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軍縮

はじめに

軍縮分野での国連の役割は、国連憲章に定められています。国連憲章は、総会と安全保障理事会の双方に具体的な責任を委託しています。第11条によれば、総会は「国際の平和および安全の維持についての協力に関する一般原則を、軍備縮小および軍備規制を律する原則も含めて、審議し」ならびに「このような原則について加盟国あるいは安全保障理事会、または、この両者に対して勧告をする」ことになっています。第26条は「安全保障理事会は、軍備規制の方式を確立するため国際連合加盟国に提出される計画を、第47条に掲げる軍事参謀委員会の援助を得て、作成する責任を負う」ことを規定しています。

国連がこの責任分野をどれだけ重視しているかは、おそらく、この領域での活動を支援するための部局を設置しているという事実から計り知ることができるでしょう。軍縮局は事務総長に対し、国連憲章による同人の責任、ならびに、総会、安全保障理事会、および、軍縮と関連の安全保障問題に関するその他の立法機関によって与えられている任務について、助言と援助を提供します。

総会

総会は毎年の通常会期のほか、時宜に応じて開催される特別総会においても、軍縮関連問題の討議を行います。それぞれの通常会期では、数多くの軍縮関連議題が検討されます。

総会第1委員会

6つある総会の主要委員会のうち、第1委員会は、軍縮と国際安全保障に関連する総会の検討項目をすべて取り扱います。第1委員会の勧告に基づく総会の行動と、これに関連するあらゆる文書は、会期ごとに発行される総会議事録インデックス(Index to Proceedings of the General Assembly)を通じて検索できます。

  • 第1委員会の作業文書は現在、文書記号A/C.1/[会期]/-の形で発行されています。
  • 会合記録は現在、文書記号A/C.1/[会期]/PV.[会合番号]の形で発行されています。(例えば、A/C.1/52/PV.22は、第52回総会会期中の1997年11月13日に開かれた第1委員会第22回会合の記録を意味します。)第1委員会での演説は、総会議事録インデックスに会期ごとに索引付けされており、主題、演説者および国/機関別の検索が可能です。演説の引用は図書館の公式カタログUNBISnetでも検索できます。
  • 第1委員会は取り扱う各検討項目に関し、本会議に個別の報告書を提出しています。これら報告書は、委員会による当該項目の検討振りを総括したもので、本会議に勧告する決議/決定の最終案文を添え、その採択を仰ぎます。これらの報告書は本会議の作業文書となるため、文書記号に第1委員会を表す頭辞語(A/C.1/-)は用いられません。その代わりに、直接に本会議を表す文書記号で提出されます。(例えば、A/54/552は、検討項目65「大量破壊兵器」に関する第1委員会報告書を意味します。)総会の決議や決定は、採択から数週間(時には数ヵ月間)も印刷されないことが多いため、委員会報告書に含まれる最終案(採択直前に口頭で修正されることもある)は長い間、当該決議/決定の唯一の情報源となります。最近の2回の総会(54回/55回)に関する第1委員会報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます(検索のヒント)。
  • 第1委員会の報告に基づき、第54回および第55回総会で採択された決議の全文は、本リサーチガイドの決議の部に掲示してあります。第52回総会以降の軍縮関連の決議と決定は、軍縮局ウェブサイトでもご覧になれます。
  • 第1委員会のプレスリリースは、文書記号GA/DIS/-の文書記号で発行されます。1995年10月以降に発行されたものについては、プレスリリース検索画面を通じて閲覧できます。1999年以降の軍縮関連のプレスリリースは、軍縮局ウェブサイトでもご覧になれます。

特別総会

軍縮問題については、これまで3回の特別総会が開催されています。4回目の特別総会も予定されています。

第1回軍縮特別総会
A/RES/31/189Bによる第1回軍縮特別総会(通算10回目の国連特別総会)は1978年5月23日から6月30日にかけ、ニューヨークで開催されました。

