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紛争の司法的解決出典「国連の基礎知識」

UN Photo/Frank van Beek

紛争の解決に責任を持つ国連の主要機関は、国際司法裁判所(International Court of Justice)である(www.icj-cij.org)。一般に世界法廷としても知られるこの裁判所は、一般的管轄権を持つ普遍的性格の唯一の裁判所である。このことは、多くの当事国が裁判所に出廷し、かつ広範な問題に対処するよう求めてきたことにも反映される。1946年の創設以来、司法裁判所はおよそ164件の事件を取り上げ、国連加盟国が提訴した法律紛争に対して120件以上の判決や150件以上の司法命令を行った。また、国連機関からの要請に応えて27件の勧告的意見を発表した。

司法裁判所は近年忙しさを増している。2016年10月12日現在、世界のあらゆる地域から寄せられた紛争に関連する訴訟事件一覧表には、審理中の11件の事件が載せられている。国家は、条約の解釈、国境や海洋境界線、環境や生物資源の保護、その他の問題についてますます多く司法裁判所に訴えるようになった。その結果、裁判所は、その設立以降の44年間よりも、この24年間に行った判決の方がはるかに多い。

裁判所は国境や海洋境界線紛争に関して判決を下すことでとくに大きな名声を博してきた。こうした問題に関する国家間の緊張は公然の紛争にまでエスカレートすることもある。そうした問題の当事者は、裁判所が、両国が正常な関係に戻れるような公平な解決に必ず達するものと信頼している。

司法裁判の判決のもっとも明らかな効果は紛争の平和的解決であるが、裁判所の判例がもたらす影響もより広く感じられる。その判決は国際法の権威ある声明として幅広く認識され、その他の裁判所や法廷、法学者、国家の顧問によって綿密に研究される。国際法の発達に対する裁判所の貢献には、慣習法の特定の規則を明確にすることも含まれる。