。自発的帰還を希望すれば、物質的援助のほか、安全に、かつ尊厳をもって祖国へ帰還するための自由なアクセスを与えられ、イラン滞在を希望すれば、申し立てをし、審査の結果、保護の必要があると考えられる場合には滞在を許可される。
  • 昨日、ミトロビッツァの刑務所に拘束されたセルビア人(31人)とロマ人(5人)は、クシュネル・コソボ事務総長特別代表から、その裁判が今週末に開始するとの保証を得、ハンガー・ストライキを終えることに合意した。これら囚人は5月1日以降、その裁判が遅れていることに抗議し、食事を拒否していた。
  • 「国連シニア・マネジメント・セミナー2000」、国連本部で1週間の日程を開始。国連事務局とノルウェー政府が組織する同セミナーは、国連平和維持活動における指導者(文民および軍事要員)の養成を目的とする。

2000年5月19日

  • アナン事務総長は声明を発表し、エリトリア・エチオピア間の戦闘再発が、両国の既に危機的な人道状況に影響を及ぼすことについて、深刻な憂慮を示した。
  • 安保理は決議1299を全会一致で採択し、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の兵力を1万3,000人まで増員することを決定した。UNAMSILの兵力は当初、上限1万1,100人と設定されていたが、強化策の一環として、まもなく追加的部隊が到着し、その上限を超えることが確実となっていた。総兵力数は、今朝の時点で、1万200人を上回る。
  • シエラレオネにおいて、戦闘が再発したことにより、数千の農民たちの仕事が深刻な影響を受け、同国の米生産に損害が及んでいる、とWFPが警告。
  • UNTAETが本日報告したところによれば、西ティモールで発生した大洪水により、これまでに、80人以上(そのほとんどが東ティモール難民)が死亡したことが確認された。この洪水は今もなお治まらず、西ティモールを破壊し続けている。
  • 国連アフガニスタン調整官Erick de Mul氏は、カブールで、タリバン代表と会談し、アフガニスタンの人道状況について話し合った。国連調整官は、国際法に沿って、援助が必要な人々に対して、自由で、かつ阻害されない人道アクセスが保証されることの必要性を強調した。
  • 米国上院が昨日、コソボにおける米国のプレゼンス継続を決定したことについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。
  • 木曜日、ロビンソン人権高等弁務官は、ブラジル訪問(4日間)を終了。同国政府に対して、児童労働、先住民の権利、女性に対する暴力、人種差別、警察の暴力、刑務所の状況などの分野で、法律と現実の間の乖離を埋めるよう、一層の努力を呼びかけた。
  • 水曜日、セルビア政府が同国のテレビ放送局のスタジオBを差し押さえ、このスタジオを利用する反政府系ラジオ局B2-92とRadio Indexは活動停止を余儀なくされた。これについて、松浦ユネスコ事務局長は昨日、表現の自由と民主主義に対する深刻な打撃であるとして、憂慮を表明した。
  • 国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)および国連人権高等弁務官事務所はこのたび、ボスニア・ヘルツェゴビナの人身売買に関する報告書“Trafficking in Human Beings in Bosnia and Herzegovina”を共同作成。ボスニア・ヘルツェゴビナが、東欧で売買された女性の主要な送り先となったと指摘し、不正取り引きと闘ううえで、同国当局の効率性の拡大を求めた。

2000年5月18日

  • アナン事務総長はこのたび、国連開発計画(UNDP)に対して、ジンバブエ土地改革プログラム刷新の促進支援の可能性をさぐるよう求めた(ブラウンUNDP総裁が記者ブリーフィングにおいて明らかにした)。1998年、UNDP支援の下にジンバブエで開催した会議において、ジンバブエの政府や同国内のその他の分子、ドナーなどの合意をみた土地改革プロセスを軌道に戻すことをねらう。
  • シエラレオネでRUFに拘束され、このたび解放された国連平和維持要員44人が新たに、リベリアからシエラレオネに到着した。これで、リベリアから国連のもとに引き渡された要員は、合計137人となった。さらに、本日、別グループ13人がリベリア側の国境の町フォヤから首都モンロビアに移送され、この後、空路、フリータウンへ向かう予定。
  • UNTAETおよびUNHCRによれば、西ティモールで洪水が発生し、そのため、少なくとも61人(そのほとんどが東ティモール難民)が死亡した。洪水は西ティモール南東部のベル地区で発生。推計10万人に影響を及ぼし、3万5,000人近くが退避した。約1,400人は高地に移動したが、2,000人から3,000人は依然として、水位の上昇による危険にさらされていると思われる。
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)によれば、レバノン南部における激しい戦闘により、国連兵士1人が炸裂した爆弾の破片を受けて負傷した。その他に死傷者はいない。現在、レバノン南部には静穏な状況が戻っているが、南レバノン軍は、ハムラ橋(多くの国連部隊とUNIFIL本部をつなぐ唯一の橋)を国連が使用することを禁じ、初めて、同地域における国連の移動を制限した。
  • 緒方貞子難民高等弁務官は声明を発表し、スリランカのジャフナでの戦闘に巻き込まれた民間人の苦境に対して、警鐘を鳴らした。
  • ハイチでの議会および地方選挙を3日後に控えた今日、アナン事務総長は声明を発表し、待ちわびた選挙に向けて、ハイチの選挙管理委員会、政府職員、人々が大きな歩みを進めてきたことを賞賛した。また、すべてのハイチ人に対して、暴力をやめるとともに、有権者が脅迫されたりせずに投票権を行使できることを確実なものとするよう求めた。
  • アナン事務総長は、最近のUNMIK要員殺害事件に遺憾の意を表明するとともに、コソボにおける民族的暴力の終わりを求めた(このたび、約一週間行方不明となっていたUNMIK要員Petar Topoljski氏の死体が、Rimaniste村で発見された)。
  • 世界保健機関(WHO)が、保健衛生に関する専門家、煙草生産者、煙草産業に対して、煙草統制枠組み条約(FCTC)に関する正式な交渉開始(10月)の前に開催される公聴会への参加を呼びかけた。

2000年5月17日

  • 水曜日深夜、安保理は決議1298を全会一致で採択し、エリトリア・エチオピア間の戦闘継続を強く非難するとともに、すべての武力行動の即時停止を求め、両国に対する武器禁輸措置を科した。
  • 安保理、コンゴ民主共和国に関する公開討論。30人近くが演説した。冒頭、安保理メンバー7人を率いて、先週、同国を訪問したホルブルック米国大使は、訪問結果に関する報告書を提示するにあたり、同国に関する安保理の決定が、シエラレオネ情勢の影響を受けるべきではない、と述べた。
  • 昨夜遅く、シエラレオネにおいて、反政府勢力RUFの拘束され、このたび解放された国連平和維持兵約93人(ケニア部隊14人、ザンビア部隊79人)が、首都フリータウンへと戻った。同じく解放された、その他の49人は、まだリベリアのフォヤに待機しているが、本日、モンロビアを経て、フリータウンに戻る予定である。一方、水曜日午前6時には、RUF指導者のサンコー氏が逮捕され、現在、シエラレオネ警察が拘留している。
  • アナン事務総長は全加盟国に書簡を送付し、各国が、ミレニアム総会(9月)の機をとらえて、国際的な法的枠組みへの貢献を新たにするとともに、事務総長に寄託された500件の条約に署名、批准、加入することを通じて、法の支配を強化するよう訴えた。
  • キプロス間接交渉、7月5日にジュネーブで再開へ。本日、事務総長付きスポークスマンが明らかにした。
  • 昨日、アフリカ特命事務総長特別顧問Ibrahim Gambari氏、ルアンダ(アンゴラ)に到着。アンゴラの和平の見込み、来年の選挙、国連アンゴラ事務所の役割について話し合うため、政府高官と会談するほか、日曜日には、Huamboを訪ね、国内避難民の状況を視察する。
  • FAOとWFPは報告書を発表し、アンゴラの国内避難民が現在、約260万人を数え、そのほとんどが緊急の人道支援を必要としている、と述べた。
  • ロシア政府はこのたび、ユーゴ防衛大臣Dragoljub Ojdanic氏(昨年5月、人道に対する罪などで起訴)によるロシア訪問(不逮捕)を許可した。旧ユーゴ国際刑事裁判所は憂慮を表明するとともに、ロシアに対して、その明確な理由説明を求めた。
  • 世界電気通信デー。アナン事務総長はこの国際デーに寄せたメッセージにおいて、情報と知識が発展の前提となった世界においては、グローバリゼーションという大きな力が万人に役立つようにするうえで、電気通信が重要な役割を果たす、と述べた。
  • コソボで、有権者登録が4月に開始したが、そのペースは緩慢で、期限(7月)までの全有権者登録の見込みが危ぶまれる。コソボの各登録事務所は、4月17日から7月11日の3カ月間開かれ、16歳以上の有権者を登録することになっているが、現在までに、登録したのは、全有権者の1割、15万人のみ。(UNMIK高官が本日、コソボ暫定協議会(KTC)で述べた。)
  • 軽兵器の貿易制限について調査する専門家会合、15日から19日まで国連本部で開催。同会合で議長を務めるペギー・メイソン氏(カナダ大使)は記者ブリーフィングを行い、軽兵器の制限方法に関する新しい国連の研究は、小火器および軽兵器の不正貿易に関する会議(2001年)に対して、重要なインプットを提供することになるであろう、と述べた。
  • 国連イラク石油食糧交換プログラムの下、5月6日-12日の期間中、イラクの石油輸出による収入総額は、約3億5,000万ドル(国連イラク・プログラム部発表)。

2000年5月16日

  • シエラレオネの反政府勢力RUFにより拘束され、このたび解放された国連平和維持要員139人のうち25人が、リベリアのフォヤから、同様に解放された国連要員15人がすでに待機しているモンロビアに入った。この後、シエラレオネの首都フリータウンへと戻る予定。一方、UNAMSIL強化の一環として、インド部隊約150人がフリータウンに入った。明日には、さらに600人が加わる予定である。
  • 総会第5委員会において、国連平和維持活動の経費分担の問題に関する討論が行われた。本日は、米国、ポルトガル(EU代表)、ナイジェリアなどの国連大使15人が演説。明日は、30人以上が討論に加わる予定。
  • タジキスタン事務総長特別代表Ivo Petrov氏は国連本部で記者会見し、国連タジキスタン監視団(UNMOT)について、「国連平和維持活動のサクセス・ストーリー」と考えられるべきものである、と述べた。そして成功の要因として、敵対行為が発生した当初からの国連の関与、近隣8カ国の強力な支持、対話を通じて対立の解決をはかろうとするタジキスタン両当事者の政治的意思の3つをあげた。一方、同国がその安定を確保するためには、経済支援が必要となる、と指摘した。
  • ユニセフ事務局長は声明を発表し、スリランカのすべての紛争当事者に対して、若者を「平和の地帯」として扱い、子ども兵士の使用を止めるよう訴えた。
  • 中央アフリカ共和国に関する特別会議(国連、UNDP、ドイツ政府共催)が、国連本部で行われた2日間の会期を終了。同会議において、計3,300万ドルの拠出誓約が行われた。同会議は、防衛治安部隊の再編成、軍事要員の武装解除・再統合に関して、中央アフリカ共和国の政府プログラムを支援すべく、ドナー援助を動員することを目的に開催された。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)、ディリで初のテレビ放送。新設のテレビ局である“Televisao UNTAET”による放送で、内容は、特集、インタビュー、エンターテイメントなどを組み込んだ一時間番組。
  • 国連(非植民地委員会)は、残る17の非自治地域の非植民地化プロセスに対する積極的関与の継続の一環として、マーシャル諸島で地域セミナー(2日間)を開始。
  • ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、メジナ虫症根絶など、世界の保健衛生改善をめざして、総額2,850万ドルの寄付を行う旨発表した。
  • コソボにおいて、先週から行方不明となっていたUNMIK要員が、Rimaniste村で死体で発見された。同要員はPetar Topoljski氏(セルビア人、25歳)。クシュネル事務総長特別代表は、セルビア人職員に対する襲撃を強く非難し、犯人を裁判にかけるために全力を尽くす、と述べた。

2000年5月15日

  • このたび、シエラレオネにおいて、RUFの拘束下にあった国連平和維持要員157人が解放されたことについて、アナン事務総長は、歓迎すべき動きであるとする一方、国連が現在、まだ拘束下にあるその他の要員の解放、UNAMSILの強化をはかるために努力を続けている、と述べた(今朝、国連本部登庁時、記者団に対して)。また、その後、声明を発表し、事務総長は、今回の解放が実現するうえで、テイラー・リベリア大統領が果たした重要な役割を強調した。
  • エチオピアにおいて、干ばつが原因で、これまでに約300万の家畜が死んだ。一部の地域では、家畜の9割が失われた。これにより、人間、特に子どもたちが消費する牛乳が不足することが、最も懸念される(FAO発表)。
  • ユニセフ、WHO、ロータリー・インターナショナル、米国疾病管理防止センター(CDC)は声明を発表し、ポリオ根絶キャンペーンは順調に進んでいるものの、アフリカの一部地域やインド亜大陸においては、今年の終わりの時点で、依然として、ポリオ感染がみられるであろうとし、追加的資金の必要を訴えた。
  • 「国際家族デー」。今年のテーマは、「家族:開発と社会発展の行為者および利益者」。アナン事務総長は、この国際デーに寄せたメッセージにおいて、何が家族を構成するのかについてコンセンサスはひとつも形成されていないが、その一方で、この「結合と共存」の基礎的単位は、社会において非常に重要な役割を果たしている、と述べた。
  • 日曜日、国連アフガニスタン特別ミッション(UNSMA)の連絡事務所が、テヘラン(イラン)に開設した。UNSMAは、アフガニスタンの国民和解および再建につながる政治プロセスの促進をはかるため、1993年に創設された。先月、安保理は議長声明を採択し、アフガニスタン紛争の平和的解決に向けた国際的努力において、国連が中核的かつ公正な役割を継続して果たなさなければならないとの立場を再度表明し、この目的に向けたUNSMAの活動に歓迎の意を示している。
  • 日曜日、小渕前首相(日本)が死去。グリラブ総会議長とアナン事務総長はそれぞれ、小渕氏が重要な国際問題の解決に全身全霊を捧げた指導者であり、また国連の真の友人であったとして、哀悼の意を表明した。
  • このたび、ルワンダ国際刑事裁判所において、Georges Ruggiu氏の罪状認否が行われ、同氏は、1994年当時、ジャーナリストとして、ルワンダのジェノサイドなどを煽った罪を認めた。同氏に対して、検察は、懲役20年を求刑している。

2000年5月12日

  • 安保理は決議1297を全会一致で採択し、エチオピア・エリトリア間の戦闘再燃を強く非難するとともに、両当事者がすべての武力行為を即時に停止し、OAUの下、実質的な和平交渉を無条件で再開するよう要求した。
  • シエラレオネ情勢の安定をはかる努力が続けられるなか、状況の沈静化がみられる、とアナン事務総長(今朝、本部ビルに入る前、記者団に対して)。
  • エチオピア・エリトリア間で大規模な戦闘が再燃したことについて、アナン事務総長は深い遺憾の意を示すとともに、両国に対して、敵対行為を即時に停止し、紛争の平和的解決の方法をみいだすため、交渉プロセスに戻るよう緊急アピールを発信した。
  • 安保理は議長声明を採択し、タジキスタンの和平達成において、国連が重要な役割を演じたことに満足をもって留意するとともに、事務総長がUNMOT(5月15日任期期限)の撤収をはかる意向であることに支持を表明した。同時に、事務総長が、タジキスタンの平和・民主主義の強化に焦点を当てた国連事務所を設置すべく、その様式を提案する意向であることに歓迎の意を示した。
  • このたびインドネシア政府と自由アチェ運動(GAM)が、アチェにおける人道停戦について合意したが、これについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明した。また、事務総長は、分離主義の問題は基本的に、政治的解決を要する政治的問題であると強く信じるとするとともに、近い将来、今回の合意の厳密な遵守、より広範なアチェの住民たちの関与、平和への強いコミットメントを通じて、相互に受け入れ可能な解決がはかられるよう希望を表明した。
  • UNTAETによれば、昨日、ディリの地域裁判所で初公判が行われた。この裁判は、1999年9月に民兵1人を殺害した容疑で逮捕され、5ヶ月間拘留されている男性に関するもので、弁護側は、この長期拘留が、裁判前の拘留期間の上限を110日としているインドネシアの法律に違反したものである、と主張した。
  • スリランカ北部の紛争地域において、一般市民の健康に深刻な危険が迫っている、とWHOが警告。物資供給が不足していることから、赤十字国際委員会や国境なき医師団など、保健衛生の主要な提供者はすでに機能を失っており、また政府プログラムも非常に制限されたものとなっている。
  • フランクリン・D・ルーズベルト国際障害賞・授与式典が、信託統治理事会議場で行われた。2000年度の受賞国は、ハンガリー。アナン事務総長は、ハンガリー政府が、障害者に対する差別から解放された社会をつくる努力を行っている国であるとして、賛辞を呈した。
  • 木曜日夜、アフリカ諸国グループの緊急要請により、シエラレオネに関する安保理公開討論が行われた。20ヶ国を超す国々が参加した。西アフリカ諸国は、紛争で引き裂かれたシエラレオネの危機的事態に対処するため、UNAMSILの任務を再検討し、平和強制の役割、そして、より多くの資源と装備を与えるよう要求した。

2000年5月11日

  • 国際社会がシエラレオネで失敗することになれば、アフリカ大陸における広範な努力に及ぼす影響は非常に深刻なものになるであろう、と事務総長が警鐘を鳴らした(今朝、国連本部ビルに入る前、記者団からの質問に答えて)。事務総長はまた、UNAMSIL兵力について、ヨルダン、インド、バングラデシュからの追加的部隊の派遣により、強化をはかるための努力を続けている、と述べた。現在、カナダ、オランダ、ロシア、米国との間で、これら部隊の空輸支援に向けた準備が進んでいる。
  • 安保理は議長声明を発表し、アブハジア(グルジア)における紛争の両当事者が、和平合意に署名し、さらなる敵対行為を停止するとともに、難民帰還と経済回復に道を敷くよう促した。
  • 安保理代表団(8人)によるコソボ訪問(4月27日‐29日)について、安保理の公開討論が行われた。団長を務めたチョウドリー・バングラデシュ大使は、この訪問結果の報告書を提示。コソボ情勢について、極度に複雑であり、毎日が新しい挑戦あるいは以前に解決した問題の再燃の連続であるが、UNMIKおよびKFORは、その挑戦に対して決意をもって取り組んでいる、と述べた。また、文民行政要員および警察官の不足が、国連活動が圧迫しており、これについて緊急に改善しなければならない、と指摘した。
  • キプロス間接交渉再開(当初、5月23日が予定されていた)の日程延期が決定した。Glafkos Clerides氏が最近、外科手術を受けたことから、その回復を待って、行われることになる。
  • このたび西アフリカ地域訪問から戻ったオララ・オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)は本日、国連本部で記者会見し、ECOWAS外務・国防担当閣僚会議(4月27日‐28日)において、西アフリカ諸国が、戦争による被害を受ける子どもたちのため、年次の「休戦週間」をつくることに合意した、と述べた。この期間中、子どものために、ワクチン投与や、登録その他の人道活動を実施することをめざす。
  • 開発途上国において、人々がエイズ治療をより容易かつ安価に受けられるようにすることをめざし、国連はこのたび、主要製薬企業5社との対話をはじめた(UNAIDS発表)。Boehringer Ingelheim、Bristol-Myers Squibb、Glaxo Wellcome、Merck&Co., Inc、およびF. Hoffmann-La Rocheの各社が、治療・ケアへのアクセスを広範なものとすることに、意欲を示している。
  • 近東および南アジアのいくつかの国において、深刻な干ばつが発生し、穀物や家畜への壊滅的打撃がみられているが、今後さらに、人々の生命にも危険が及ぶ事態になっていく可能性がある、とFAOが警鐘を発した。

2000年5月10日

  • シエラレオネにおけるRUF・政府間の軍事対立拡大に対して、国連は、UNAMSILを強化し、情勢の沈静化をはかる努力を続けている。アナン事務総長は今朝、国連本部で記者団に対して、「我々は現在、国連の兵力規模を最大限の1万1,000人にまで高めるべく務めている。もちろん、緊急対応部隊の派遣についても検討している」と述べた。一方、昨日、ナイジェリアにおいて、シエラレオネ情勢に関する地域首脳会議が開催された。参加国は、マリ、リベリア、ギニア、トーゴ、ガーナ、ナイジェリア、コートジボアール、ブルキナファソ、シエラレオネ。同会議において、テイラー・リベリア大統領が、拘束者の解放のために個人的に関与するよう要請を受けた。
  • シエラレオネのユニセフ事務所所長Joanna Van Gerpen氏は声明を発表し、同国の危機的事態の発生により子ども兵士使用再開の危険性があると警鐘を発するとともに、すべての紛争当事者に対して、子ども兵士の禁止への支持を訴えた。一方、ロビンソン人権高等弁務官はその声明において、RUFによる最近の攻撃を強く非難するとともに、人権侵害の実行者たちを逮捕し、裁判にかけなければならないことを強調した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、中央アフリカ共和国の和平強化に向けた死活的段階における、国際社会による支援継続の重要性を強調した。報道声明によれば、各理事国は、中央アフリカ共和国の安全保障と開発に関する特別会議(政治問題局、UNDP、ドイツ常駐代表主催、5月15日ー16日、ニューヨーク)に対する支持を表明。この会議の目的は、安保理決議1271に沿って、同国の軍事部隊再編成ならびに退役軍人の動員解除および再統合をはかる政府プログラムを支援するため、ドナーによる援助を動員することにある。本日、安保理はまた、国連中央アフリカ共和国平和建設事務所(BONUCA)の長として、Cheikh Tidiane氏(セネガル)が任命されたことについて、歓迎の意を表明した。
  • ミレニアム・サミットに関して、総会は決議を採択し、本会議の演説者や、円卓会議の組織に関連する事柄を決めた。同サミット(9月6日‐8日)の構成は、6つの本会議と4つの円卓会議。テーマは、「21世紀における国連の役割」。サミットの組織面に関することが整ったことを受け、今後は、サミットの成果に関して、実質的な協議を行っていく。5月22日の週には、事務総長のミレニアム報告について検討するため、会合をもつ。
  • アフガニスタン紛争の両当事者、タリバンおよび反タリバン勢力が、本日終了した協議において、戦争捕虜の包括的交換に関する合意を成立させた。この協議は、イラン副外相Javad Zarif氏が率いる、アフガニスタンOIC委員会が開催し、アフガニスタン担当事務総長個人代表Francesc Vendrell氏が参加して行われた。
  • ラーセン中東担当特使は、中東の5ヶ国(イスラエル、レバノン、シリア、ヨルダン、エジプト)の歴訪を終了。この訪問の結果について事務総長に報告すべく、ニューヨークへと向かった。
  • コソボ暫定協議会(KTC)は声明を採択し、ユーゴスラビア連邦共和国当局に対して、セルビアの刑務所および拘留施設に拘束されたすべてのコソボ人を、コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)に無条件に引き渡すよう要求した。
  • 国連イラク・プログラム部によれば、国連イラク石油食糧交換プログラムの下、4月29日から5月5日までの一週間で、石油輸出によるイラクの収益額は、約3億4,000万ドル。これにより、12月中旬からの収益総額は、61億7,200万ドルとなった。
  • 都市に関する世界会議(2001年6月)のための準備委員会(ナイロビ)において、世界各都市の市長たちが、「地方自治政府のための世界憲章」に対する支援を宣言した。この宣言は、都市における生活条件向上をめざすものである。ハビタットでは、この憲章が総会で採択され、地方分権、地方自治、参加型の民主主義に関する国連条約となることを希望している。

2000年5月9日

  • シエラレオネの危機的事態について、アナン事務総長は今朝、国連本部ビルに入る際、記者団に対して、「国連部隊を強化し、決められた兵力数を早急に満たし、シエラレオネの情勢を沈静化する努力を続けることが重要である」と述べた。国連スポークスマンによれば、このたび、米国がバングラデシュ部隊を支援し、現地に空輸すると申し出たことにより、安保理が決めた兵力1万1,100人の達成が早まるであろう。ヨルダンおよびインドの部隊も、同様の支援を受けることができれば、一週間以内に展開が可能である。一方、事務総長は現在、緊急対応部隊派遣の可能性について、数多くの国々と接触しているが、これまでに兵力派遣を申し出た国はひとつもない。
  • UNHCRによれば、シエラレオネにおける反政府勢力と政府軍の間の緊張が高まるなか、過去数日間に、同国から250人を超える人々が陸路および海路、ギニアに流入した。
  • コンゴ民主共和国の情勢について、安保理が非公開協議。その後、安保理議長は報道声明を発表し、ウガンダ・ルワンダ両国がコンゴ民主共和国東部のキサンガニからの撤退を決めたことについて、各理事国が支持を表明した、と明かにした。報道声明によれば、各理事国はまた、国連がキサンガニにおけるプレゼンスを強化する意向であることを歓迎。しかし、一方、各国は、キサンガニで両国軍隊の戦闘が再燃しているとの報告に憂慮を示すとともに、この敵対行為の即時停止を求めた。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナに関する和平合意実施のための国連高等代表Wolfgang Petritsch氏が、安保理に対して、ボスニア情勢に関する公開ブリーフィングを行った。同氏は、同国経済が引き続き困難に直面している点を指摘しながらも、地方選挙が4月8日に平和的に実施されたことにより、同国の多元化が進展したことを指摘した。そして、「トンネルの終わりに光がある」と述べた。
  • 「ヨーロッパ・デー」。ポルトガルと欧州委員会が主催した記念会議において、アナン事務総長は、シューマン宣言においてヨーロッパ統合の概念が描かれてから50年後、この考えは現実となり、ヨーロッパは平和に、そして、かつてないほど豊かになった、と述べた。
  • アナン事務総長は、スリランカで最近の紛争拡大の影響により人道状況が悪化する可能性に憂慮を表明するとともに、すべての当事者に対して、一般市民の生命を危険に晒さないよう促した。さらに、事務総長は、スリランカにおける紛争の政治的解決の必要性を指摘し、ノルウェーがそうした解決の促進への寄与の申し出たことに歓迎の意を表明した。
  • 人権委員会が任命した、アフガニスタン情勢に関する特別報告者Kamal Hossain氏は声明を発表し、安保理や総会による度重なる停戦要求にもかかわらず、アフガニスタン内戦の両当事者が軍事攻撃の準備を行っているとされることについて、憂慮を表明するとともに、両当事者に対して、武力紛争の再開や人権侵害を回避するよう求めた。
  • UNHCRによれば、インドネシア支持派の監督下にあった、西ティモール難民キャンプで、民兵指導者たちが難民たちに帰還を呼びかけ始めたのを受け、本日、200人が東ティモールに向けて出発した。
  • 月曜日、「UNRWAとパレスチナ難民50年間」と題する写真展示(5月末まで)が、国連本部ではじまった。アナン事務総長は、開幕式典での演説において、現在300万人を超えるパレスチナ難民の問題が早急に解決されるよう熱い希望を表明するとともに、そのプロセスにおいて、国連が自身の役割を果たす用意があると述べた。
  • UNHCRは、過去一週間で、1,700人以上の難民をジブチからエチオピアに輸送。これにより、メンギスツ政権が崩壊した1991年より前にエチオピアの内紛や飢餓を逃れて、ジブチに流入していた難民たちの自発的帰還計画が完了した(UNHCR発表)。

2000年5月8日

  • シエラレオネにおける暴力事件の発生を受けて、アナン事務総長は、反政府勢力RUFとその指導者であるサンコー氏に対して、「即時にあらゆる敵対的行動を停止する」よう促した。現在、国連要員500人がRUFの拘束下にあるとみられ、引き続き、それら要員の安否が最大の関心事項となっている。なお日曜日には、国連のヘリ1機が、マケニで拘束された国連要員への物資の輸送飛行中に銃撃された(負傷者なし)。
  • シエラレオネの治安状況が悪化していることから、WFPは、同国のほとんどの地域における緊急人道援助活動を停止した。
  • 本日、国連タジキスタン監視団(UNMOT)に関する事務総長報告(最終)が発表された。同報告において、事務総長は、5月15日に任期期限を迎え、撤退することになるUNMOTについて、成功を収めたとの評価を下せる、と述べた。また成功の裏には犠牲もあったと指摘し、UNMOT要員5人が敵対的行動で殺害され、死亡したもう一人の要員の死因については、現在も調査中である、と述べた。さらに、情勢が再び不安定になる可能性があるとして、紛争後の局面における国際社会の支援の必要性を強調し、今後、紛争後の平和建設事務所の設置の可能性に関して安保理に報告する、と述べた。
  • 土曜日、持続可能開発委員会(第8会期)が終了。今会期中の最も大きな成果としては、2002年に新たな地球サミット、「リオ+10」を開催することについて原則合意を達成したことがあげられる。
  • 昨日、ラーセン中東担当事務総長特使はシリア外相Farouq al-Shar'a氏と会談し、イスラエルのレバノン撤退を求める安保理決議425および426について話し合った。その後、ラーセン氏は記者団に対して、シリア政府が、南レバノンでの役割において、国連に協力することを約束した、と述べた。
  • 都市化に関する特別総会「イスタンブール+5」(2001年6月)に向けて、準備委員会第1会期がハビタット本部(ナイロビ)で始まった。テプファー・ハビタット事務局長は同委員会で演説し、「貧困の都市化」に対する注意を喚起するとともに、「地方分権や参加型の民主主義」など、都市の統治の改善を通じた貧困者のニーズへの対応の重要性を強調した。
  • 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は主要援助国に書簡を送り、手元資金が現在、過去10年間で最悪の不足状態にあるとし、この状態が続いた場合には、いくつかのプロジェクトを凍結せざるを得ないと警告を発した。今年、予想される資金の不足額は、1億5,000万ドル近い。
  • 今朝、コソボにおいて、元KLA司令官(現在、プリズレンの環境安全担当責任者)のEkrem Rexha氏が通勤途中に銃撃され、死亡した。国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)が現在、この事件について調査中。
  • UNMIKが7月末から8月はじめにかけて、コソボ住民に対する出国文書の発行を開始するが、欧州連合(EU)は先週、加盟各国がこの文書の法的有効性を認めるよう奨励した。UNMIKは本日、このEUの決定を歓迎する意を表した。
  • 「塩に関する第8回世界シンポジウム」、ハーグで開始。ベラミー・ユニセフ事務局長が開幕演説した。ヨード不足により、新生児のIQが10ポイント低下する問題について、ヨード塩の普及によって、かなりの改善がみられるようになり、現在では、毎年、8,500万の新生児がこの学習能力の低下を免れている、と述べた。
  • 本日、ヨハネスブルクにおいて、マンデラ前南ア大統領、および「戦争と子どもたち」の著者グラサ・マシェル氏は、ユニセフと協力し、子どものための新しい、意欲的な共同の取り組みを開始していく、と発表した。

2000年5月5日

  • シエラレオネにおいて、RUFに拘束された国連要員の数が増えつづけている。最新情報によれば、現在、約300人がRUFの拘束下にあり、ケニア部隊の平和維持兵4人が現在行方不明、おそらく死亡したとみられている。昨日、92人がRUFに拘束されていると報告されたが、それに加えて、ザンビア部隊の208人がRUFにより武装解除および拘束された。なお、上記の92人のうち、6人(ヘリコプター乗組員4人、文民2人)の国連要員は本日、無事解放された。
  • 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)によれば、今朝早く、キサンガニ空港およびTshopo地域で、ウガンダ・ルワンダ勢力間の戦闘が発生。安保理は議長声明を発表し、コンゴ民主共和国における軍事衝突の発生を非難するとともに、紛争の停止、ならびに、当事者による昨年の停戦合意に対するコミットメントの再確認を求めた。
  • レバノンにおいて、水曜日以降、暴力事件が拡大し、レバノン人女性2人が死亡するなど、レバノンおよび南レバノンの市民が犠牲となっている。本日、アナン事務総長は声明を発表し、この状況を嘆くとともに、紛争当事者がさらなる暴力行為を控え、特に一般市民や民間インフラに対するすべての攻撃を停止するよう求めた。
  • 人種主義に反対する世界会議は、南アフリカで、2001年8月31日から9月7日まで、開催されることになった。同会議の準備委員会が、今週ジュネーブでの会合において、決定した。
  • 国連アフガニスタン事務所によれば、アフガニスタンにおいて、両紛争当事者がポリオ・ワクチン投与のための5月停戦を遵守したことにより、反ポリオ・キャンペーン(5月1日‐3日)が成功をおさめ、計450万人の子ども(これまでで最多)が、ワクチン投与を受けることができた。昨年、投与を受けられたのは、410万人であった。
  • ユニセフは報道声明を発表し、国際社会に対して、東アフリカの干ばつ被災者に十分な援助を継続して行うよう促すとともに、今夏には、この地域の子どもの生命を救うために数百万ドルの資金が必要になるであろう、と警告を発した。また、エチオピアに加えて、ジブチ、エリトリア、ケニア、ソマリア、スーダンの5ヶ国も危機的状態にあるとし、これらの国々がそれぞれ、保健、水、食糧の分野で、緊急援助を必要としている、と強調した。
  • 5月7日‐9日、ブルキナファソで、アフリカ諸国の保健衛生担当大臣が一堂に会し、エイズ対策を考える会議が開催される。UNAIDSなど国連機関およびアフリカ開発銀行が主催する。
  • 東ティモール暫定行政機構(UNTAET)と世界銀行は、東ティモールの保健衛生部門の活性化支援のための、1,270万ドルの助成金提供に関して合意した。この資金の使途目的は、東ティモールの病院や診療所の再建や設置、および、すべての地域での基本的サービスへのアクセスの回復、ならびに、適切な保健衛生システムをめざした政策開発である。
  • 月曜日、バンコクで、アジア太平洋地域諸国が参加し、貿易政策に関する3週間の訓練プログラムが開始する。ESCAPとWTOが共催し、デンマーク政府が資金協力するもので、アジア太平洋の開発途上国による国際貿易システムへの一層効率的な参加を支援するのを目的とする。