  • A/RES/31/189Bによって設置された準備委員会の作業文書は、文書記号A/AC.187/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/AC.187/SR.-で発行されました。準備委員会の総会に対する最終報告書は、A/S-10/1(GAOR, 10th spec. sess., Suppl. No. 1)として発行されています。
  • 総会決定S-10/21によって設置された第10回特別総会アドホック委員会の作業文書は、文書記号A/S-10/AC.1/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/S-10/AC.1/SR.-の形で発行されました。アドホック委員会の最終報告書はA/S-10/23として発行されています。
  • 同特別総会の作業文書は文書記号A/S-10/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/S-10/PV.-の形で発行されました。第1回軍縮総会の最終文書(A/RES/S-10/2)には宣言、行動計画および国際軍縮機構に関するセクションが含まれています。

第2回軍縮特別総会
A/RES/S-10/2による第2回軍縮特別総会(通算12回目の国連特別総会)は1982年6月7日から7月10日にかけ、ニューヨークで開催されました。

  • A/RES/33/71HおよびA/RES/35/47によって設置された準備委員会の作業文書は、文書記号A/AC.206/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/AC.206/SR.-の形で発行されました。準備委員会の総会に対する最終報告書はA/S-12/1(GAOR, 12th spec. sess., Suppl. No. 1)として発行されています。
  • 総会決定S-12/21によって設置された第12回国連特別総会アドホック委員会の作業文書は、文書記号A/S-12/AC.1/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/S-12/AC.1/SR.-の形で発行されました。アドホック委員会の最終報告書はA/S-12/32として発行されています。
  • 同特別総会の作業文書は文書記号A/S-12/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/S-12/PV.-の形で発行されました。総会決定S-12/24により、アドホック委員会の報告書(A/S-12/32)は、第2回軍縮特別総会の最終文書(Concluding Document)として承認されています。

第3回軍縮特別総会
A/RES/41/60GおよびA/RES/42/40による第3回軍縮特別総会(通算15回目の国連特別総会)は、1988年5月31日から6月25日にかけ、ニューヨークで開催されました。

  • A/RES/41/60GおよびA/RES/42/40によって設置された準備委員会の作業文書は、文書記号A/AC.230/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/AC.230/SR.-の形で発行されました。準備委員会の総会に対する最終報告書はA/S-15/1(GAOR, 15th spec. Sess., Suppl. No. 1)として発行されています。
  • 総会決定S-15/21によって設置された第15回国連特別総会全体委員会の作業文書は、文書記号A/S-15/AC.1/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/S-12/AC.1/SR.-の形で発行されました。全体委員会の最終報告書はA/S-15/50として発行されています。
  • 同特別総会の作業文書は文書記号A/S-15/-の形で発行されました。会合記録は文書記号A/S-15/PV.-の形で発行されました。総会決定S-15/24により、特別総会は第3回軍縮特別総会の最終文書として、アドホック委員会の報告書(A/S-15/50)に留意しました。

第4回軍縮特別総会
総会決議A/RES/50/70F、A/RES/51/45CおよびA/RES/56/24Dにより、第4回軍縮特別総会の開催が求められています。

軍縮委員会

軍縮委員会は、当初1952年1月11日のA/RES/502(IV)によって設立された委員会の後身として、1978年6月30日のA/RES/S-10/2(第1回軍縮特別総会の最終文書)によって設置されました。軍縮委員会は「総会の補助機関たる討議体で、その役割は、軍縮分野のさまざまな問題を検討し、これに関する勧告を行うとともに、軍縮特別総会の関連決定および決議のフォローアップを行うことにある。軍縮委員会はとりわけ、総会に対する勧告、および、これを通じ、交渉機関たる軍縮会議に対する勧告として提出すべき包括的な軍縮プログラムの諸要素を検討すべきである」(パラグラフ118a)とされています。

