国連の職員とは
*以下の情報は、国連本部の採用サイト UN Careers の一部を日本語訳したものです。詳細と最新情報については、必ずUN Careers をご覧ください。
ビジョンと行動力を持ち、国際社会の意志を実行に移す21世紀の国連へようこそ
国連職員とは?
世界は国連に対し、紛争の終結や貧困の緩和から気候変動対策や人権の擁護に至るまで、あらゆる分野で複雑な問題の解決を期待しています。国連が取り組むべき課題は多種多様ですが、これは国連が提供するキャリアについても同じです。国連には、選挙監視や子ども兵士の武装解除、人道危機の際の支援調整、複雑な任務遂行に関連した後方支援の提供などにあたる職員がいます。こうした職務は、私たちの重要かつ必要な機能のほんの一例にすぎません。
このように職務が多岐にわたることから、国連職員は在職中に部署や部門、勤務地、さらには勤務先の機関や職務分野を変えることまであります。
193の加盟国出身の約4万4,000人から成る国連職員は多様性に富んでいます。国連で働くということは、異なる背景や文化をもち、幅広い観点や経験、アプローチを有する多文化チームで働くことを意味します。
国連職員全体の構成は以下のとおりです。
女性33% 男性67%
国連は空席ポストへの女性の応募を強く推奨しています。
およそ4万4,000人の国連職員は、世界各地で活動しています。
- フィールド・オペレーション:54%
- 地域委員会:6%
- 裁判所、法廷:4%
- その他の勤務地:7%
- 本部:29%
国際公務員として、あなたにはその職務と地位に関連するあらゆる事柄において最高水準の能率、能力及び誠実を保つことが期待されています。誠実には高潔さ、中立性、公平性、正直さ、そして実直さが含まれます。国連が様々なサービスを提供する人々には、まさにこれらを期待する権利があるからです。
よりよい世界を一緒につくっていきましょう。誇りを持って、あなたの才能を国連の使命遂行に生かしてください。
私たちの仕事
国連は1945年に設立された国際機関であり、国際の平和と安全の維持、国家間の友好関係の構築、社会発展、生活水準の向上および人権の推進を任務としています。
そのユニークな国際性、そして国連憲章により付与された権限により、国連は幅広い問題について行動を起こすとともに、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、その他の機関や委員会を通じ、193の加盟国が自国の見解を表明できる場を提供しています。
世界の隅々にまで及ぶ国連の活動は、持続可能な開発、環境と難民の保護、災害の救援と軽減、テロ対策、さらには軍縮や核不拡散など、幅広い根本的な課題に重点を置いています。
2000年9月、10年に及ぶ主要な国連会議とサミットの末、世界の指導者はニューヨークの国連本部に結集し「国連ミレニアム宣言」を採択しました。各国はこの宣言により、極度の貧困を削減するための新たなグローバル・パートナーシップへの参加を約束し、宣言に盛り込まれた2015年を期限とする一連の時限目標は「ミレニアム開発目標(MDGs)」と呼ばれるようになりました。
その8つの目標は下記のとおりです。
- 極度の貧困の撲滅
- 普遍的な初等教育の達成
- ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
- 幼児死亡率の引き下げ
- 妊産婦の健康状態の改善
- HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止
- 環境の持続可能性の確保
- 開発のためのグローバル・パートナーシップの構築
この8つのMDGsは、世界のすべての国々とすべての主要開発機関が合意した青写真です。MDGsは、世界で最も貧しく、最も疎外された人々のニーズを充足しようという前例を見ない取り組みの支えとなっています。
国連は世界政府ではありません。立法活動も行いません。しかし、国際紛争の解決や、私たちすべてに影響する問題に関する政策策定を助ける手段を提供しています。国の大小や貧富、また政治的見解や社会制度の違いに関係なく、国連の全加盟国はこのプロセスにおいて、発言権と一票を投じる権利を持っています。
国連ファミリーの構成機関
国連機構図(日本語版)は以下をご覧ください。
» https://www.unic.or.jp/files/organize.pdf
国連ファミリーは国連事務局、国連児童基金(UNICEF)や国連開発計画(UNDP)などの基金や計画、国連教育科学文化機関(UNESCO)や世界保健機関(WHO)を含む専門機関、さらにはその他の関連機関で構成されています。
基金と計画は総会の補助機関です。専門機関は特別協定によって国連と関連づけられており、経済社会理事会および/または総会に報告義務があります。
国連事務局