2000年5月4日

  • 現在、シエラレオネにおいて、反政府勢力RUFに拘束されている国連要員の解放をめざして、様々な努力が払われている。最新の情報によれば、現在、92人がRUFの拘束下にあるとみられる。現在もなお行方不明であり、おそらく死亡したとみられる要員の数は、4人である(当初7人と発表されていた)。アナン事務総長は、RUF指導者のFoday Sankoh氏が国連要員を解放するよう圧力をかけられる、この地域の指導者たちとの接触を続けている。一方、安保理は議長声明を発表し、RUFが敵対行動を停止し、すべての拘束者を即時に無事解放し、行方不明者の所在確認に協力し、ロメ和平合意を完全遵守するよう求めた。さらに、この危機的事態を解決するため、ECOWASなどによる、地域的、国際的努力に対する支持を表明した。
  • 安保理議長は報道声明において、アフガニスタンの紛争当事者が新たな攻撃準備をしているとの情報に深刻な憂慮を示すとともに、紛争の軍事的解決がもたらすのは同国の人道状況のさらなる悪化だけであることから、そうした解決を求めないよう強く警告した。
  • ラーセン中東担当事務総長特使はレバノンにおいて、同国の大統領および首相と会談。2000年7月までに予定される、同国領土からのイスラエル完全撤退確認のための国連活動の条件について、「開放的、直接的、包括的な」討議を行った。
  • UNDPによれば、モザンビーク国際再建会議(5月3日‐4日)において、総額4億5,290万ドルの拠出誓約がなされた。これは、モザンビーク政府が、洪水で被災した同国の再建のために求めていた金額(4億5,000万ドル)を300万ドル近く上回る。
  • 昨日、ジョン・オコナー枢機卿が死去(80歳)。アナン事務総長は、「良き友」そして、「強固な国連支持者」を失ったことに悲しみを表明した。

2000年5月3日

  • シエラレオネ各地において、UNAMSIL要員が襲撃され、少なくとも7人の平和維持兵が死亡した事件について、安保理(議長による報道声明)とアナン事務総長はそれぞれ、非難声明を発表した。
  • アナン事務総長は、4月24日からの西アフリカ諸国歴訪を締めくくり、カメルーンで記者会見し、ジャーナリストたちがエイズとの闘いを宣言し、人々の認識を高めるよう求めた。この日、事務総長は同国を発ち、フランスを訪問、シラク大統領と会談した。
  • ラーセン事務総長特使、ベイルートに到着。木曜日、レバノン政府首脳と会談し、イスラエルのレバノン撤退問題について話し合う。
  • アナン事務総長はこのたび、中央アフリカ担当事務総長代表および国連中央アフリカ平和建設支援事務所(BONUCA)の長として、Cheikh Tidiane Sy氏(セネガル)を指名した。BONUCA(2月設置)は和平と国民和解を強固にし、民主体制を強化し、同国の経済回復のために資源を動員する努力を支援する。今年前半に任務を終了したMINURCAの後継として活動する。
  • クシュネル事務総長特別代表は、コソボ暫定協議会(KTC)でブリーフィングを行い、先週の安保理メンバーによるコソボ訪問により、拘束者および行方不明者に関する特使の任命が早まることを希望する、と述べた。クシュネル氏は、特使が任命されることが、セルビアの刑務所に拘束されている人々の問題に関して、ベオグラードに対する圧力として作用する、と述べた。
  • コソボのアルバニア人と少数民族の代表はこのたび、現在避難生活を送っているロマ人、アシュカリジャ人、エジプト人の少数民族帰還へとつながる可能性のある、国連仲介による行動計画に合意した。この計画は、コソボ内の様々なコミュニティー間および近隣諸国において、「信頼構築」のための一連の会合を開催するよう求めている。そして、今後2週間以内に、アルバニア指導者らが、コソボ周辺のロマ人、アシュカリジャ人、およびエジプト人のコミュニティーを訪問し、その指導層との直接の対話を行うことを計画している。
  • 国連アフガニスタン事務所によると、アフガニスタンにおける干ばつ状況が悪化し、カンダハールの水量は過去40年で最低レベルに落ち込んだ。
  • 欧州経済委員会(ECE)が、「欧州経済報告2000」を発行した。同報告によれば、今年、欧州経済は高い成長率を示し、西欧諸国は1990年以来初の3%を記録する可能性が高い。一方、ロシアを含め、移行経済諸国については依然として、脆弱な状態が続くであろう。
  • 「欧州経済報告2000」によれば、東欧諸国の人口レベルは、出生率の激減が原因で、今後50年間に3分の1落ち込むと見込まれる。
  • 「世界喘息デー」。WHOによれば、世界中で喘息患者が増えており、特に子どもが喘息になる割合が高い。
  • 「世界報道自由デー」。この国際デーを記念するため、国連本部では、国連広報局主催の「危険な世界での報道、紛争解決、和解、平和建設におけるメディアの役割」と題するパネル討論会などが行われた。

2000年5月2日

  • シエラレオネ各地において、RUF戦闘員による国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)要員の拘束、攻撃事件が発生した。安保理(議長による報道声明)とアナン事務総長はそれぞれ、これらの事件を非難した。
  • アナン事務総長、カメルーンを訪問し、同国首相や外相らと会談。University of Yaoundeで行った演説において、事務総長は、アフリカ経済を世界的に競争力のあるものにするため、アフリカの人々が新しい情報技術を利用するよう呼びかけた。
  • アフガニスタンの干ばつ被災地の人々に食糧を提供するため、緊急人道援助が必要である、とWFPが警告。アフガニスタンWFP事務所は、干ばつによる影響を最も受ける地域での食糧配給を活発化させるために、180万ドルの資金拠出を求めるアピールを発した。
  • 安保理メンバー(7人)によるコンゴ民主共和国訪問が開始。この訪問の目的は、安保理が2月に承認した国連ミッションの全面展開の条件など、ルサカ和平合意署名者とともにこの地域に和平をもたらす方法を話し合うこと。この訪問団の団長は、米国のホルブルック大使。フランス、マリ、ナミビア、オランダ、チュニジア、英国の国連大使が参加した。
  • アナン事務総長はこのたび、西サハラ紛争の当事者(モロッコおよびポリサリオ戦線)、ならびに2つの隣国、アルジェリアおよびモーリタニアに対して、事務総長個人特使のジェームズ・ベーカー3世と、5月14日にロンドンで会談するよう招請した。
  • コソボのセルビア人が故郷に安全かつ持続的に帰還する方法を模索する、「難民帰還に関する合同委員会(JCR)」が本日、正式に発足。Gracanicaにおいて、記念式典が行われた。
  • UNHCRによれば、東ティモール内において帰還者に対する脅迫や嫌がらせ事件が増えていることから、この1週間、西ティモールからの帰還者の数が激減した。
  • イラク・プログラム室によれば、国連イラク石油食糧交換プログラムの下、この一週間の石油収入は約3億2,500万ドル。昨年12月中旬に始まった今期プログラムの下、計57億8,900万ドルの収入を得たことになる。一方、人道および石油分野において、保留状態となっている契約の総額は、19億5,000万ドルに上るが、これは、1996年後半にこのプログラム自体が発足して以来、最大の金額である。
  • 明日、世界報道自由デー。アナン事務総長は、ロビンソン人権高等弁務官、松浦ユネスコ事務局長とともに共同声明を発表し、独立し、多元的な報道の必要性を強調するとともに、すべての当事者がジャーナリストを保護するよう求めた。また、女性の声が聞かれることの特別な重要性を強調し、女性の表現の自由に対する公的かつ文化的な障害を除去するよう各国政府に促した。
  • UNCTADは、アマゾン地域諸国が、生物多様性に基づく生産物を利用するのを支援するための新しい取り組みを開始した。テッド・ターナー氏の国連財団から170万ドルの財政支援を得て行われる、この3年間にわたる取り組みは、エコツーリズムおよび植物の化粧品や薬品としての使用など、貿易と資源の持続的使用を統合するプロジェクトに焦点を当てる。メルセデスベンツなどの私企業がすでに参加している。

2000年5月1日

  • 日曜日、コソボ訪問を終えた安保理代表団は、ニューヨークに戻った。団長を務めたチョウドリー・バングラデシュ国連大使は、この視察報告を安保理に提出。同大使は、記者ブリーフィングにおいて、その任務の規模の大きさや広範な性格にも拘わらず、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)が「優れた仕事をしている」、と述べた。一方、行方不明者と拘束者の問題については、「我々がこの問題に取り組まなければ、安保理はその信頼性を維持できない」と指摘した。
  • 法眼健作・広報担当事務次長が、情報委員会で演説し、国連の活動を世界の人々に伝えるための様々な新戦略および活動について説明した。
  • 29日、スーダン政府が、同国における人道的停戦(7月15日まで)を宣言。アナン事務総長は、この宣言を歓迎した。事務総長はまた、同政府が4月19日に、同国南部における空爆を停止し、文民を保護するとともに、女性や子どもを中心とする数十万の人々への陸路、空路、海路による救援物資輸送を促進することを決定したことについても歓迎の意を表明した。
  • このたび、アナン事務総長は、WFP上級職員のManuel Aranda de Silva氏(モザンビーク)が、「アフリカの角における干ばつのための国連地域人道調整官」として、即時に同地域を訪問するよう要請した。
  • 昨日、クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、安保理代表団と一緒に記者会見し、難民・避難民の帰還に関する合同委員会の設置を発表した。この委員会には、クシュネル特別代表、KFOR司令官General Joun Ortuno、セルビア国民協議会のArtemije主教のほか、UNHCR、OSCE、UNMIK国際警察、プロジェクト別の国際ドナー、コソボ各地のセルビア人指導者らも参加する。
  • アナン事務総長、アフリカ諸国歴訪中。土曜日には、ガボンを訪問し、同国大統領と会談。本日は、中央アフリカ共和国において、同国大統領および首相らと会談した。午後には、カメルーンに入る予定。
  • 東ティモールとインドネシア(西ティモール)間で、初の境界検問所が、Batugadeに開設された。この検問所には、5人の国際税関および出入国管理官、並びに9人の東ティモール人が職員として配置される(UNTAET発表)。
  • 国連開発計画(UNDP)は声明を発表し、洪水、干ばつ、サイクロンに対するモザンビークの脆弱性を緩和するためには、災害緩和戦略が死活的に必要である、と警告した。また、国際再建会議(5月3‐4日、ローマ)で援助資金4億5,000万ドルを求めるモザンビークのアピールのなかでも、最も重視されるべきは、災害に備えるための資金1,500万ドルの拠出要請である、と述べた。
  • 日曜日、シエラレオネの北部地域を巡回していた国連平和維持兵のグループが反政府勢力に襲われ、うち一人は銃で撃たれ、重傷を負った。
  • アナン事務総長は、欧州経済委員会(ECE)の新・事務局長に、Danuta Hubner博士を任命した。この任命は、7月1日に発効する。
  • 日曜日、元国連難民高等弁務官(1978年‐1985年)のPoul Hartling氏、死去(85歳)。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、人種主義に関する世界会議の準備委員会において、開幕演説し、国際社会が、来年の同世界会議における「可能な限り広範な市民社会の関与」を確保しなければならない、と述べた。
  • 金曜日、世界教育フォーラムが終了。ユネスコによれば、181ヶ国の代表が、女子を中心とした、万人のための教育を実現するという約束を新たにした。1,500人の参加者によれば、多くの国々において、意義深い進展がみられた一方で、1億1,300万人(ほとんどが女子)が依然として、初等教育へのアクセスをもたない。
  • 大陸棚の限界に関する委員会が本日、年次会期(5日間)のはじめに、公開会合を開催。

2000年4月28日

  • 安保理代表団が、コソボ暫定協議会および暫定行政協議会の特別合同会合に参加。団長のチョウドリー国連大使は、協議会に参加する様々なコミュニティーの指導者に対して、コソボの将来のために、暴力行為を回避するよう強く訴えた。
  • インドネシアは、西ティモール・難民キャンプに残留する東ティモール兵士および元民兵たちに対して、同国政府の再定住プログラムに参加するか、あるいは、インドネシア国軍から脱退し、東ティモールへ帰還するよう促した。UNHCRはこのインドネシア政府の決定について、「前向きな動き」であるとして、歓迎の意を表明した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、人権委員会での閉会演説において、「アフリカの角」地域における人道災害発生の可能性を指摘し、国際社会による緊急かつ予防的な対応の必要性を訴えた。
  • コンゴ民主共和国は安保理議長に書簡を送付し、国連が同国における天然資源の不法開発の調査を支援するために独立調査機関を設置するよう求めた。最近、安保理は、この不法開発の停止を求め、アナン事務総長に対して、何らかの提案を行うよう要請する決議を採択したが、先週、アナン事務総長は、同様の専門家パネルを設置するよう提案していた。
  • UNHCRによれば、地雷の増加、また国境沿いの軍事的対立行動などによって、ブルンジからタンザニアへ流出する難民の数が急減している。(1月は2万3,000人、2月5,800人、3月4,600人、4月については、本日までにわずか1,126人)
  • FAOは、ジンバブエにおける洪水、経済的問題、最近の土地改革をめぐる騒乱事件が、同国の食糧事情に深刻な影響を及ぼす可能性が高い、と警告を発した。
  • これまでに、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は、シエラレオネの12地区のうち9地区に要員を展開しており、そのプレゼンスが拡大しつつある。今週前半に到着したザンビア部隊はまもなく、RUF制圧下にあるダイヤモンド産出地域Koiduに展開される予定。
  • 障害をもつアフガニスタン人の国連包括的プログラム(CDAP)の監督者Peter Coleridge氏はイスラマバードで記者会見し、地雷の犠牲などで障害者となったアフガニスタンの人々に対する今年度の援助資金として、100万ドルの拠出を求めた。現在同国の人口は2,000万、障害者は80万人を数えるが、その4分の1は地雷の犠牲者である。
  • アナン事務総長は安保理議長に宛てた書簡において、スコットランド上空でのパンナム機爆発事件(1988年)の容疑者2人(Abdel Basset al-Megrahi氏とLamen Khalifa Fhimah氏)の裁判に出席するオブザーバー5人を指名したことを通告した。同裁判は、5月3日、オランダのCamp Zeistで開始予定。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所において、Dragan Nikolic氏(元拘置所指揮官)の初公判が行われた。同氏は、計80件の容疑について、すべて無罪を主張した。同氏は、1994年11月4日、同裁判所が初めて起訴した個人であり、また起訴容疑80件という数は、同裁判所にとって最大。
  • 国際労働機関(ILO)、「社会保障年金―発展と改革」と題する新刊書を発行。同書は、世界の労働人口のほとんどの人々にとって、退職後、適切な所得を提供する年金制度の保障がない、と警告を発した。

2000年4月27日

  • アナン事務総長は、セネガルにおいて、ファン病院の外来センターを訪れ、HIV‐2を発見した研究者Souleymane Mboup氏から、同国で成功を収めているエイズ対策に関する説明を受けた。また、同センターにおいて、エイズ患者とも接触したほか、口碑伝承者らによるエイズ防止キャンペーン・メッセージの歌を聴いた。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は世界教育フォーラムで演説し、世界の援助国に対して、万人のための教育という目標に向けた実行可能な計画を有する貧困国の債務の即時帳消しを求めた。ブラウンUNDP事務局長は、万人のための教育という目標は、「道義的かつ経済的に緊急」なものである、と述べた。同氏はまた、開発に必要なその他の数々の要素が論じられる一方で、教育の力とその重要性については議論の余地がないであろう、と指摘した。
  • 平和維持活動担当アナビ事務次長補は、東ティモールの最近の情勢について、安保理に説明した。同氏によれば、東ティモールの治安情勢は現在、比較的落ち着いている。4月11日に国連とインドネシア国軍が了解覚書に署名して以降、西ティモールとの境界線近辺の状況も改善した。一方で、現在、経済社会状況は依然として、深刻な懸念の対象となっている。
  • シエラレオネのMakeni-Magburaka地域で先週、反政府勢力が国連の武装解除プログラムを妨害した事件について、安保理は本日、アナビ事務次長補から説明を受けた。安保理議長はこの後に発表した報道声明において、安保理メンバーがアナビ氏に対して、こうした事件に関する憂慮を当事者に伝えるよう要請した、と述べた。
  • 昨日、人権委員会が世界各地の人権擁護者に関する特別代表任命を要請する決議を採択したことについて、ロビンソン人権高等弁務官は、「声なき人々のために代わって主張する人々の保護に向けた決定的な一歩」であると賞賛の意を表明した。
  • ラーセン事務総長特使は、中東地域をめぐる安保理決議425および426の実施に関して、イスラエル、レバノン、シリア、ヨルダン、エジプト、パレスチナ機構の代表らと協議するため、同地域を訪問する(4月27日‐5月9日)。4月上旬、イスラエルのレビ外相は、レバノン南部から自国軍を2000年7月までに撤退させる旨を発表している。
  • ルワンダ国際刑事裁判所において、1994年ルワンダ・ジェノサイドの罪で起訴されたAugustine Ndindiyilimana氏は、自身の無罪を主張した。同氏は、1月29日にベルギーで逮捕され、4月22日、アルーシャ(タンザニア)の同裁判所・拘置所に移送された。
  • UNTAET、雇用問題に関する公開協議を終了。東ティモールにおける包括的な労働法をつくる第一歩をすすめた。この協議には、東ティモールの労働組合、ILO専門家、人権活動団体、学生組織、教会の代表が参加した。
  • 水曜日、ロイヤルダッチシェル石油会社は、「国連778寄託口座」に200万ドルを預金した。この金額は、先月上旬、多国籍インターセプション・フォースによって発見された、ロシア船“Academik Pustovoyt”号に荷積みされた石油総額の20%に相当する。この石油は、イラクから不正に輸出されたものであるが、この200万ドルについては、国連の科した罰金という意味合いはない。
  • 水曜日、サラエボにおいて、連邦警察学校で、1年間にわたる多民族混成授業を終了した実習生106人の卒業式典が行われた(UNMIBH発表)。
  • 安保理メンバー8人が、コソボに到着。なお昨日から、アルバニア系住民たちは、同系住民がセルビア刑務所で行方不明となっていることについて、街頭での示威行動を続けている。
  • アフリカにおける平和維持活動の成功と失敗について詳述した新刊書が、発表された。題名は、“Peacekeeping in Africa: Culpabilities and Capabilities”。UNIDIRと南アフリカ戦略研究所が共同で作成したもので、平和維持活動の実効性について、安保理の政治的意思、コマンド・管理面のロジスティクス、紛争当事者の姿勢、地域機関の役割など、さまざまな側面から論じた。ガンバリ・アフリカ特命事務総長特別顧問は、発表式典で、この本は平和維持活動に関与する全ての人々にとっての必読書である、と述べた。
  • 貿易と環境の複雑な関連性について記した新しいハンドブックが作成され、本日、UNEP本部で発表された。題名は、“Environment and Trade: Handbook”。インターネット・ホームページでも入手可能(http://www.unep.ch.etu

2000年4月26日

  • 世界教育フォーラム(4月26日-28日)、セネガルの首都ダカールで開幕。アナン事務総長は冒頭演説において、教育における男女差別の継続に参加者の注意を喚起し、各社会に対して、「女子教育が、選択肢でなく、必然である」ことを現実のものとするよう促した。
  • パレスチナ難民に関する国際会議、パリのユネスコ本部で開幕。パレスチナ委員会が、OICおよびアラブ連盟の協力を得て、組織した。会期は2日間。事務総長は、300万以上のパレスチナ難民の状況が過去半世紀にわたり、人道面および治安面の懸念の対象となってきたとし、中東和平がこれら難民に対する解決を内包しなければならない、と述べた。この声明は、プレンダーガスト政治問題担当事務次長が代読した。
  • フレシェット副事務総長は、持続可能開発委員会の高級会合で演説し、将来の世代がこの惑星でその生命を持続しようとする自由は、欠乏や戦争からの自由と同様に重要なものであるとし、環境保護の問題に対する、国際社会の関心を呼びかけた。
  • イラク担当事務総長高級調整官のウォロンツォフ大使は、安保理に対して、イラク・クウェート紛争の結果、行方不明となったクウェート人および第3国人の問題に関する事務総長報告(先週発表)について、ブリーフィングを行った。
  • 人道問題調整部は最近行われたアンゴラ調査ミッションの報告書を発表し、国際社会およびアンゴラ当局が即時に対応しない場合、アンゴラにおいて、大規模な人道的惨事が起こる可能性が高い、と警告を発した。この報告書は、3月18日から23日まで、UNHCR、WFP、ユニセフなどからなるミッション(緊急援助調整官代行Carolyn AcAskieが団長)が、アンゴラの人道状況を調査し、作成したもの。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、エチオピア・エリトリア紛争解決をめざすOAUの努力に対して、強い支持を示すとともに、両紛争当事者に対して、紛争の平和的解決を求めた。また、報道声明によれば、早ければ4月29日にも、アルジェで、両紛争当事者の間接交渉が行われるとの旨、安保理は通告を受けた。
  • 人権委員会は決議を採択し、人権を擁護する人々が攻撃対象となっていることを非難。そして、世界各地の人権活動家の状況、および、その保護策の改善方法について報告する特別代表(3年任期)を任命するよう、事務総長に要請した。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、コソボ移行協議会に対するブリーフィングにおいて、拘留者、行方不明者、避難民帰還といった深刻な問題について、明日予定される安保理メンバーとの特別会合において討議される必要がある、と述べた。
  • チェルノブイリ原発事故から14年目。緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏は、チェルノブイリ事故を安穏に忘れ去ることができる状況ではない、と警告を発した。人道問題調整部(OCHA)は、「チェルノブイリ 破局の継続」と題する小冊子を発行し、ベラルーシ、ロシア西部、ウクライナにおける放射能汚染が依然として、健康、経済、環境に破壊的な影響を及ぼしている、と述べた。
  • 世界教育フォーラムにおいて、国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピオット事務局長は演説し、エイズによる脅威を受ける何百万もの若者の生命を救い、普遍的な教育を達成しようとするアフリカの努力を支援するため、教育セクターとのパートナーシップを呼びかけた。

2000年4月25日

  • 「アフリカの角」における干ばつのための事務総長特別代表(バーティーニWFP事務局長)は、4月11日から19日まで行った「アフリカの角」地域の視察訪問について、その調査結果や提案をまとめた報告書を発表した。そのなかで、バーティーニ氏は、今後、大規模な防止行動が取られない限り、同地域において、1,600万人の生命が失われるおそれがある、と訴えた。
  • マラリアに関する初の首脳会議、ナイジェリアの首都アブジャで開催。ユニセフとWHOはそれぞれ、アフリカ諸国の首脳に対して、同大陸全土でマラリアを統制するために、指導力を発揮し、資源を提供するよう訴えた。
  • 人権委員会は決議を賛成25、反対7、棄権19で採択し、チェチェンの紛争当事者に対して、戦闘を停止し、ロシア連邦の領土保全を尊重する形での紛争解決プロセスを開始するよう促した。ロシアに対しては、同地での人権侵害に関する独立調査委員会を緊急に設置するよう求めた。また、同じくロシアに対して、国際人道機関が、避難民や戦争被災者、拘置所へ自由にアクセスすることを許可するよう促した。
  • 安保理のメンバー8人は、28日と29日の両日、コソボを訪問する予定であり、現在、この訪問に備えた準備が進んでいる。これらメンバー8人は、金曜日、暫定行政協議会(IAC)とコソボ移行協議会の特別合同会合に参加する。
  • 先週土曜日、シエラレオネ中北部のマグブラカにおいて、重武装したRUF戦闘員らが、新設の武装解除センターを取り囲み、国連平和維持兵に対して、宿営地の閉鎖を強制した。
  • 世界教育フォーラム(4月26日‐28日、セネガル)を前に、このフォーラムを組織するUNDP、ユネスコ、ユニセフ、国連人口基金、世界銀行のそれぞれの長は共同声明を発表し、世界の各国政府や市民社会に対して、悪化する教育状況への取り組みを求めた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)はこのたび、ルワンダでの1994年大虐殺に関与した容疑者Augustine Ndindiliyimana氏を、裁判のためタンザニアに移送した。同氏は、1月29日、ベルギーで逮捕された。
  • コンゴ民主共和国担当事務総長特別代表Kamel Morjane氏、コンゴ民主共和国の情勢に関して、安保理にブリーフィング。同氏は、この後に行った記者団への説明において、同国での停戦が継続する可能性について、慎重ながらも楽観的な見通しを示した。
  • 3月末現在、国連加盟国の累積滞納金は、28億4,000万ドル近くにのぼる(通常予算には8億4,200万ドル、平和維持活動には19億ドル、旧ユーゴ・ルワンダ国際刑事裁判所には9,300万ドル)。

2000年4月24日

  • 核不拡散条約再検討会議、開幕。アナン事務総長は、ロシアがSTART・を批准したこと、CTBTが署名のために開放されたことなど、最近の前向きな動きを指摘しながらも、核兵器の脅威については、自己満足に浸っているときではない、と警告した。
  • カーネギー、フォード、マッカーサー、ロックフェラーの4財団は、「アフリカの大学を強化するためのパートナーシップ」を立ちあげた。今後5年間で、アフリカの高等教育の拡充を支援するため、1億ドルを超える金額を提供する予定。これについて、アナン事務総長は、「真の違いをもたらすユニークな機会」であると賞賛した。
  • 安保理理事国が参加するミッションのコソボ訪問(4月28日、29日)を前に、ミィエ平和維持活動担当事務次長は安保理に対して、コソボ情勢に関するブリーフィングを行なった。このなかで、ミィエは、地方選挙の準備、合同暫定行政機構の強化において、UNMIKが現在、非常に重要な段階に入っている、と述べた。
  • コソボにおいてツラレミアが発生したことから、その対策を講じるため、国際専門家チームのメンバーが現地に入りはじめている。デンマーク、ドイツ、イタリア、米国からの専門家たちは、必要な統制措置を提案、促進し、病院での患者管理に関するガイダンスを提供することになる。
  • 設置から半年が過ぎたUNTAETについて、東ティモール事務総長特別代表の特別補佐官Fabrizio Hochschild氏がディリで記者会見。困難な状況のなかで、同ミッションが大きな歩みを進めてきた、と述べた。
  • シエラレオネの首都フリータウンに、ザンビアの平和維持部隊が到着。これで、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の兵力は、8,000人となった。なお、UNAMSILは、最大1万1,100人の軍事要員を擁する権限を与えられている。
  • 国連機関間ミッションがチェチェンの第1回人道ニーズ調査を終了。人道問題調整部(OCHA)によれば、国連は、ロシア緊急事態省や地元NGOと協力し、明日、今回調査を行なった3地域(Achkoi-Martan、Urus Martan、Alkhan-Yurt)に人道物資を輸送する予定である。
  • FAOはこのたび、新しい報告書を発表し、1992年地球サミットからこれまでの8年の間、より持続可能な農業への歩みは緩慢で、多くの課題が未解決のまま残っている、と指摘した。この報告書は、本日始まった第8回持続可能開発委員会に提出されるべく、作成されたもの。

2000年4月20日

  • 今週月曜日、アナン事務総長は安保理宛書簡において、イスラエルから自国軍隊のレバノン撤退を決定したことについて正式通告を受けた旨を伝えたが、本日、安保理は、この事務総長書簡を歓迎する意を示した。同議長声明はまた、事務総長が、自身の特使を同地域に派遣し、安保理決議425および426の下の責務を国連が果たせるよう準備を開始すると決めたことを歓迎した。
  • 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)に関する事務総長報告が発表された。同報告は、最近、コンゴ民主共和国において前向きな動きがみられるものの、紛争当事者による戦闘の継続と兵器購入は、全ての当事者について、そのコミットメントのあり方に疑念を抱かせるものである、と指摘した。
  • 人権委員会は決議を採択し、全てのテロ行為を非難し、その根絶のための国際努力拡大を求めた。
  • 犯罪防止刑事司法委員会は、犯罪防止および犯罪者の処遇に関する第10回国連会議(4月10日‐17日)で採択された「犯罪と司法に関するウィーン宣言」を再検討。越境犯罪に関して、実質的な行動への道を敷くこの重要な政策文書を承認した。この後、同文書は、採択のため、ミレニアム総会に送られる。
  • 水曜日、アナン事務総長は、ジンバブエにおける土地使用をめぐる争いに関する最近の動きについて、同国のムガベ大統領と電話会談した。事務総長は、ムガベ大統領から、同日、農民と退役軍人が5時間に及ぶ話し合いを行い、双方ともに平和的解決を求めていくことに合意したとの状況説明を受け、勇気づけられた、と述べた。
  • メキシコはこのたび、1951年の難民の地位に関する条約および1967年の議定書に加入したが、これについて、UNHCRは本日、歓迎の意を表明した。
  • アジア太平洋報道機関機構の総会、モスクワで開催。国連広報局のニュース・メディア部長サリム・ローン氏はこの総会での演説において、世界中で起こっている変革の一環として、現在、新しい一連の地球的価値が創造されているとするとともに、国連がこのプロセスにおいて主要な役割を担っている、と述べた。
  • 「絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約」(CITES)の締約国会議、閉幕。2週間の会期中、国際取引による乱獲から動植物を保護するため、一連の決定を行った。
  • 国連人道問題調整部(OCHA)によれば、モンゴルを30年ぶりの極寒が襲い、羊ややぎなど多くの家畜が凍死している。モンゴル政府による国際支援要請に応え、4月3日には、この雪害への対処をはかるための支援要請アピールが開始した。

2000年4月19日

  • 安保理は決議1296を全会一致で採択し、武力紛争において一般市民を攻撃対象とすることについて非難し、こうした慣行、および人道アクセスの阻害が、国際の平和と安全に対する脅威となるとした。
  • アナン事務総長は、上記安保理会合で冒頭演説を行い、武力紛争下の文民保護が国連の最も重要な任務のひとつである、と強調した。また、総会が児童権利条約選択議定書を採択し、子ども兵士の最低年令を15歳以上から18歳以上へと引き上げたこと、安保理がシエラレオネや東ティモールの国連活動の任務などにおける文民保護活動を拡充したことなど、この目的の達成のために最近講じられた措置を歓迎した。
  • アナン事務総長は、ジンバブエの情勢に危惧の念を表明したが、同国のムガベ大統領が自身との電話会談(火曜日夜)で、緊張緩和のために措置を講じていることを示唆したことに勇気付けられている、と述べた。(同国で発生した暴力事件に関して、記者団が投げかけた質問に答えた。)
  • 安保理議長は、事務総長宛ての書簡において、暴力否定の必要について強固なメッセージを発し、コソボにおける国連活動を視察するため、安保理ミッション(9人構成)が4月28日‐29日、同地を訪問する旨を通知した。
  • 「アフリカの角」地域の干ばつのための事務総長特使、バーティーニWFP事務局長は、9日間にわたる現地訪問を終了。本日、ナイロビで記者会見したバーティーニ氏は、「同地域における災害を防止するうえで、現在、まさに決定的な時期にある」と述べた。そして、迅速な対応がなされれば、飢餓を回避し、様々な疾病が原因で多くの死者がでる事態を防ぐことができる、と訴えた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所は、Miroslav Tadic氏およびSimo Zaric氏の仮釈放の決定に対するCarla del Ponte主任検察官の不服申立てを却下した。主任検察官は声明を発表し、この決定に深い憂慮を示した。被告2人は、ボスニア・ヘルツェゴビナのBosanski Samacにおける民族浄化の計画に関与した容疑で起訴、逮捕されていた。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)副法律顧問Hansjoerg Strohmeyer氏はニューヨーク国連本部で記者ブリーフィングを行い、UNTAETとインドネシア間で最近成立した人権合意が、東ティモールに育ちつつある司法制度にとって非常に貴重な助けとなる、と述べた。同氏は、この2者間の了解覚書が、人権侵害の調査における相互支援を明記していることから、1999年9月の東ティモール住民投票後に起こった騒乱事件に関与した国軍兵士や民兵について現在インドネシア政府が進めている調査活動を促進することになるであろう、と述べた。
  • コソボ事務総長特別代表、ならびにEU高官、コソボ暫定行政協議会およびコソボ暫定協議会の各メンバーは、最近の暴力行為の発生について深い憂慮を示すとともに、共同でこの暴力を最も強く非難する声明を発表した。
  • UNMIK報道官Nadia Younes氏は、プリシュティナにおいて、約480人が「ツラレミア」に感染したことが確認された、と発表した。同氏は、UNMIKがこの感染症の発生を深刻に受けとめているとするとともに、すでに航空機一機分の抗生物質がコソボに運び込まれた、と述べた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所で行われる公判の場にカメラが入り、映像を撮ることの是非に関して、18カ月にわたり行われた独立調査の報告が、このたび発表された。この報告は、カメラの存在が裁判の進行に対して、全体的にプラスの影響を及ぼし、また、裁判所の活動自体について、一般の人々の認識を高めるのに役立つとの結論をだした。サウスアンプトン研究所(イギリス)のメディア・司法センターのコーディネーター、ポール・メイソン博士が、この報告書を作成した。
  • 国連イラク・プログラム部が発表した最新の週間報告によれば、この1週間で、イラクは1,500万バレル(約3億ドル相当)を輸出した。
  • 国連環境計画(UNEP)と人道問題調整部(OCHA)はこのたび、去る1月30日にルーマニアで起きたシアン化合物流出事故の調査報告を発表。関係する産業過程の設計上の欠陥や不適切な作業状況、悪天候といった条件が重なった結果、今回の事故が発生した、と述べた。

2000年4月18日

  • 安保理は決議1295を全会一致で採択し、アンゴラ内戦の永続的解決を達成するために、憲章第7章の下、反政府勢力UNITAに対する制裁措置の効力を強化することを決定した。同決議は、対UNITA制裁措置の違反に関する専門家パネルが、3月10日の報告書において、制裁違反の状況を説明し、現行の制裁の実効性を高める提案を行ったことを歓迎。事務総長に対して、1ヶ月以内に、情報収集・調査のための監視機関(最大5人の専門家で構成)を設置するよう要請した。今後、この監視機関、各国、専門家パネルからの情報に基づいて、安保理は、11月8日までに、UNITAに対して追加的措置を科すかどうか、また制裁違反国に対してなんらかの行動を取るかどうかを決定する。
  • 経済社会理事会とブレトンウッズ機関の第3回年次合同高級会合が、ニューヨーク国連本部で開催。国際金融の安定を確保し、グローバリゼーションの利益をより多くの人々が享受できるようにすることについて、議論の焦点が当てられた。
  • FAOは、同機関の地球情報早期警戒システム(GIEWS)発行の「スペシャル・アラート」において、「アフリカの角」地域諸国が、約1,600万人を脅かす飢餓を回避するために緊急支援を必要としている、と述べた。
  • 昨日、人権委員会は、住居の権利に関する特別報告者のポストを新たにつくることを決定した。同報告者の任期は3年間。世界人権宣言にうたわれた適切な生活水準の権利のひとつとして、住居の権利の促進と報告に責任を有することになる。
  • UNHCRによれば、本日、西ティモールから、インドネシア国軍の元戦闘員30人が、東ティモールに帰還した。元戦闘員の帰還の規模としては、昨年10月に難民帰還作業が開始されてから、2番目に大きなもの。
  • 世界教育フォーラム(ダカール)を一週間後に控え、ユニセフ事務局長は本日、世界がすべての人々のための教育を達成できないでいることは、もはや許されない、と述べた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)において、判事たちは、最近多くの容疑者が逮捕されたこと、主任検察官が裁判の迅速化をはかる戦略を練ったことなどを考慮し、今後、夥しい数の容疑者の裁判をどのように行っていくかについて討議した。
  • 国連とカナダは本日、合意に署名し、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)の検察官室によるコソボ戦争犯罪調査において、カナダが同室に対して、同国の騎馬警官隊から有資格者、最大24人を6チームに分けて、約1ヶ月間、提供することを決定した。最初のチームは、5月1日、コソボに向けて出発する。
  • 先週金曜日、コンゴ民主共和国のキンシャサ空港で起こった爆発事件を調査していた国連チームが報告したところによると、国連機2機が爆発による影響を受けた。報告によれば、これら国連機の修理は、現地で行うことが可能である。
  • UNHCRによれば、チェチェンでの散発的な戦闘によって、新たな避難民が生まれており、このことにより、イングーシェチアからチェチェンへの避難民帰還のペースが遅くなっている。