軍縮委員会はニューヨークで会合を開きますが、全体会合のほか、作業グループを通じた活動も行います。作業グループの数は具体的な検討項目の数によって左右されます。
軍縮委員会が全会一致で採択した検討主題に関する原則、ガイドラインあるいは勧告の全文は、A/51/182およびA/51/182/Rev.1にまとめられています。

  • 軍縮委員会の作業文書は文書記号A/CN.10/-の形で発行されます。会合記録は文書記号A/CN.10/PV.-の形で発行されます。
  • 軍縮委員会の総会に対する年次報告書は、総会公式記録(Official Records of the General Assembly)の補遺として発行されます。これら報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • プレスリリースは文書記号DC/-の形で発行されます。1995年10月以降に発行されたものについては、プレスリリース検索画面を通じて閲覧できます。

軍縮会議

多国間交渉機関である軍縮会議は当初、軍縮委員会として1978年6月30日のA/RES/S-10/2(第1回軍縮特別総会最終文書)によって設置されました。これは1982年12月13日のA/RES/37/99Kにより、軍縮会議へと改称されました。軍縮会議は独自の手続き規則(CD/8/Rev.8)に従い、総会の勧告とそのメンバーによる提案を考慮した上で、議題を採択します。軍縮会議はジュネーブで会合を開き、適宜、年1回以上、総会に対する報告を行います。

  • 軍縮会議の作業文書は文書記号CD/-の形で発行されます。文書の全文(1996年以降)は軍縮会議ウェブサイトでご覧になれます。
  • 会合記録は文書記号CD/PV.-の形で発行されます。会合記録の全文(1998年以降)は軍縮会議ウェブサイトでご覧になれます。
  • 軍縮委員会の総会に対する年次報告書は総会公式記録の補遺として発行されます。これら報告書すべての一覧はUN-I-QUEデータベースでご覧になれます。これら報告書の全文(1995年以降)は文書記号CD/-の形で、軍縮会議ウェブサイトでご覧になれます。
  • プレスリリースは文書記号DCF/-の形で発行されます。1995年10月以降に発行されたものについては、プレスリリース検索画面を通じて閲覧できます。軍縮会議の軍縮関連活動に関する現在のプレスリリースは、UNOGプレスリリースのウェブサイトでもご覧になれます。

アドホック委員会

総会は適宜、特定の軍縮問題を取り扱うアドホック委員会を設置してきました。最近では、「世界軍縮会議に関するアドホック委員会」と「インド洋に関するアドホック委員会」の2つが設置されています。

  • 世界軍縮会議に関するアドホック委員会は、世界軍縮会議の開催に関し、各国政府が表明した見解や提言を検討することを目的に、1973年12月13日のA/RES/3183(XXVIII)によって設置されました。同委員会の作業文書は文書記号A/AC.161/-(1973)およびA/AC.167/-(1974-1988)の形で発行されました。同委員会の総会に対する報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • 1971年、総会は「インド洋平和地帯宣言(Declaration of the Indian Ocean as a Zone of Peace)」を採択しました。これを受け、翌年には、同決議の実施を検討し、インド洋に関する会議開催に必要な準備を行うことを目的に、A/RES/2992(XXVII)によってインド洋に関するアドホック委員会が設置されました。インド洋に関するアドホック委員会の作業文書は1973年から、文書記号A/AC.159/-の形で発行されています。同委員会の総会に対する報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。

国連軍縮研究所(UNIDIR)

UNIDIRは、軍縮および関連問題、特に国際安全保障問題に関する独自の研究を行うこと目的に、国連の枠組みにおける独立の研究機関として、1982年12月13日のA/RES/37/99K(section IV)によって設置されました。

UNIDIRは、第1回軍縮特別総会最終文書の規定に基づき、関連の総会勧告を考慮しながら活動しています。その設立規程は総会のA/RES/39/148H(1984)によって承認されました。UNIDIRの作業プログラムは毎年、見直しが行われ、事務総長の軍縮問題諮問委員会(Advisory Board on Disarmament Matters)による承認に服します。諮問委員会はまた、UNIDIR評議会の役割も兼ねています。

