国際郵便サービス
毎年、500万人以上の郵便局員が国内、国際の、270億通もの郵便物、 それに74億個に達する小包の処理、郵送に携わっている。そのほかにも さまざまなエレクトロニック・サービスや金融サービスを行っている。 世界ではおよそ68万の郵便局が営業している。こうした国際郵便サービ スを規制する国連の専門機関が万国郵便連合(Universal Postal Union: UPU)(www.upu.int)である。
UPUは郵便物の相互交換のために単一の郵便地域を形成する。各加 盟国は、自国の郵便のために利用する最善の手段と同じ手段で他の国の 郵便物を郵送することに同意する。UPUは国際郵便サービスの改善を 図り、国際郵便のために共通の単純な手続きを各国の郵便利用者に提供 し、最新の商品やサービスを利用できるようにする。
UPUのおかげで、新しい商品やサービスが国際郵便ネットワークの 中に取り入れられている。このようにして、世界のほとんどの人々が書 留郵便や郵便為替、国際返信用クーポン、小型小包、速達のようなサー ビスを利用できるようになった。UPUはある種の活動、たとえば加盟 国郵政庁による電子データの相互交換技術の応用や公的な郵便業務や e‒サービスの質の監視などで強力な指導性を発揮してきた。
万国郵便大会議は、UPUの最高の権威機関で、4年ごとに開かれ、 新しい世界の郵便戦略を決め、郵便物の国際交換の将来の規則を設定す る。2012‒2016年の「ドーハ郵便戦略」の成果としては、「郵便業務発展 総合指数(21PD)」方法の設立、郵便送金のためのUPUの最初のグロー バルな商標「PosTransfer」の確立、アジア・太平洋の2万3000の農村郵 便局とUPUの金融ネットワークへの連結、アフリカ11カ国の農村地帯 の郵便金融サービスへのアクセスを増加させる700万ドルプロジェクト の開始、などがあげられる。2016年9月20日から10月7日までトルコの イスタンブールで開催された第26回UPU大会議には155カ国からおよそ 2000人の代表が参加し、2017年―2020年に向けたUPUの活動のコース を決めた「イスタンブール世界郵便戦略」を採択した。戦略は、統合、 革新、包摂に基づいて、郵便ネットワークのインフラの相互運用性を改 善し、持続可能な、近代的商品を確保し、市場や部門が機能するように 育成する。