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国際刑事裁判所出典「国連の基礎知識」

ICC judges, May 2015 © ICC-CPI/Max Koot

国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)(www.icc-cpi.int)は独立した、常設の裁判所で、国際社会全体の関心事であるもっとも重大な犯罪、すなわち集団殺害犯罪、人道に対する罪、戦争犯罪に問われる個人を訴追する。また、2017年に締約国が行う決定によっては、侵略犯罪に対しても管轄権を持つことになる。刑事裁判所は、1998年7月17日、ローマで開かれた全権大使会議で採択された「国際刑事裁判所ローマ規程」(https://www.icc-cpi.int/)によって設立された。ローマ規程は2002年7月1日に発効した。2016年11月現在、締約国は124カ国である。

刑事裁判所は法律的にも機能的にも国際連合から独立しており、国連システムの一部でもない。国連と刑事裁判所との協力は「交渉による関係協定」に規定されている。安全保障理事会は、ICCの締約国でない国に関することも含め、事態をICCに付託することができる。裁判官は18人で、締約国が9年に限定された任期で選出する。ただし、裁判もしくは上訴がすでに始まっている場合は、それが終了するまでその任に就く。いかなる場合でも同じ国から2人の裁判官を選出することはできない。

2016年11月、ICCは10件の事態について捜査と訴訟手続きを進めている。中央アフリカ共和国(2件)、コートジボアール、ダルフール(スーダン)、コンゴ民主共和国、グルジア、ケニア、リビア、マリ、ウガンダである。ICC検察官は多くの事件で予備審査を行っている。ICCは23の事件に関わっている。2016年、マリに関する事件で、アハマド・アル・ファキ・アル・マハディ被告に対する決定は、文化遺産破壊に対する国際裁判所の最初の有罪判決で、他方、中央アフリカ共和国事件のジャン・ピエール・ベンバ・ゴンボは、司令官としての責任と性的な、ジェンダーベースの暴力に対して有罪判決を受けた。