経済的、社会的、文化的権利
「経済的、社会的、文化的権利に関する国際規約(International Covenant on Economic, Social and Cultural Rights)」は1976年に発効し、2016年12月31日現在で164カ国が加入している。この規約が促進、擁護する人権には以下の権利が含まれる。
- 公正かつ好ましい条件のもとで働く権利
- 社会保障、適切な生活水準、到達可能な最高水準の身体、精神の健康を享受する権利
- 教育を受ける権利、文化的自由と科学進歩の恩恵を享受する権利
国際規約は、これらの権利はいかなる差別も受けることなしに実現されなければならないと規定している。また、締約国が規約をどのように実施しているかを検証するために経済的、社会的、文化的権利委員会(Committee on Economic, Social and Cultural Rights)(www2.ohchr.org/english/bodies/cescr)が1985年に経済社会理事会によって設置された。この委員会は18人の専門家から構成され、規約の第16条の規定に従って締約国から定期的に提出される報告を検討し、関係国政府の代表と報告の内容について話し合う。 委員会は、個々の報告の検討結果に基づいて締約国に必要な勧告を行う。 また、人権もしくは分野横断的テーマについての意味を説明する一般的なコメントを採択する。
2008年、個人からの苦情に関して新しい、大きな進展がみられた。その年、総会は全会一致で規約に対する第一選択議定書を採択し、それによって、経済的、社会的、文化的権利委員会は個人からの通報を受け取り、審議する権限が与られることになった。選択議定書は2013年5月5日に発効した。2016年12月31日現在で、締約国となった国は22カ国で、署名した国は45カ国である。