  • UNIDIRの活動に関する所長の年次報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • 軍縮問題諮問委員会に関する事務総長報告書すべての一覧は、UN-I-QUEデータベースでご覧になれます。
  • UNIDIR出版物の一覧(研究報告書および研究論文)はUNIDIRウェブサイトでご覧になれます。UNIDIR研究論文の一覧はUN-I-QUEデータベースでもご覧になれます。

安全保障理事会

国連憲章第26条により、安全保障委員会は、軍縮に直接関係する以下のような項目を定期的に検討しています。

軍備および軍隊の一般的な規制と削減
軍備の一般的な規制と削減を律する原則に関するA/RES/41(I)を実施すべく、安全保障理事会はS/RES/18(1947)の採択により、通常軍備委員会(Commission for Conventional Armament)を設置しました。安保理は適宜、会合を開いていましたが、1952年にS/RES/97(1952)を採択し、同委員会を解散しました。

大国間の関係
安全保障理事会は1960年、国際的緊張の高まりを受けて、何度も会合を開きました。S/RES/135(1960)は各国政府に対し具体的に、「実効的な国際統制のもとで全般的かつ完全な軍縮の問題の建設的解決を達成するための取組みを継続すること」を呼びかけました。

核不拡散条約の非核保有締約国のための保障措置
総会による核不拡散条約の採択(A/RES/2372(XXII))を受け、安全保障理事会はS/RES/255(1968)を採択し、同条約の非核保有締約国の安全を保障しました。1995年、核不拡散条約再検討・延長締約国会議は、同条約の効力を無期限に延長しました。安保理は常任理事国の提案を受けてS/RES/984(1995)を採択し、保障に関するそれまでの決議を更新しました。

アフリカにおける平和と安全の維持
事務総長は1998年4月、報告書『アフリカにおける紛争の原因と恒久的平和および持続可能な開発の促進』(A/52/871-S/1998/318)を提出しました。これに関する討議は継続中です。

安全保障理事会で開かれた会合、および、軍縮関連事項に関する近年の行動については、本ガイドの別の場所にある表で概観することができます。すべての安全保障理事会決議(1946年から)の文書記号はUNBISnetを通じて検索できます。全文は国連ホームページからご覧になれます。

軍縮文書

軍縮関連トピックスに関する国連の文書と出版物のより包括的な一覧は、UNBISnetデータベースを通じて検索できます。検索を行う上で有用となりうる主題用語としては、armaments(軍備)、arms limitations (軍備制限)、conventional disarmament(通常兵器の軍縮)、disarmament agreements(軍縮協定)、disarmament negotiations(軍縮交渉)、mutual and balanced force reductions(相互的・均衡的部隊縮小)、nuclear disarmament(核軍縮)、regional disarmament(地域軍縮)、weapons destruction(兵器廃棄)、unilateral disarmament(一方的軍縮)などがあげられます。
主題別検索を行うためには、固有名称(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons(核不拡散条約)、International Conference on the Relationship between Disarmament and Development(軍縮と開発の関係に関する国際会議)など)を用いることもできます。これらの名称はキーワード(All Subjects - Keyword)検索(正確な名称がわからない場合)、あるいは、具体名(All Subjects - Alphabetic)検索(少なくとも名前の最初の語が明らかな場合)によって判別できます。

コードの使用により、検索を一定種類の資料に絞り込むことができることに留意してください。(例えば、検索パネルにdisarmament agreement B17と入力すれば、軍縮協定の主題に関する安全保障理事会議長声明のみが検出されます。)効果的な検索を行う上で、UNBISnet検索のヒントはもっとも有用なものとなるでしょう。

条約

一般情報

軍縮および関連問題に関する主要な国際法文書