2000年4月17日

  • 国際平和アカデミーは、国連決議の実施をはかる制裁措置についてセミナーを主催。この場で、「制裁の10年(The Sanctions Decade)」と題する報告書を発表した。この報告書は、国連が、それ以前の時代と比べてより多くの制裁措置を科した、ポスト冷戦時代に焦点を当てた。セミナーには、安保理の各理事国も出席した。アナン事務総長はセミナーで演説し、脆弱なコミュニティーの保護を確保するために制裁措置を洗練するよう促すとともに、制裁レジームの遵守によって経済的損失を被る国々に対して一層の注意を払うよう求めた。このセミナーの後、安保理は、制裁措置に関する全般的な問題についての公開協議を行い、政治問題担当事務次長はそこで、「賢い(smart)」制裁措置の概念を育てるための一連の現実的な提案を行った。
  • イスラエル政府は、安保理決議425および426に沿って、2000年7月までに南レバノンに駐留する自国軍隊を撤退させる旨を、アナン事務総長に対して正式に通告した。この通知は、イスラエル外相の4月16日付書簡においてなされ、同書簡は、月曜日、同国国連大使からアナン事務総長に届けられた。
  • アナン事務総長は声明において、先週金曜日にコンゴ民主共和国のキンシャサ空港で起きた悲劇的事故が、ルサカ停戦合意当事者で構成される政治委員会により4月8日に採択された兵力引き離し合意の実施に影響を及ぼさないよう希望を表明した。
  • 犯罪防止および犯罪者の処遇に関する第10回国連会議が、「犯罪および司法に関するウィーン宣言」を採択し、1週間の会期を終了した。同会議の事務局長を務めた、国連薬物統制犯罪防止事務所のピノ・アルラッキ事務局長は演説において、国際社会による共同努力に力点を置いたことに、同宣言の特別な意義がある、と述べた。
  • 世界食糧計画(WFP)は、ジブチから干ばつで被災した「アフリカの角」地域への主要な輸送回廊の復興のため、400万ドル規模の緊急活動を開始する(WFP発表)。
  • WHO・経社理共催によるパネル討論会において、ナミビアおよびギニアの健康社会サービス担当大臣ならびにWHOアフリカ地域事務所長の3人はそれぞれ、アフリカの保健衛生状況改善のため、国際社会による緊急な政治的・財政的コミットメントの必要性を強調した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)と米国国際開発庁(USAID)は、東ティモールの緊急雇用計画に関して、了解覚書に署名。東ティモール全土の13地区に対して、10万ドルを支給し、清掃プロジェクトおよびスポーツ施設修繕などの短期事業に従事する短期雇用労働者の賃金を支払うことに合意した。
  • 土曜日、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」の第11回締約国会議において、コククジラとミンククジラの格付けを、全面禁輸の対象から一定規制に変えることをめざした日本とノルウェーの共同提案が否決された。
  • UNEPは、今年の世界環境デー(6月5日)のメイン・イベントは、オーストラリアのアデレードで行われる、と発表した。今年のテーマは、「環境ミレニアム - 行動する時」。
  • 先週末、第2代国連難民高等弁務官のAuguste R. Lindt氏が死去した(94歳)。

2000年4月14日

  • 安保理は公開協議において、1994年ルワンダ大虐殺の前およびその最中の国連活動に関する独立パネルによる報告書(昨年12月発表)について討議した。このパネル議長である、カールソン・元スウェーデン首相は、国際社会がルワンダの虐殺の防止あるいは停止に失敗した、と述べた。
  • アナン事務総長は、ロシア連邦下院が第2次戦略兵器削減条約(START II)を批准したことを歓迎するとともに、プーチン次期大統領がこの重要なイニシアチブを取ったことを賞賛した。
  • 国連プレブラカ監視団(UNMOP)に関する事務総長報告が発表された。この報告によれば、プレブラカ半島の情勢は引き続き静穏であり、またクロアチアとユーゴスラビア連邦共和国は双方ともに2国間協議を通じて、同半島をめぐる対立を解決することに意欲を示してはいるが、昨年から1年間、両者間の交渉は全く行われていない。
  • 金曜日、コンゴ民主共和国のキンシャサ国際空港において、ボーイング707機が爆発する事件が起こった。原因は未だ不明であるが、可能性としては、飛行機が弾薬倉庫に衝突したか、あるいは燃料補給の際の事故であることが考えられる。数十人が負傷したと伝えられるが、この情報については、MONUCが現在確認中である。国連職員は全員無事であった。
  • 犯罪防止および犯罪者の処遇に関する第10回国連会議、2日間にわたる高級会合を開始。国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)のピノ・アルラッキ事務局長は同会合で演説し、国連越境組織犯罪防止条約案およびその議定書の完成、署名、批准を促した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、人権委員会に対して、コロンビア情勢に関する報告書を提出し、同国による国内対立の解決努力にもかかわらず、その人権侵害状況が悪化している、と指摘した。
  • イランおよびパキスタンからのアフガニスタン難民帰還のペースが速まっている。木曜日、イランから難民840人、パキスタンから同510人がアフガニスタンに到着し、これで、今年、帰還した難民数は、イラン1,650人、パキスタン4,000人となった。UNHCRによれば、現在、イランには140万人、パキスタンには120万人のアフガニスタン難民が残留している。
  • 今週、デメロ・東ティモール担当事務総長特別代表は日本および中国を訪問。それぞれの政府高官と会談し、東ティモールの再建活動に対するそれぞれの支援について話し合った。
  • コソボ暫定行政協議会(IAC)は、今年後半に実施される自治体選挙の運営を監督する中央選挙管理委員会のメンバー8人を任命した。今後、もう1人の委員が加わることになっているが、この委員にはセルビア人が任命される。

2000年4月13日

  • 安保理は決議1294を全会一致で採択し、国連アンゴラ事務所の任期を、10月15日まで6ヶ月間延長した。同事務所は1999年10月に設置されたもので、政治、軍事、警察、その他の当局との連絡調整、並びに平和回復および能力建設、人道援助、人権促進の分野で、アンゴラの人々の援助を目的とする。
  • 安保理は、国連監視検証検査委員会(UNMOVIC)の組織計画を承認した。UNMOVICは、昨年12月の安保理決議1284により設置されたイラクの兵器監視機関である。
  • アナン事務総長は、ハバナにおいて、エリトリア、マリ、インドネシアの各大統領ら、「南サミット」出席中の各国首脳たちと一連の2者会談を行った。
  • 人権委員会は、コンセンサスで採択した決議において、開発への権利が基本的人権にとって不可欠であることを再認識するとともに、すべての国連加盟各国に対して、国内的および国際的努力を通じた開発課題の推進において具体的な措置を講じるよう求めた。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、タリバンが、国連に対して、治安の確保を約束したことを受け、12日、国際職員がアフガニスタンのカンダハールに復帰し、同国南部における救済活動を再開した。
  • クシュネル・コソボ担当事務総長特別代表は、諸外国からのコソボ難民帰還について、自身の考えや提案を盛り込んだ公開書簡を発表した。難民受け入れ国に対し謝意を表するとともに、秩序ある人道的な段階的帰還を求めた。(今春までの難民受け入れに同意していたドイツやスイスなどの国々は、国連との合意の下に、すでにコソボ難民の帰還を始めている。)
  • 最近、サラエボの地雷埋設地域において、子ども3人が地雷爆発により死亡する事件が起こったが、これを受け、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)は本日、新たな地雷啓発活動の開始を発表した。同国の人々が地雷埋設地域に指定されていない場所で地雷を発見した場合、地元警察への情報を提供するよう求めるともに、地元警察官らが地方の学校で地雷啓発授業を実施できるようにするため、これら警察官に訓練を施していく。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)によれば、東ティモールにおける保健衛生サービスに関して、国際専門家チームによる評価ミッションが終了し、同サービス回復のための3年間事業計画(4,000万ドル規模)が作成された。

2000年4月12日

  • アナン事務総長は、本日開幕した初の「南サミット」において演説し、このサミットが、国連ミレニアムサミットの5ヶ月前に開催されたことについて、これ以上ふさわしい時期の開催はない、と強調した。また、アナン事務総長は、9月に聞かれる南の声が、単に大きいばかりでなく、明確かつ一貫性をもち、建設的であることを確実なものにするよう、各国指導者に促した。
  • 安保理議長の報道声明によれば、安保理メンバー各国は、コンゴ民主共和国を訪問し、同地域に平和をもたらす方策に関して、ルサカ和平合意の署名国と議論することに合意した。
  • アンゴラ情勢に関する事務総長報告が発表された。この報告のなかで、事務総長は、特にナミビアおよびザンビアとの国境地帯において、治安状況が引き続き悪化し、すでに厳しい人道状況をさらに困難なものにしている、と指摘した。
  • このたび西サハラ訪問を終えたジェームズ・ベーカー事務総長個人特使は、西サハラの解決案が、当事者間の非常に困難な相違点により行き詰まっている、と述べた。本日、マドリッドで記者団に語った。
  • 「アフリカの角」の干ばつに関する事務総長特使(バーティーニWFP事務局長)は、エチオピアのゴデを皮切りに、「アフリカの角」地域訪問を開始した。ゴデにおいては、130万の人々が干ばつの危機による影響を受けている。
  • 来週月曜日、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)は、コソボにおける集団埋葬地の遺体発掘作業を4月18日から再開する。ICTY検察官室のスポークスマンによれば、来週、ICTYの犯罪法医学者チーム(15‐20人)は、「おそらく3箇所」で作業を開始し、5月上旬には、これに国際的な法医学者チームが加わる予定。今後4ヶ月の間に、300箇所程度の埋葬地の発掘が行われることになる。
  • コソボ暫定協議会(KTC)に、3人のセルビア人代表がオブザーバーとして戻ってきた。KTCはこれを歓迎した。Randel Nojkic氏、Dragan Velic氏、Rada Trajkovic氏の3人は、6ヶ月の間、KTCへの参加を拒んできたが、今月上旬、Gracanicaのセルビア国民協議会による合同暫定行政機構への参加決定を受けて、再び参加する運びとなった。
  • 今週、東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、米国国際開発庁(USAID)が資金を拠出する、東ティモールの清掃プロジェクトに従事する労働者1,000人を雇用した。これらの人々は、6月末までの雇用期間中に、道路、下水道、市場などの清掃を行う。給与は、1ヶ月当たり約77ドルから100ドル。今年2月以降、こうした暫定雇用プロジェクトにより、東ティモール全土において、約6,000人の短期雇用を確保した。
  • ロビンソン人権高等弁務官、人権委員会で演説。貧困と人権の享受の関連性は明確かつ強固であるとし、人権委員会に対して、基本的人権の尊重を組み込んだ貧困緩和戦略を講じるよう促した。
  • 昨日、人権委員会に対して、国別の人権侵害状況に関するいくつかの決議案が提出された。米国は、中国における人権侵害状況に懸念を表明する決議案を提出。ポルトガルはEUを代表し、チェチェンに関する決議案を提出した。その他、コンゴ民主共和国、イラン、南レバノンおよびベッカー高原、イラク、アフガニスタン、赤道ギニア、ブルンジ、ルワンダ、ミャンマー、シエラレオネ、キューバ、ユーゴスラビア連邦共和国、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの人権侵害状況に関して、それぞれ決議案が提出された。本日が、国別の人権侵害状況に関する決議案提出の最終期限日。18日には、これら決議案について、投票が行われる。
  • 平和維持兵力提供国に関する最新月間報告によれば、現在、国連平和維持活動要員の数は、1995年12月以来最大規模となっている。3月31日現在、15件の平和維持活動と3件の政治ミッションに配属されている要員は、軍人、文民警察、監視員をあわせて、2万9,286人(軍人2万2,211人、警察官5,712人、監視員1,363人)である。最も要員数の多いのが、国連東ティモール暫定行政機構(UNATET)で、8,475人。その次に多いのが、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)で、7,485人である。なお1994年9月時点では、国連平和維持活動要員総数は、7万8,111人に及んでいた。
  • 昨日、ユニセフ事務局次長Kul Gautam氏は「栄養実態調査および21世紀の課題に関するシンポジウム」で演説し、子ども(誕生前から2歳まで)の成長をモニターすることが、各国の人間開発努力の成否を測る基準となるべきである、と述べた。

2000年4月11日

  • アナン事務総長、「南サミット」出席のため、キューバ訪問。本日、同国のカストロ大統領と会談した他、ハバナ大学で講演した。この講演において、事務総長は、サミットの主要テーマであるグローバリゼーションの影響の問題に焦点をあて、「グローバリゼーションが世界のすべての人々にとって、肯定的かつ公正な勢力となるようにしなければならない」と述べた。
  • 「アフリカの角」地域の干ばつに関する事務総長特使(バーティーニWFP事務局長)は、この地域の4ヶ国(エチオピア、ジブチ、エリトリア、ケニア)を視察するため、本日、ローマを出発した。同地域においては、現在、干ばつおよび不安定な情勢によって、1,600万近い人々が飢餓寸前の状態にある。
  • 4月8日、コンゴ民主共和国において、ルサカ合意の下に設置された政治委員会が、非武装地帯創設および完全停戦について合意したが、昨日、アナン事務総長は報道声明において、この合意が和平プロセスに向けた重要な一歩である、と歓迎する旨を表明した。
  • コソボ暫定行政協議会(IAC)に、セルビア人のメンバーが初参加。IACは、これを歓迎した。このセルビア人メンバー、Rada Trajkovic博士は今月上旬、Gracanicaのセルビア国民協議会により、IACで3ヶ月間オブザーバーを務めるよう任命されていた。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、東西ティモール境界地域におけるUNTAETとインドネシア国軍の活動協力に関して、インドネシア政府との合意に署名した。
  • 先週、チェチェンへ帰還する避難民の数が急増した(毎日500人以上)。UNHCRによれば、3月26日にロシア大統領選が実施されて以降、避難民5,000人以上がチェチェンに帰還した一方、イングーシェチアに新たに到着した避難民は1人もいなかった。
  • 西サハラ担当事務総長個人特使のジェームズ・ベーカー氏は、西サハラ地域訪問を終了した。同地域訪問中、ベーカー氏は、国連解決案をめぐる関係当事者の意見の対立を乗り越えるべく、アルジェリア首相、モロッコ国王、ポリサリオ議長らと一連の高級会談を行った。
  • 先週末、UNHCRは、イランにいるアフガニスタン難民69人の故郷への帰還を支援した。今年2月、UNHCRとイランがアフガニスタン難民帰還に関して合意、署名していたが、今回、初の組織的帰還となった。
  • このたび、マダガスカルにおいて、約30万以上の人々がサイクロンHudahにより被災したことを受け、国連は、緊急人道援助のため、1,570万ドルの資金拠出を求めるアピールを発した。
  • オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと紛争担当)は人権委員会で演説し、国際社会が、現在進行中の全紛争の当事者に対して、子どもを救うため、毎年の停戦週間の遵守を求めるよう提案した。
  • アフリカ環境閣僚会議(AMCEN)が、4月3日から6日まで、ナイジェリアの首都アブジャで開催された。会議の終わりには、「政策、制度、プログラムの変化に関するアブジャ宣言」が採択され、アフリカにおける新しい環境政策とプログラムにおけるAMCENの役割を強調し、その努力の再活性化をはかることを約束した。
  • 有害廃棄物の越境移動に関するバーゼル条約事務局長代理Per Bakken氏は、太平洋諸国がバーゼル条約に署名し、その環境を保護するよう促した。同条約は1992年に発効し、現在の締約国は134カ国である。
  • このたび、韓国と朝鮮民主主義人民共和国が首脳会談の開催(6月12‐14日)に合意したことについて、アナン事務総長は歓迎の意を示した。
  • 国連イラク・プログラム部の週間報告によれば、4月1日から7日までに、イラクは石油860万バレルを輸出し、1億7,300万ドルの収益をあげた。第7期石油食糧交換プログラムの下、これまでの石油総輸出量は1億9,690万バレル、総収益は、47億5,400万ドルである。

2000年4月10日

  • 史上初の「南サミット」が、キューバで開幕(14日まで)。アナン事務総長は、キューバに向かう飛行機に搭乗する前、マドリッド空港で、記者団に対して、同サミットでの各国元首による建設的討論に期待を表明した。同サミットにおいては、グループ77のメンバーである開発途上各国の首脳が一堂に会し、グローバリゼーション、知識、技術、南南協力、南北関係に焦点を当て討議し、宣言や行動計画を採択する予定。なお、グループ77は1964年6月15日、第1回国連貿易開発会議で、開発途上国が共同声明を採択した際に、発足した。現在では、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ・カリブ地域の133の開発途上国で構成する。2000年の議長国はナイジェリアである。
  • 先週土曜日夜、シエラレオネ西部のケネマにおいて、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)のガーナ部隊本部が何者かによって銃撃され、ガーナ部隊も応戦した。負傷者はでなかった。シエラレオネにおいて、平和維持兵が銃撃されたのは初めて。
  • 犯罪防止・犯罪者の処遇に関する第10回国連会議、ウィーンで開始(17日まで)。組織犯罪の拡大などについて審議する。
  • FAOと、イタリア最大の乳業会社Parmalatは、世界の飢餓との闘いのため協力していくことに合意した。この合意の下、Parmalatは、今後3年間で、FAOの啓発活動などに対して、150万ドルを拠出する。
  • 総会は、第5委員会の勧告に基づいて、一連の決議を採択し、コンゴ民主共和国や東ティモールなど主要な平和維持活動の経費を承認するとともに、分担金委員会が通常予算について各加盟国の支払い能力を決定すべく、12件の提案について審議・報告するよう求めた。
  • コソボにおいて、特に少数民族に対する暴力の拡大がみられる。UNMIKによれば、先週、10件の殺害事件が発生した。その前の週(3件)から急激に増えた。被害者は少数民族が多く、10人のうち、4人はセルビア人で、4人はロマ人であった。
  • 日曜日、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」の第11回締約国会議が、国連環境計画本部(ナイロビ)で開始した。

2000年4月7日

  • 安保理は議長声明において、タリバンがアフガニスタンの紛争を長期化させ、また同国の人道状況を悪化させていることを非難した。
  • 上記の議長声明発表前、安保理は、政治問題局のアジア太平洋担当部長代理ジョン・レニンガー氏からアフガニスタンの最新情勢についてのブリーフィングを受けた。同氏は、アフガニスタン紛争が始まってからすでに22年目に入ったが、いまだ解決の見込みはなく、人々が受ける苦しみはまったく減っていないと指摘した。
  • アナン事務総長、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世と会談。事務総長は、国連憲章(装本)と「ミレニアム報告」を法王に贈呈した。両者は、「ミレニアム報告」に盛られた考えを検討するとともに、この特別な年、世界の人々、特に、貧しい人々の状況の改善について具体的な成果が達成されるべきことを決意した。なお、この後、行政調整委員会のためにローマを訪問中の国連専門機関、基金、計画の長たちが、2人の会談に加わった。
  • アナン事務総長は、「アフリカの角における長期的食糧安全保障、農業開発および関連側面への国連の対応に関するタスク・フォース」の設立を発表した。本日、FAOが議長を務めるこのタスク・フォース第1回会合が開催された。同地域の度重なる干ばつの影響を緩和し、恒久的食糧安全保障を確保するための包括的戦略を練り、10月までに報告書を提出する予定。
  • 世界保健デー。今年のテーマは、「安全な血液は私からはじまる ‐‐血液は生命を救う(Safe Blood Starts with Me - Blood Saves Lives)」。安全な血液の供給の必要性を強調し、血液の不平等な分配と輸血治療に焦点を当てる。
  • 国連スポークスマンが本日発表したところによれば、コソボに展開するUNMIKの一般警察要員が、今後、要員派遣国からさらなる提供の申し出がない限り、当初承認された数(3,229人)よりも、270人から350人まで不足する可能性がある。昨日、国連本部で行われたUNMIKの文民警察官派遣国会合において、明らかになった。
  • アナン事務総長は、4月24日から5月4日まで、西アフリカ諸国の歴訪を予定。セネガル(4月24日)、ガンビア(28日)、ガボン(28日)、中央アフリカ共和国(30日)、カメルーン(5月1日)を訪れた後、スイス(5月3日)を経て、翌4日、ニューヨークに戻る。
  • 国連欧州経済委員会(ECE)は、東欧・中央アジアの移行諸国によるセンサス実施支援アピールを発した。ECEによれば、近年、移民や出生率、死亡率の変化により、劇的な人口動態が変容しているが、これが、これら移行諸国の多くの統計記録に反映されていない。
  • UNFPAは、このたびの国連財団からの総額950万ドルに及ぶ寄付金に対して、歓迎の意を表明した。この寄付金は、バングラデシュおよびホンジュラスの女性や女児の支援、モザンビークおよびジンバブエのエイズ予防のために使われる。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所において、ボスニア・ヘルツェゴビナの元セルビア人共和国議会議長Momcilo Krajisnik氏は、ジェノサイド、人道に対する罪など9つの犯罪容疑について、無罪を主張した。同氏は、2月に同裁判所の主任検察官から起訴され、4月3日にSFORに拘束された。
  • エリトリア難民16万人のスーダンからの帰還計画について、UNHCRは、今朝、ジュネーブで、エリトリアとスーダンの間の合意を締結した。この3者間合意は、帰還のための法的枠組みを規定するととに、故郷に帰る一人一人の権利、帰還の自発的性格を認識している。
  • 昨日、カナダが新しい移民法案を議会に提出したことについて、UNHCRは本日、歓迎の意を示した。「現在、多くの国が難民に対して抑圧的な措置を講じるなか、その難民受け入れ体制を公正かつ能率的なものにしようとするカナダ政府の努力を歓迎する」と述べた。

2000年4月6日

  • 行政調整委員会(ACC)、ローマのWFP本部で開催。アナン事務総長が議長を務めた。この会合において、国連の専門機関、基金、プログラムを率いる長たちは、事務総長がこのたび発表した「ミレニアム報告」に対して、強い支持を表明した。
  • このたび、安保理は、国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)の継続を求めるアナン事務総長の勧告に合意した。事務総長に宛てた書簡において、安保理議長を務めるRobert Fowler(カナダ国連大使)は、10月6日までに、この問題について再度検討する、と述べた。UNIKOMは、1991年、イラク・クウェート国境沿いの非武装地帯監視のために、非武装監視団として設置された。その後、1993年、国境沿いで発生した一連の事件を受け、同地帯における暴力事件を防止するために、物理的行動を講じることができるよう、その任務が拡大した。
  • 水曜日、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)とインドネシア政府は、東ティモールの司法および人権問題に関して、相互協力を図っていくことに合意した。これについて、アナン事務総長は、本日発表した声明において、歓迎の意を示した。
  • UNHCRによれば、西ティモールの難民キャンプにおいて、基礎的サービスが悪化し、食糧配給が散発的にしか行われていない状況にもかかわらず、今週、西ティモールから東ティモールに帰還する難民の数が急減した。
  • WHOによれば、治療薬に耐性を有する結核菌が、旧ソ連などにおいて急増している。通常6ヶ月以上かかる治療が不完全に行われたり、不適切な薬品が処方されたりした場合、こうした耐性を有する結核菌が繁殖することになる。
  • 今週火曜日、旧ユーゴ国際刑事裁判所の予審部は、ボスニアのセルビア人容疑者2人Miroslav Tadic氏とSimo Zaric氏の仮釈放を決定したが、水曜日、主任検察官のCarla del Ponte氏は同裁判所に対して、この決定に対する不服申立てを行うことを通告した。
  • 北アフリカの穀物収穫が、2年連続で干ばつの影響に脅かされている、とFAOが警鐘。
  • 国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)は5月31日-6月1日、ニューヨークで「国連とビジネス - 新世紀のためのパートナーシップ」と題する高級会議を開催する。同機関のヘルムケ事務局長は本日、国連本部で記者ブリーフィングを行い、国連と民間セクターの間に真のパートナーシップを築くことがこの会議の目的である、と述べた。

2000年4月5日

  • アナン事務総長、イタリア訪問初日。首相、外相らと会談したほか、国会で演説を行い、「ミレニアム報告書」の主要テーマのひとつである貧困緩和の重要性を強調した。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、人権委員会に対して、チェチェン情勢について説明するとともに、同地における人権侵害の疑いを調査するために、ロシアが国内調査委員会を設置することを求める勧告を再度表明した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、今後、UNTAET各部局の副局長や各地区を担当する副行政官に、東ティモールの人々を任命することを決定した。また、東ティモールの各地区に対して諮問協議会(District Advisory Councils)を設置し、国連職員と東ティモール各地区代表者との意見交換の場を提供することを決定した。(UNTAET発表)
  • アナン事務総長は、「アフリカの角」に対する食糧支援について、国際社会による援助の拡大を求めた。ローマで記者団に対して、語った。
  • アナン事務総長は、総会議長への書簡において、3月16日に任期を開始した国際ハイチ文民ミッション(MICAH)の信託基金への拠出が全くなされておらず、自発的拠出金で賄われることになっている人権や法・秩序関連の活動が遂行できない、と指摘した。
  • 昨日、安保理は、4月28―29日、同理事会がコソボを訪問し、UNMIKの活動を視察する予定を確認した。安保理は、先週、クシュネル事務総長特別代表のアピールを受けて、この訪問計画に合意していた。
  • デメロ東ティモール事務総長特別代表は、ディリで記者団に対して、東ティモールにおける国連の再建・平和建設活動の進展状況について説明した。特別代表は、過去2ヶ月の間に、東ティモール西部の各地区における暴力事件が減少し、また全般的に緊張が緩和したことに言及し、同地の治安情勢が現在、静穏かつ十分管理された状態にある、と述べた。
  • ラーセン国連中東和平プロセス調整官は、昨日ジュネーブで行われたアナン事務総長とイスラエル外相との会談について、レバノンのラフード大統領に説明した。ラフード氏は、ラーセン調整官に、アナン事務総長に宛てた書簡をあずけた。
  • 拷問に関する特別報告者(Sir Nigel Rodley)は、人権委員会において、カメルーン、東ティモール、ケニア、ルーマニアの視察訪問など、過去1年間に行った活動について説明した。
  • 先週、保健衛生の専門家たちは、アフリカのエイズ感染者が肺炎などの病気にかからないよう予防するため、抗菌剤コトリマキサゾールの使用を勧告した。本日、国連エイズ合同計画(UNAIDS)およびWHOはジュネーブで声明を発表し、この勧告を歓迎した。
  • ユニセフ事務局長は、2.5キロ未満で生まれてくる未熟児の問題について、国際社会が10年前の子どもサミットで、2000年までにその割合を10%以下にまで減らすと約束したにもかかわらず、これまで、ほとんど取り組みが行われていない、と述べた。
  • ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)は「公平、開発、市民権(Equity, Development and Citizenship)」と題する報告書を発表した。そのなかで、ラテンアメリカ地域は、過去半世紀において、最も低いインフレ率を記録し、またその経済も再活性化したことから、今後は、公平や市民権を強調し、より一層統合した開発の視点に移行していくべきである、と述べた。この報告書は、4月3日から7日まで開催されるECLAC第28会期に提出され、各国政府によって討議される。
  • 人道援助調整部(OCHA)によれば、ボリビア南部において、約7,000人が、3月の大雨が誘発した洪水や土砂崩れによって深刻な影響を受けている。
  • このたび、タリバンは、アフガニスタンのナンガハ-ル地域のケシ栽培農園160ヘクタールを破壊した。これについて、国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)のアルラッキ事務局長は本日、歓迎の意を表明した。

2000年4月4日

  • アナン事務総長は人権委員会(ジュネーブ)で演説し、人権に関して、まだ多くの仕事が残っていると指摘した。
  • ロビンソン人権高等弁務官、チェチェンの人権状況視察を終了。弁務官は、ロシアが、チェチェンにおける「詳細に記録された深刻な」人権侵害の疑いについて調査するための独立した国内委員会をつくるよう促した。
  • ハイチにおいて暴力が拡大するなか、月曜日には同国大統領の特別顧問Jean Leopold Dominique氏が銃で撃たれ死亡した。同国におけるこうした暴力の拡大について、アナン事務総長は本日、非難声明を発表した。
  • 先週末、元インドネシア軍兵士60人以上(これまでで最大規模)が西ティモールから東ティモールに帰還した。
  • イスラエルのレビ外相は、アナン事務総長との会談において、同国が7月末までに、レバノン南部から、「一斉」かつ無条件に撤退すると再確認した。アナン事務総長はこの確約を歓迎する意を表明した。
  • 国連開発計画(UNDP)、「2000年貧困報告」を発表。報告書の題名は、「人々の貧困を克服するために(Overcoming Human Poverty)」。世界のほとんどの国は、それぞれの社会で貧困を削減するために十分な対策を講じていない、と述べた。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ担当事務総長特別代表Jacques Paul Klein氏は、行方不明者のための国際委員会(ICMP)で演説し、旧ユーゴスラビアにおける行方不明者の問題は、同地域の和解と永続的平和を実現するための鍵である、と述べた。
  • このたび、コソボにおいて、Gracanicaのセルビア国民協議会がオブザーバーとして、暫定行政協議会およびコソボ暫定協議会に参加することを決定したが、これについて、本日、アナン事務総長は、歓迎の意を表明した。
  • 先週、ドイツにおいて亡命を拒否されイギリスに逃れたスリランカ人に関して、欧州人権裁判所は判決を下し、亡命を希望する者を迫害のおそれのある状況へ強制追放することは、その迫害者が政府であろうと、何であろうと、欧州人権条約に違反する、とした。この判決について、UNHCRは本日、歓迎の意を表明した。
  • アナン事務総長は、アフリカ・欧州サミット(4月3‐4日、カイロ)に対するメッセージにおいて、アフリカと欧州の双方の指導者が、より強い連帯をつくるために、平等の意識をもって、活動していくよう呼びかけた。イブラヒマ・フォール政治問題担当事務次長補が、このメッセージを代読した。
  • ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、ボツワナ、ガーナ、タンザニア、ウガンダのアフリカ4カ国の若者をエイズから守るための活動に対して、5,700万ドルを寄付した(UNFPA発表)。これについて、アナン事務総長は、歓迎の意を表した。
  • このたび、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の事務局長に、Hak Su Kim氏(韓国)が任命された。6月30日で任期が切れるAdrianus Mooy(インドネシア)の後任。またミャンマー担当事務総長特使に、Razali Ismail(マレーシア)が任命された。Ismail氏は、第51回総会において、議長を務めた。
  • 人道問題調整部(OCHA)の発表したところによれば、アフガニスタン南部において、引き続く干ばつによる水不足の事態が発生する可能性がある。
  • イラク・プログラム部によれば、先週、イラクは石油650万バレルを輸出し、推計1億5,550万ドルの収入を得た。第7期イラク石油食糧交換プログラムは昨年12月11日に開始したが、これまでの収益総額は約46億2,100万ドルである。

2000年4月3日

  • アナン事務総長、「ミレニアム報告書」(“We the Peoples: the Role of the United Nations in the 21st Century”)を総会に提出。今朝、事務総長は、総会本会議で演説し、「私はこの報告書の題名に『我ら、人々』という言葉を選んだが、私たちの機関がこのテーマの下に創設されたことを忘れないようにしよう」と述べた。「私たちは、世界の人々の奉仕者であり、それら人々の声に耳を傾けなければならない。世界の人々は、私たちのこれまでの成果が十分ではないと言っている。私たちがより多くのことを、より良く行わなければならないと言っているのである」
  • 上記のミレニアム報告書は、世界各国の首脳に対して、グローバリゼーションの利益がすべての人々に広く行きわたるようにすることを求め、貧困や疾病に取り組むための実際的な提案など、数多くの具体的目標や行動計画を盛り込んだ。また同報告書は、世界が直面する課題を、欠乏からの解放、恐怖からの解放、環境破壊からの将来の世代の解放という3つに分類し、それぞれについて提案を行っている。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)、世界銀行、国連開発計画(UNDP)は、東ティモールの中心都市ディリの極貧地区における雇用創出プロジェクトに対して、49万9,000ドルの助成金を提供することに合意・署名した。
  • FAOが、「サハラ以南地域の食糧供給事情および収穫予測」と題する報告書を発表。サハラ以南地域16カ国が、内戦や悪天候の影響により食糧危機に直面していることを指摘し、今後数ヶ月以内に、数百万の人々に対する大規模な国際支援を行うよう求めた。
  • コソボのGracanicaのセルビア国民協議会はこのたび、共同暫定行政機構(JIAS)に3ヶ月間、オブザーバーとして参加することを決定したが、これについて、クシュネル・コソボ事務総長特別代表は昨日、歓迎の意を表明した。
  • 国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)に関連する最近の動きについて、事務総長報告書が発表された。対象期間は、1999年9月から今年3月まで。報告書は、イラク・クウェート国境について、全般的に静穏な状態が続いている、と述べた。
  • 月曜日、ボスニア・ヘルツェゴビナにおいて、1991年10月から1995年11月まで同国セルビア人共和国議会で議長を務めていたMomcilo Krajisnik氏が、NATO率いる平和安定化部隊(SFOR)によって逮捕された。これまでに旧ユーゴ国際刑事裁判所が起訴し、逮捕した者なかで、同氏の政治的地位は最も高い。本日、この逮捕について、旧ユーゴ国際刑事裁判所の主任検察官は声明を発表し、歓迎の意を表明した。
  • このたび、ルワンダ国際刑事裁判所において、先月、米国から引渡された安息日再臨派教団・元牧師Elizaphan Ntakirutimana氏の初公判が行われた。同氏は、公判において、ジェノサイドなどの容疑について、自らの無罪を主張した。
  • 国際民間航空機関(ICAO)は、1999年の航空事故等に関する中間報告を発表した。それによれば、航空事故による死傷者数は、1998年には900人以上を数えたが、昨年には492人に減った。
  • 日本の小渕首相が脳梗塞で突然倒れたことを受け、今朝、アナン事務総長は、深い憂慮を表明するとともに、小渕氏の早い回復を希望した。

