文化と発展
ユネスコの文化活動の中心となっていることは、持続可能な開発と社会的一体性の達成を支援するために有形、無形の遺産を発展させること、平和の文化を育成するために、多様な文化の表現や異文化間の対話を保護、促進すること、紛争後もしくは自然災害後の国における和解と復興のために文化的要素を取り入れることである。
2003年、ユネスコ総会は「文化遺産の意図的破壊に関するユネスコ宣言」を全会一致で採択した。これは、アフガニスタンのバーミヤンの仏像が2001年に破壊されたことを受けて採択されたものである。ユネスコの「2003年無形文化遺産の保護に関する条約(2003 Convention for the Safeguarding of the Intangible Cultural Heritage)」は、口承伝統、習慣、言語、舞台芸術、社会的慣行、儀式、祭り、伝統的知識、伝統工芸品、危機言語、言語の多様性を促進することについて規定している。2004年、ユネスコは、「創造都市ネットワーク(Creative Cities Network: UCCN)」を打ち出した。これは、持続可能な都市開発の戦略的要因として、創造性に富んでいると認定された都市と都市、また、都市間の協力を促進するものである。現在このネットワークを構成する116の都市が共通の目的、ローカルのレベルでは創造性と文化産業を開発計画の中心に置き、国際のレベルで積極的に協力するという目的に向かってともに取り組んでいる。2005年の「文化的表現の多様性の保護および促進に関する条約」は、文化的財・サービスをアイデンティティと価値の手段だと認め、そうした文化的財・サービスの創造、生産、販売、享受を強化することを求めている。とくに、開発途上国における関連産業を支援することが求められた。2015年、ユネスコは「Unite 4 Heritage(遺産のために団結を)」を立ち上げた。これはユネスコが進めるグローバルな運動かつソーシャル・メディア・キャンペーンで、世界各地の文化遺産と多様性を祝い、保護する。
他の国連機関とともに、また国内当局との強力な協力のもとに、ユネスコの共同プログラムを実施することが、「2030アジェンダ」実施の鍵となる。