人道要員の保護
国連要員と人道活動に従事する人々はいくつかの世界でもっとも危険な場所で働いている。これらの人々は紛争地帯で命を救うために不可欠の仕事に従事している。空爆を受けることも、重火器や小型武器の射撃を受け、テロ攻撃の対象となることもある。国連は、安全上の残存リスクが非常に高い地域で多くの事業を進めている。通常は活動が縮小されるべき状況にある地域である。危険な状態は新しい地域へと拡大し、別の場所では紛争が衰えることはない。断固とした安全保障危機管理の枠組みを通して、国連安全保安局は、国連のスタッフとその家族の安全と保安に最高の優先度を置く一方で、世界各地における国連の活動を続けさせることができるようにしている。
国連要員の安全と保護の一義的責任はホスト国政府にある。1994年の「国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約(Convention on the Safety of United Nations and Associated Personnel)は、国連職員の安全を確保し、殺害や誘拐の予防対策をとることを国連が活動する国の政府に義務付けている。しかし、こうした義務にもかかわらず、あまりにも多くの国連職員や平和維持要員、関連要員が、毎年、世界でもっとも脆弱な人々のために働いているときに命を奪われる。216年10月にニューヨークの国連本部で行われた年次の追悼式(www.un.org/en/memorial)では、2015年1月1日から2016年6月30日までに勤務中に命を落とした211人の国連要員の栄誉をたたえた。