2000年3月31日

  • 安保理は1293決議を全会一致で採択し、石油食糧交換プログラムの下、イラクの石油産業の悪化する状況に鑑みて、同国が国内石油施設関連部品の購入に使用できる金額の上限を6億ドルに上方修正した。同プログラムは、1996年12月に開始してから、6カ月毎に更新されてきた。現在、第7期(昨年12月11日より)に入っているが、これまでは、各期間中に使用できる金額の上限は3億ドルと定められてきた。
  • 3月の安保理議長、バングラデシュ国連大使Anwarul Karim Chowdhury氏は国連本部で記者会見し、現在、安保理において、ミレニアム・サミット(9月)の時期に合わせて、安保理サミットを開催する可能性が議論されていることを明らかにした。
  • 現在、緊急援助調整次官ロス・マウンテン氏は、コンゴ民主共和国に入り、その人道状況調査を行っている。マウンテン氏が本日述べたところによると、同国東部においては、50万を超える人々が避難民となり、また同地域を制圧しようと対立勢力間の戦闘が依然続いており、その人道状況は実に悲惨である。
  • 昨夜、シエラレオネ北部において、国連平和維持兵たちが、240人の反政府勢力戦闘員の武装解除を行った。武装解除の規模としては、同国で今日までに行ったもののうちで最大である。また、同日朝には、やはり同国北部で60人の戦闘員の武装解除が行われ、反政府勢力戦闘員たちは、ライフル銃、ロケット弾、マシンガンなどの武器を引き渡した。
  • UNHCRによれば、インドネシア政府は、西ティモールにいる東ティモール難民の帰還の期限を当初の3月31日から、3ヶ月間延長した。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)によれば、現在までに、コソボの自治体30のうち22において、地方行政の諮問機関の役割を果たす自治体協議会が設置された。
  • B規約人権委員会、年次会期を終了。同委員会は、今会期中、コンゴ共和国、モンゴル、ガイアナ、ジャージー島、ガーンジー、マン島の報告書について検討した。また3週間に及ぶ会期において、人権B規約第3条に関するジェネラル・コメントを採択した。
  • B規約人権委員会の議長Cecilia Medina Quiroga氏(チリ)は国連本部で記者会見し、人権委が木曜日、B規約第3条に関して、ジェネラル・コメントという形で採択した、新ガイドラインが、監督的立場にある全機関においてジェンダーの視点を中心に据えるという国連の目標の実現に向けた画期的な一歩である、と述べた。
  • “UN Offshore Forum Plenary”(3月30日、31日、ケイマン諸島)において、国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)のアルラッキ事務局長は、海外の金融機関が、資金洗浄との闘いに対して既存の規制や政治的意思を適用していない場合が多すぎる、と述べた。
  • モザンビークにおいて、最近の洪水により多くの地雷の埋設場所が移動したことから、国連は、同国政府を支援し、緊急に地雷除去に取り組む担当機関をつくった。
  • ルワンダ国際刑事裁判所上訴審部は、Jean-Bosco Barayagwiza被告の釈放を命じた前回の決定を破棄した。

2000年3月30日

  • 来週月曜日、アナン事務総長は、「ミレニアム報告書」を総会に提出する。21世紀における国連の役割について、自らの考えを述べたこの報告書は、ミレニアム・サミット(9月6‐8日)のために作成された。この報告書の題名は、“We the Peoples: The Role of the United Nations in the 21st Century”。
  • 安保理理事国を務める15カ国の国連大使が、ワシントンを訪問。今朝、これら大使はオルブライト米国国務長官およびピカリング国務次官と会談した。
  • ソマリアのキズマヨ空港において、ユニセフ職員3人が乗った国連機が、離陸時、何者かによる銃撃を受けた。負傷者はでなかったが、これにより、しばらくの間、空中および陸上双方において、同地域の国連活動がすべて、中断することになった。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は、シエラレオネ北部のカバラ近郊で、過去10日間にわたり、他の反政府勢力との戦闘を続けていた60人の反政府勢力戦士の武装解除を行った。
  • WFPは、「大アフリカの角(Greater Horn of Africa)」地域の干ばつによって、1,200万人以上に対する緊急食糧援助が必要となる可能性がある、と警告を発した。なお、WFPが発表したところによると、バーティーニWFP事務局長はこのたび、アナン事務総長により、同地域の特使に任命された。同事務局長は、来週、ローマで事務総長との会談を終えた後、4月中に、エチオピア、ジブチ、ケニア、エリトリアを訪問する予定。
  • デメロ東ティモール事務総長特別代表はジャカルタで、ワヒド・インドネシア大統領と会談し、ティモール島の境界線関連問題の解決をはかる法的合意について話し合った。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は声明を発表し、ロシア連邦の北カフカス地域にみられる現在の危機が子どもに及ぼす影響について深い懸念を表した。
  • 人権委員会は現在、世界各地の人権状況について、専門家からの意見聴取を継続中。今朝は、人権委員会が任命した赤道ギニア担当特別代表Gustavo Gallon氏およびルワンダ担当特別代表Michel Moussalli氏がそれぞれの国の人権状況について報告。昨日は、アフガニスタン、コンゴ民主共和国、イラク、ブルンジを担当するそれぞれの特別報告者が、これらの国々の諸問題について報告した。
  • 本日終了した「南東欧州のための地域的資金拠出会議」(ブリュッセル、会期2日間)において、23億ドルの資金拠出誓約がなされた。この資金は、コソボに関係するプロジェクトにも投入される。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は、ユーゴスラビアのパスポートを持たないコソボ住民に対して、出入国許可証の発行を認める規則に署名した。最初の許可証は、6月までに発行される予定。

2000年3月29日

  • ギニアビサウ最新情勢について、プレンダーガスト政治問題担当事務次長が安保理にブリーフィングを行った。この後、安保理は議長声明を発表し、同国の新政権に対する支援を表明するとともに、新政権が和平および国民和解を強化するためのプログラムを開発・実施するよう奨励した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、パプアニューギニアとブーゲンビル双方の指導者が、ロロアタ合意に署名したことを歓迎するとともに、両当事者の和平プロセスに対する支援を再度表明した。議長声明は、「安保理メンバー国は、ブーゲンビルに関する諸問題の平和的解決をリンカン協定に沿って図るうえで、この合意が重要な一歩であると考えた」と述べた。
  • アフガニスタンのカンダハールにおいて、国連事務所敷地内へのタリバンの侵入事件が相次いだことから、WFP、UNHCRなどの各事務所に勤務する国際職員5人全員が同地から撤収し、同国南部における活動を停止することになった(国連アフガニスタン調整官事務所発表)。
  • 明日、安保理理事国15カ国を代表する国連大使がワシントンを訪問する。これら大使は、ホワイトハウスを訪れ、米国上院および国務省において一連の会談を行う予定。各理事国の国連大使が個人の資格で参加するこの訪問は、オルブライト米国務長官、ジェシー・ヘルムズおよびジョセフ・バイデン両米上院議員の招待を受けて行われるもの。
  • 国連グルジア監視団(UNOMIG)は、グルジアとアブハジア間の捕虜交換を成功裏に終えた。国連のヘリコプター2機を使い、グルジア側からは4人のアブハジア人、アブハジア側からは8人のグルジア人(男性7人、女性1人)の捕虜を、それぞれの側から同時に相手側に届くよう輸送した。
  • アナン事務総長は声明を発表し、新しくロシア大統領に選出されたプーチン氏に祝福の言葉を送るとともに、同氏のリーダーシップの下、ロシア連邦の国連支援が今後も継続し、強化することに対する信頼の念を示した。
  • インドネシアが、西ティモールに残る東ティモール難民に対する援助を今月いっぱいで打ち切ろうとしていることについて、本日、UNHCRはジュネーブで声明を発表し、あまりに早い支援の打ち切りは、難民の福祉、帰還計画にマイナスの影響を与え、危機の解決を遅らせてしまう、と懸念を表明した。
  • 国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)は、資金洗浄と闘うための国際努力に関するフォーラムを、30日と31日の両日、ケイマン諸島で開催する。
  • ILO管理理事会は、その設立以来初めて、ILO憲章第33条を行使し、ミャンマーの強制労働に関連して、6月に開催される国際労働会議が加盟諸国に対して、同国との関係の見なおしを求めるよう勧告した。

2000年3月28日

  • アナン事務総長は、イラク人道調整官に、現在WFPに勤務するTun Myat氏(ミャンマー)を任命した。最近辞任したHans von Sponeck(ドイツ)の後任者となる。人道調整官の任務は、1997年に設置されたイラク・プログラム部の活動の一部を構成する。
  • ミィエ平和維持活動担当事務次長は、最近、コンゴ民主共和国および大湖地域を訪問したが、本日、この訪問の内容について安保理に概要説明した。この後、安保理議長は報道声明を発表し、この会合において、安保理メンバーがルサカ和平合意違反に深刻な懸念を表明するとともに、全当事者に対して、敵対行為を即時停止し、停戦合意に対する自らのコミットメントを尊重するよう再度要求したことを明らかにした。
  • 昨日、シエラレオネに関する資金拠出誓約会議(ロンドン)において、カナダ、ドイツ、日本、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、英国、米国、アフリカ開発銀行、欧州委員会から、総額1億5,800万ドル以上の資金拠出誓約がなされた。本日発表された同会議議長による最終声明は、1999年7月のロメ和平合意の実施が、持続可能な開発の前提条件であり、またシエラレオネにおいて現在進行する平和建設プロセスが、私たちすべてにとってのテストケースである、と述べた。一方、安保理議長は報道声明を発表し、この誓約会議を歓迎するとともに、国際社会に対して、特に子ども兵士の問題に配慮しながら、軍縮プロセスを支援するよう求めた。
  • 安保理は、4月下旬、コソボに視察団を派遣する予定。コソボに関する国連決議の実施状況およびUNMIKの活動を評価し、解決困難な様々な問題をみる。3月6日、クシュネル事務総長特別代表が安保理にブリーフィングを行った際、この視察団の派遣を求めていた。
  • WFPは、ブルンジとマダガスカル両国の約40万の人々に対する食糧援助活動のため、国際社会に対して、資金拠出を要請するアピールを発信した。ブルンジとマダガスカルに対して、それぞれ、1,600万ドルと500万ドル。
  • インドネシアが西ティモールにいる難民に対する援助を今月末に停止すると発表してから、西ティモールから東ティモールへ帰還する難民が増えている。UNHCRによれば、帰還する難民の数は、昨年12月下旬から1月上旬にかけて、一時落ち込んでいたが、現在、平均400人の割合にまで増えた。月曜日には、500人が境界を越えて帰還、さらに今日、別の500人が海路を取り、西ティモールのKupangからディリに戻った。なお、昨年10月の帰還開始以来、本日までに、15万6,000人以上の難民が東ティモールに戻った。
  • 本日、ボスニア・ヘルツェゴビナとフィリピンにおける人身売買に対して、それぞれ、異なった形での取り組みが行われた。ボスニアに関しては、国連国際警察タスクフォースが監視するなか、売春、女性売買などを行っているとの疑いがあるサラエボのナイトクラブについて、現地警察による抜き打ち捜査・検挙が実施された。フィリピンに関しては、国連国際犯罪防止センターとフィリピン政府が、人身売買に関与する犯罪組織に対する法執行向上のための共同プロジェクトを開始した。
  • UNHCRによれば、チェチェンにおいて、ロシア軍による破壊活動や軍事攻撃が続いているとの報道がされるなか、チェチェン南部からの人々の流出が継続し、現在、その数は、一週間に約1,000人の割合となっている。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、パキスタンにいるアフガニスタン難民450人の帰還作業が開始した。今年初の大規模なアフガニスタン難民帰還であるが、同事務所は、現在、パキスタンとイラン両国にいる約260万人のアフガニスタン難民のうち、今年中に、20万人の難民が帰還するとの見通しを示した。
  • コソボ暫定行政協議会(AIC)は、コソボにおける全ての個人の権利と自由を促進・保護するため、オンブズパーソン事務所設立の決議案を承諾した。

2000年3月27日

  • 待機軍即応旅団(Standby Forces High Readiness Brigade=SHIRBRIG)のセミナーが、ニューヨークのロックフェラーセンターで開始した。アナン事務総長は演説において、国連平和維持活動の成功のためには、信頼性をもった抑止能力が重要である、と述べた。同セミナーには、「SHIRBRIG イニシアチブ」に関与する、オーストリア、カナダ、デンマーク、オランダ、ポーランドの国防大臣らが参加している。
  • フレシェット副事務総長は、シエラレオネに関するハイレベル資金拠出国会議(ロンドン)で演説し、国際社会がシエラレオネにおける努力を拡大し、その広範な努力の結実を確実なものとするよう求めた。
  • コナー管理担当事務次長は国連本部で記者会見し、1999年、破綻の危機にある国連財政に多少の改善がみられたが、今年、国連活動の経費が資源を上回れば、再び元の状態に戻ってしまう可能性がある、と再度警告を発した。
  • 国連イラク石油食糧交換プログラム部によれば、米国政府が、同プログラムの下、総額1億1,200万ドルにのぼる契約について、一時停止措置を解除した。
  • 国連およびカリブ共同体(CARICOM)の合同会合が、バハマで開始。アナン事務総長はメッセージを送り、国連の平和開発活動において、CARICOM等の地域機構が果たす役割の重要性を指摘した。
  • ギニアビサウに関する最新の事務総長報告が発表された。同報告において、事務総長は、ギニアビサウが、これまでのめざましい進展に力づけられながらも、今後大きな課題が待ちうけていることも承知しているとし、移行プロセスを成功裏に終えた同国が、現在岐路に立っている、と述べた。
  • オルブライト米国国務長官は、元ルワンダ人牧師Elizaphan Ntakirutimana氏を、ルワンダ国際刑事裁判所に移送することを承認した。同氏は、1994年ルワンダ大虐殺において果たした自身の役割について裁かれることになる。なお、同氏は、同裁判所の拘留者のなかで唯一の聖職者となり、また同裁判所が発行した逮捕状に基づいて、米国で逮捕された初の容疑者となる。
  • 人口開発委員会、開始。会期は今月31日まで。国際人口開発会議(カイロ)で採択された行動計画の実施をはかる措置に関する提案について検討する。
  • 煙草統制枠組み条約(FCTC)を採択に向けて、WHOは、同条約に関して公聴会を開催することを提案した。
  • 東ティモールのディリで、国連の支援の下に運営される警察訓練校の開校式典が行われた。最初の訓練生50人を対象に、3ヶ月の訓練が開始する。
  • モザンビークの農林水産業再建のために、国連食糧農業機関(FAO)が、新たに1,300万ドルの資金拠出を求めるアピールを発した。
  • 米国バスケットボール選手のブラデ・ディバッツさん(サクラメントキングス)が、「薬物と闘うスポーツのための親善大使(Goodwill Ambassador for Sports against Drugs)」に任命された。国連薬物統制計画(UNDCP)が全米バスケットボール協会(NBA)と協力し、製作したテレビ広告の中で、ディバッツさんは、薬物反対をうったえる。

2000年3月24日

  • イラクの人道状況に関する安保理公開会合開催。アナン事務総長は、この問題に関する最新の報告書を提示し、イラク石油食糧交換プログラムが同国民の窮状緩和に役立っていることは間違いないが、人々の基礎的ニーズの多くが満たされていない、と述べた。そして、何よりも、こうした人道状況により、国連が深刻な道徳的ジレンマに陥っている、と指摘し、「同国のこの状況に責任があるのは、フセイン大統領なのか、国連なのかを問う議論あるいはプロパガンダ戦争に、我々は、--まだ負けていないとしても--負ける危険がある」と述べた。
  • 「世界結核デー」。WHOおよび“International Union Against TB & Lung Disease”が共同発表した報告書は、薬物に耐性をもつ結核菌が世界じゅうで発見されている、と警戒を発した。特に中国、インド、イラン、モザンビーク、ロシアなどでは、現在、新たな結核症例の3%に、薬に耐性をもつ菌が発見されている。
  • 国連報道官が本日発表したところによれば、アナン事務総長は、4月上旬のイタリア訪問の際に、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世と会談する予定。またローマにおいて、事務総長は、イタリア政府高官と会談する他、国連行政調整委員会の議長を務める予定。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所上訴審部は、ボスニアのクロアチア収監施設長Zlatko Aleksovski氏の刑期を7年間に延長した。同氏は、予審部により、禁固2年半の判決を受けていたが、上訴審部は、これを同氏の罪の重大さに比較して軽すぎると判断した。同氏は、1993年、ボスニア中部のKaonik収監施設の責任者として、収監者たちに対する非人間的な処遇に関与した。
  • ルワンダ国際刑事裁判所において、元ルワンダ文化高等教育大臣Jean de Dieu Kamuhanda氏が、無罪を主張した。同氏は、1994年、Kigali-Rural州のGikomeroコミューンでのツチ族殺害に主導的役割を果たした容疑で、昨年フランスで逮捕され、今月アルーシャに移送された。
  • モザンビーク資金拠出国会議、ジュネーブで開催。モザンビーク緊急援助調整官Ross Mountain氏は、同国の緊急援助復興活動資金として、1億200万ドルを求めるアピール(先週発表)を提示。このなかで特に、軍事部隊の撤収後から一ヶ月間のWFP援助物資空輸に必要な資金1,000万ドルの重要性を強調した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、東ティモールの市民行政サービスおよび行政職員を監督するための公的サービス委員会を設置した。UNTAETの公的雇用局長Andrew Whitley氏はディリで記者会見し、UNTAETが今年、7,000人の職員を採用することになるだろう、との見通しを述べた。
  • 水曜日、クシュネル・コソボ事務総長特別代表はコソボ南西部の町、Djakovaを訪れ、地方議会および行方不明者協会のメンバーと会談。Djakovaでは、1年前から、1,000人から1,500人の人々が行方不明になっているが、特別代表は、これらの人々への支援を表明した。
  • チェコの首都プラハで、20人以上のチェチェン人が庇護を求めて、2日ほど前に、UNHCR事務所に侵入したが、現在、このうち2人を除く全員が依然として居座っている。
  • 国際労働機関(ILO)はジュネーブで、“Decent Work for Women: ILO's Contribution to Women 2000”と題するシンポジウムを開催した。世界の職場における男女格差をなくしていくために、国際社会がどうしたらよいかを探る。
  • 国連統合管理情報システム(IMIS)が、Smithsonian Institutionの情報プログラムによって、本年度のコンピューター技術利用における最も顕著な業績のひとつと認められた。IMISは、国連行政活動の中心的役割を担い、予算執行、150以上の通貨を使った職員給与管理などを行っている。

2000年3月23日

  • 安保理は、DDRにおける国連平和維持活動の役割に関して、公開討議を行なった。{DDRとは、軍縮(disarmament)・動員解除(demobilization)・元兵士の再統合(reintegration)の3つ}約30カ国の代表がそれぞれの意見を表明した。討議の終わりに採択された安保理議長声明は、和平プロセスに関与する当事者の政治的コミットメントが、DDRプログラムの成功の前提条件である、と強調した。
  • コナー管理担当事務次長は、総会第5委員会において、1999年度末の国連財政状況について演説した。事務次長が述べたところによれば、それまで数年間、破綻の瀬戸際にあった国連の財政状況は一歩改善し、即時使用可能な手元資金が11億ドル(1998年末は、7億3,600万ドル)に増加する一方、滞納金は17億6,000万ドル(1998年末は、20億ドル)に減少した。
  • ロシア連邦と米国は国連本部で共同声明を発表し、両国が国連における協力を拡大し、国連改革を支援する実際的な方法について広範な合意を促進する、と述べた。
  • 水曜日、国連平和維持活動に関するハイレベル専門家委員会が、発足会合を終了。この委員会は、先月前半にアナン事務総長によって設置されたもので、どうしたら国連が多面的な平和活動の有効性を向上させることができるかについて、「明確な一連の勧告」を行うことをめざす。
  • イラク武器検査監視のために安保理が決定した新たなプランに関連して、アナン事務総長は、イラク担当事務総長特別代表によるイラク滞在の必要性はない、と考えている。事務総長と特別代表の会談に関して、その内容を問う記者団に対して、国連報道官が答えた。(昨年8月、事務総長は、特別代表のPrakash Shah氏がバグダッドに滞在する必要性はないと決定し、以来、同代表はインドを拠点とし、必要に応じて、イラクを訪問している)
  • 人権委員会が、人種主義に関する討論を開始。人種主義を扱う特別報告者Maurice Glele-Ahanhazo氏は演説し、来年の人種主義に反対する世界会議が近づいているなかでさえも、排外主義、人種主義、宗教的不寛容の高まりがみられる、と述べた。同氏はまた、オーストリアにおける自由党の台頭、スペイン南部におけるモロッコ移民労働者に対する攻撃、ニューヨーク警察官によるギニア移民Amadou Dialloの殺害事件に言及した。
  • UNTAETが発表したところによると、東ティモールで1998‐1999年、小学校に通学していた子どもたちの92%が、再び学校教育を受けはじめている。現在、生徒数は、14万7,000人以上、教師数は6,400人。また、学校数(ユニセフ登録)は、686校である。
  • 国連財団は、HIV/AIDS予防プログラムなど、女性の健康に焦点を当てた11件の国連プログラムに対して、1,700万ドルを超える金額を寄付する、と発表した。同財団による国連プロジェクトへの寄付は今回で6回目となる。これまでの寄付総額は、2億3,700万ドルであり、その主な対象内容は、子どもの健康(1億900万ドル)、女性・人口(5,700万ドル)、平和・安全保障・人権(2,900万ドル)など。
  • 世界食糧計画(WFP)は、今後2年間にわたり、5,000万ドルを支出し、ウガンダ北部の数十万の人々に対して、食糧援助活動を行っていく、と発表した。WFPによれば、現在、同国北部で活動する反政府グループの暴力的攻撃が継続し、数万の人々が自らの家を捨て、避難民キャンプに逃れている。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は、健康、人権、貧困に関連する問題のなかで、結核はこの時代で最もないがしろにされてきた問題のひとつであるとした。そして、協調努力のみが、毎年、子どもたち25万人を含め、200万人の命を奪っている疾病を克服できる、と述べた。(水曜日には、アムステルダムで、「結核および持続可能な開発に関する閣僚会議」が開始している)
  • 経済社会理事会は、情報技術(IT)に関するハイレベル会合(7月)に向けて、インターネットの経済社会開発に及ぼす影響に関する包括的見直しを開始した。この見直しの初期作業として、今朝、専門家パネルが開かれ、1990年代に企業で盛んに唱えられ、その後、地球的開発の分野にも適用されるようになった「知識管理(knowledge management)」という方法論について討議した。
  • テニス選手のマルティナ・ヒンギスさんが、ポリオ根絶のための国連親善大使に就任した。WHO後援の下、「ポリオとの対戦、マッチポイント(Match Point against Polio」とうたったキャンペーンを展開し、ポリオの根絶を促進し、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンなど、一年を通じて、大勢の人々の支援を奨励することになる。
  • 水曜日、シエラレオネにおいて、国連人権担当官が同国南部のKenemaを訪問し、レイプやその他の性的虐待の被害女性に対する保健・社会サービスの状況を調査した。同担当官の報告するところによれば、この数週間に、それまでに拉致されていた女性たちが、RUF支配地域から戻り、栄養不良や感染症でまもなく死亡した。これらの女性を診た医者たちは、可能性の高い死亡原因として、レイプや性的虐待による傷、HIV/AIDSやその他の性感染症をあげた。

2000年3月22日

  • 安保理議長は報道声明において、コンゴ民主共和国における最近の軍事面の動きに懸念を表明するとともに、戦闘が再発し継続するなかでは、5,500人の国連ミッションの展開を予定どおり進めることはできない、と当事者に対して警告を発した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、ボスニア・ヘルツェゴビナのムスリム、クロアチア人、セルビア人組織の国内的統合の強化をめざした昨年のニューヨーク宣言が、依然として完全実施されていないことから、すべての当事者がその完全実施のために努力を倍化するよう促した。
  • 一週間にわたりカンボジアに滞在し、クメール・ルージュの裁判方法に関して、同国政府高官との協議を行っていた、ハンス・コレル法務担当事務次長率いる国連チームは、このたび、同協議を終了した。コレル事務次長は、首都プノンペンで記者団に対して、大きな歩みを進めた、と述べた。「我々は全体にわたる合意には達しなかった」「いくつかの問題で隔たりがある。しかし、大きな進展があった。一週間前よりは、より成功に近づいていることを確認できるのは嬉しい」。と語った。
  • 「国連水の日」。アナン事務総長はメッセージを発信し、「国際社会は権利を行使するとともに、責任を果たし、貧富の区別なく、全使用者に対して、公正に、確実に、入手可能な形で、水を提供しなければならない」と述べた。
  • 国連およびモザンビーク当局は、モザンビークの洪水の被害者65万人を対象にした緊急援助・復興活動のため、国際社会に対して、1億200万ドルの追加的資金拠出を求めるアピールを発信した。先月23日にも、資金拠出要請アピールが発信されているが、今回は、Maputo、Gaza、Sofala、Inhambane、Manica、Teteの各州を対象にし、8月末までの援助活動の必要資金を要請したものである。人道問題調整部(OCHA)によれば、前回のアピールは、30万人のみの援助活動を対象にしており、その後の発生した2月26日と27日のサイクロン第2波による被害状況悪化を想定していなかった。
  • 東ティモールの都市Baucauにおいて、迫撃砲弾爆発事故が起こり、少年3人が死亡した。昨日、同都市にある古いインドネシア軍の建物で、少年らが遊んでいたところ、迫撃砲弾が爆発し、10歳と9歳の子ども2人が即死し、4歳の子ども1人は Baucauの病院で死亡した。もう1人、13歳の子どもは、頭部と腹部に重傷を負い、現在入院中。
  • 国連報道官によれば、今週金曜日に、安保理は、国連イラク石油食糧交換プログラムに関する事務総長最新報告に関する公開会合を開催する予定。またこの会合においては、イラクの石油産業の嘆くべき現状を示した専門家グループの報告についても討議が行われる予定である。
  • 「オゾン層の保護に関するウィーン条約」採択15周年。国連環境計画(UNEP)は、この条約が,オゾン層保護のための国際的な協調努力の基盤となった、とその意義を指摘した。
  • リベリアにおいて、先週、2つのラジオ局が放送中止となっていたが、このたび、テイラー・リベリア大統領は、これらラジオ局との協議を行うことを決定した。リベリア担当事務総長代表Felix Downes-Thomas氏は、この決定を歓迎する意を表明した。

2000年3月21日

  • 安保理は議長声明を発表し、先月、タジキスタンにおいて、初の多数党選挙が、「数々の深刻な問題や不十分な点」がありながらも、実施されたことを歓迎した。声明発表前、アナビ平和維持活動担当事務次長は安保理へのブリーフィングにおいて、同国のラフマノフ大統領がペトロフ事務総長特別代表との協議において、国連タジキスタン監視団(UNMOT)撤退後に平和建設事務所を設置する必要性を確認した、と明らかにした。
  • アナン事務総長は、カシミール停戦ラインのインド側にある村落で、シーク派教徒36人が殺害されたとの報道を受け、この事件に対する憤激を示した。
  • 東ティモール情勢に関する安保理公開会合開催。アナビ平和維持活動担当事務次長はブリーフィングを行い、同地において、法と秩序に反する事件が減っている、と述べた。
  • 国際人種差別撤廃デー。グリラブ総会議長は、ビジョンや具体的計画、政治的意思があれば、「人種主義、人種差別、排外主義、不寛容に反対する世界会議(2001年、南アフリカ)」が、平等を達成するうえでの障害を克服し、人種主義の新しい形態との闘いをすすめるうえでとても重要な手段となる可能性をもっている、と述べた。アナン事務総長は、この世界会議が行動志向的であり、また人種差別の被害者を支援する実際的な措置に焦点を当てたものとなるであろう、と強調した。
  • ユニセフ事務局長は声明を発表し、NATOによるユーゴ空爆開始から1年後、バルカン地域の子どもたちは、「欧州で最も絶滅の危機に瀕した子どもたち」であると述べた。そして、民族間の憎悪や暴力が若い世代に暗い影を落としているとし、それらの終息を求めた。
  • 国連環境計画(UNEP)が発表した声明によれば、NATOは、コソボ紛争において、劣化ウラン弾を使用したことを確認した。NATOは、コソボでの100回を超す爆撃において、約3万1,000発の劣化ウラン弾を使用したとする。しかし、バルカン・タスク・フォース(BTF=UNEPとハビタットが昨年5月合同設置)は、NATOの提供した情報が、現時点での環境・健康に対する影響を正確に調査するためには不十分である、としている。
  • 国連大学タクール副学長は、国連本部で開催されたシンポジウム「コソボと国際社会」において議長を務め、安保理で拒否権が発動されたときにも、ホロコーストやルワンダ型のジェノサイドに対処できるように、人道介入に関する新たなコンセンサスが緊急に必要である、と述べた。
  • UNHCRとデンマーク難民評議会が共同で実施した調査によれば、チェチェンからイングーシェチアに流入した難民の数は、当初の予想よりも多い。この調査によれば、イングーシェチアに逃れたチェチェン避難民は、現在、21万4,000人まで増加した(2週間前に避難民登録したのは、18万5,000人であった)。
  • 20日、国連イラク・プログラム室は、今年1月にイラクを訪問し、同国石油産業の現状を調査した専門家グループの報告書を発表した。同報告は、すでに悲惨な状況にある同国石油産業における改善がみられないとし、必要部品や設備等の供給が即時に加速されない限り、年間生産量はさらに落ち込み、最大15%減少するであろう、と予測した。
  • 国連経済社会局人口部が報告書を発表し、今後50年間に、欧州、日本、韓国においては、自国の人口減少を補うために移民が必要となるであろう、と述べた。
  • 国連は、マクドナルド社とウォルト・ディズニー社が共同ですすめている“Millenium Dreamers campaign”の一環として、より良い世界を築くために地域で活動する子ども2,000人の名前を発表した。このプロジェクトは、ユネスコとの協力で組織されたもので、昨年秋に打ち上げられた。今年5月、これらの子どもたちは、ディズニー・ワールド(フロリダ)に招かれ、“Kids Inspiring Kids for a Better Tomorrow”と題するシンポジウムに参加することになっている。
  • ボスニアのクロアチア司令官Mladen Naletilic氏(通称“Tuta”)が、クロアチア内の病院から、ハーグにある旧ユーゴ国際刑事裁判所収容施設に移送された。同氏は、これまで、健康問題のために入院していたが、先月の独立医療チームの検査により、今回の移送が承認された。
  • 「アフリカの角」において、飢餓の脅威に晒されている人々が必要な食糧は、当初予想した83万6,000トンを上回る可能性がある、と国連スポークスマン。エチオピアの飢餓により、800万人以上が飢餓死の危険に直面しており、うち230万人の危険は非常に切迫している、とみられる。
  • 3月18日-19日、ギリシャのアテネで、中東諸国が参加して開催された国内オリンピック委員会・円卓会議は、他の国々の国内委員会がそれぞれの国の首脳に対して、オリンピック休戦の支持を呼びかけるよう促した。1993年、国連総会は初めて、ギリシャ古代の伝統であるオリンピック休戦を復活させ、オリンピック開催中のすべての敵対行為を停止するよう求めた。

2000年3月20日

  • アフガニスタン担当事務総長個人代表Francesc Vendrell氏ら、国連上級職員が安保理に対して、アフガニスタン情勢についてブリーフィングを行った。この後、安保理議長は報道声明を発表し、その情勢に対して懸念を表明した。
  • 反政府勢力による度重なる妨害を受けながらも、シエラレオネの国連平和維持兵がようやく、革命統一戦線(RUF)の支配地域に展開するにいたった。国連スポークスマンによれば、先週木曜日、インド人兵士100人以上と軍事監視員6人が同国東部の町、Kailahunに到着し、展開を開始した。
  • 1970年代のジェノサイドに責任を有するクメール・ルージュ指導者の裁判方法について、交渉するためカンボジアを訪問中の国連チームは、同国高官らと会談し、ある程度の進展をはかることができた。週末、同国外相や国会議長との会談後、国連チームを率いるハンス・コレル法務担当事務次長は、多くの点について共通の土台が確立されたが、相違点は残っている、と述べた。
  • 国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の活動に関する最新の事務総長報告が発表された。報告は、UNMIBHが、同国の警察機構の再構築と改革において、かなりの進展をみたと述べている。
  • タジキスタン情勢に関する最新の事務総長報告が発表された。報告において、アナン事務総長は、国連タジキスタン監視団(UNMOT)がその任務を十分に遂行したとし、5月15日の任期期限をもって撤退する、と述べた。事務総長は、国連が和平合意の成立に積極的に関与し、その実施を確保し、2月27日に同国初の多数政党選挙を監視することを通じて、同国で重要な役割を果たしてきた、と指摘した。
  • 第56回人権委員会、ジュネーブで開始。ロビンソン人権高等弁務官は開幕演説を行い、人権戦略が紛争予防にどう役立つか、国家・地域・国際努力を通じて我々がどのように著しい人権侵害発生の予防を支援できるかについて、人権委員会がその関心を向けるよう求めた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所で、ムスリムの女性たちを組織的にレイプした罪で起訴された3人のボスニア・セルビア人司令官(Dragoljub Kunarac、Radomir Kovac、Zoran Vukovic)に対する証言聴聞が開始した。国際刑事裁判所が、人道に対する罪として、性的奴隷の問題について扱うのは、初めて。
  • 国連大学(UNU)が、「コソボと人道的介入の挑戦(Kosovo and the Challenge of Humanitarian Intervention)」と題する研究報告を発表した。同報告は結論において、1999年のNATOの軍事介入は、人道危機に対する「選択的憤慨(selective indignation)」に基づくものであり、理解することはできるが、危険な前例をつくった、と述べた。(報告全文→ここをクリック
  • 先週日曜日、セネガルの選挙が平和的に実施されたことについて、国連は同国の政府およびその人々に対して、歓迎の意を示した。(大統領選挙決戦投票において、同国野党党首Abdoulaye Wade氏が、20年間権力の座にあったAbdou Diouf大統領を破り、次期大統領となった)
  • 「第2回世界水フォーラム」(ハーグ)において、松浦ユネスコ事務局長は演説し、水に関する世界的危機事態が起こるという予測は「真実」であるとし、惨禍を防ぐための行動を促した。またテプファーUNEP事務局長は、前世紀において、農業用水の増加がわずか5倍であった一方で、都市および工業用の水使用が24倍増加した、と指摘した。

