安全保障理事会決議 1658
2006年02月14日
2006年2月14日、安全保障理事会第5372回会合で採択
安全保障理事会は、
ハイチに関する従前の安保理諸決議、とりわけ決議1608(2005)、1576(2004)および1542(2004)、ならびに、関連の安保理議長諸声明を再確認し、
ハイチの主権、独立、領土保全および統一を守るという強い公約を再確認し、
ハイチ国民が2006年2月7日にハイチ選挙の第1回投票を無事に完了したことを祝福するとともに、これに関連するハイチ当局、国際連合ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)、米州機構および関連する国際的利害関係者による取り組みを称賛し、
ハイチの政治プロセスでこれまでの成果を歓迎するとともに、ハイチ全国民に対し、この政治プロセスに参加を続け、その成果を平穏に受け入れるよう促し、
ハイチの国政選挙、および、2006年4月30日に予定される地方選挙を支援する上で、地域的および準地域的機関を含む、国際社会の支援を受けながら、MINUSTAHが有する重要な役割を再確認し、
当選した大統領の早期就任を期待するとともに、大統領の就任後も、国民和解、幅広い参加および政治的対話が、引き続きハイチの長期にわたる政治的、社会的、経済的安定にとって、根本的に重要であることを強調し、
新政権の樹立は、ハイチにおける国際社会による取り組みの新たな段階を示す画期的な出来事となることを認識し、
治安、法の支配、政治的和解、および経済的、社会的発展は、依然としてハイチの安定の鍵となることを強調し、
選挙プロセスの完了には引き続き治安の安定が不可欠な要素であることを強調するとともに、ハイチ国民に対し、あらゆる形態の暴力を放棄するよう求め、
ハイチ当局が選挙後に安全かつ安定した環境を確保するのを支援するために、MINUSTAHが引き続き取り組むことに全面的支持を表明し、
安定と発展を達成するためには、ハイチの民主的機構の強化が不可欠であること、ならびに、MINUSTAHおよび国際社会は、国および地方の当局ならびに組織の能力育成に対する援助を続けるべきであることを強調し、
法の支配および人権の尊重は、民主的社会のきわめて重大な要素であることを認識し、これに関連して、MINUSTAHの職務権限を再確認するとともに、ハイチ当局に対し、法の支配のあらゆる分野において包括的な改革を実施し、人権および基本的自由を促進し、保護するよう求め、
MINUSTAHおよびハイチ国家警察(HNP)に対し、調整を強化し、他の国際的利害関係者と協力して、HNP改革を実施し、決議1608(2005)で要請された全体的改革計画を可能な限りすみやかに完成させるよう求め、
MINUSTAHに対し、法の支配に関係する制度に対する焦点を絞った技術援助の提供を通じた支援を含む、司法・行刑制度の改革、近代化および強化に対するより一層の支援の可能性をさらに模索するよう奨励し、
武装解除、動員解除、社会復帰の迅速な進展の重要性を強調し、
暫定協力枠組みが2007年12月まで延長されたことを歓迎し、ハイチ当局に対し、関連のあらゆる国際的利害関係者との密接な協力により、引き続きその実施を進めるよう促すとともに、ハイチ国民のために、安定を達成し、維持し、貧困と戦うことを目的とするものを含む、長期的支援を提供する国際社会の誓約を改めて表明し、
誓約された援助の供与という点で、これまでの成果を認識するとともに、国際金融機関とドナーに対し、誓約した資金を速やかに供与し続けるよう奨励し、
安定、社会的および経済的発展、ならびに法と秩序を達成する責任を、ハイチ国民が担わねばならないことに留意し、
決議1608(2005)第3項を想起し、
ハイチにおける状況は、引き続き国際の平和および安全に対する脅威であると決意し、
決議1542(2004)本文第7項第1節に記されているとおり、国際連合憲章第7章にもとづいて行動して、
- さらに期間延長する意思を持ちつつ、決議1608(2005)および1542(2004)に含まれている、MINUSTAHの職務権限を2006年8月15日まで延長することを決定する。
- 2006年2月2日付の事務総長報告書S/2006/60を歓迎するとともに、その勧告を支持する。
- 事務総長に対し、適宜ハイチの次期政権と協議を行い、ハイチの選挙プロセス完了後可能な限りすみやかに、MINUSTAHが主要組織の改革と強化を支援できる方法に関する勧告を含め、新政権発足後にMINUSTAHの職務権限を再改編すべきか否かについて、安保理に報告するよう要請する。
- 引き続きこの問題に取り組むことを決定する。
S/RES/1658 (2006)