共同記者発表における事務総長発言(2008年6月30日 於:総理官邸)
2008年06月30日
皆様こんにちは。
これほど多くの友人や顔見知りの方々に囲まれ、光栄に思います。私は外交官として、何度も日本を訪れていますので、本当に友人と再会できたような気持ちで一杯です。
事務総長として、日本の国連における指導的かつ積極的な役割の重要性と、私たちの活動に対する計り知れない貢献に対する深い感謝の気持ちは、どれほど強調しても足りません。
福田総理とは、世界が抱えている重大な課題と、国連を通じてこれらに取り組む実際的な方法について、実りある話し合いができました。
私は、総理の強い個人的指導力の発揮と、間近に迫ったG8北海道洞爺湖サミットを大きな成功へと導くための惜しみない努力に対し、謝意を表明しました。
今回のサミットは、私たちが気候変動や食糧危機、ミレニアム開発目標(MDGs)などの課題について、国際的な取り組みを結集させる努力を共同で進めていく上で、重要な契機となるでしょう。
日本は長年にわたり、アフリカを「希望の大陸」に変えていこうとする取り組みを展開していることから、私たちは特にこの地域に関心を払いました。私としては、G8サミットに参加する指導者たちが、こうした課題に総合的に取り組むための具体的措置を明らかにするものと期待しています。また、このプロセスにおける総理の指導力、特に気候変動対策への取り組みを称賛します。
私は、日中韓の協力関係強化に対する総理の貢献をたたえました。朝鮮半島問題についても意見を交わしました。
6者協議の参加者が最近の心強い進展を土台に、朝鮮半島その他の平和と安定を推進していくことを、私は心から望んでいます。
私は日本の予防外交と平和維持に対する貢献とともに、その平和構築に関する指導力を大いに歓迎しました。自力で立ち上がり、紛争後の復興を図ろうとする各国を支援する国際的な取り組みを、日本は先頭に立って進めているからです。
私は特に、総理と政府が国連スーダン・ミッション(UNMIS)への自衛隊派遣と、財政支援による国連平和維持活動訓練・教育施設(PKOセンター)の設置を予定しているという歓迎すべきニュースを高く評価しました。
もちろん、安全保障理事会改革を前進させる必要性についても、意見を交換しました。
私は総理その他の指導者から、日本が改めて国連へのコミットメントを強めていること、私たちの改革努力を強く支持していること、そして、国連での日本の役割と活動の拡大を決意していることを聞き、うれしく思いました。
特に総理からは、政府開発援助(ODA)増額とMDGs達成に対する貢献への決意をお聞きし、大いに勇気づけられました。
日本は「平和をはぐくむ国」であること、そして多国間主義を固く守っていることを誇りとすべきです。
国連に対する第2位の資金拠出国として、日本はその活動に積極的に参加してきました。国民の方々は国連で、そして全世界で、日本のグローバルな役割がどれだけ評価されているかを知るべきです。
どうもありがとうございます。