2000年3月17日

  • ハンス・コレル法務担当事務次長率いる国連チームは、カンボジア首都のプノンペンで、1970年代のジェノサイドに責任を有するクメール・ルージュの裁判方法について、カンボジア側と話し合った。
  • 昨日、アナン事務総長はフランス訪問を終えるにあたり、パリで記者会見を行った。そのなかで、事務総長は、コソボにおける最近の動きに懸念を示し、情勢の沈静化をはかるため、国連が最善を尽くしている、と述べた。そして特に、セルビア南部のPresevo地域で挑発行動があったことは間違いなく、今回、その行動のほとんどがアルバニア人によるものであることは明らかである、とした。
  • コンゴ民主共和国において、国連技術評価チームは、平和維持兵が駐屯することになる4箇所のうち3箇所への訪問を終了した。(火曜日から木曜日にかけて、Mbuji-Mayi、Kananga、Mbandakaの3箇所を訪問、残るMatadiについては、土曜日に訪問する予定である)
  • 国連人道問題調整部が発表した声明によれば、アンゴラにおいて避難民170万人の保護および人道的ニーズのために活動する、様々な国連機関の活動調整問題について検討すべく、国連緊急援助調整官代行Carolyn McAskie率いるハイレベル・ミッションが同国を訪問する。同ミッションは、土曜日にアンゴラに入り、1週間滞在する予定。
  • モザンビーク担当事務総長人道特使Ross Mountain氏は、モザンビーク訪問を終了し、ジュネーブに戻った。同特使によれば、同国において、本日現在、46万3000人が自らの家を失っている。また伝染病蔓延の脅威が迫っている。来週には、今後6ヶ月間の再建活動をカバーするための資金を求める緊急援助アピールが発信される予定。
  • 緒方貞子難民高等弁務官は、クロアチアを最近の選挙の後、初めて訪問した。弁務官は、本日、ザグレブにおいて、新大統領Stipe Mesic氏およびその他の高官と会談し、同国への難民帰還問題について話し合った。
  • FAO農業局長のLouise Fresco氏は、「世界水フォーラム」に対するメッセージにおいて、現在差し迫った水の危機がないとしても、地域レベルでの深刻な水不足の問題について、農民たちはよく考えて、少ない水でより多くの生産を行えるよう努力すべきである、と述べた。
  • 今年、国連と国連財団がポリオ根絶に果たした成果を認められ、アナン事務総長とテッド・ターナー氏は本日、ロータリー・インターナショナルから“Polio Eradication Champion Award”を授与された。
  • 残留性有機汚染物質に関する政府間交渉委員会の第4会合を前に、WHOは声明を発表し、マラリアが人々に与えている脅威を考慮し、現在交渉中の残留性有機汚染物質に関する条約において、DDTの使用撤廃を段階的にすすめていくことをうたうべきである、と述べた。
  • 国連改革の唱道者であったMorris Abram氏(元米国駐ジュネーブ国連大使)が急逝したことについて、アナン事務総長は悲しみを表明した。

2000年3月15日

  • 対UNITA制裁に関する報告書について、制裁委・委員長のRobert Fowlerカナダ大使が安保理にブリーフィングを行った。ブリーフィング後、同氏は、記者団に対して、制裁違反について調査が行われるという事実そのものによって、UNITAによる武器調達が難しくなっている、と指摘した。
  • イラク石油食糧交換プログラムに関する最新報告(S/2000/208)が発表された。同報告において、アナン事務総長は、プログラム実施の迅速化をはかる安保理決議(昨年12月)の効果的な実施により、イラクにおける人道状況が緩和されるであろう、との希望的観測を示した。
  • ハイチにおいて、国連ハイチ文民警察ミッション(MIPONUH)と国際ハイチ文民ミッション(MICIVIH)に代わり、新たな平和建設ミッション、国際ハイチ文民支援ミッション(International Civilian Support Mission = MICAH)が活動を開始した。安保理は議長声明を発表し、MIPONHUおよびMICIVIH、ならびにそれ以前にハイチに展開したミッションに参加し、その成功に貢献した国々、特に兵力提供国に対して、謝意を表明した。なおMICAHは、昨年12月17日、総会が決議54/193を採択して設置した。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は、民族分断都市ミトロビツァ南北を分ける河川Ibar Riverの両側に、「信頼地帯(“confidence zones”」を設けるための作業を開始した。緩衝地帯として、移動の自由、住民の安全を確保することをねらう。
  • アナン事務総長、フランス公式訪問開始。国会議長、防衛大臣、外務大臣ら政府高官と、コソボ、コンゴ民主共和国、イラクの問題などについて話し合った。
  • 世界食糧計画(WFP)は声明において、モザンビークにおける緊急援助活動を拡大し、復興援助プロジェクトにも着手する、と発表した。
  • 国連は、「北カフカスのための国連機関間合同アピール」において、北カフカスにおける避難民15万人や避難民の受け入れ先となった現地家族7万人に対して、緊急事態・復興援助活動を展開するため、総額1,920万ドルの資金拠出を求めるアピールを発した。
  • 国連スポークスマンによれば、平和維持活動に関する安保理決議に沿って、国連は、HIV/エイズの予防・統制に関連して、コンドームの配布を含めた、平和維持活動要員の啓発活動に着手している。平和維持活動要員がエイズを広めていることを示す統計や証拠はないものの、国連の文民・軍事要員がエイズの感染や蔓延の危険にさらされていることから、こうした予防措置を講じることとなった。平和維持活動局ではすでに、シエラレオネやコンゴ民主共和国における国連平和維持活動の予算として、コンドーム配布のための経費を計上するよう提案した。
  • アナン事務総長は、国連平和維持活動の再検討を行うパネルのメンバーとして、新たに2人を追加任命した。この2人は、Vladimir Shustov氏(ロシア連邦)とColin Granderson氏(トリニダード・トバゴ)。Shustov氏は、元国連大使で、安全保障問題の専門家である。Granderson氏は、OAU/国連の国際ハイチ文民ミッション(MICIVIH)の長を務めていた。なお、このパネルの初会合は、3月21日に予定されている。
  • 明日、国際労働機関(ILO)の管理理事会が開始する。会期は、3月31日までの2週間。ミャンマーにおける強制労働、男女差別、「職場における権利」に関する1998年宣言のフォローアップなどに関して、審議する。

2000年3月14日

  • 対アンゴラ安保理制裁委員会は、UNITAによる制裁違反に関して、60ページに及ぶ報告書を発表した。
  • アナン事務総長は、クック外相ら、英国政府高官との一連の会談を行い、同国訪問を終了した。また、事務総長は、「アフリカ - 弾みを維持する(Africa - Maintaining the Momentum)」と題した英連邦年次講演を行い、そのなかで、アフリカの展望は暗いものではないとし、その肯定的な側面に焦点をあてた。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、エリトリアとエチオピアに対して、アフリカ統一機構(OAU)と「全面的かつ緊急に」協力し、両国間の紛争を解決する努力に建設的に参加するよう求めた。
  • マダガスカルが大洪水による被害に見舞われたことを受け、総会は決議を採択し、同国が現在の人道的危機状態に対して財政負担を強いられていることを考慮し、各国および国際機関が追加的支援を提供するよう要請した。
  • モザンビークにおいて、1992年まで20年間続いた内戦中に埋設された数多くの地雷が、洪水で流されて移動し、埋設場所の特定が難しくなった問題で、国連開発計画(UNDP)は、同計画が緊急の取り組みを行う、と発表した。同国の国立地雷除去施設(IND)と協力し、最も危険な地域の特定を行い、データを収集するため地雷除去員を派遣し、地雷啓発活動を実施する。
  • 先週土曜日、ウクライナの炭坑事故で80人が死亡したことについて、アナン事務総長および安保理議長はそれぞれ、弔意を表明した。
  • 国連調査団は、コンゴ民主共和国において、国連軍事監視員500人の展開を予定する4つの駐屯基地のひとつを訪問し、調査活動を開始した。
  • 最近、スーダンで市民をねらった爆撃が行われたとの報道について、本日、緊急援助調整官代行Carolyn McAskie氏は声明において、憂慮を表明し、また、すべての当事者に対して、市民の生命に危険を及ぼすような措置を即時に停止するよう求めた。
  • 国連平和維持活動のための待機取決め制度に関して、アナン事務総長は報告書を発表。この制度が、可能な兵力提供国を早期に特定し、部隊や装備の展開に必要なタイムリーかつ信頼できる情報を提供することを通じて、平和維持活動計画の迅速化に役立っている、と述べた。また、国連には、まだ真の早期展開能力はないものの、この制度は建設的な一歩である、とした。
  • UNHCRによれば、西ティモールのKupang地域の3つの難民キャンプから、1,000人以上の難民が東ティモールに帰還するため、同キャンプを出発した。これら難民は現在、Kupangの一時滞在センターで最終準備が整うのを待っている。今回の帰還は、昨年10月に帰還計画が開始して以来、最大規模のものとなる。
  • ハンス・コレル法務担当事務次長率いる国連代表団(7人構成)が、クメール・ルージュ裁判について、カンボジア政府との協議のため、同国に向けて出発した。
  • コソボ暫定行政協議会(IAC)は、その通常会合において、今年後半実施される地方選挙について、メディアが公正な報道をするよう求めた。
  • UNMIKは、「コソボの平和」をテーマに選んでデザインした切手(5枚組)を発行した。今週には、コソボの郵便事業が再開することになっており、国際郵便については5月中旬のサービス開始が予定されている。
  • 先週金曜日、「第2回世界水フォーラム(World Water Forum)」(ハーグ)で開始した。本日、ユニセフは声明を発表し、このフォーラムに参加する指導者および専門家たちが、すべての子どもたちに対して適切な衛生施設へのアクセスを保証するよう促した。
  • WHOは声明を発表し、世界中において、同じ注射器が過度に使われたり、不衛生な注射針が使用されることにより、数百万の人々がB型肝炎に感染し死亡者もでている事態に対して警告を発した。
  • 欧州経済委員会(ECE)事務局長は声明を発表し、「産業事故の国境を越えた影響に関する条約(Convention on the Transboundary Effects of Industrial Accidents)」が来月発効することを歓迎し、その環境被害を最小限にとどめるため、より多くの国がこの条約に加入するよう求めた。

2000年3月13日

  • シエラレオネ情勢について、安保理議長は報道声明を発表し、同国における軍縮プロセスの緩慢な進展に失望を表明するとともに、ロメ和平合意の全側面の早期実施の必要性を強調した。
  • アナン事務総長、英国訪問初日。ブレア首相と会談し、世界各地において国連が直面している平和維持活動や平和建設努力の課題など、数多くの重要な国際問題について話し合った。
  • モザンビークにおいて、この2日間、降雨量が減り、援助活動が活発化した。現在、97の人道援助センターが設置され、避難民32万9,000人が収容されている。モザンビーク政府の発表によれば、今回の洪水による死亡者は、これまでに確認されただけで、492人、今後、さらにこの人数は増加することが見込まれる。
  • FAOが本日発表したところによると、最近マダガスカルを襲った2つのサイクロンにより、低地部の穀物栽培地域が壊滅状態となり、同国農業は深刻な損害を被った。
  • アナン事務総長は、先週金曜日の記者ブリーフィングで、朝鮮民主主義人民共和国・大韓民国間の最近の平和努力について質問を受けたが、これについて、本日、スポークスマンを通じて、声明を発表した。事務総長は、朝鮮半島をめぐる最近の前向きな動きについて歓迎するとし、「対話と決意」が残る障害と取り組むうえで不可欠である、と述べた。また、未解決な問題は「もっとも挑戦的」であるとしたうえで、近々予定される朝鮮民主主義人民共和国高級代表のワシントン訪問に期待を寄せている、と述べた。
  • UNTAET政務官Collin Stewart氏はディリで記者ブリーフィングを行い、先週独立反対派民兵が東ティモールを訪問し、地元住民指導者と行った会談は非常に建設的であり、両者の関係改善に向けた一歩となった、と述べた。
  • 国際刑事裁判所設立準備委員会の第4会期、国連本部で開始。今会期は、本日から今月31日まで。「犯罪要素(Elements of Crimes)」および「手続き規則と証拠(Rules of Procedure and Evidence)」の2つの文書に用いられる言葉について煮詰める。
  • UNMIKは声明において、コソボで今秋行われる選挙に向けて、住民登録を開始する、と発表した。すべての住民に対して公共サービスを提供し、正確な有権者登録リストを作成するうえで、この登録は不可欠となる。登録に際しては、1998年1月1日時点にコソボに在住していたこと証明する文書を示なさければならない。
  • 第68回B規約人権委員会、開始。今会期においては、コンゴ共和国、英国、ベネズエラ、モンゴル、ガイアナの国別報告書について審議する。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所において、ボスニアのセルビア軍指揮官Radislav Krstic氏の初公判。同氏は、ボスニアのセルビア1995年7月、スレブレニツァの陥落後、ムスリムの男性数千人の殺害を命じたとされており、ジェノサイドなどの罪で起訴された。

2000年3月10日

  • 総会は、100カ国以上による共同提案決議を無投票で採択し、国際社会と援助団体がモザンビークの洪水に対応し、十分かつ迅速な救済努力を行うよう促した。
  • モザンビークにおいて、豪雨が2日間続くなか、国連要員たちは、洪水被害者の援助活動の遂行に困難を極めている。これら被害者を収容するキャンプの状況も依然として、厳しい。
  • ミィエ平和維持活動担当事務次長はコンゴ民主共和国を訪れ、カビラ大統領と会談し、同国に派遣する監視ミッションの展開計画について説明を行った。
  • 昨日、ジャカルタにおいて、UNTAET司令官Jaime de los Santosおよび同政務部長Peter Galbraith氏は、インドネシア政府に対し、東ティモールで最近、民兵たちによる暴力が頻発していることを伝えるとともに、同政府が、東・西ティモールの境界線を封じ、民兵訓練キャンプを閉鎖し、民兵を武装解除し、難民帰還を支援するよう促した。これに対して、今朝、インドネシア防衛大臣は両氏に対して、民兵訓練キャンプ閉鎖、攻撃停止、武装解除を約束した。
  • 西ティモールに逃れた東ティモール難民10万人について、インドネシア政府は、これら難民が3月31日までにインドネシアに残るか、東ティモールに帰還するか決めない限り、その援助を打ち切るとしているが、これについて、UNHCRは憂慮を表明した。
  • コソボ暫定行政協議会は、今週火曜日にミトロビツァで起こった暴力事件を強く非難するとともに、同市のすべてのコミュニティーが暴力を自制し、全住民の権利と安全を尊重するよう促した。
  • シエラレオネのフリータウンにおいて、同国政府が、元反政府勢力指導者たちを招いて、高級会議を開催した。この会議において、参加者たちは、国連平和維持兵および人道援助員に対して、同国のあらゆる地域へのアクセスを保証することに合意した。
  • ダナパラ軍縮担当事務次長は国連本部で記者会見し、国連監視検証検査委員会(UNMOVIC)の委員として任命された16人について、「すべての委員は、軍縮問題の専門技能を有している」と述べた。
  • 旧ユーゴおよびルワンダ国際刑事裁判所の主任検察官Carla del Ponte氏、現職に就任してから6ヶ月目。同氏は、国連本部で記者会見し、戦争犯罪で起訴された人々を裁判にかけるため全力を尽くしていく決意を述べた。

2000年3月9日

  • 人道援助における様々な課題について、安保理は公開討議を行い、議長声明を発表した。同声明において、安保理は、国際平和の維持における人道援助の重要性を強調し、十分な財政支援が行われないことが、救済努力の障害となり得ることに懸念を表明した。
  • 人道援助に関する安保理公開討議において、アナン事務総長は演説し、人道的緊急事態の発生を防ぐため、救済活動・実際的戦略を実施する国連の能力を強化することなどを含めて、実効的な人道援助の必要性がますます高まっている、と強調した。
  • スポースマンFred Eckhardによれば、アナン事務総長は、サイクロン「グロリア」によりマダガスカルに水害が発生し、56万人が被害を受け、1万人がホームレスとなったことに深い憂慮の念を示した。
  • UNTAET上級職員はジャカルタにおいて、インドネシア政府高官と会談し、東・西ティモール境界線沿いにおいて、最近、民兵による暴力事件が頻発している問題について、話し合った。
  • デメロ東ティモール事務総長特別代表はディリで、東ティモールに初の税制度を導入する新規則に署名した。これにより、3月20日までに東ティモールに入る予定の輸入品を除くすべての輸出入品、国内生産品に税金がかかり、歳入として集められるようになる。
  • シエラレオネ情勢に関する事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長は、同国の治安情勢が不安定である一方で、昨年のロメ和平合意の実施に向けた緩やかな進展がみられる、と指摘した。報告によれば、3月1日現在、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の軍事要員は、およそ7,400人に達した。このうち、260人が軍事監視員である。
  • 国連食糧農業機関(FAO)は声明において、煙草生産・消費に対する政府の統制政策の影響に関する研究を開始する、と発表した。
  • 国際労働機関(ILO)がこのたび研究報告を発表し、先進諸国において、移民労働者およびその家族が、雇用へのアクセスに関して大きな差別を受けている実態を明らかにした。

2000年3月8日

  • 国連本部で開催された国際婦人デー記念式典において、アナン事務総長は、教育や伝統を通じて、世代から世代へ、女性は平和の文化を伝えてきた、と述べた。同式典において、人権高等弁務官、安保理議長らもそれぞれ、この国際デーを記念する演説を行った。
  • 国連緊急援助調整官代行Carolyne McAskie氏は国連本部で行った記者ブリーフィングにおいて、現在、大洪水にみまわれたモザンビークにおいて、約500人の国連要員(国際職員150人を含む)が、救済活動にあたっている、と述べた。
  • ミィエ平和維持活動担当事務次長は、コンゴ民主共和国を訪問するため、ニューヨークを出発した。5,500人以上の軍事監視要員を展開するために必要な全面的支援を得るため、同国において、その活動計画についての詳しい説明を行う。
  • 本日、UNTAETの軍事・政治担当上級職員らは、ジャカルタへ向けて、東ティモールを出発。最近、東・西ティモールの境界線沿いにおいて武装民兵たちによる暴力事件が発生している問題について、インドネシア政府と協議する。
  • 昨日、フランス当局は、ルワンダ国際刑事裁判所によって起訴されていたジェノサイド容疑者のJean de Dieu Kamuhanda氏(元ルワンダ教育相)を同裁判所に引き渡した。同氏は昨年11月にフランス中部で逮捕され、その後、今年2月にフランス裁判所は、同氏のアルーシャへの移送を承認する判決を下していた。現在、同氏はアルーシャの国連拘置所に拘禁されている。
  • 国連児童基金(ユニセフ)は記事資料を発表し、シエラレオネの子どもたち1万5,000人以上に対して、同基金が学校教科書やその他の援助物資を提供することができた、と述べた。シエラレオネ北部地域に対して外部から援助が届くのは18カ月ぶりのことである。
  • 煙草統制政策は煙草生産農家の生計に打撃を与えるとの懸念に対して、世界保健機関(WHO)は声明を発表し、統制政策が雇用に与えるマイナスの影響があまりにも過大に語られているとするとともに、生産を統制することの主な理由は何よりも健康の問題にある、と指摘した。
  • イラク・プログラム室によれば、3月1日に対イラク人道物資の契約承認の迅速化をはかる手続きが開始してから、これまでに第6・7期分の30契約(2億3350万ドル相当)が承認された。
  • 安保理は、国連イラク監視検証検査委員会(UNMOVIC)の構成委員名簿(事務局提案)を受領した。この名簿について、安保理は、木曜日までに、事務局に回答することになっている。
  • 国際婦人デーのこの日、世界のマスメディアにおいて、女性たちが男性に代わって編集管理を行った。1月31日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、マスメディアにおける女性の役割を高めることをねらい、「女性たちがニュースをつくる」とうたうイニシアチブを開始した。

2000年3月7日

  • アナン事務総長は、国連本部で行った記者会見において、国連平和維持活動に関する再検討の開始を発表。7月までに、この報告書を作成する予定であることを明らかにした。報告書は、8人で構成する検討委員会の下、作成される。議長は、Lakhdar Brahimi大使(アルジェリア)が務める。委員会には、志村尚子氏(以前、国連平和維持活動局に勤務、現在は津田塾大学学長)も委員の1人として参加する。
  • UNHCRによれば、昨日、セルビア南部からコソボに流出するアルバニア人の数が急増。合計626人が、コソボ東部のGnjilaneのUNHCR現地事務所で避難民としての登録を済ませた。これら避難民は、コソボとの境界線沿いのセルビア南部地域において依然として緊張が続いていることから、家を捨ててコソボへ流出することを決意したという。同地域に残るアルバニア人は、推定6万人から7万人。1月以降、これまでに同地域からコソボに入り、Gnjilaneで避難民登録を済ませたアルバニア人は、1,658人。
  • KFORによれば、コソボにおける民族分断の都市ミトロビツァ北部において、セルビア人とアルバニア人の間で、暴力事件が発生。およそ40人が負傷した。
  • アナン事務総長は、国連本部での記者会見のなかで、コソボの政治的将来に関して記者から受けた質問に答え、加盟国が国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)に対して、財政や政治、その他の資源において必要な支援を提供するよう訴えた。
  • UNHCRによれば、過去1週間、チェチェン南部の山岳地帯における激しい戦闘により、1,400人以上の避難民がイングーシェチアに流出した。
  • 現在、モザンビークの大洪水による環境や人間居住への影響の調査を進めている国連災害評価調整チームを支援するため、国連環境計画(UNEP)および国連人間居住センター(Habitat)は合同で専門家チームをモザンビークに派遣した。
  • このたび、東ティモールのAtsabeにおいて、UNTAETは、民兵5人の銃撃に応戦した後、そのうちの1人を拘束し、ディリに連行した。他の4人は逃亡した。
  • 国際婦人デー(3月8日)を前に、WFPのバーティーニ事務局長は声明を発表し、世界じゅうにおいて、戦争、自然災害、極貧が原因で食糧援助を必要とする人々の4分の3は女性と子どもである、と訴えた。水曜日、国際婦人デーのために、WFPは、そのジェンダー・プログラムなどについて、特別のホームページを作成し、公開する(http://www.wfp.org/genderweb)
  • このたび、国際民間航空機関(ICAO)は声明を発表し、同機関理事会が、現事務局長のR・C・コスタ・ペレイラ氏(ブラジル)を次期事務局長(2期目、3年間)に任命したことを明らかにした。この任命は、今年8月1日に発効する。
  • ルーマニア北部の金鉱で起こったシアン化合物の流出事件(先月)について、欧州地域の河川への影響を調査していたUNEPと人道問題調整部(OCHA)の共同ミッションはこのたび、2週間に及ぶ調査活動を完了した。

2000年3月6日

  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、安保理に対してブリーフィングを行い、コソボにおいて国連活動を遂行するうえで、明確な政治的目的と十分な資源が必要である、と述べた。「現在、コソボのセルビア系住民には安全の保証が必要であり、同時に、アルバニア系住民にとっては自らの未来を信じられることが必要である。しかし、UNMIKの設置とその目的を規定した安保理決議1244は、自らが提案した自治のために必要な制度的取決めについて具体的なことを何も打ち出していない」
  • 安保理議長は報道声明において、モザンビークに対する地域・国際援助活動を賞賛し、モザンビーク政府およびその国民が洪水による破壊的影響を克服するのを支援するため、すべての政府および国際社会が可能な限りのことを行うよう促した。
  • 日曜日、独立反対派の民兵組織が東ティモールの飛び地Azufuruを襲撃し、1人が死亡し、1人が負傷した。もう1人は拉致されそうになったところを逃げ出し、数時間後にUNTAET文民警察に報告した。
  • グリラブ総会議長は、安保理改革に関する総会作業部会で演説し、作業における実質的進展をはかるため、一層真剣に取り組むとともに、一層の決断力を示すよう求めた。
  • 3日、人権委員会の専門家たちは緊急アピールを発表し、ロシア連邦に対して、チェチェンにおいて恣意的な拘束や処刑、女性に対する暴力などが行われているとの疑いについて調査を行うよう求めた。これら専門家は、女性に対する暴力に関する特別報告者Radhika Coomaraswamy氏、恣意的拘束に関する作業部会の議長/報告者Kapil Siba氏、法廷外・略式・恣意的処刑に関する特別報告者Asma Jahangir氏、拷問に関する特別報告者Sir Nigel Rodley氏の4人。
  • 麻薬委員会の年次会合がウィーンで開始。10日間にわたる会期において、2年前の薬物特別総会で採択された行動計画や様々な措置について、加盟国がどのように実施したかを検討し、今後の国際協力を拡大する手段を考える。
  • 先週土曜日、ルワンダにおいて、WFPの活動を支援する国連ボランティア、Samuel Sargbahさん(リベリア)が、何者かに銃撃され、死亡した。本日、この殺害事件に対して、バーティーニWFP事務局長は、怒りを表した。
  • 先週金曜日、ハイチ当局が、当初3月19日に予定していた同国の議会・地方選挙(第1回投票)の実施を延期すると発表したことについて、アナン事務総長は本日、憂慮の念を表明した。
  • 日曜日、SFORは、1992年5月-8月のボスニア北西部における戦争犯罪の容疑で、Dragoljub Prcac氏を逮捕した。本日、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)は、これを歓迎する意を発表した。Prcac氏の逮捕により、これまでにICTYが拘束した被疑者は、合計36人となった。、これまでに起訴されたが、依然として逮捕されずにいるのは29人。
  • 「有害廃棄物の越境移動およびその処分に伴う損害に対する責任および補償に関する議定書(Protocol on Liability and Compensation for Damage Resulting from the Transboundary Movement of Hazardous Wastes and their Disposal)」が本日、スイスのベルンで、署名のために開放された。3月17日までスイスで開放された後、4月1日から12月10日までは、ニューヨーク国連本部に場所を移して、開放される。この議定書の発効には、20ヶ国の批准が必要である。なお、この議定書は、バーゼル条約の締約国会議(1999年12月10日)で採択された。
  • 今週火曜日、サウジアラビアのジッダで、イスラム会議機構が主催するアフガニスタン和平交渉が開始する。事務総長個人特使Francesc Vendrell氏が、オブザーバーとして出席する予定。

2000年3月3日

  • 大洪水にみまわれたモザンビークでの救済活動が活発化するなか、同国の多くの地域において、氾濫した水の量が減りはじめている(WFP発表)。一方、最大の被害を受けたSave川流域をヘリコプターで視察したロス・マウンテン事務総長特使は、国連機関、国際機関、非政府機関の活動を調整するためのメカニズムをマプトに設置し、様々な活動を行う担当機関を明確化した。
  • 安保理議長は報道声明を発表し、アフガニスタンのタリバンが新たな攻撃を開始したとの報道に憂慮の念を示した。また議長は、戦闘の終結要求を繰り返すとともに、安保理決議の完全実施を達成するために一層の措置を講じる用意がある、と述べた。なお、3月の安保理議長はKarim Chowdhury氏(バングラデシュ)。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所は、戦争犯罪、人道に対する罪、ジュネーブ条約違反などで、ボスニアのクロアチア人司令官Tihomir Blaskicに対して、禁固刑45年の刑を科した。これまでに同裁判所が下した判決のなかで、最も重い刑罰である。
  • コソボ情勢に関する事務総長報告が発表された。同報告において、アナン事務総長は、コソボにおける法の支配を強化し、UNMIKによる成果を生かすために、加盟国が「緊急に」、警官、判事、検察官、刑法専門家を必要な数だけ提供するよう求めた。
  • UNHCRは、チェチェンに人道物資を初めて届けた輸送部隊に関して詳細な報告を発表。この輸送部隊ともにチェチェンに入ったUNHCR監視員によれば、グロズヌイは「破壊され、依然として不安定な荒廃地」である。
  • 東ティモール西部において、過去2日間、数回にわたり、国連平和維持兵に対する軍事攻撃が行われたことから、UNTAET司令官は、この地域の危険度を「高」に変更した。
  • コソボに展開するKFORのロシア兵士Igor Korshunovが撃たれ、死亡したことについて、安保理は遺憾の意を表明した。
  • ミトロビツァのセルビア系住民たちが抗議のデモ行進を展開するなか、UNMIKおよびKFORの支援を受け、アルバニア系住民38人がそれぞれ、同市北部にある自らの住居に無事戻った。
  • 木曜日、マリ大統領がバマコで開催した、シエラレオネに関する国際会議(2日間)が終了した。同会議は、シエラレオネの革命統一戦線(RUF)に対して、国連平和維持活動を阻止する路上障害物を取り除くように求めた。同会議には、シエラレオネの主要当事者、国連、アフリカ統一機構、西アフリカ諸国経済共同体が参加した。
  • 安保理議長は報道声明において、ハイチ政府に対して、同国の議会および地方選挙を予定通り実施するよう求め、「タイムリー、自由かつ公正な」選挙が同国の民主化を進めるために死活的に重要である、と強調した。
  • アフガニスタン調整官事務所によれば、今年に入ってから2ヶ月間、異常乾燥が続いた結果、アフガニスタン南部がひどい干ばつに襲われ、カンダハル地域の水量は「危険なほど低いレベル」に下がっている。
  • 核不拡散条約の発効30周年(3月5日)を前に、アナン事務総長は声明を発表し、すべての核兵器を廃絶するための努力は引き続き、国際社会の「最優先事項」とならなければならないとし、世界中の加盟国に対して、核軍縮および核不拡散に向けた措置を講じるよう促した。
  • ロシア連邦は、ロビンソン国連人権高等弁務官による北カフカス地域訪問を受け入れる意向を示唆した。これまでに、ロビンソン氏は、チェチェンにおける人権侵害および人道法違反が引き続き報道されていることに憂慮を示し、現地視察を希望していた。

2000年3月2日

  • 大洪水の被害を受けるモザンビークへの支援について、アナン事務総長は、モザンビーク、南アフリカのシサノおよびムベキ両大統領とそれぞれ電話会談した。また、事務総長は潜在的援助国とも接触し、水曜日には、フィッシャー・ドイツ外相およびホルブルック米国国連大使と個別に協議した。
  • 世界食糧計画(WFP)は、モザンビークの洪水にみまわれた地域において、洪水に流されないよう木々や家の屋根にしがみついている数万の人々を救出することが、依然として「最優先事項」である、と述べた。現在、WFPは同国において毎日約900人を救出している。
  • アナン事務総長は、安保理宛報告書において、今月後半のハイチ議会選挙に向け、一部には不法行為やスケジュール遅滞がみられるものの、2月中旬までに300万以上の人々が有権者登録を済ませるなど、その進展に勇気づけられている、と述べた。
  • イラクの人々の今年のメッカ巡礼について、国連は、イラク食糧交換プログラムからの資金捻出を提案していたが、イラク政府はこれを拒絶する姿勢を示している。
  • 総会および安保理はそれぞれ、Thomas Buergenthal氏(米国)を国際司法裁判所判事として選出した。先月、任期途中で退任したStephen Schwebel判事(米国)の後任として、2006年2月まで、同判事の残り任期を務める。また、総会は本日、アナン事務総長がDileep Nair氏(シンガポール)を内部監査部担当事務次長に指名していたことについてとりあげ、これを承認した。同氏は、4月24日から5年間の任期を務める。
  • ユニセフおよびWHOの両事務局長は、世界で予防接種を受けられる子どもたちを増やすため開始した世界的事業活動、“Global Alliance for Vaccines and Immunization = GAVI”の第1段階において、開発途上国の保健衛生担当者たちの間で「関心の拡大」がみられることについて、それぞれに勇気づけれられている思いを語った。
  • セルビア南部において、セルビア人と少数派のアルバニア人の間で緊張が高まり、その結果、隣接するコソボに流出する避難民が増えている。この事態について、UNHCRは本日、声明を発表し、警鐘を鳴らした。
  • 東ティモールに展開する国連警察の早期対応ユニットの中核となる、ポルトガル警察部隊の先遣隊、15人がディリに到着した。この先遣隊は、UNTAETが3月13日までに展開する予定のポルトガル部隊(120人)に組み込まれることになる。後に、ヨルダンから到着する120人の部隊が、これに加わる予定。
  • 国連国際学校(UNIS)が主催する学生会議において、世界各地の学校30以上の学校から高校生が集まり、世界の相互依存と不平等の問題について議論した。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ高等代表Wolfgang Petritsch氏は、これまでに同氏が公的機関から離職させた公務員たちが、ふたたび公の機関に戻ることを禁止する、と発表した。この措置は、ボスニアにおける公的機関の政治的独立を守り、利益の対立を防ぐことをねらいとする。公的機関だけではなく、企業であっても、その資本あるいは事業活動の25%以上を政府が出資している場合には、禁止の対象となる

2000年3月1日

  • ベラミー・ユニセフ事務局長は緊急アピールを発表し、現在、大洪水にみまわれている南部アフリカ諸国に対して国際社会が緊急援助を強化しなければ、同諸国の人々は「大規模な人道災害」に直面するであろう、と述べた。「世界各国政府が援助提供を考えているとするならば、行動すべき時はまさに今である。明日でも、明後日でもない」
  • UNTAET政務部部長のピーター・ガルブレイス氏はディリで記者団に対して、国連とインドネシアが昨日署名したコミュニケが、相互の関係改善に向けた具体的な措置について規定している、と述べた。同氏は、このコミュニケの特に重要なことのひとつとして、東ティモールの飛び地Oecussiとその他の地域の間を人やモノが安全に移動できるよう特別回廊の設置について合意していることをあげた。
  • 国連監視検証検査委員会(UNMOVIC)の委員長ハンス・ブリクス氏は、就任初日、国連本部で記者会見し、UNMOVIC活動の「組織計画」を練ることが最初の仕事となる、と述べた。
  • 国連イラク石油食糧交換計画の下で行われる一部の食糧および教育品目の契約承認手続きについて、本日、新たな処理方法が導入された。これにより、事務局による承認手続きの迅速化が可能となる。昨年12月の安保理の決定により、一部の人道品目について、安保理の制裁監視委員会への提出を経ずに供給できるようになった。
  • 対人地雷禁止条約が、発効1周年を迎えた。アナン事務総長は、同条約の未署名および未批准国に対して、遅滞なく行動するよう求めた。
  • ユニセフは、東ティモールの2万人の幼児に対して、結核やポリオなどの予防接種キャンペーンを開始。
  • スーダン人民解放運動(SPLM)支配地域における援助活動に関する覚書について合意をめざした交渉が不成功に終わったことを受け、人道問題調整部発表は、「オペレーション・ライフライン・スーダン」の傘下で活動していたNGO職員150人以上がスーダンを出国したことを確認した。
  • 「国際婦人デー(3月8日)」を前に、国連は、平和構築者、報道者、発明家としての女性の役割に焦点を当て、世界的キャンペーンを開始している。この一環として、本日、国連婦人開発基金(UNIFEM)は、“Women at the Peace Table: Making a Difference”と題する本を発行した。
  • 昨日、コソボとの境界に近いセルビア南部で、国連職員が武装集団に襲われ負傷したが、国連スポークスマンFred Eckhard氏が発表したところによると、この武装集団は、国連職員をねらったわけではなく、襲撃は誤認によるものであった。

