経済開発
国連創設の原則の一つは、世界のすべての人民の経済開発は政治的、経済的、社会的安全保障を達成するためのもっとも確実な方法であるとの信念であった。世界人口の13パーセントが1日1.9ドルという極度の貧困ライン以下で生活しなければならないということが、国連にとって最大の関心事である。そうした人々のほとんどがアフリカやアジアに住んでいる。2011年現在、世界全体でおよそ1億9700万人の労働者は失業し、8億6800万人以上の人々が一日2ドル以下での生活を余儀なくされていると推定された。2014年―2016年、世界の栄養不良の人の数はおよそ8億人であると推定された。
今後も人間の福祉、持続可能な開発、貧困の撲滅、公正な貿易、固定化された対外債務の軽減を実現する政策が経済の拡大とグローバル化の指針とならなければならない。国連はこうしたことを実現する方法を見出すことに専念する唯一の機関である。国連は、マクロ経済政策の採択を求めている。それは、現在見られる不均衡、とくに南北間の増大する格差を解消し、後発開発途上国の慢性的な問題を解決し、中央計画経済から市場経済へと移行する国々の未曾有のニーズを満たす政策であるからである。国連は貧困の削減と子どもたちの生存、環境保全、女性の進歩、人権を促進するために多くの支援計画を実施している。貧しい国の何百万の人々にとって、こうした活動こそが国連なのである。