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安全保障理事会決議 1758

2007年06月15日

2007年6月15日、安全保障理事会第5696回会合で採択

安全保障理事会は、

キプロスにおける国際連合の活動に関する2007年6月4日の事務総長報告書(S/2007/328)を歓迎し、

キプロス政府が、この島の現状に鑑み、2007年6月15日以降もUNFICYPの維持が必要であることに同意していることに留意し、

解決方法を見いだす責任がまず第1にキプロス自身にあるとの事務総長の確信に同調し、および、キプロスの紛争および島の分断に当事者が包括的で恒久的な解決をもたらすことを支援する国際連合の主要な役割に留意し、

同島の治安状況および境界線沿いの状況は一般的に安定しているとする事務総長の評価に留意し、しかしながら、緩衝地帯の侵害の総数の増加への懸念を留意し、緊張を高めることになりうるいかなる行動も避けるように双方に促し、

緩衝地帯における活動が、安定と治安を犠牲にすべきでないことを重視し、国際連合によって用いられた1989年の覚書を双方が受け入れるならば、緩衝地帯における状況は改善しうるとする事務総長の確信に留意し、

2006年7月8日合意において正式に定められた原則および決定を歓迎し、関連の安全保障理事会決議に述べられたとおり、二つの共同体からなる二地区の連邦制および政治的平等を基礎とする包括的解決は望ましくかつ可能なもので、これ以上遅れるべきではないことを強調し、

2006年7月8日合意を今日まで履行できないことに遺憾の意を示しつつ留意し、包括的かつ恒久的解決を導く十分に練られた交渉のための基礎を準備する目的で、遅滞なく当該プロセスを開始する行動をとるように、双方の共同体の指導者を促し、

緩衝地帯における地雷除去作業が立ち往生していることに失望し、その作業を支援するための欧州連合による基金の準備を歓迎し、地雷除去作業の再開を認めることをトルコ軍およびトルコ系キプロス人に促し、

すべての行方不明者に関する人道的問題を相応の緊急性と真剣さをもって審査し対処するという当事者への呼びかけを繰り返し表明し、これに関して行方不明者委員会の重要な活動の進展と継続を歓迎し、このプロセスが両共同体間の和解を助長するという希望を表明し、

キプロス人による境界線の横断が続いていることを歓迎し、既存の検問所に既になされている取極を考慮しながら、レドラ通りを含み、しかしそれに限定されずに、追加の検問所の開設のような、他の信頼醸成措置についての更なる進展を歓迎し、

市民社会の積極的関わりと経済および商業組織の間の協力の奨励ならびにそのような接触に対するすべての障害を除去することを双方に促す、二集団間の接触および行事を促進するすべての努力、なかんずくこの島における国際連合諸機関の努力を歓迎し、

この点に関して、両共同体内および共同体間でのこの島の将来についての建設的な公開討論の機会が少なくなっており、またその状況は、とりわけ、すべてのキプロス人の利益を意図した両共同体の活動を促進し、和解を促進しまた包括的解決を促すための信頼を構築する努力を阻止していることへの懸念を表明し、

現地の進捗状況および各当事者の見解を考慮に入れながら、周到な監視の下にUNFICYPの活動を引き続き維持し、かつ、許される限り迅速にUNFICYPの職務権限、兵力の程度および活動の基本理念を、更なる調整のために適宜安保理勧告するという事務総長の重要性を再確認し

多くのUNFICYPの兵力が耐えている受け入れがたい居住状況に留意し、この問題に遅滞なく対処するというキプロス共和国の最近の公約を歓迎し、

UNFICYPの資金供給への自発的拠出金についてキプロス政府およびギリシャ政府への事務総長の感謝およびその他の諸国および諸機構からの一層の自発的拠出金についての事務総長の要請に同調し、

すべての平和維持活動におけるHIV/エイズおよびその他の伝染病の予防と抑制について、平和維持要員に十分な注意を促す国際連合による努力を歓迎しつつ促し、

  1. 事務総長報告書における所見を歓迎する。
  2. 進展の欠如への懸念に留意しつつ、7月8日プロセスへの十分な支援を表明し、2006年11月15日のガンバリ事務次長書簡に記された通り、十分に練られた交渉の開始を認めるための重大な進展を表明し、相互の非難を止めさせるために、全ての当事者に対して国際連合の努力に建設的に取り組むことを求める。
  3. キプロスについてのすべての安保理の関連諸決議、とりわけ1999年6月29日の決議1251(1999)とそれに引き続く諸決議を再確認する。
  4. 現状維持は是認できず、現状は解決にはほど遠く、キプロス問題の最終的政治解決についての交渉はあまりにも長期間袋小路にあることを再確認する。
  5. UNFICYPへの安保理の十分な支援を表明し、その職務権限をさらに2007年12月15日までの期間に延長することを決定する。
  6. 両者に対して、国際連合の1989年覚書に関して到達した合意の見地から、緩衝地帯の境界について、とりわけレドラ通りの検問所に関連して、緊急の問題としてかつUNFICYPの職務権限の観点からUNFICYPとの協議に従事することを求める。
    7.2000年6月30日以前にストロビリアに存在した状態の軍事的状況に回復することを、トルコ系キプロス人およびトルコ軍に求める。
  7. 本決議の実施に関する報告書を2007年12月1日までに提出することを事務総長に要請する。
  8. 性的搾取・虐待を容赦なく取り締まるという事務総長のゼロ・トレランス政策を実施し、その要員による国際連合行動規範の完全な遵守を確保するためにUNFICYPによってなされている努力を歓迎し、事務総長に対して引き続き、これとの関連で必要なあらゆる策を講じ、安全保障理事会に情報を提供し続けることを要請し、兵力提供国に対して、展開前の啓発教育の実施を含む適切な事前予防策を講じ、自国の要員がかかる行為に関係した場合には、懲戒処分などの行為により、全面的なアカウンタビリティを確保するため、懲戒処分その他の処分をとることを促す。
  9. この問題に引き続き取り組むことを決定する。

S/RES/1758(2007)