2000年2月29日

  • アナン事務総長は、自らの東ティモール訪問に関して安保理にブリーフィングを行い、同地における再建活動を忍耐強く見守る必要性を強調するとともに、国連の任務完了時期について恣意的に期限を設けないよう促した。
  • ワヒド・インドネシア大統領、東ティモール訪問。同氏と、デメロ事務総長特別代表は共同コミュニケに署名し、東ティモール・インドネシア間の人とモノの移動の自由を保証した。
  • 安保理は決議1292を全会一致で採択し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)の任期を3ヶ月間延長するとともに、紛争解決を求める事務総長特使の努力への支援表明を行った。
  • 自らのアジア歴訪に関して安保理ブリーフィングを行ったアナン事務総長は、元クメールルージュ戦闘員を裁く法廷に関する取決めについて、国連とカンボジア政府による次回協議が、最終的かつ決定的なラウンドとなるであろう、と述べた。
  • 昨日、ニューヨークで開かれた「6プラス2」高級会合において、参加国はみな、アフガニスタンの薬物問題に取り組むため「有益な貢献」を行うことに合意し、また国連国際薬物統制計画(UNDCP)が各国の活動を促進するうえで主要な役割を負うことを確認した。
  • モザンビークを襲う洪水は依然治まらず、数十万の人々を救うためには救済活動を速やかに拡大しなければならない、とWFPが警告を発した。
  • UNHCRは今後、1991年以前にメンギスツ・レジームの下にエチオピアを流出した人々を自動的に難民として認めることはもはやない、と述べた。各国に避難しているすべてのエチオピア人が影響を受けることになるが、UNHCRは、これらの人々が帰還を希望すれば、その手助けを行う。祖国への帰還を希望しない人々については、審査のうえ、迫害のおそれがあると認められれば、難民条約の下に引き続き保護を受けることができる。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は、世界銀行主催の人間開発年次会議で演説し、子どもの権利こそ、開発途上地域における貧困根絶をめざす地球的運動の中心に据えられるべきである、と述べた。
  • 月曜日、経済社会理事会は、エイズについて討論を行った。経社理議長(インドネシア)、米国国連大使、国連経済社会問題担当事務次長、安保理議長らがそれぞれ意見を述べた。
  • コソボ境界(セルビア側)沿いの町、Bujanovac近郊において、国連人道問題調整部の職員Marcel Grogan氏(アイルランド)が襲われ、負傷した。
  • キプロス問題事務総長特別顧問のアルバロ・デソト氏は、EU高官との一連の会談を終え、UNFICYP視察などのため、キプロスに向かった。

2000年2月28日

  • バルカン地域担当事務総長特使のカール・ビルト氏が、安保理でブリーフィング。バルカン情勢が依然として不安定であることを指摘し、国際社会の継続的な関与の必要性を訴えた。
  • すでに大洪水の被害を受け、危機的状況にあるモザンビークにおいて、Save川峡谷、Inhambane州、Gaza州をさらなる洪水が襲い、状況を悪化させている。これを受け、人道問題調整部は、国連災害評価調整チーム(5人構成)をモザンビークに派遣した。モザンビーク当局によれば、現在、救出を必要とする人々は、1万7,000人にのぼる。
  • 初のUNHCR援助物資輸送団が、チェチェンのグロズヌイに向けて、ロシア南部のStavropolを出発した。
  • UNTAETは現在、デング熱について、東ティモールの人々の注意を喚起する啓発活動の準備を進めている。UNTAETによれば、この3ヶ月間で、東ティモールのディリにいる一般の住民、UNTAETの現地住民スタッフ、国際文民警官、軍事監視員たち、約230人に高熱症状がみられた。このうち、30人はデング熱、60人はマラリアが原因とみられる。先週金曜日、UNTAET文民警察官1人(ガーナ国籍)が死亡したが、デング熱が死因とみられる。
  • WFPとUNHCRは共同声明を発表し、アフリカにおける人道活動を遂行するための資金が非常に不足していることについて憂慮を表明し、国際ドナーが必要を満たすために早急に行動するよう求めた。声明によれば、このところ、難民の数が急増し、両機関が共同で活動しているアフリカの16ヵ国での食糧援助活動資金が8,100万ドル不足している。
  • アフガニスタンおよび周辺地域の不法薬物生産の問題への取り組みの調整問題について話し合うため、ニューヨークで、「6プラス2」グループ(アフガニスタンと周辺諸国、ならびに米ソ)の高級会合が開かれた。国連国際薬物統制計画(UNDCP)のアルラッキ事務局長はこの会合で演説し、アフガニスタンにおける不法薬物生産の規模が、恐ろしいほど増えている、と指摘した。
  • 安保理決議を無視し、海外に出国していたRUF指導者Foday Sankoh氏が、シエラレオネに帰国した
  • 日曜日、タジキスタンにおいて、下院選挙が実施された。本日、国連OSCE合同タジキスタン選挙監視団(JEOMT)は中間報告を発表し、初の複数政党選挙は、同国の和平合意における転換点となるものであるが、選挙プロセスは国際基準を満たすためには、なお一層の改善が必要である、と指摘した。
  • ILOは、本日ジュネーブではじまった情報技術に関するシンポジウムのために作成した報告書において、インターネットがメディアで働く男女間の格差を小さくしている、と述べた。しかし、一方で、インターネットが開発途上国と先進国との技術格差を広げていることも指摘した。
  • 国連イラク・プログラム部によれば、2月19日―25日の期間中に承認された石油売却契約は一つもなかった。一方、同期間中、合計1,020万バレル(2億7,200万ドル相当)の輸出のため、8回の船積みが行われた。

2000年2月25日

  • アナン事務総長は、ミィエ平和維持活動担当事務次長をコンゴ民主共和国に派遣する予定である。ミィエ氏は、3月第2週に活動を開始すべく、現在準備を進めている。この訪問は、最近の安保理決議がMONUCの軍事要員の増派を決定したことから、この内容の説明を行なうことを目的とする。
  • 国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は声明を発表し、ロメ和平合意のすべての当事者に対して、シエラレオネにおける平和維持兵の移動の自由を妨げないよう求めた。
  • UNHCRによれば、今月に入って、ブルンジからタンザニアに流入する難民の数が急減した。1月には2万3,000人の難民が流入したが、今月は、わずか5,000人。
  • ロビンソン人権高等弁務官は、OSCEおよび欧州評議会の事務局長と共同声明を発表し、チェチェンにおいて人権および人道法が侵害されているとの報道が続いていることに深い憂慮を示した。
  • 国連イラク特別委員会(UNSCOM)の副委員長は、アナン事務総長に対して、正式に辞表を提出した。
  • エチオピアにおいて干ばつや凶作の被害を受ける最も弱い人々に対して、WFPは、9ヶ月にわたる、総額1億3,700万ドルの活動を開始した。
  • 水曜日、カブールで行われた3者間帰還委員会(Tripartite Repatriation Commission=TRC)において、パキスタンおよびイランからのアフガニスタン難民20万人を年内に帰還させることをめざすUNHCRの計画が承認された。
  • コソボ暫定行政協議会(IAC)は、国際行政官らがコソボを去り、同地の人々が行政を引き継いた後に有効なものとして残る専門公的サービスをつくることに合意した。コソボで最も優秀な専門家を集めるため、IACはガイドラインをつくり、公正かつ透明な人材募集政策を打ち出した。
  • UNEPおよび人道問題調整部の構成する国際専門家チームは、最近ルーマニア北西部のBaia Mare金鉱においてシアン化合物が流出する事故が発生したことによる環境被害について調査を開始した。
  • WHOは、アフリカのフランス語圏サハラ以南地域において多くの人々が視力を失っている状況を緩和するためのプログラムを開始した。これは、2020年までに回避可能な失明を根絶することをめざす地球的事業ビジョン2020の一環として、行われるものである。

2000年2月24日

  • アナン事務総長、ニュージーランド訪問終了。これで、2週間に及ぶアジア諸国歴訪が終わった。
  • スペインにおける最近のテロ行為について、アナン事務総長は遺憾の意を表明し、悲惨な事態を解決する唯一の方法は、暴力の回避および平和的手段による解決の追求である、と強調した。
  • 安保理は決議1291を全会一致で採択し、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)の兵力を増強し、軍事要員を5,537人まで増やすことを決定した。また、同ミッションの任期を今年8月31日まで延長した。
  • シエラレオネ西部において、国連シエラレオネ・ミッションの2部隊(ガーナとインド)がパトロール活動をしていたところ、反政府勢力のRUF兵士300人がその前に立ちふさがり、進路を阻んだ。
  • 対イラク制裁委員会が安保理に提出した最新報告書が、発表された。この報告書によれば、イラクの石油輸出は、円滑に進んでいる。報告書の対象期間は、1998年8月1日から1999年11月20日であるが、この期間中の石油売却収入は、合計約136億ドルに達した。
  • 人権委員会特別報告者2人(処刑および女性に対する暴力担当)は、米国テキサス州のブッシュ知事に対して、共同でアピールを発信。1985年に夫殺しの罪で死刑判決を受けたBetty Lou Beetsについて、その裁判で夫による家庭内暴力があった問題が考慮されなかったと指摘し、処刑を行わないよう求めた。
  • パキスタンは、同国軍機が昨年8月にインドによって撃墜された事件について、インドを相手どり、国際司法裁判所(ICJ)に提訴していたが、ICJは本日、これに関する公聴会を4月3日に開始する、と発表した。
  • 元IAEA事務局長Sigvard Eklund氏(89歳)、逝去。アナン事務総長は、哀悼の意を示し、同氏が核エネルギーの分野において国連に大きく貢献したことを称えた。Eklund氏は、第2代事務局長として、1961年から1981年まで、IAEAを率いた。

2000年2月23日

  • アナン事務総長、ニュージーランド公式訪問。同地において、記者団から、安保理制裁に関する考えを問われ、事務総長は、4月の安保理討議において、一般の人々ではなく、指導層をねらった「賢い制裁(smart sanctions)」の概念について、新しいアイデアが打ち出されるよう願っている、と述べた。
  • 安保理は、政治問題担当事務次長からソマリア情勢に関するブリーフィングを受けた。この後、安保理議長は報道声明を発表、武器禁輸に違反して、ソマリアに引き続き武器が流入していることに懸念を示すとともに、武器の供給者を非難した。この日、安保理は、ギニアビサウ情勢についても、国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(UNOGBIS)の長、Samuel Nana-Sinkam氏からブリーフィングを受けた。その後、安保理議長は報道声明を発表し、UNOGBISなどの国連機間、ポルトガル語圏諸国コミュニティーがギニアビサウのために努力を払っていることを称えるとともに、同国新政権に対する支援を表明した。
  • 東ティモールの軍事指揮権が、INTERFETから国連に正式に移譲された。この日、ディリにおいて、記念式典が行われた。
  • UNTAETは、Timor Gapにおいて液化ガスを開発する計画(14億ドル)について、オーストラリア政府との間で契約合意に署名した。これは、“Byun Undan Gas Recycling Development Plan”として知られ、米国のPhilips Petroleumが率いる、英国、日本、オーストラリアの6社の共同企業体によるTimor Gapの液化ガス(主にプロパンとブタン)の開発事業である。
  • コソボ暫定協議会(KTC)は通常会合後、声明を発表。ユーゴの刑務所に不法に拘束されているすべてのコソボ人が解放されるよう、国際社会、特に安保理がベオグラード当局に対して最大限の圧力をかけるよう促した。
  • 国際麻薬統制委員会(INCB)の年次報告書が、発表された。開発途上国において薬が不足している状況と、先進国における薬の過剰使用の状況を対比して論じた。
  • スーダン政府およびスーダン人民解放運動(SPLM)は、国連援助機関がスーダンのNuba Mountainsに入り、7万7,000人の子どもたちに対してポリオワクチンの投与を行えるよう、一定の期間、同地域における戦闘行為を止めることに合意した。
  • 火曜日、シエラレオネの議会は、同国の人権侵害状況を記録し、国内和解を進めるべく、真実和解委員会を設置した。国連人権高等弁務官の派遣した人権専門家が、この委員会の規程草案づくりを支援した。
  • モザンビークで発生した30年ぶりの大洪水の被害に対処するため、国連は、1,360億ドルの資金拠出を求める機関間アピールを発信した。
  • FAOがこのたび発表した報告書によれば、アフリカの森林は、内戦、農地転換、過放牧、火災、燃料や木炭のための過度の伐採などにより、「深刻な脅威を受けている」。「1990年から1995年までの間、アフリカの森林は毎年、370万へクタール失われている。これは、0.7%の森林消失率であり、世界平均の0.3%に比べて、2倍以上の割合である」「1980年から1995年までに、アフリカの森林全体の10.5%が消失した」。
  • このたび、世界知的所有権機関(WIPO)は、世界レスリング協会、ステラ・ドロ・ビスケット社、テスラなどが「サイバー・スクワッティング」に関して行ったそれぞれの申し立てについて、判決を下した。このWIPOの手続きは、昨年12月に発効、仲裁調停センターが実施機関となってきた。これまでに、30カ国のさまざまな機関から89件の申し立てが行われている。

2000年2月22日

  • アナン事務総長、オーストラリア公式訪問を終了。首都キャンベラで行った記者会見において、事務総長は、国連が現在、東ティモールの行政運営において最善を尽くしていることを指摘した。「さまざまな施設やインフラなど、ほとんどすべてのものが実質的にゼロから構築あるいは再構築されなければならない場所において、国連は全力を尽くしている」
  • 平和維持活動において、子どもの権利保護が確実に優先されるようにするため、国連は子どもの保護を担当する顧問(Child Protection Advisers=CPAs)の職を創設した。今後、世界各地の平和維持活動に、これらの顧問が派遣されることになるが、すでに国連シエラレオネ・ミッションにおいて、最初のCPAが就任し、それに続いて、コンゴ民主共和国ミッションに対してもCPAが任命されており、近く就任する予定である。オララ・オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)とミィエ平和維持活動担当事務次長は共同声明を発表し、「これは、紛争の影響を受ける子どもたちのための真の突破口となるものである」と述べた。
  • 持続可能開発委員会(4月24日会合)を前に、経社理に提出された事務総長報告が発表された。報告書は、貿易と環境の関心事項が相互補完的となる複数の方法に焦点を当てるとともに、貿易、環境、開発に関する広範な課題について、WTO、UNCTAD、UNEPが、協力を強化する必要性を強調した。
  • コソボの暫定行政協議会(IAC)は本日行った通常会合の後、声明を発表し、今後、ミトロビツァを、「いかなる境界線もない『統合された町』」に変えていくとともに、人々が追放されることを防ぎ、避難民の財産を保護するため、全力で取り組んでいく、と述べた。
  • ルワンダ国際刑事裁判所上訴審部が、ジェノサイド容疑者Jean-Bosco Barayagwiza氏を、審理前の拘束延期によって権利を侵害されたとの理由で釈放すると決定したことについて、同裁判所の検察官Carla del Ponte氏は、その決定を破棄するよう促した。
  • 今週、スーダンはUNHCRに対して、同国が、エチオピアおよびエリトリア難民の帰還作業において「全面的な協力」を行うことを約束した。これを受けて、UNHCRは、今年後半にこの帰還作業を行うべく準備に取りかかっている。
  • 先週、イラン政府とUNHCRは、イランにいるアフガニスタン難民140万人の帰還をはかるとともに、また、帰国後に危険が予想される難民については強制追放されないとの合意に署名した。この合意により、適切な証明文書のないアフガニスタン難民は、今後6ヶ月の猶予期間中、帰還するか、あるいはイランに残るか、いずれかの申請をすることになる。この申請の審査決定においては、UNHCRの発言権が認められている。
  • アフガニスタンのパンジシール峡谷にいる数万の人々を食糧不足から救うため、WFPの輸送トラックが、タリバンと北部同盟の戦闘地域最前線を越え、同地に入り、緊急食糧13トンを届けた(WFP発表)。
  • WFPは現在、洪水で被災したモザンビークの人々に対して、食糧提供活動を続けている。国連人道問題調整部によれば、今回の洪水とサイクロンにより被災した人々は、約30万人。水曜日、1,300万ドルの拠出を求めて、モザンビークのためのアピールが発信される予定。
  • アナン事務総長は、カール・パシュケ氏(ドイツ)の後任として、内部監査部を担当する事務次長に、Dileep Nair氏(シンガポール)が任命されるよう提案した。この指名は、総会の承認を必要とする。

2000年2月21日

  • アナン事務総長、オーストラリア訪問初日。同国のハワード首相との会談後、事務総長は記者団に対して、オーストラリア政府と同国の人々が示した支援とリーダーシップがなかったとしたら、あまり多くのことは達成できなかったであろう、と述べた。
  • 東ティモールの「西部地区」の管轄権がINTERFETからUNTAETに移譲された。本日、Suaiで、この移譲を記念する式典が行われた。この移譲により、東ティモール全土が国連の軍事指揮下に入ったことになる。オーストラリアが率いた国際軍は2月23日、その任務を終了し、正式にUNTAETによって引き継がれることになる。
  • タンザニアのアルーシャで、ブルンジに関する交渉の本会議が、「アルーシャ・プロセスの促進者」(マンデラ前南アフリカ大統領)の下、開始した。アナン事務総長はメッセージを送り、ブルンジの紛争当事者間の和平合意成立の可能性は、大湖地域、特にコンゴ民主共和国において安定が回復するかどうかにかかっている、と述べた。(大湖地域担当事務総長特別代表Berhanu Dinka氏が、同メッセージを代読した)
  • 安保理が科した出国禁止決議に違反し、海外にでた元シエラレオネ反政府勢力指導者Foday Sankoh氏が、南アフリカを出国した。金曜日、安保理のシエラレオネ制裁委員会は、Sankoh氏の即時帰国を促すとともに、加盟国に対して、1998年6月の安保理決議1171の下、シエラレオネ反政府勢力メンバーが各国の領土に入ったり、通過するのを防ぐ義務を再確認するよう求めた。この通知を受けた後、南アフリカ当局が、同氏の帰国のため手続きを行った。
  • 今朝、女性や子どもを含むアルバニア系住民約2万人がプリシュティナからミトロビツァまでデモ行進した。これらの人々は、正午には、ミトロビツァ郊外に入り、その後、Ibar川にかかる橋にいた数千人は、午後の早い時間までには解散した。報道によれば、状況は、「非常に緊張し、また非常に危険な」ものであった。コソボ事務総長特別代表、KFOR司令官、コソボ保護隊指導者は、デモ行進の群集に語りかけ、沈静化をはかった。
  • 先週末、第10回国連貿易開発会議(UNCTAD X)が、今後の貿易交渉に開発の視点を取り入れるうえでのUNCTADの役割向上させる、「バンコク宣言」と「行動計画」の2つの文書について合意に達し、終了した。
  • 世界保健機関(WHO)と国連エイズ合同計画(UNAIDS)は、エイズ・ワクチンの開発を促進するための新しい国際的フォーラム、「HIVワクチン・イニシアチブ」を設置したことを発表した。
  • モザンビークにおいて過去50年で最悪の洪水が発生し、22万の人々が被災し、広範な破壊がもたらされたことについて、アナン事務総長は深い憂慮を表明した。
  • 「アフリカのための21世紀地域会議」がカメルーンのヤウンデで開始。FAOは、この会議で報告書を発表し、アフリカ諸国の政府がそれぞれ、少なくとも国家予算の25%を農業および村落開発に充当すべきである、と指摘した。
  • 「国際母国語デー(“International Mother Language Day”)」。昨年、ユネスコが、多言語教育を奨励するために、国際デーとして指定した。アナン事務総長はメッセージにおいて、現在の6,000の言語の多くが消滅の危機に直面しているなかで、言語の多様性を保護することの重要性を指摘した。

2000年2月18日

  • 東ティモール訪問最終日、アナン事務総長は、ディリで、大勢の群集に対して、東ティモールの人々の強さと威厳が世界を「感動させた」と述べ、同地の人々が平和な独立国家をつくるのを手助けするために国連がここにいるのである、と語った。
  • アナン事務総長は声明において、南レバノンで緊張が高まっていることの影響について、引き続き「深刻に憂慮している」と述べた。そして、すべての当事者の自制を再度求めた。
  • UNHCRによれば、この数週間で、コンゴ民主共和国における政府軍と反政府勢力との間の武力紛争を逃れて、約1万から1万5,000の人々が隣国コンゴ共和国に流出した。
  • 西サハラ情勢について、アナン事務総長による最新の報告書が発表された。同報告において、事務総長は、西サハラ住民投票に向けた日程は「もはや妥当性を失っている」と述べた。また報告において、住民投票実施プロセスにおいて、特に、有権者の資格判定プロセスを阻害した問題について留意した。そして、事務総長は、MINURSOの任期を5月31日まで延期するよう勧告した。
  • 植民地独立付与宣言履行特別委員会、年次会合を開始。フレシェット副事務総長は、開幕演説を行い、世界に残る17の非自治地域の人々が自決権を行使できるよう手助けするのは、同委員会の主要な任務である、と指摘。今年は国際植民地主義撤廃の10年の最終年にあたり、同委員会がこれまでの進展について評価し、今後の道筋を描くための好機を提供している、述べた。(このたび、国連広報局は、「国連と非植民地化」の問題について、新しいウェブ・サイトを開設した。アドレスは、http://www.un.org/dpi/decolonization/new
  • WFPは、スーダンの反政府・政府双方の支配地域で飢えの危機に直面する170万の人々を救うため、5,800万ドルの資金拠出を求めるアピールを国際社会に対して発信した。
  • UNHCRによれば、この数日間、チェチェンを逃れてイングーシェチアに流出する人々の数が増加している。またロシア軍制圧下の地域における人権侵害や、反政府勢力の支配化にある南部地域に対する激しい爆撃が、引き続き報告されている。
  • このたび、司法外の略式・恣意的処刑に関する特別報告者Asma Jahangir氏は、メキシコが、国内の「暴力の構造的原因」に対処するため、「根本的な改革」を行うよう勧告した。この勧告は、同氏が昨年7月に行ったメキシコ訪問に基づいて作成した報告のなかで行ったものである。
  • ルーマニアにおいてシアン化合物が流出し、欧州の複数の河川を汚染した事件を受けて、WHOは各国に対して、「水と健康に関する議定書」の安全規定を早急に採用するよう、強い調子で求めた。この議定書は、WHOとECEの35カ国が昨年6月にロンドンで署名したもので、締約国が農工業汚染から飲料水源を保護するよう義務を課している。

2000年2月17日

  • アナン事務総長が、東ティモールを初訪問。昨年、住民投票の後に大量殺戮が行われたことから“killing field”と呼ばれる町、リキサを訪れた事務総長は、5,000人の群集に向けて演説した。「我々は、皆さんのパートナーとして、ここにいる」「我々はともに、現在の危機を乗り越え、東ティモールのために新しい時代をつくることができる - 東ティモールが世界の国々の仲間入りをし、男性も女性も子どもも、尊厳と平和のなかで生きることができる時代である」
  • 安保理は決議1290を賛成14、反対0、棄権1(中国)で採択し、総会に対してツバルの国連加盟を勧告した。投票前、中国は自国の立場について発言し、国連加盟国は、国連憲章の義務を誠実に履行し、総会の諸決議、特に決議2758を真摯に遵守すべきである、と述べた。(1971年10月、総会は決議2758を採択し、中華人民共和国のすべての権利を回復するとともに、同国政府代表が国連における唯一の正当な中国代表であると認める、と決定した。)
  • アナン事務総長は、本日ワシントンで開始したアフリカ・サミットに対するメッセージにおいて、国連は「その活動のすべての面」でアフリカを優先事項としてきた、と述べた。アフリカ担当事務総長顧問のイブラヒム・ガンバリ氏が代読した。
  • 現在開会中の第10回国連貿易開発会議(UNCTAD X)において、数多くの主要問題に関するコンセンサスが形成されつつある。同会議スポークスマンによれば、「バンコク宣言」と「行動計画」の2つの文書がまもなく、最終交渉のために提示される見通し。
  • 今週初めにアフガニスタンのパンジシール峡谷で無差別爆撃が行われ、8人の民間人が死亡したことについて、アナン事務総長は遺憾の意を表明した。
  • UNMIKは、ミトロビツァの治安を回復するための緊急措置の一環として、同地に初の国際検察官を任命した。任命されたのは、オランダのJan Reint Johannes van Wijlland氏。今週火曜日には、ミトロビツァにおける初の国際判事として、スウェーデンのChrister Karphammar氏が任命されたのに続く措置。
  • 第12回アジア太平洋地域軍縮会議が、3日間にわたる会期を終了。ダナパラ軍縮担当事務次長は開幕演説において、世界中の一般市民が核兵器を嫌悪しているにも拘わらず、核兵器国はその製造の中止を急ごうとしているようには見えない、と述べた。ダナパラ氏によれば、「それらの国々の指導者は究極的な軍縮について語る」が、「その目標に到達するための具体的な措置について交渉しようとしない」
  • 今週、WHOは、スイスで行った年次会合において、今年後半に北半球地域を襲うことが予想されるインフルエンザに対抗するためのワクチンを承認。研究者および科学者は、このワクチンの内容について合意し、その後、これが世界中のワクチン製造者に伝えられた。インフルエンザに関する最新情報は、以下のウェブサイトで入手可能。アドレスは、http://www.who.ch/emc/flu/index.htm、あるいは、http://oms.b3e.juu.fr/flunet

2000年2月16日

  • インドネシア訪問中のアナン事務総長は、同国の大統領および国防大臣と会談。この後、記者団に対して、東ティモールにおける独立投票後の騒乱の責任者が不処罰となることはないというメッセージが発せられることの重要性を指摘した。
  • アナン事務総長は、インドネシア世界問題評議会において演説。大きな国家を分裂させ、小さい国々をつくることは、政治的に難しい問題を解決する方法としては、多くの場合、「無駄で非想像的なもの」である、と述べた。
  • 平和維持活動担当Hedi Annabi氏は、安保理非公式会合において、コソボ情勢に関するブリーフィングを行い、UNMIKが依然として、少数者に対する襲撃や追いたて、殺害などの対処に追われている、と述べた。しかし一方、コソボの治安情勢が2月下旬以降、悪化するなかでも、法の支配の回復に向け、UNMIKによって裁判官や検察官の任命がはじめて行われるなど、段階的な進展をみせている、と付け加えた。なお、2月11日までに、国連の警察官2,052人がコソボに展開している。
  • ロビンソン人権高等弁務官は声明を発表し、ロシア政府に対して、チェチェンの人権状況監視を受け入れるとともに、グロズヌイなどに対する襲撃中およびその後に、同地において深刻な人権侵害が行われたことを示す大量の証拠に対しての行動を求めた。
  • ビルト・バルカン問題担当事務総長特使は、「バルカン安定化協定」のフォローアップ会合で発した声明において、バルカン諸国が今後も引き続き、国際社会から十分な支援を得たいと思うのであれば、妥協し、安全かつ民主的な社会の建設に向けて関心を示さなければならない、と述べた。
  • 昨日、国連環境計画(UNEP)と国連貿易開発会議(UNCTAD)はバンコクで共同声明を発表し、開発途上諸国による貿易・環境・開発政策の統合努力に対する支援を提供すべく、UNEP・UNCTAD双方の専門性やネットワークを利用した、能力建設タスクフォースを設置したことを明らかにした。
  • アフリカへの投資に関して、国連と国際商工会議所(ICC)が昨年末、共同で実施した多国籍企業の意識調査がこのたび発表された。この調査によれば、世界の多国籍企業の半分以上は、アフリカに対する現在の投資レベルを今後も維持するとしており、また、3分の1は、同大陸への投資を拡大する意向を示している。

2000年2月15日

  • アルバロ・デソト事務総長顧問が、キプロス問題に関して、安保理にブリーフィングを行った。この後、安保理議長は報道声明を発表し、キプロス紛争当事者に対して、包括的解決をめざして努力を続けるよう奨励するとともに、最近行われた間接交渉が「前向きな雰囲気で、条件をつけずに」行われたことについて、歓迎の意を示した。
  • アナン事務総長、インドネシア入り。同国のシハブ外相との会談後、事務総長は記者団に対して、法の支配、東ティモール騒乱に関与した容疑者の起訴に向けたインドネシア政府の努力を賞賛する、と語った。
  • 東ティモールの飛び地Oecussiの軍事指揮権が、INTERFETからUNTAETに移譲された。本日、Oecussiで行われた式典において、INTERFETの旗は下ろされ、かわりに国連旗が掲揚された。
  • UNMIKは、ミトロビツァの治安を回復するため、セルビア国民評議会に新たな提案を示し、その承認を得た。今後、コソボの他の地域で展開するUNMIK警察をミトロビツァに再集結させるなどの措置を講じることになる。
  • 国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)がその活動を成功裏に終えたことを受け、アナン事務総長は声明を発表し、同ミッションがアフリカやその他の地域における国連平和維持活動の可能性を示した、と述べた。
  • コンゴ民主共和国人権侵害に関する特別報告者Roberto Garreton氏は、同国において、兵士19人の恣意的執行が実施されたことについて、遺憾の意を表明した。(1月28日から2月2日までの期間中に、これらの兵士は、同国軍事裁判所から死刑判決を受け、判決直後に処刑された。)
  • UNHCRは、リベリア政府がギニアとの国境を再開し、リベリア難民の帰還を認めたことを歓迎。(6ヶ月前、リベリア政府は、治安上の理由をあげ、同国境を閉鎖していた。)
  • シエラレオネ東部にある反政府勢力支配下の地域Koiduにおいて、道路状況の評価活動を終えた国連調査団が、フリータウンに戻った。軍事監視員5人がケニア小隊の警護の下、評価活動を行ったが、この地域に国連が入ったのは初めて。
  • ルワンダ国際刑事裁判所が発行した逮捕状に基づいて、Francois-Xavier Nzuwonemeye氏とInnocent Sagahutu氏の2人が逮捕された。Nzuwonemeye氏は、フランスの自宅で、Sagahutu氏はデンマークの自宅で、それぞれ逮捕された。
  • UNHCRによれば、ロシアの対チェチェン軍事攻撃対象が、グロズヌイから南へ移動したことに伴い、先週金曜日以降、反政府勢力支配下にあるグロズヌイ南部の山岳地帯から、450人以上が流出している。
  • 2週間前、ルーマニア北部の金鉱山からシアン化合物がドナウ川に流出するという災害事件が発生し、野生生物や水供給に多大な影響が及んだことを受けて、UNEPはこのたび、バルカン紛争の影響評価のために昨年設置されたタスクフォースを構成する科学者たちに対して、人間の健康および環境に及ぼすリスク評価を支援するよう求めた。

2000年2月14日

  • アナン事務総長、シンガポール公式訪問。本日、第18回シンガポール年次講演において、「地球社会の言葉は国際法である。そして国際法の原則とは、強者と弱者に対して、同様の権利を保障することである」と述べた。この講演の題目は、「地球的価値 - 21世紀の国連と法の支配」。
  • クシュネル事務総長特別代表は、暫定行政協議会の特別会合を招集し、ミトロビツァの安全を回復するための一連の措置を提示した。この措置の詳細については、火曜日、プリシュティナで行われる記者会見で発表される。なお、日曜日には、クシュネル特別代表とKFOR司令官は共同声明を発表し、ミトロビツァでの暴力事件は容認できず、これに参加した者は法の裁きを受けることになる、と述べた。
  • 東ティモールの中央地区の管轄権が、INTERFETから国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)に移譲された。本日、ディリで、これを記念する式典が開かれ、INTERFETおよびUNTAETの兵士200人が参加した。今後、中央地区については、UNTAETのポルトガル部隊の管轄下となる。
  • シエラレオネ担当事務総長特別代表Oluyemi Adeniji氏は、ニューヨーク国連本部で記者ブリーフィングを行い、今後、さらに国連平和維持兵から武器が略奪されるであれば、「強力な対応(“forceful response”)」をはかるとの意向を示した。先週土曜日、同特別代表は、反政府勢力RUFの指導者Foday Sankoh氏と会談。武器の略奪について、昨年のロメ合意の違反であるとし、その即時返還を求めた。
  • アナン事務総長は、国連が、イラクの人々の苦境を緩和するうえで、イラク人道プログラムの実施や効率性の向上に最善を尽くしている、と述べた。(国連イラク人道調整官Hans von Sponeck氏が辞任したことについて、シンガポールで記者団からの質問を受け、語った)
  • ルワンダ国際刑事裁判所の上訴審部は、Omar Serushago氏からの控訴を棄却。1994年ルワンダ虐殺について、同裁判所による起訴・有罪判決が確定したのは、同氏がはじめてである。
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の平和維持兵4人(アイルランド)が、車の事故で死亡した。休暇でアイルランドに帰国するため、ベイルート空港へ向かう途中、Damour近くの沿岸道路でスリップ、衝突した。その他に4人が同乗していたが、これらの兵士も負傷した。1978年以来、死亡したUNIFIL兵士は、計233人。このうち77人については、敵対的な戦闘状況が原因である。

2000年2月12日

  • アナン事務総長、第10回国連貿易開発会議(UNCTAD X)で演説。今日の経済の敗者が苦境に陥った原因は、グローバリゼーションに対して極度に露出されたことよりも、除外されたことにあり、グローバルな経済利益がすべての人々に届くようにすることこそ、国際社会が優先して取り組むべきことである、と述べた。

2000年2月11日

  • アナン事務総長、タイ訪問2日目。Thammasat Universityから名誉学位を授与された後、事務総長は同大学で行った演説において、世界各地の紛争を抑えようとするなら、国連平和維持兵の迅速な展開能力が「絶対的に必要である」、と述べた。「例えて言うならば、現在は、火事が発生したら、消防作業にかかる前に、まず消防署を建てなければならないような状況である」
  • UNCTAD Xの議長を務めることになっているスパチャイ・タイ副首相は、UNCTAD事務局長との共同記者会見において、いまや、市民社会を内包し、世界の最貧国のニーズに取り組むべき時代である、と述べた。
  • UNTAETとオーストラリア政府は合意覚書に署名し、東ティモールとオーストラリア北部間の海底石油資源の分割に関する1989年条約規定を継続することを決定した。
  • コソボの町、ミトロビツァにおいて、最近、暴力事件が頻発し、アルバニア系住民が大量に流出している。2月2日、セルビア系住民を乗せたUNHCRのバスが対戦車ロケット弾による攻撃を受け、2人が死亡、3人が負傷したが、その後の報復攻撃により、少なくとも7人のアルバニア系住民が殺害された(UNHCR発表)。
  • UNHCRは、「コソボ難民危機 - UNHCRの緊急事態への準備および対応の独立評価」と題する報告書を発表した。対象期間は、1999年3月下旬から6月中旬まで。コソボ難民に対するUNHCRの準備作業・対応策について、批判的に調査・評価した。
  • UNHCRは、コロンビアの避難民の規模について、引き続き深刻に憂慮している、と表明。同国においては、長期にわたる内戦によって、これまでに80万の人々が自らの家を追われ、避難民となっている。
  • 木曜日、ワシントンで3日間にわたり開かれていた国際麻薬サミットが終了した。同フォーラムにおいては、薬物との闘いにおける国際協力の必要性、および国連の役割に焦点が当てられた。
  • WFPは、アフガニスタン救済援助計画に対する資金が集まらなければ、今後数ヶ月以内に150万のアフガニスタン人が飢餓に直面することになる、と警告を発した。
  • 国連先住民作業部会議長Erica-Irene Daes氏、メキシコ訪問中。これまでにチアパス州を訪れ、地域の人権委員会のメンバーや州知事と会談した。
  • 3月27日から31日まで、人口開発委員会の開催が予定されているが、本日、この委員会に提出される報告書が発表された。同報告書によれば、世界中で、女性の寿命は男性より長いが、女性の喫煙率が高くなっていることから、女性の死亡原因に煙草が占める割合が大きくなっている。しかし、それでも、80歳以上の年齢層において、女性の数は男性の2倍近い。