世界中の任地で働くグローバルな職員の集合体である事務局は、国連の多岐にわたる日常業務を遂行します。また、国連の他の主要機関に支援を提供するとともに、これら機関が定めたプログラムや政策の運営にもあたります。事務局のトップである事務総長は、安全保障理事会の勧告に基づき、総会が5年の任期で任命し、一度だけ再任が可能です。事務局の仕事は、国連が取り扱う課題と同じく、多種多様です。具体的には、平和維持活動(PKO)の運営から国際紛争の調停、社会経済の動向や課題の調査から人権と持続可能な開発に関する研究の準備にまで及びます。事務局職員はまた、国連の活動について世界のメディアに情報を提供したり、世界的な関心の集まる問題について国際会議を開催したり、国連の公用語となっているアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語の6カ国語にスピーチを通訳したり、文書を翻訳したりします。
このウェブサイトでは、国連事務局で働く機会に関する情報のみを提供します。その他の国連ファミリー構成機関に関する雇用機会については、下記のリンクを参照ください。
» https://careers.un.org/lbw/home.aspx?viewtype=WWD
私たちの勤務地
私たちの活動は、世界各地の人々の生活に関わっており、日常業務も複雑かつ多面的で、193の加盟国すべてに直接的、間接的に広がっています。
1946年初頭に活動を開始した時点で、国連事務局にはわずか300人の職員しかおらず、主として準備委員会の活動や、世界情勢の好転への道のりを描き始めていたこの若き世界機関への会議サービス提供に携わっていました。これらの職員を核として、事務局職員の数は6カ月のうちに約3,000人へと増えました。3年後の1949年10月には、ニューヨーク・マンハッタン島のミッドタウンに、その後広大な国連本部へと発展する建物の基礎が築かれました。
現在、国連は初期の会議運営サービスからその活動を進化させ、世界各地で積極的に活動を展開し、国連憲章に定められた3つのテーマ、すなわち、平和と安全、人権の保障と推進、人間開発の分野で課題の解決を模索しています。1946年以来、国連は徐々に拡大し、現在では男女の専門職員4万4,000人を擁するグローバルな組織へと発展しています。
過去10年間、国際舞台での目まぐるしい変化に直面した国連は、対応力の強化に向け、大きく変容を遂げました。国連は現在、職員の60%を本部以外の世界各地に派遣する、即応型のフィールド主体組織になっています。
国連のグローバル事務局は、ジュネーブとウィーン、さらにはナイロビにも拠点を置いているほか、世界各地の主要国の首都に設けられた経済社会委員会は、アフリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカ・カリブ海、アジア太平洋、西アジアという5つの主要地域に属する国々の社会経済、開発面のニーズに取り組んでいます。
「国連=平和維持活動(PKO)」とイメージされることがしばしばあります。PKOが国連が独自に開発した恒久的平和と開発に向けた条件を整えるための支援を行う、ダイナミックな手段であることを考えれば、当然のことといえます。国連の平和維持活動は1948年、イスラエルと近隣アラブ諸国間の休戦協定監視を目的とした中東への軍事監視員派遣に端を発しています。それ以来、全世界で計63件の平和維持活動が実施されています。現時点では、16件の平和維持活動に加え、12件の政治ミッションが5大陸で展開されています。この政治ミッションは、幅広い分野で予防外交その他の活動基盤を整備することで、紛争の予防と解決や、内戦終結国での恒久的平和の構築に役立っています。
さらに、人道問題調整事務所(OCHA)、国連人権高等弁務官事務所、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、国連環境計画(UNEP)など、その他のグローバルな事務局も、世界各地に地域・国別駐在事務所を開設し、それぞれの専門的なノウハウと支援を必要とする新たな課題に迅速に対応する努力をしています。さらに、国連貿易開発会議(UNCTAD)はジュネーブを拠点としながら、ニューヨークにも事務所を置いている一方、内部監査部(OIOS)はニューヨークを拠点とし、必要に応じて全世界でサービスを提供しています。
最後に、国連広報センター(UNIC)のネットワークは、全世界の人々と国連本部をつなぐ役割を果たしています。広報局の出先機関として60カ国以上に設けられているUNICは、各国内のコミュニティが国連とその活動に関する最新情報を入手しやすくします。UNICは各地の人々がその意見を表明したり、国連が自分たちの暮らしをよりよくするために何をしているのかについて理解を深めるお手伝いをします。
人々が苦しみ、援助を必要としている場所には必ず、生活を好転させ、現在と将来の世代にとって、世界をよりよく、より安全な場所にしようと時間を惜しまず、支援と専門的ノウハウを提供している国連職員の姿があるはずです。
国連の主要な活動拠点について、詳しくは以下の地図をご覧ください。
» https://careers.un.org/lbw/home.aspx?viewtype=VD