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北アフリカ出典「国連の基礎知識」

リビア

2011年2月初め、アラブ諸国に広がった「アラブの春」との関連で、リビア ―― 当時は、リビア・アラブ・ジャマーヒリーヤ国 ―― の国内紛争は、リビアの指導者、ムアンマル・カダフィ大佐に忠誠を誓う軍隊とカダフィ政権打倒を目指す勢力との内戦にまで拡大した。国際社会は何回となく外交的イニシアチブを通して危機の打開を図った。2月26日、安全保障理事会は、事態を国際刑事裁判所(ICC)の検察官へ付託するとともに、カダフィ大佐とその取り巻きメンバーに武器禁輸、渡航禁止、資産凍結の制裁を科した。3月1日、総会は人権理事会におけるリビアのメンバー資格を停止した。現職のメンバーが解任されたのは初めてのことであった。

安全保障理事会が一般市民の保護のためにあらゆる必要な措置をとることを加盟国に承認した2日後の3月19日、アメリカとヨーロッパの軍隊がリビア上空に飛行禁止空域を設けて、市民を守る空爆キャンペーンを開始した。他方、事務総長リビア担当特使は停戦実現のための調停を行った。数カ月におよぶ集中的な戦闘の結果、反対勢力は10月にシルテ市を占拠し、カダフィ大佐は殺害された。10月23日、反カダフィ運動の政治指導部の国民暫定評議会は、リビアは完全に自由になったと宣言し、リビアの実権を握った。

国連リビア支援ミッション(United Nations Support Mission in Libya: UNSMIL)(https://unsmil.unmissions.org/)が、リビアの新しい暫定政権が行う紛争後の事業を支援する目的で9月に安全保障理事会によって設立された。しかし、全国的に見られた暴力と不安定な状況は2014年には再び内戦へと発展した。2015年12月の停戦によって、リビア政治合意の署名となり、国民統一政府の樹立へと続いた。2016年12月、理事会は、リビアの政治合意の実施、統治の強化、リビア移行プロセスに続く段階を支援するために調停や周旋を行うようUNSMILに要請した。ミッションはリビアの主要な機関を支援し、不可欠のサービスを提供し、人道支援を行う。UNSMILの任期は2017年9月15日まで延長された。