2000年2月10日

  • 安保理は議長声明を発表し、アナン事務総長が国連中央アフリカ共和国平和建設事務所(BONUCA)の設置(2月15日付)を決定したことを歓迎した。また、2月15日で任期が切れる国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)が、中央アフリカ共和国の平和と安全の回復に果たした役割を賞賛した。
  • 安保理は、平和維持活動担当事務次長補Hedi Annabi氏からコソボ情勢に関するブリーフィングを受けた後、議長声明を発表し、コソボの治安状況の悪化に憂慮を表明。全当事者に対して、最大限の自制と寛容を求めた。
  • アナン事務総長、タイを公式訪問。タイ首相Chuan Leekpai氏との1時間にわたる昼食会談において、最近の景気後退から同国が回復したことを称えるとともに、同国が昨年の東ティモール暴動の際に支援を提供したことについて同国指導層に謝意を表明した。
  • INTERFETは、安保理に対して、東ティモールにおける1月末までの2ヶ月にわたる活動報告書を提出。INTERFETは現在、その責任を国連平和維持兵に移譲しつつあるが、同報告によれば、国連平和維持兵にとって、今後、西ティモールにある東ティモールの飛び地Oecussiの安全を確保することが「最優先事項」となろう。
  • 水曜日、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)は反政府勢力との交渉により、フリータウンの北西65―70マイルにあるOccra Hills地域で捕らえられていた子ども15人を解放することに成功した。UNAMSILによれば、今年、これまでに81人の子どもが解放された。
  • 国連は、タジキスタンで2月27日に行われる議会選挙を監視するため、同国に国連選挙専門家チームを派遣する、と発表した。この選挙により、同国政府と反政府勢力United Tajik Oppositionの1997年和平合意に規定された移行段階が完了することになる。国連タジキスタン監視団の支援を受け、同チームは、すでに同国に展開している欧州安保協力機構の監視団と共同で選挙プロセスを監視する。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長は、南アフリカ、ナミビア、モザンビーク、ブルンジの4ヶ国歴訪を開始。エイズ、貧困、男女差別、紛争がアフリカ大陸の3億人の子どもたちに及ぼす影響への取り組み方を探る。
  • アジアで発生するサイクロンや台風について、今後、WMO・ESCAPの組織する国際委員会が作成したリストから、その名前が選ばれることになる。例えば、Damrey(カンボジアで象を意味する)、Usagi(日本のうさぎ)など。これまでは、東アジアで発生する暴風雨などの名前は、米国共同台風警告センター(グアム)によって決定されていた。

2000年2月9日

  • 安保理、紛争地帯における国連要員の保護に関して公開討論。フレシェット副事務総長は開幕演説において、世界中で国連要員に対する攻撃が増加している一方、それら要員の保護のための資金が不足している、と指摘した。
  • 上記の公開協議の終わりに、安保理は議長声明を採択し、国家、非国家双方の当事者が、国連要員およびそのほかの人道援助活動員の地位を尊重し、それら要員に対する暴力に責任を有する者を裁判にかけるよう促した。
  • デメロ事務総長特別代表は、東ティモール再建のための国際社会からの資金拠出が「迅速」になされるとの保証を得た、と述べた。インドネシア、ジュネーブ、ニューヨークの訪問を終えたデメロ氏は、ディリへの帰途に就いたが、同氏によれば、今回の訪問中、ドナー国、世界銀行、国際通貨基金と「とても良い」会合を持つことができた。
  • 本日、メンバーを増やしたコソボ暫定協議会(KTC)が初会合。当初12人だったメンバーが34人に増え、コソボのさまざまな政治・宗教・民族コミュニティーをより広く代表する形になった。
  • 月曜日、エチオピアにおいて、「国境なき医師団」の職員が襲われ、運転手が死亡し、2人が負傷した。この事件について、緊急救済調整官代行Carolyn McAskie氏は、「衝撃と悲しみ」を表明した。
  • 世界保健機関によれば、戦闘を逃れてチェチェンからイングーシェチアに流出した推計18万の人々の間で、結核が蔓延する危険が深刻化している。
  • 日曜日、国連地雷行動サービスは、シエラレオネに埋設された地雷に関する技術評価活動を終了。同国に埋設された地雷が「限定的な問題」を投げかけているとし、その処理については、国連シエラレオネ・ミッションが行うことができる、と報告した。

2000年2月8日

  • イスラエルがレバノンの市民を対象にして空爆攻撃を行ったことについて、アナン事務総長が遺憾の意を表明。
  • 2月にニューヨークで開始し、ジュネーブで継続して行われていたキプロス間接交渉は、順調に運んでいる。アルバロ・デソト事務総長顧問が、ジュネーブでの間接交渉で、キプロス紛争当事者と計14回に及ぶ会合を終えた後で、記者団に語った。デソト氏によれば、事務総長による次回間接交渉(5月23日、ニューヨーク)の招請について、当事者は原則受諾した。
  • 第38回社会開発委員会、開始。ニティン・デサイ事務次長は、開幕演説において、社会開発サミット(1995年)が、今日の世界的な最重要課題である問題について、先んじて論じたことを指摘した。このサミットの結果の履行状況について再検討する特別総会(6月26日-30日、ジュネーブ)に向けて、今会期においては、この問題に関して、全般的な討議が行われる予定。
  • UNHCRは現在、インドネシア当局に対して、西ティモールにいる難民や援助活動家に対する暴力の拡大を止めるため、しかるべき措置を即時に講じるよう働きかけている。本日、UNHCRスポークスマンがジュネーブでの記者ブリーフィングで語った。
  • 最近、コソボ北部の町、ミトロビツァで、民族間の暴力事件が発生し、これによりアルバニア系住民8人が死亡したが、本日、この事件以来初めての暫定行政協議会が開かれた。クシュネル事務総長特別代表は、協議会が、「当然の見解」を示したとし、「まず、情勢の沈静化をはかるため、法と秩序を再構築し」、来週、ミトロビツァのための戦略に関して、「実質的な討議を行う」と述べた。
  • WFPによれば、ウガンダ北部の避難民の数が、この6週間に拡大した反政府勢力の激しい戦闘行為によって、増えている。治安状況が改善するまで、最終的な人数は確定できないが、その数は、43万5,000人に及ぶとも見られている。
  • 本日、国連本部で発表された事務総長書簡によれば、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の委員長に任命されたハンス・ブリクス氏は、3月1日に同職に就任する予定。同書簡において、事務総長はまた、安保理に対して、この委員会メンバーの人選に関する協議を開始した、と通告した。
  • 国際麻薬統制サミット、ワシントンで開始。「21世紀における不正取り引きおよび処遇の課題」について、検討する。
  • 1999年、これまで約10年間の海外直接投資の上昇傾向が継続してみられ、グローバル・フローにおける「意義深い新記録」となった。UNCTADが、2月12日に開始する第10回国連貿易開発会議(バンコク)のために用意した、評価報告のなかで明らかにした。
  • バルカン半島における紛争が環境と人間居住に与えた影響の調査の一環として、バルカン・タスクフォース(BTF)が、来週から、セルビアのPancevo、Kragujevac、Novi Sad、Borの4箇所について、環境浄化に関するフィージビリティスタディを行う。BTFは、昨年5月、UNEPおよびUNCHS/Habitatの共同事業として設置された。
  • このたび、イタリアにおいて、大気汚染を削減するため、ローマ中心部および全国の150都市で私有車両の乗り入れを禁止する施策が講じられたことについて、テプファーUNEP事務局長は歓迎の意を表明した。
  • フランス当局が拘束していたパナマ漁船“Camouco”の問題について、国際海洋法裁判所は判決を下し、フランスが同漁船を、保証金800万フラン(120万ドル)の提供を受けた後に、パナマに返還するよう命じた。
  • UNFPAは、1999年のミス・ユニバース、Mpule Kwelagobeさんを、その出身国、ボツワナ担当の親善大使に任命した。

2000年2月7日

  • 安保理は決議1289を全会一致で採択し、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の軍事要員の人数を当初の6,000人から、1万1,000人へと拡大するとともに、新たな任務を加えた。さらに、その任期を半年間延長した。
  • 第7期石油食糧交換プログラムの下、イラクが石油売却によって得た収益は、推計66億ドルになると予測される。イラクプログラム担当のべノン・セバン事務局長が、安保理に対するブリーフィングで述べた。この推計は、現在の契約レベルや石油価格に基いて算出されたもの。なお第7期プログラムの期間は、12月12日からの6ヶ月間である。
  • アナン事務総長、アジア訪問に向けてニューヨーク出発。木曜日と金曜日、タイを公式訪問した後、土曜日にはUNCTAD X(バンコク)に出席。同日、国連‐ASEAN会合で演説する。その後は、日曜日にシンガポール、火曜日にインドネシアを訪問。17日(木)には、東ティモールの国連部隊を視察、天候がよければ、西ティモールのAtambuaも訪れる。さらに、その後、オーストリアとニュージーランドを訪問し、24日にはニューヨークに戻る予定。
  • アナン事務総長は、UNDP主催の「タウン・ホール」会合(国連本部)で演説。現在、アフリカのほとんどの国々の政府が、HIV/AIDSに対処するための第1歩は問題を公に認識することである、と理解するようになった、と述べた。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、プリシュティナで記者ブリーフィングを行い、コソボの町、ミトロビツァの治安を高めるために、新しい戦略を実施している、と述べた。町の北部にはKFORのデンマーク部隊、南部にはフランス部隊が展開するほか、あわせてドイツの2小隊、軍事特別ユニットの1機動小隊もミトロビツァに展開することになる。
  • ルワンダ国際刑事裁判所の逮捕状を受けた後、2月5日、英国政府は、ルワンダの軍隊の元司令官、Tharcisse Muvunyi中佐を逮捕した。ICTRによって起訴された個人が英国で逮捕されたのは、これがはじめて。1月29日には、ベルギーで、Augustin Ndindiliyimana氏が逮捕されたが、今回の英国での逮捕は、この先例に従って、行われた。
  • 西ティモールにある、東ティモールの飛び地Oecussiの集団埋葬地において、国連法医学者チームが、合計37の遺体を発掘した。また、Passabeでの虐殺事件(1999年9月)の犠牲者のものと思われる遺品9セットも発掘した。現在、この他に、2遺体が発見されているほか、さらに8遺体が発見・発掘されると見られる。
  • 国際司法裁判所が、新しい所長と副所長を選出した。新所長はジルベール・ギョーム(フランス)、副所長は外字。それぞれ、任期は3年。
  • クリントン米国大統領が、特に開発途上国におけるきれいなエネルギー技術の開発・分配に対する支援を拡大すると提案したことについて、国連環境計画のテプファー事務局長は、歓迎の意を表明した。テプファー氏はまた、米国政府が本日発表した“Greening the Globe”イニシアチブについて、「地球の生物多様性の保存に大きく貢献し、熱帯雨林を保護しようとする開発途上国の努力を強化する」として、高く評価した。

2000年2月4日

  • 昨日、コソボ北部の町、ミトロビツァにおいて民族間の暴力が発生し、少なくとも4人が死亡、20人が負傷した。(UNMIKの中間報告によれば、セルビア系のカフェに手榴弾が投げ込まれ、中にいた人々が負傷。これより2時間ほど前には、群集が、高齢のアルバニア人男性とその妻を襲った後、複数のアルバニア人の家を襲撃した)
  • 昨日、平和維持活動担当事務次長補Hedi Annabi氏が、安保理の非公開協議において、コンゴ民主共和国における国連部隊の総兵力を5,537人にするよう勧告する事務総長報告に関して、ブリーフィングを行った。その後、安保理議長は報道声明において、同国の人権状況に憂慮を示し、同勧告への支持を表明した。なお、2月の安保理議長は、Arnoldo Manuel Listre大使(アルゼンチン)。
  • 西ティモールのOekusiにある集団埋葬地において、国連の法医学者チームが、銃で撃たれた痕跡のある遺体を初めて発掘した。現場で調査にあたっている病理学者によれば、この遺体の傷痕により、私刑が行われていたことがわかる。これまでに発掘された遺体のほとんど ー26遺体、および身体の一部が欠けた6遺体― について、身体・頭蓋骨の損傷が認められる。この損傷は、おそらく「なた」によるものと見られる。
  • セネガルが、前チャド大統領Hissene Habre氏を、拷問を行った容疑で起訴したことについて、ロビンソン人権高等弁務官は、歓迎の意を表明した。「ダカールの決定が発するメッセージは明確である」「拷問やそのほかの著しい人権侵害を命じたり、容認する者にはもはや、平穏な引退など保証されないということである」(ロビンソン氏)。
  • 第10回国連貿易開発会議(バンコク、2月12日-19日)を前に、UNCTADのニューヨーク事務所のチーフKhalilur Rahman氏は記者団に対して、この会議はグローバリゼーションを開発のための「効果的な道具」とすることをねらうものである、と述べた。
  • UNHCRによれば、1月1日以降、武力紛争や家の放火によって、ブルンジからタンザニアに流出した人々が、約2万4,000人に及んでいる。1月31日現在、UNHCRはタンザニアにおいて、44万人の難民を援助しているが、そのうち33万人がブルンジ人、10万1,000人がコンゴ人、2万人がルワンダ人である。
  • 国連アフガニスタン調整官部によれば、1ヶ月前、アフガニスタン北部において、新たに100人がはしかにより命を失った。

2000年2月3日

  • デメロ・東ティモール事務総長特別代表が、東ティモール情勢に関して安保理にブリーフィング。同地の社会情勢の不安定化を回避するための資金が緊急に必要である、と述べた。
  • 事務総長付スポークスマンは、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が、最近、駐留本部近くで発生した銃撃事件にも拘わらず、任務の遂行を続けていく決意を固めている、と述べた。同軍が撤退を余儀なくされる可能性に言及した、UNIFILスポークスマンの過日の声明に関する記者団の質問に答え、「撤退は国連の意図するところではない。国連は1978年以来ずっと、根気よく任務を遂行してきたのであり、最後までそうしていけるよう願っている」と述べた。
  • パレスチナ人の不可譲の権利行使に関する委員会、今年度会期を開始。アナン事務総長は開幕演説を行い、新ミレニアムのはじめ、中東和平プロセスに「希望の回復と刷新」がみられる、と述べた。
  • 昨日、コソボのMitrovicaとBanja間を運行する国連バスが、対戦車ロケット弾による攻撃を受け、2人が死亡し、5人が傷を負った。アナン事務総長は、コソボのすべての人々がともに、この「卑劣な」襲撃事件を非難するよう訴えた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)の新所長、Claude Jorda氏は、国連本部で記者団に対して、ICTYが「良い仕事をしているが、完璧ではない」と述べた。現在、Jorda氏は、行財政問題諮問委員会の委託を受けて作成された報告書がICTYの業務効率性について指摘した懸念事項について、複数の国連高官と話し合っている。
  • WFPは、ケニアにおいて、最近の干ばつにより、200万人以上が食糧援助を必要としているとし、7万5,000トン規模の食糧援助のために4,340万ドルの拠出を求めるアピールを発した。
  • 国連が財界、市民社会との“global compact”を促進するために最近開設したホームページ(http://www.unglobalcompact.org)が水曜日、米紙USA Todayの「今日のホット・サイト」上位5選の1つに入った。

2000年2月2日

  • アナン事務総長は、本日閉会する軍縮諮問委員会で演説し、世界的に危険な軍備競争の兆候がみられることについて警鐘を鳴らした。
  • コソボにおいて、国連バスが乗客49人(ほとんどがセルビア系住民)を乗せ、Banja・Mitrovica区間を通常運行していたところ、対戦車ロケット弾による攻撃を受け、乗客2人が死亡、3人が負傷した。なお、バスには、UNHCRのマークが入っていた。(UNHCR発表)
  • UNMIK警察長官Sven Fredriksenが国連本部でプレス・ブリーフィング。コソボにおいて殺人事件は急減したものの、今後、殺人未遂、憎悪犯罪などの重大犯罪をなくしていくために、さらに多くの資源が必要である、と述べた。同氏によれば、UNMIK警察官4,780人の展開が承認されているが、今日現在、1,970人しか展開していない。
  • 東ティモールのOecusse(西ティモール内飛び地)にある集団埋葬地において、法医学者チームが、15人の遺体を発掘し、また、損傷した不完全な5人の遺体を発見した。
  • 先週土曜日、ベルギー当局は、ルワンダ・ジェノサイドの容疑者Justin Ndindiliyimana氏(元軍事警察長官)を逮捕した。
  • 火曜日、シエラレオネにおいて、元少年兵の子どもたち37人(6歳から12歳、少女一人含む)が無事解放され、国連軍事監視員チームによって保護された。子どもたちは、フリータウンでユニセフの手にあずけられた。
  • 「越境組織犯罪に対する国際条約の詳細に関するアドホック委員会」において、国連加盟国代表たちは満場一致で、腐敗に対する新しい国際条約を作成する必要性を提唱した。この条約の作成は、不法な火器、人身売買、密入国に関する追加的な議定書とともに、今年後半、イタリアで開かれる特別会合で完了する予定。

2000年2月1日

  • 東ティモールにおいて、INTERFETが国連に対して、平和維持活動の指揮権の移譲を開始。本日、東部の町、Baucauで行われた式典において、INTERFET司令官がSector Eastの指揮権をUNTAET司令官に正式に譲り渡した。
  • UNHCRが本日発表したところによれば、月曜日、イングーシェチアに逃れたチェチェン避難民の数は2,100人に上った。一方、再びチェチェンに戻ろうとする避難民の数は減っている。
  • 国連機関、ロシア、NGOで構成する視察団が、イングーシェチアの首都ナズラン入り。5日間滞在し、同地の人道状況を調査する。この調査結果は、同地域のための今後6ヶ月間にわたる人道援助アピール(6ヶ月間)を作成するための土台となる。
  • 経済社会理事会の新議長、インドネシアのMakarim Wibisino氏は、来る高級会合において、情報技術の問題に焦点を当てる意向を示した。
  • グリラブ総会議長は、この数日の間に相次いだ航空機墜落事故(コートジボワール沿岸でのケニア航空旅客機墜落、カリフォルニア沿岸でのアラスカ航空旅客機墜落)の犠牲者の遺族に対して、哀悼の意を表明した。また本日、総会は高原寿一氏(日本)を行財政問題諮問委員会の委員に任命した。これで、戸谷文聡氏(日本)の辞任後、空席となっていたポストが埋まる。
  • ジョセフ・コナー事務次長は、国連本部で開催された「エネルギー効率性、グローバル競争力、規制緩和に関する国連ワークショップ」で演説し、国連が、環境に対して責任を負うエネルギー政策のための取り組みを行っている、と述べた。
  • コロンビアの国内避難民を援助するため2年間プログラムの資金900万ドルを求める、世界食糧計画(WFP)のアピールに対して国際社会からの反応が一切ないことから、WFPは、本日開始する予定であった同プログラムの延期を余儀なくされた。
  • 国連環境計画(UNEP)は、環境にやさしいシロアリ対策を考えるため、世界の専門家を集めたワークショップ(3日間)を開催。シロアリの生態や統制が世界的にどういった状態にあるかを検討し、残留性有機汚染物質(POPs)をなくしていく方法を勧告する予定。
  • 国連予算に対する加盟国の滞納金は、総額約34億7,000万ドルに上る。内訳は、通常予算13億ドル、平和維持活動21億ドル、2つの国際刑事裁判所3,180万ドル。1月末現在で、通常予算に対する分担金を完納したのは、43ヶ国。なお、総会は火曜日、滞納金が2年間分の額に等しいかこれを超えた加盟国52ヶ国のリストを発表。憲章第19条に従って、これらの国は、その滞納額が2年間分を下回るまで、総会での投票権を失う。ただし、このうち7ヶ国については、特別な免除措置が適用される。

2000年1月31日

  • 安保理、「アフリカ月間」を終了。1月中、安保理は、アフリカのHIV/AIDSや難民・避難民、アンゴラ、ブルンジ、コンゴ民主共和国(DRC)における紛争の問題について集中的に討議した。DRCに関する特別会合には、アフリカから7ヶ国の大統領および閣僚級代表7人が出席した。
  • アナン事務総長はジュネーブで、キプロス間接交渉の議長を務めた。事務総長は、ジュネーブ国連事務局で記者団に対し、「それは、ひとつの希望であるが、私たちが一所懸命努力し、ギブアンドテークの精神と妥協を許す気持ちで交渉にのぞめば、実現可能であろう」と述べた。交渉は約10日間続けられ、火曜日からは、デソト事務総長特別顧問が議長を務める。
  • 東ティモールに関する国際調査委員会の報告書が本日、発表された。同報告は、東ティモールの住民投票実施後に発生した騒乱状態において、人権の「深刻な侵害」が行われたことを示す証拠を示し、犯罪者を裁判にかけるための法廷を設置するよう勧告した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の活動に関して、初の事務総長報告書が発表された。同報告において、アナン事務総長は、UNTAET設置から3ヶ月間、東ティモール独立に向けた基盤整備のために精力的な活動が行われた、と述べた。
  • 安保理は決議1287を全会一致で採択し、アブハジア(グルジア)の紛争地帯の「継続的な不安定状態」に対する懸念を強調するとともに、国連グルジア監視団(UNOMIG)の任期を7月31日まで6ヶ月間延長した。
  • 安保理は決議1288を全会一致で採択し、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の任期を7月31日まで6ヶ月間延長した。同時に、UNIFILに対するすべての暴力行為を非難し、当事者に対して、UNIFILの「任務の完全実施」のため、十分に協力するよう求めた。安保理はまた、同決議に伴って議長声明を発表し、すべての国が「いかなる国の領土保全、政治的独立に対しても脅威を与えたり、または武力を行使したり、あるいは国連の目的に合致しないような形でそうした行動をとってはならない」と訴えた。
  • 「森林に関する政府間フォーラム」が国連本部で、2週間の会期を開始。森林が気候変動に対する最善の防衛策であること、また森林伐採や森林火災の発生を抑えることで、炭素吸収源としての森林の能力が大きく拡大することについて、人々の認識が高まっていることに応える。なお同フォーラムは、持続可能開発委員会の下部機関。
  • 生物多様性条約の特別締約国会議(モントリオール)において、「バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書」が採択された。同議定書の下、各国は、遺伝子組替え作物の輸入を制限する権利を有することになる。
  • ユネスコは、国際婦人デー(3月8日)には、各マスメディアの編集管理が女性編集者によって行われるよう訴えた。メディア界において、女性が高い編集者の地位に就こうとしても、その数を制限するガラスの天井があることに世論の関心を集めることをねらう。このイニシアチブに参加を希望するメディアは、ユネスコのホームページで登録できる。アドレスは、http://www.unesco.org/march8。科学誌「ネーチャー」が、このイニシアチブに参加を表明した雑誌第1号である。

2000年1月28日

  • アナン事務総長、モスクワで、ロシアのプーチン大統領代行と初会談。事務総長は、この会談後の記者会見において、会談の多くの時間がチェチェン問題に割かれたとするとともに、「とても良好かつ建設的な」会談が行われた、と述べた。
  • 国連・財界・市民社会の関係の在り方をうたった“Global compact”(アナン事務総長が昨年提唱)に関するホームページが開設され、本日、世界経済フォーラム(ダボス)で記念式典が行われた。このホームページのアドレスは、http://www.unglobalcompact.org。
  • UNHCRによれば、チェチェンの首都グロズヌイをめぐる攻防により、自らの家を追われる人々の数がますます増大している。また、厳冬下、イングーシェチアにおいて、特に仮住居やテントなどで避難する人々は、悲惨な生活を強いられている。
  • 最近発生した複数の暴力事件を受けて、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、東ティモールの主要地域において、UNTAET文民警察(CIVPOL)の巡回を増やす等、法・秩序向上のための措置を講じた。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長が東ティモール視察を終了し、国連本部に戻った。ベラミー氏は本日、国連本部で記者会見を行い、東ティモールにおけるユニセフの活動の焦点は、子どもたちが再び、学校教育を受けることができるようにすることである、と述べた。
  • 国連は、エリトリアとエチオピア両国で窮状にある人々のため、国際社会が人道援助を提供するよう、アピールを発信した。
  • 国連シエラレオネ・ミッションの人権チームはこのたび、シエラレオネ北西部Port Lokoおよび同国北部Kabalaの人権状況の視察を終了。両地域の劣悪な人権状況について、警告を発した。
  • ツバルからの国連加盟申請を受け、安保理は、この審査を加盟審査委員会に付託した。ツバルが加盟した場合、国連加盟国数は189ヶ国となる。
  • 世界食糧計画(WFP)の視察団がインドネシアのMoluccas諸島を訪れ、その食糧事情を調査したところ、約10万の人々が「深刻な」食糧不足に直面していることが判明した(WFP発表)。
  • 今年度の国連通常予算に対する分担金支払い期限(1月31日)が迫るなか、本日、カナダ、アイスランド、南アフリカが、それぞれの分担金を完納。これで、これまでに完納した国は、188ヶ国中、36ヶ国となった。

2000年1月27日

  • アナン事務総長は、1981年から1997年までIAEA事務局長を務めたハンス・ブリクス氏(Dr. Hans Blix)を、国連イラク監視検証査察委員会(UNMOVIC)の委員長に任命した。これより前、安保理は、事務総長によるブリクス氏の指名を正式に承認している。
  • アナン事務総長、モスクワ入り。2日間の滞在中、プーチン・ロシア大統領代行など、ロシアの指導者たちとの会談が予定されている。本日午後は、同国下院議長Gennady Seleznyov氏、上院議長Egor Stroyev氏と会談し、チェチェン問題などについて話し合った。
  • アナン事務総長は、ギニアビサウで選挙が成功裡に終わったことを歓迎するとともに、同国の人々が民主主義と平和に対する確固たるコミットメントを示し、最近の窮状を克服すべく力を合わせて働いていることを賞賛した。(1月21日、同国で1月16日に行われた大統領選の結果が、全国選挙委員会によって正式発表された。)
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の新所長Claude Jorda氏は、初めての公式記者会見(ハーグ)において、同裁判所がその歴史上、「転換点」にあると述べ、その任務が効率的に遂行されるようさまざまな措置を講ずることを約束した。
  • ルワンダ国際刑事裁判所は、ルワンダのビジネスマンAlred Musema氏が1994年のルワンダ大虐殺において果たした役割について、その罪を問い、終身刑の判決を下した。同裁判所が軍隊あるいは政府の関係者ではない民間の企業人に対して、有罪の判決を下すのは、今回が初めてである。
  • このたび、反政府勢力LRAによって誘拐されるなどして、拘束されていたウガンダの人々(女性や子どもを含めた計75人)が、スーダンのハルトゥームで解放され、ユニセフおよびUNHCRの手に引き渡された。ユニセフは本日、このことについて、歓迎の意を表明した。
  • WFPは本日、プレスリリースを発表し、ジブチにおいて現在旱魃の被害を受けている10万の人々に対する、270万ドル規模の緊急活動を承認したことを明らかにした。
  • ネットエイド財団(NetAid Foundation)は本日、プレスリリースを発表し、アフリカおよびコソボの貧困削減プロジェクトに対して、170万ドルを拠出することを明らかにした。同財団は、国連開発計画(UNDP)がシスコ・システムズと協力して設置。昨年10月、ネットエイド・コンサートを主催し、これまでに1,200万ドルの寄付金を集めた。
  • 経済社会理事会、2000年度の会期を開始。

2000年1月26日

  • 安保理は議長声明を発表し、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)の任務拡大を承認する決議案について、迅速に行動する意向を示した。
  • 国連イラク監視検証査察委員会(UNMOVIC)の委員長の人選に関して、安保理メンバーが合意に達したことを受け、アナン事務総長は安保理議長に公式書簡を送付。同委員長に、1981年から1997年までIAEAの事務局長を務めたハンス・ブリクス氏を任命することを勧告した。
  • アナン事務総長、モスクワに向けて出発。滞在中、プーチン・ロシア大統領代行を含めて、ロシア高官と会談する。
  • コートジボワールの軍事政権が同国の憲法規範への復帰計画を発表したことについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明。
  • 火曜日と水曜日、デメロ・東ティモール事務総長特別代表は、ジャカルタにおいて、インドネシアのシハブ外相ら、同国政府高官と一連の会談を行った。これら会談において、特別代表は、同国政府高官に対して、東ティモールを訪問するよう招待するとともに、東ティモールとインドネシアの関係正常化プロセスへの支援を求めた。
  • 2月9日、コソボにおいて、このたび拡大されたコソボ暫定協議会が発足する。クシュネル・コソボ事務総長特別代表が本日、発表した。なお、同協議会は、UNMIKの最高レベルの政治的諮問グループであり、クシュネル氏によれば、コソボにおいて選挙が実施されるまでの期間、『暫定議会』に類似した機能を果たす。
  • WHOは、今月のブレティンにおいて、「健康における不平等」に関する特集を組んだ。これによれば、過去半世紀に人々の健康が大きく改善したものの、健康面において富める者と貧しい者と間には依然として大きな格差が存在する。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所の上訴審部は、ボスニアのセルビア人Dusan Tadicの禁固刑(25年)を5年減刑し、20年とした。同氏の犯罪行為の凶悪性については議論の余地もないが、上層部あるいは、民族浄化政策の策定者たちと比較した場合、その司令系統における地位が低かったことを考慮した。
  • 明日、国際海洋法裁判所は、フランス当局が昨年9月、Reunion島で拿捕したパナマ漁船の問題に関して、公聴会を開く。1月17日、パナマはフランスを相手取り、この問題を同裁判所に提訴し、同漁船“Camouco”の解放命令を要請していた。
  • 国際商工会議所(ICC)の会長、Adnan Kassar氏は、今年のミレニアム総会に向けたメッセージを、アナン事務総長に手渡した。メッセージの内容は、国連の機構改革が進むなか、世界の財界が各国政府に対して、国連を支援し強化するよう促すものである。
  • UNDPは、サッカーのロナウド選手を、貧困との闘いのための親善大使に任命した。正式就任は、今年2月1日。

2000年1月25日

  • アナン事務総長は、アフリカの7カ国(アンゴラ、コンゴ民主共和国、モザンビーク、ルワンダ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)の首脳たちと会談し、コンゴ民主共和国における国連平和維持活動の展開計画について再検討した。これら首脳は、同国の情勢に関する安保理協議に参加すべく、現在、国連本部を訪問中。
  • UNHCRによれば、チェチェンの首都グロズヌイをめぐる激しい攻防により、イングーシェチアに流出する難民の数が増えている。月曜日だけで、2,000人以上の人々がイングーシェチアに流出。過去4日間では、8,000人以上の人々が流出した。
  • セルビア人コミュニティーの代表たちはクシュネル・コソボ事務総長特別代表に対して、今後10日間から12日間のうちに、コソボの暫定行政協議会(IAC)に参加する意向を伝えた(クシュネル特別代表が本日、プリシュティナで記者団に語った)。
  • 暫定行政協議会は本日、コソボの3つの行政部局の長を決定。Pleura Sejdiu博士(PPDK)を保健・社会安全保障局、Hydajet Hyseni氏(LBD)を非住居者問題局、Gjergi Rapi氏(LDB)を公益事業局のそれぞれの長に任命した。(UNMIK発表)。
  • 化学兵器禁止機構(OCPW)は本日、声明を発表し、同機構が設立されてから1000日間で、化学兵器の破壊において大きな進展があった、と述べた。
  • UNHCRは本日、声明を発表し、3年ぶりにエリトリアでの活動を再開する、と述べた。UNHCR国際職員がスーダン東部にいるエリトリア難民の帰還再開をエリトリアに迫り、不適切には圧力を加えたとして、1997年5月、同国から追放されていた。
  • 水曜日、人権高等弁務官室(OHCHR)は、その設置以来はじめて、自らの活動資金を求めるアピールを発信する。ロビンソン人権高等弁務官は、アピールの序文において、「設置されてから5年間で、OHCHRの課される要求は急激に増加した」と訴えた。
  • IAEAは、予定よりも早く、イラクの貯蔵ウランの査察を完了した、と発表した。なおIAEA査察チームは、低レベル濃縮ウランおよび天然ウランの査察において、イラクから十分な協力を得た、と述べた。明日、同チームはバグダッドを発つ。
  • イラク・プログラム室によれば、イラクは、第7期石油食糧交換プログラムの下、1月21日を最終日とする一週間において、石油1,300万バレルを輸出し、推計3億3,000万ドルの収益を得た。
  • UNCTADが本日、発表したところによれば、アジア危機後に縮小するとみられていたアジアの海外直接投資が1999年、多少拡大した。特に、韓国において、大きな伸びがみられた。
  • WHOは、最近拡大の傾向にある食べ物関連の疾病に取り組む計画を発表。この問題に関するデータを充実させ、FAOと共同でリスク評価機関を設置し、この拡大の原因について調査する予定。
  • 子ども売春・ポルノグラフィー、子どもの人身売買に関して、児童権利条約の選択議定書草案づくりを担当する作業部会がジュネーブで2週間の会期を開始した。
  • 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、アフガニスタン北部の複数の村落において、正体不明の疾病が蔓延。この疾病により、1月5日だけで50人が死亡した。

2000年1月24日

  • 安保理、コンゴ民主共和国の情勢に関して討議。アフリカ諸国の元首7人、閣僚級代表10人など、40人が演説した。
  • 上記の安保理会合において、ザンビアのFrederick Chiluba大統領、モザンビークのJoaquim Alberto Chissano大統領など、アフリカ諸国の元首たちは、ルサカ合意こそがコンゴ民主共和国の紛争を解決する最善の方法であるとして、それに対する支援を再確認し、表明した。
  • 世界保健機関(WHO)執行理事会が開始。ブルントラントWHO事務局長は、エイズが、「最も劇的な」世界の健康問題となっており、国際社会からの「前例のない対応」を必要としている、と訴えた。
  • 児童権利条約の選択議定書に関する作業部会が先週金曜日、戦争参加・徴兵の最低年齢を15歳から18歳に引き上げることに合意した。これについて、ベラミー・ユニセフ事務局長は歓迎の意を表明したが、この基準が非政府軍に対してのみ適用され、政府軍への志願兵には適用されないことに失意の念を示した。
  • 先週土曜日、IAEA査察チームが、核不拡散の協力協定の下、イラクにおける貯蔵ウランおよび天然ウランの査察を開始した。
  • アナン事務総長は、安保理宛報告書において、国連グルジア監視団(UNOMIG)の任期を6ヶ月延長するよう勧告した。UNOMIGの現在の任期は1月31日まで。
  • コソボにおいて、新しい判事、検察官ら130人以上の就任式典が行われた。任期は、2000年1月1日から1年間。
  • コンゴ民主共和国情勢に関する安保理特別会合の開催に合わせて、WFPは、同国で食糧などの救済援助物資を提供する人道機関に対して、「安全かつ阻害されない」アクセスが保証される必要性を訴えた。
  • 国連専門家グループは、旧ユーゴおよびルワンダ国際刑事裁判所が、さまざまな制約があるなかで、「かなり効率的に」その任務を実施している、とする報告書をだした。本日、国連本部で発表された報告書において、同グループはまた、両裁判所の諸手続きの迅速化をはかる勧告を行った。このグループは、昨年の総会の要請に従って、事務総長が設置したものである。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は本日、新たな規則に署名し、米国ドルを東ティモールの公式通貨とすることを決定した。

