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安全な水とトイレを世界中に出典「国連の基礎知識」

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すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。水分ストレスは地球上の20億以上の人々に影響を及ぼしている。今後その数はさらに増えると予測されている。安全な飲料水および衛生施設を利用できない人々の割合を半減するというMDG目標については進展があった。全地球的に、147カ国が飲料水についての目標を達成し、95カ国が衛生施設についての目標を達成し、77カ国が両方の目標を達成した。2015年、66億の人々、すなわちグローバルな人口の91パーセントが改善された飲料水源を利用することができた。これは50パーセントいうMDG目標を超えるものであった。MDG目標は2010年に達成された。しかし、2015年現在で、およそ6億6300万の人々は依然として改善されないままの水源もしくは地表水を利用していた。2000年と2015年の期間、改善された衛生施設を利用する世界人口の割合は59パーセントから68パーセントへと上昇した。しかし、24億の人々は取り残された。その中にはそうした施設をまったく持たない9億4600万の人々も含まれ、こうした人々は野外での排泄を続けた。

SDG 6は飲料水や衛生施設、衛生上の範囲を超えて、水質や水資源の持続可能性の問題も取り上げている。そのため国際協力を拡大し、水と衛生の管理向上について地域コミュニティの支援を強化する。

水資源

十分な給水への基本的アクセスとは、1キロの範囲内(往復30分)に毎日1人当たり20リットルの水を供給する水源として定義づけられている。そうした水源には家庭用水道、公共の配水塔、ボアホール(掘削孔)、保護された堀井戸、保護された泉、雨水貯留タンクなどが含まれる。人間の生活や商業、農業のニーズ、それに基本的な公衆衛生のためのニーズを満たすために世界の水資源に対する需要は急増している。国連は長年にわたって水資源の危機の問題に取り組んできた。「国際飲料水の供給と衛生の10年(International Drinking Water Supply and Sanitation Decade)1981-1990年」、「水と環境に関する国際会議(International Conference on Water and the Environment)1992年」、「地球サミット(Earth Summit)1992年」、そして「リオ+20(2012年)」、こうしたことはすべてこの重要不可欠な資源に焦点を合わせたものであった。とくに、この「10年」によって、開発途上国の13億の人々が安全な飲料水を手に入れることができるようになった。

淡水資源の合理的開発の重要性についての人々の認識を高めるために、総会は2003年を「国連国際淡水年(United Nations International Year of Freshwater)」に指定した。同じく2003年、国連システム全体の調整機関である国連システム事務局長調整委員会(CEB)は、「国連水関連機関調整委員会(UN‒Water)」(www.unwater.org)を設置した。これは、「ミレニアム宣言」と2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」の水に関連した目標を達成するために国連システムが行う活動を調整する機関である。ミレニアム開発目標の水に関連した目標を達成するグローバルな活動をさらに強化する目的で、総会は、2005-2015年を「「命のための水」国際行動の10年(International Decade for Action “Water for Life”)」に指定した。この「10年」は2005年3月22日に始まり、現在、この日は「世界水の日(World Water Day)」として記念されている。2016年と2017年、ユネスコは、「水と仕事」を「廃水:未開発資源」をそれぞれのテーマに第7号、第8号の「国連世界水開発報告書」を発行した。

2016年9月、水に関するハイレベルパネル(High‒level Panel on Water)(https://sustainabledevelopment.un.org/HLPWater) は、2年の期限で設置されたが、世界が水に取り組む姿勢を根本的に変えるよう求めた。パネルは、「2030アジェンダ」達成を支援する水管理への新たなアプローチを求める行動計画を発表した。

衛生施設

「ミレニアム開発目標報告書 2015年」によると、世界的に、21億の人々が改善された衛生施設にアクセスでき、野外で排泄を行う人の割合は1990年以降ほとんど半数になった。それにもかかわらず、およそ24億の人々は依然として基本的な衛生施設、すなわち公共下水道への接続もしくは汚水処理タンク方式、注水式水トイレ、ピット式(簡易)トイレ、換気式かつ改善されたピット式トイレとして定義づけられる衛生施設を利用できないままである。