2000年1月21日

  • アナン事務総長は、ジェシー・ヘルムズ委員長など、米国上院外交委員会メンバーと会談した。
  • 児童権利条約の選択議定書に関する作業部会(ジュネーブ)が、戦争参加・徴兵の最低年齢を15歳から18歳に引き上げることに合意した。アナン事務総長、ロビンソン人権高等弁務官、オトゥヌ事務総長特別代表は、それぞれ歓迎の意を表明した。
  • UNHCRによれば、ロシア軍とチェチェン反政府勢力の首都グロズヌイにおける攻防により戦闘が激化し、チェチェンを逃れてイングーシェチアに流出する人々の数が急増している。
  • コソボ中央財政機構(Kosovo's Central Fiscal Authority)の長、Alan Pearson氏は、コソボの2000会計年度の予算額は5億6,200万ドイツ・マルク(約2億9,900万ドル)である、と発表した。
  • UNMIK本部において、コソボ保護隊(KPC)の指導層の就任式典が行われた。KPCは、昨年9月20日、コソボ解放軍の後身として設置された。
  • ヨルダンの派遣する平和維持兵・先遣隊70人が、東ティモールのディリ入り。到着後、同部隊は直接、Oecussiに向かった。なお、同国平和維持兵の第2陣も、2週間以内には同部隊に合流する予定。
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に関する安保理宛事務総長報告が発表された。同報告によれば、過去6ヶ月間、南レバノンにおける敵対行動は「ある程度、緩和したレベル」にあるが、同地域の情勢は依然として不安定である。なお、同報告において、事務総長は、UNIFILの任期を2000年7月31日まで6ヶ月延長するよう勧告した。
  • 木曜日、アナン事務総長は国連本部において、コーエン米国国防長官と会談。コンゴ民主共和国、アンゴラ、シエラレオネの平和維持活動の兵力要件および財政などに関して話し合った。
  • 来週、WHO執行理事会が開催される。同理事会においては、貧困と健康に関するブルントラント事務局長の報告について検討されるほか、最近大きな問題となっている食べ物関連の疾病について討議される予定。
  • バンコクで開催されていた国際教育に関するフォーラムが4日間の会期を終了。同フォーラムは、「行動のための枠組み」案を採択し、アジア太平洋地域における基礎教育のための政治的意思および資金こそが、21世紀の教育戦略の基盤である、とした。
  • アフガニスタンのハザラジャトのための国連調整官代行によれば、アフガニスタン北部の山岳地域の避難民3万5,000人に対する救援物資の提供が本日、完了した。雪で閉ざされた同地域に対する救援物資のトラック輸送は困難であり、途中で村落の人々やロバに頼りながらの輸送作業となった。
  • FAOは、澱粉の性質に関して、さまざまな研究機関がさらなる調査を行い、開発途上国の世界市場における競争力の向上をめざして支援するよう促した。FAOの農工業および収穫後の管理業務担当チーフMorton Satin氏は、「熱帯性の根菜・塊茎類に関する第3回国際シンポジウム」(1月19日-22日、インド)で演説して訴えた。「澱粉の性質に関する情報へのアクセスの拡大は、開発途上国の人々が世界の澱粉市場において、彼らの製品を売り、競争するのを支える力となる」。

2000年1月20日

  • ジェシー・ヘルムズ米国上院議員が初めて、安保理において演説を行った。同氏は、米国が昨年国連システムに義務的・自発的拠出金あわせて14億ドル以上を支払ったとし、国連が改革を通じた一層の効率性向上をはかり、同国の主権を尊重するよう期待を表明した。
  • 水曜日、国連コンゴ民主共和国監視団(MONUC)に関する事務総長報告書が発表された。同報告書において、アナン事務総長は、MONUCを拡大し、合計5,537人の兵力を展開するよう提案した。
  • アナン事務総長、国際自由労働組合連合(ICFTU)のビル・ジョーダン事務局長と会談。2人は、国連およびICFTU両機関がグローバリゼーションの課題に取り組むうえで協力することが死活的に必要であると合意した。そして、企業が人権、労働者の所権利、環境原則を遵守し、良い企業市民となる求めるGlobal Compactについて、その重要性を強調する合意を発表した。
  • ギリシャ外相、この40年間で初めてトルコを公式訪問。訪問中、同外相はトルコ外相とともに、両国間の関係改善をめざした合意書に署名した。これについて、アナン事務総長は、温かく歓迎する意を表明した。
  • ソマリア事務総長特別代表David Stephen氏は、ソマリア和解会議の組織を支援するため、ジブチを2ヶ月間訪問する予定。
  • 昨日、ルワンダ国際刑事裁判所所長のNavanethem Pillay判事は、Jean Bosco Barayagwiza氏による弁護士解任要請を却下した書記局の決定を確認した。同判事は、弁護士の交替を必要とする例外的な状況は認められないとするとともに、そのような交替があった場合、昨年11月3日の上訴審の決定の再検討を求める検察官の要請に関する公聴会の開催(2月15日)を遅らせることになると指摘した。
  • インドネシア国軍の弁護士6人がディリに到着。宗教界指導者と会談し、昨年秋の東ティモールの住民投票実施後の騒乱状態においてインドネシア国軍が果たした役割に関して情報を収集する。
  • ベラミー・ユニセフ事務局長が、「『人のトラフィッキング』に関するアジア太平洋地域シンポジウム(東京)」において演説。性的搾取を目的とした子どもおよび女性の人身売買がグローバルな問題であるとするとともに、アジアにおいて最悪の形態の人身売買が行われており、同地域で毎年100万以上の人々が搾取されている、と指摘した。
  • WHOの発表によれば、ナイジェリア、エジプト、サモアが、世界の他の国々に先駆けて、リンパ系寄生糸状虫症(LF)の根絶プログラムを開始した。

2000年1月19日

  • ネルソン・マンデラ前南アフリカ大統領が、ブルンジのアルーシャ和平プロセス調停者として、安保理公開会議で演説した。同大統領は、ブルンジの人々の苦痛が「私たちすべてに影響し、また私たちすべての人間性をおとしめる」と述べた。
  • 上記会議の終わりに、安保理は全会一致で決議1286を採択し、マンデラ氏を調停者として「温かく支持」するとともに、ブルンジにおいて引き続く暴力を非難し、全ての当事者が対立点を平和的に解決するよう促した。
  • 中央アフリカ共和国に関する事務総長報告が、発表された。報告において、アナン事務総長は、2月15日に国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)が撤退した後、同国当局が解決しなければならない数多くの課題が残っている、と強調した。
  • 昨日および本日、国際東ティモール軍(INTERFET)は、西ティモールから東ティモールのOecussiに入った武装民兵と衝突した(INTERFET発表)。
  • UNMIKによれば、事務総長特別代表、KFOR司令官、コソボ保護隊(KPC)司令官の3者間で昨日夜遅くまで行われた「技術的協議」において、KPCの設置に関するすべての懸案事項が処理された。なお、本日予定されていたKPC設置のための公式式典は、今週金曜日に延期された。

2000年1月18日

  • 対アンゴラ制裁委員会の委員長、Robert Fowler大使(カナダ)は、安保理に対して、自らのアンゴラ視察訪問(先週)に関する報告を行なった。そのなかで、同委員長は、UNITAに対する制裁の効果があらわれ始めている、と述べた。
  • 国連イラク監視検証査察委員会(UNMOVIC)の委員長の人選について、安保理メンバー国は事務総長を支持していくことで意見の一致をみたが、アナン事務総長が推薦したRolf Ekeus氏についてのコンセンサスは得られず、同氏の任命に関する投票も行われなかった。
  • ロビンソン人権高等弁務官は声明を発表し、ブルンジの地方当局が住民の強制立ち退きを行なっていることについて、深刻な憂慮を再度表明した。同弁務官は、そうした政策が、「影響を受ける住民の市民的・政治的権利、並びに経済的・社会的・文化的権利を侵害し、国際法の関連諸原則に反するものである」と述べた。
  • コソボ暫定行政協議会(IAC)は、9つの行政部局を政党および無所属に割り当てた。これにより、19部局のうちの15部局の割り当てが済んだことになる。
  • アナン事務総長は、第7期イラク石油食糧交換プログラムの下、イラクが購入を希望している部品・設備の詳細なリストを安保理議長に提出した。
  • ロシア軍包囲下で人道援助を絶たれたグロズヌイ市民の状況は悪化を続けている、とUNHCRは憂慮を表明した。さらに、グロズヌイからの脱出ルートは完全に遮断され、ほんの僅かな人だけしか脱出できない状態である。
  • デメロ・東ティモール事務総長特別代表はディリにおいて、東ティモールの道路修復および農民訓練のための2つのプロジェクト(総額100万ドル規模)を承認、署名した。
  • アナン事務総長は声明を発表し、グアテマラ新大統領Alfonso Portillo氏が同国の和平合意の完全実施を約束したことについて、歓迎の意を表明した。
  • アナン事務総長はジュネーブ軍縮会議に対するメッセージにおいて、同会議が柔軟な精神において、また真に緊急の必要を感じて、妥協点を模索するよう促した。このメッセージは、ジュネーブ国連事務局のペトロフスキー事務局長が代読した。
  • 昨日、欧州会議主催の社会開発会議(ダブリン、アイルランド)において、ニティン・デサイ経済社会問題担当事務次長が演説。国際社会がグローバリゼーション管理について再び焦点を定め、すべての国々が利益を受けられるようにしなければならない、と述べた。また、社会サミット・フォローアップ特別総会について、それが社会正義をグローバルな議題の核に置くための良い機会となる、とした。
  • 昨日、ジェンダー問題および女性の地位に関する事務総長特別顧問のアンジェラ・キング氏が女子差別撤廃委員会で演説。同氏によれば、これまでに24カ国が女子差別撤廃条約の選択議定書に署名し、国家が女性の権利を侵害した場合、それぞれの女性が国連に申し立てを行えるようにする同議定書を批准、あるいは加入する可能性を示唆した。
  • 世界保健機関(WHO)のブルントラント事務局長は本日、マクロ経済および健康に関する委員会(CMH)を発足させた。

2000年1月17日

  • 国連アンゴラ事務所に関する安保理宛事務総長報告が発表された。アナン事務総長は、アンゴラの「非常に恐ろしいほどの」人道状況において、約370万人が戦争の被害を受けており、そのうち200万人が国内避難民となっていることに留意した。そして、ドナー・コミュニティーに対して、約2億5,800万ドルにのぼる今年度の人道アピールに寛大に対応するよう促した。
  • アナン事務総長は、安保理議長に書簡を送付し、国連イラク監視検証査察委員会(UNMOVIC)の委員長ポストへのRolf Ekeus氏の任命を勧告した。Ekeus氏は、1991年から1997年まで、UNMOVICの前身の兵器査察機関である国連イラク特別委員会(UNSCOM)の委員長を務めた。
  • アナン事務総長は本日、イブラヒム・フォール政治問題担当事務次長補を特使として、コートジボワールに派遣する。フォール氏は同国の暫定当局に対して、早期に憲法規則を回復するよう奨励する。
  • アナン事務総長は、Francesc Vendrell氏(現在、政治問題担当事務次長補代理)を、アフガニスタン事務総長個人特使および国連アフガニスタン特別ミッション(UNSMA)の長に任命した。この任命は、2月1日発効する。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所によって1997年に起訴されていたZeljko Raznatovic氏(通称“Arkan”)が暗殺されたことを受けて、同裁判所の主任検察官Carla del Ponte氏が声明を発表。Ponte氏は、現在、戦争犯罪についてArkanと責任を共有するその他の人々についても調査が進行しており、最終的にこれらの人々が裁判にかけられることを確信している、と述べた。
  • 先週土曜日、東ティモールのディリで、UNTAETの職員採用面接試験を受けるために集まった7,000人の間で暴力が発生した。この事件について、国連は現在、その原因調査を進めている。(国連は、UNTAET現地職員1,900人を募集していた。)
  • クシュネル事務総長特別代表は、コソボ共同暫定行政機構(JIAS)に関する規則に署名した。JIASは、純粋なコソボの行政機構が確立するまでの間、コソボの管理を支援する。
  • 今年6月1日から10月31日までドイツのハノーバーで開催されるExpo 2000に国連が参加することについて、国連とドイツ政府が合意した。このExpoには、5,000万の人々が参加することが予想される。
  • 国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)は、住民投票の有権者リスト(第2部)を発表。今回、5万1,220人の申請者から、2,130人以上が有権者として認定された。最初の申請者は14万7,000人で、その中から8万4,251人が有権者として認定されていた。
  • 「万人のための教育に関するアジア太平洋会議」がバンコク(タイ)で、1月17日から20日まで開催。タイ首相Chuan Leekpai氏は冒頭演説し、現在、世界でより多くの子どもたちが初等教育を受けるようになっているが、一方で、世界人口の増加により、非識字の根絶や万人の教育のための努力が阻害されている、と述べた。
  • オララ・オトゥヌ事務総長特別代表(児童と武力紛争)はジュネーブで、武力紛争への徴兵のための最低年齢を18歳とするよう各国に促した。現在、ジュネーブにおいて、児童権利条約議定書の草案作成のための作業部会が行われている。
  • ジュネーブ軍縮会議、2000年会期を開始。
  • アナン事務総長は、国連開発計画(UNDP)がキプロスの2つの重要な文化遺跡の修復プロジェクトを開始した、と発表した。この2つの遺跡とは、Apostolos Andreas修道院(北キプロス)とHala Sultan礼拝堂(南キプロス)。

2000年1月14日

  • アナン事務総長は、女性の国際フォーラム(ニューヨーク)で演説。環境にやさしい開発を促進すること、ならびに貧困との闘いのために技術利用を世界的に進めることが、今後、世界の直面する2つの大きな課題である、と述べた。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所は、1993年4月のボスニア中部Ahmici村に対する襲撃事件の関連で起訴されたボスニアの元クロアチア兵士5人を投獄した。
  • UNHCRによれば、ブルンジ難民が1日1,000人の割合で隣国タンザニアに流出を続けている。今年のはじめから、ブルンジ東部から1万人以上の難民がKibondo地区に流入し、新設のKaragoキャンプ(すでに収容能力の半分を使用)に定住している。
  • ロビンソン人権高等弁務官は児童権利条約の議定書草案を作成する作業部会(ジュネーブ)で演説し、軍隊徴兵の下限年齢を18歳とする新しい議定書を支援するよう促した。
  • この数日間、これまで比較的静穏であるみられていたGudermesoおよびShaliの周辺で戦闘が激化し、イングーシェチアからチェチェンに帰還する難民の数が急減している。数日前は、毎日約1,500人が帰還していたが、木曜日には1日300人にまで落ち込んだ。
  • デメロ東ティモール暫定行政機構は新しい規則に署名し、東ティモールのための中央財政機構(Central Fiscal Authority)を設置した。デメロ氏によれば、この機構は、将来の財務省の萌芽であり、東ティモールの中央の財政、予算、規制機関として役割を果たす、と述べた。
  • 今夜、コソボA発電所のユニット3が運転開始を予定しており、これにより、上限110メガワットの電力を生産できるようになる。コソボB発電所のユニット1は明日運転を開始し、230メガワットの生産が可能となる予定。
  • 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)は、来週、297人の判事と検察官、238人の素人の裁判官補佐人を就任させる、と述べた。
  • コソボ解放軍(KLA)を解体してつくられるコソボ保護隊(KPC)が1月19日、正式に設置される。KPCは、3,000人の隊員と上限2,000人の予備兵で構成され、今年9月までに完全に機能を開始する
  • UNEPはプレス・リリースを発表し、最近の災害事件により、すでに過去40年間の14倍に相当する損失を被っている保険業界が、大きな影響を受けるであろう、と述べた。過去24件の気候関連災害の経済的損失だけで1,500億ドルを超えているが、そのうち650億ドル分に対しては、保険がかけられていた。
  • アナン事務総長は、国連人口基金(UNFPA)の事務局次長に、和気邦夫(日本)を任命した。この任命の発効は、2月1日。

2000年1月13日

  • 安保理、アフリカ難民について討議。この討議の終わりには、議長声明を発表し、アフリカにおいて、「恐ろしいほど多くの」難民および避難民が、十分な保護や援助を受けられずにいる、と深い憂慮の念を表明した。なお、これに先立ち、緒方難民高等弁務官が安保理にブリーフィングを行った。
  • 緒方難民高等弁務官は、安保理に対する公開ブリーフィングにおいて、国際社会が数百万人におよぶアフリカ難民・避難民の危機的窮状を緩和すべく、具体的かつ迅速な措置を講じるよう訴えた。
  • 東ティモールにおいて、国連警察およびINTERFETの調査団が、Liquica近郊の街、Maubaraの集団埋葬地の発掘作業を終了。2日間で、16人の遺体が発掘され、そのうち13人の遺体については、その家族による確認が済んだ。
  • 水曜日、アナン事務総長は、第7期イラク石油食糧交換プログラムの下、イラクによって国連に提出された人道物資配給計画を承認した、と安保理に通知した。
  • アナン事務総長は、グループ77議長の交替式典に出席し、旧議長(ガイアナ)の労をねぎらうとともに、新議長(ナイジェリア)を歓迎した。
  • 安保理は決議1285 を全会一致で採択し、国連プレブラカ監視団(UNMOP)の任期を7月15日まで延長した。
  • 水曜日、ダナパラ軍縮担当事務次長はスタンフォード大学・国際安全保障協力センターで講演を行い、近年、世界の核軍縮のいくつかの分野において進展がみられたが、依然として厳しい課題が残っている、と指摘した。
  • 中国政府が朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)からの亡命者7人をDPRKに送還したことについて、UNHCRが抗議。UNHCRは先月、DPRKから中国領土を通ってロシアに亡命した人々(13歳少年含む)に対して、難民としての地位を認定するとともに、第3国に再定住させるべく用意を整えていた。しかし12月30日、ロシアは、これらの人々を中国に送還、その後、中国がDPRKに送還した。
  • 世界保健機関(WHO)は、このたび発表した気管支喘息に関するファクト・シートにおいて、喘息による人的・経済的負担が、エイズ・ウイルスと結核の2つを合わせた負担を上回る程大きい、と述べた。

2000年1月12日

  • 安保理、ボスニア・ヘルツェゴビナおよびシエラレオネに関して非公開協議開催。平和維持活動担当事務次長補Hedi Annabi氏がブリーフィングを行った。安保理議長が記者団に対して語ったところによると、ボスニア・ヘルツェゴビナ共同議長によるニューヨーク宣言(昨年11月)が十分に実施されていないことについて、安保理メンバーの国々から不快の念が表明された。
  • 同安保理協議において、 Hedi Annabi事務次長補は同じく、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の拡大を勧告する事務総長報告に関してブリーフィングを行った。同報告書において、アナン事務総長は、UNAMSILの平和維持兵力を6,000人から1万1,000人に増やし、現在ECOMOGが行っている任務の遂行を可能にするよう勧告している。
  • スポークスマンFred Eckhard氏は、アナン事務総長の1月末から2月の旅程について現時点で確認できる点を発表した。それによると、アナン事務総長は、ロシア政府の招きで、1月27‐28日、同国を訪問する。その後、ジュネーブに入り、次回キプロス交渉(1月31日)の議長を務める。一旦、ニューヨークに戻った後、2月8日には、バンコクで、第10回国連貿易開発会議(UNCTADX)のオープニング会期に出席。その後、シンガポールとジャカルタを訪問した後、2月17日には、ディリに入り、東ティモールの平和維持活動を視察する。19日にはオーストラリア、22日にはニュージーランドを訪れる予定。
  • 国連グアテマラ検証団(MINUGUA)の最新報告書によれば、1999年、グアテマラにおいて人権侵害に関する申し立て件数が「著しく増加した」。MINUGUAは、 1999年の前半9ヶ月間、3,500件以上の人権侵害事件に対する316件の申し立てについて、正当であると認めた。これまでに、合計4,700件以上の人権侵害が確認されたことになる。
  • 国際原子力機関(IAEA)の専門家チーム(5人構成)に対して、まもなくイラク政府から、同国を訪れるための査証が発行される。同チームは、核不拡散条約(NPT)の下、首都バグダッド近郊のTwaithaを訪問し、貯蔵ウランの査察を行う予定。IAEAによれば、この査察は、安保理が権限を授与した査察とは全く別のものである。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)、INTERFET、インドネシア国軍は、東ティモールと西ティモールの境界地点での協力拡大に関して、合意覚書に署名した。3者は、西ティモールからの難民帰還を促進するため、11境界地点に検問所を設置することに合意した。
  • 今週月曜日、プリズレンで、ムスリムの家族4人が殺害された事件について、クシュネル・コソボ事務総長特別代表およびコソボ暫定協議会(KTC)は本日、ともに、非難声明を発表した。
  • コソボ暫定協議会(KTC)は、同協議会を拡大し、マイノリティー、アルバニア人の小政党代表、女性などの市民社会メンバーを増やすことについて協議した。クシュネル事務総長特別代表は、次回会合において、追加するメンバーの候補者リストを提示する、と通告した。
  • 昨日、コソボのプリシュティナ空港が、民間航空機の使用のため再開された。同空港は、昨年11月12日、国連チャーター機の墜落事件が発生し、同月20日以降閉鎖されていた。
  • 安保理の対アンゴラ制裁委員会のRobert Fowler委員長(カナダ大使)は現在、UNITAのダイアモンドおよび武器取引を禁止する国連制裁を強化する方法について調査すべく、アンゴラを訪問中。今週火曜日には、UNITAが以前本部として使っていた施設を訪れた。
  • アフガニスタンの首都カブールにおいて、現在、旧ソ連の大使館内に避難している人々の数が、1万6,000人に達した。昨夏の戦闘発生以来、ショマリ高原を逃れて、カブールに流入した避難民は、6万5,000人。現在、WFPが対象とする避難民は、カブールだけで約35万人を数える。

2000年1月11日

  • 新設の国連イラク監視・検証・査察委員会(United Nations Monitoring, Verification and Inspection Commission for Iraq = UNMOVIC)の委員長候補について、アナン事務総長は安保理の全理事国と協議した。事務総長は、この協議が「建設的かつ有用」であったとし、委員長候補について、まもなく発表することができるよう願っている、と述べた。
  • 月曜日、東ティモール人権侵害調査に関する国際委員会の報告書が事務総長に提出された。現在、この報告書に関して、事務局の検討が進んでいる。ソニア・ピカルド氏(コスタリカ)が率いるこの調査委員会は、昨年9月、人権委員会の特別会期で設置されたものである。
  • UNHCRによれば、アンゴラのクアンド‐クバンゴ州において、政府軍とUNITA間の戦闘が激化したのを受け、この一週間、ザンビア西部に流入するアンゴラ難民の数が、急激に増えている。UNHCRは国境近くのSijembelaに一時滞在キャンプを開設したが、1月1日以降、ここに7,500人以上の難民が到着した。
  • 人道問題調整部(OCHA)は、昨年の国連緊急援助アピールに対するドナーの対応が不十分であった、と述べた。OCHAによれば、1999年、総額24億ドルを求める機関間緊急アピールがなされたが、そのうち拠出されたのは、17億ドル(69%)のみであった。
  • 旧ユーゴ国際刑事裁判所によって起訴されている、ボスニアのセルビア人の2人Radislav Brdanin氏とMomir Talic司令官は、ジェノサイドなどの追加的な起訴内容について、無罪を主張した。2人は、それぞれ昨年7月および8月に逮捕、起訴されていたが、先月、追加修正された起訴内容が確認されていた。
  • UNMIKは、コソボの主要発電所が昨夜発生した火災により閉鎖されたことを受けて、緊急措置を開始。現在、供給電力が160メガワットにまで減少したが、これは通常必要とされる最小電力の3分の1にも満たない。このため、UNMIKは、緊急避難所を設置するとともに、主要施設に発電機を運び入れている。
  • コソボ暫定行政協議会は、行政部局19のうち7つを、LDKやPPDKなどの政党に割り当てた。ルゴバ氏率いるLDKには予算財政および司法の2つの部局、サチ氏率いるPPDKには地方政府および貿易産業の2つの部局、Rexhep Qosja氏率いるLBDには教育科学および再建の2つの部局が割り当てられた。また民主化・市民社会を担当する部局については、無所属に割り当てられた。
  • ユニセフは、新しく2人の事務局次長を任命したことを発表。――Deputy Director for Alliances and Resourcesには、Kul Gautam氏(ネパール)。Deputy Director for Programme and Strategic Planningには、Andre Robertfroid氏(ベルギー)。

2000年1月10日

  • 今年初の安保理公開会議が開催され、アフリカの平和と安全に対するHIV/AIDSの影響に関して討論が行われた。会議のはじめに、アナン事務総長は、エイズが世界のどの場所よりも、アフリカにおいて、経済的、社会的、政治的安定に対する大きな脅威となっている、と述べた。この公開会議は、1月の議長国である米国のイニシアチブにより、安保理の「アフリカ月間」の一環として開催されるものであり、同会議のオープニングの議長は、ゴア米国副大統領が務めた。
  • ゴア米国副大統領は、上記の安保理会議において冒頭演説を行い、「新たな広範な視点」で安全保障について考える必要性を強調し、米国が地球的疫病であるエイズとの闘いを強化していることを指摘した。安保理が健康の問題について特別に扱ったのはこれが初めて。米国副大統領が議長を務めるのも、初めてのことである。なお、ゴア副大統領の後、アナン事務総長を含めて、40人以上が演説を行った。
  • 「テロリズムの資金供与の防止のための国際条約(“International Convention for the Suppression of the Financing of Terrorism”)」が国連本部で署名のために開放され、7カ国(フィンランド、フランス、オランダ、スリランカ、マルタ、英国、米国)が署名した。同条約は先月9日、総会が採択した(A/RES/54/109)。22カ国目の批准から30日後に発効する。
  • オララ・オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと武力紛争担当)は声明を発表し、自発的・強制的徴兵および武力紛争参加の最低年齢を18歳とするよう促した。なお本日、ジュネーブで、児童権利条約選択議定書草案に関する作業部会の討議が開始した。
  • 今週水曜日、INTERFETは、36件の犯罪事件で拘束中の人々を、新設の東ティモール国内裁判所に引き渡す予定である。これら事件のうち、3分の2は民兵が関与している。先週金曜日、デメロ事務総長特別代表は、この裁判所の判事10人を任命。今週木曜日には、その機能が開始するとともに、同日、国連文民警察が犯罪者の逮捕、拘束、調査の主要な権限を担うことになる。
  • 本日現在、国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の平和維持兵4,500人が現地に展開している。UNAMSILを構成する6部隊のうち、5部隊(ナイジェリア2、ケニア1、ガーナ1、インド1)がすでに任務に就いており、残るガーナ1部隊もまもなくフリータウンに到着する予定。
  • 今月はじめ、スーダンにおいて、CARE Internationalの職員4人が襲われ、2人が殺害され、2人が拉致された。この事件について、国連スーダン緊急援助調整官は、「深い悲しみと深刻な憂慮」を表明した。
  • コソボにおける引き続く電力不足を補うため、昨日から、アルバニア、マケドニア旧ユーゴスラビア連邦共和国、ギリシャ、セルビアがコソボに対して、電力約100メガワットを供給し始めた。ギリシャは、1日60メガワットを供給。1月末には、コソボの主要送電線(400キロボルト)の復旧作業完了が予定されており、その電力輸入能力はさらに拡大する見込みである。
  • 先週末、UNHCRは、コソボの分断都市Mitrovicaにおいて、アルバニア人とセルビア人の双方が、Ibar川の対岸で行われる宗教儀式に出席したり、イスラム教・キリスト教墓地を訪れることができるように、特別シャトル・バスを走らせた。
  • UNEPの発表によれば、1月24日-28日、カナダのモントリオールにおいて、生物多様性条約の下に、バイオ・セーフティに関する交渉が再開する予定。遺伝子組みかえ生物(LMOs)の越境輸送のリスク緩和に焦点を当てる。

2000年1月6日

  • 安保理は10日、今年最初の公開会議でアフリカのエイズについて討議する予定。なお、この公開会議の議長は、ゴア米国副大統領が務める。
  • WHOとユニセフの両事務局長は、アフリカ・サハラ以南地域と南アジア30カ国の首脳に書簡を送付し、今年末までにポリオを根絶するための地球的努力に全面的に協力するよう呼びかけた。この書簡は、本日、発表された。
  • 今週水曜日、アナン事務総長は、グルジアのシュワルナゼ大統領と電話会談し、「アブハジア情勢および北カフカスの悲劇的紛争」などについて話し合った。
  • 昨日、シエラレオネにおいて、ケニアの平和維持部隊がフリータウンからマケニ入り。これにより、同国全土の戦略的地点における国連平和維持兵の駐留が完了した(UNAMSIL発表)。
  • ハンス・コレル法律顧問は、カンボジア国連大使Borith Ouch氏と会談。元クメール・ルージュのメンバーの裁判に関する同国の法案について、国連の意見を伝えた。
  • アナン事務総長は、スロベニアの国連大使Danilo Turk氏を、政治問題担当事務次長補に任命することを発表した。Turk氏はアルバロ・デソト氏の後任として、2月初めに同ポストに就任する。なおデソト氏は今春、キプロス事務総長特別代表に就任する。
  • 国連人口部の発行した“Replacement Migration: Is It A Solution To Declining And Ageing Populations?”と題する研究報告によれば、欧州諸国や日本においては、今後半世紀、人口減少・高齢化に直面するなか、その労働人口の規模を維持するため、相当数の移民の流入が必要となるであろう。同研究報告は、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア連邦、韓国、英国、米国の8カ国の人口減少・高齢化について調査した。対象期間は、1995年から2050年まで。

2000年1月5日

  • 国連プレブラカ監視団(UNMOP)に関する事務総長報告が発表された。事務総長は、クロアチアとユーゴスラビア連邦共和国がその領有を主張するプレブラカ半島の非軍事化が進んだことを歓迎。しかし、政治レベルにおいて、それに見合う進展がみられなかったことに失意を示し、クロアチアにおける選挙終了後、できるだけ早期に、次の2国間交渉を開催するよう希望を表明した。UNMOPの任期については、7月15日まで6ヶ月間延長するよう勧告した。
  • ユニセフが12月下旬、西ティモールのベル地区の子どもたち850人について栄養状態調査を実施したところ、5歳未満の子どもたちの約4分の1が栄養不良状態にあることが判明した。これを受け、UNHCRは現在、西ティモールの難民たちに対する食糧援助活動を活発化している。
  • 昨日、コソボ暫定行政協議会(IAC)の第4回会合開催。予算財政、司法、貿易、産業など、コソボにおける暫定的な行政機構(UNMIKとコソボ指導者の共同管理)の19部局の割り当てについて討議を開始した。
  • ユーゴスラビア連邦共和国がスパイ容疑で拘束していた、人道援助団体CAREの職員Branko Jelen氏が12月31日に解放された。アナン事務総長は歓迎の意を表明し、「同氏の解放は、新しい年を始めるにふさわしい歓迎すべきことである。それはまた、世界中で困窮状態にある人々の援助を目的とする人道コミュニティーを勇気づけるものである」と述べた。
  • アナン事務総長は、Fausto Pocar氏(イタリア、ミラノ大学教授)を旧ユーゴ国際刑事裁判所の判事に任命した。Pocar氏は、今月末で離任するAntonio Cassese氏(イタリア)を引き継ぐことになる。任期は2001年11月まで。
  • 対ルワンダ武器禁輸・安保理諮問委員会は本日発表した報告において、同委員会が1999年、ルワンダの非政府グループに対する武器禁輸の違反報告を一切受けなかった、と述べた。しかし、同委員会には、「武器禁輸の効果的実施を確保する監視メカニズム」がなく、関連情報を提供する立場にある国々および機関の協力に全く依存している状態であることを指摘した。(安保理は、1996年9月、ルワンダ政府に対する武器および関連物資の売却・供給の禁止を終了しており、現在、ルワンダの非政府グループに対する武器売却の禁止のみが効力を残している。)

2000年1月4日

  • 安保理は、その活動の透明性向上努力の一環として、非理事国に対して討議状況に関する一層の情報提供を図るべく、新たな手続きの概要を示した。安保理議長が本日、発表した覚書によれば、安保理の非公式協議において、決議・議長声明草案が提出され次第、非理事国にも提供することについて合意が成立した。また安保理議長が現在、非理事国に対して行っているブリーフィングの重要性についても留意した。
  • 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は、東ティモールにおいて、機能的な司法システム確立のための取り組みを続けている。明日、UNTAETは、暫定司法サービス委員会を設置し、10人余の裁判官を任命するが、この裁判官たちが、今後1週間以内に東ティモール各地域において裁判所を設置すべく支援する。
  • 西サハラにおいて、同地の将来を決める住民投票のための準備が行われているが、先週木曜日、資格確定委員会が、3つの部族群からの申請者の資格確定を予定どおり完了した。有権者の暫定的リストは、1月15日に発表される。
  • アナン事務総長は、「ブルンジの悪化する情勢に取り組む国際社会の努力において、国連の存在感を増すため」、Berhanu Dinka氏を大湖地域のための事務総長特別代表に任命した。Dinka氏は事務次長補レベルとなるが、以前は大湖地域のための事務総長代表兼地域人道顧問であった。
  • 12月31日、クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、新年を迎えるためプリシュティナに集まったコソボの人々に対して、新しいミレニアムを迎えるにあたり、「まだ、とても生々しい」戦争の傷を癒すプロセスを開始するよう促した。
  • クシュネル・コソボ事務総長特別代表および暫定行政協議会(IAC)のメンバーは、コソボ発電所A・Bを訪問、コソボの電力復帰作業の進行状況を視察した。今週、両発電所の電力生産量は、120メガワットから500メガワットまで増加した。
  • 事務総長付スポークスマンは記者会見において、国連の現地事務所のなかでY2K問題により重大なコンピューター誤作動が発生したところはひとつもなかった、と述べた。同スポークスマンは、「全てのことがたいへん順調に運んだ」とした。また「治安、情報技術、管理などに関与するさまざまな人々による仕事が、適切に組織された」と述べた。