ガイドライン
ツアーの合間、ガイドはガイドラウンジに待機し、お互いの経験を分かち合います。毎日、世界各国から国連本部を訪れ、ツアーに参加する人々との多くの時間を共有することから、そこに生まれる物語はつきることがありません。そのうちのいくつかを皆様にお話ししましょう。
国連ツアーガイドとして働くとは
人々を啓発する
ガイドとして、国連本部を訪れる人々と直接接し、それらの人々が国連を理解するうえで、多少のインプットを提供するのは、やりがいのある仕事です(Hawa
Taylosr-Kamara、シエラレオネ)
ガイドとして、人々の国連理解に影響を及ぼすというのは、私にとってとても意味あることです。人々が私のところに来て、国連について多くのことを学び、ツアーをとても楽しんだと話してくれるとき、とてもやりがいを感じます(Holly
Tyson、中国)
視野を広げる
ツアーガイドとしての仕事を始めてから、私は客観的な考え方ができるようになり、また世界の多くの人々の窮状を知りました。ガイドになって、今、とても良かったと思っています(Anne
Dewhurst-Bingham、米国)
たくさんの異なる国々から国連を訪れた人々を案内するとき、国連が世界じゅうの人々の集まる場所であることを実感します(Laura
Silver、米国)
爆笑の渦
「どこの国から来たのですか」。私は一度、ツアーガイドのスタート地点で、訪問客に尋ねたことがあります。「ベネズエラです」。「私はインド」。「ドイツから」。オランダから来た訪問客は「私はチューリップの国から来ましたが、あなたは」と私に尋ねてきました。私が、「パンダの国から」と応えると、ある訪問客は、微笑みを浮かべて「ワシントン動物園から?」と言いました。皆、笑いをこらえ切れず、ふき出してしまいました。別の人がすぐに、「中国、中国」と言いました(Shiyung
Sang、中国)。
ガイドの終了地点で、「安全上の理由から着用しているステッカーをはずしてください」といつもの決まり文句を言った後、ある女性ガイドがツアーに参加した人々の数を確かめていました。数分後、その中の若い訪問客がスニーカーを脱いでいるのに気がつきました。その若者たちは、指示に従ったつもりで靴を脱いだものの、なぜそうしなければならないのか当惑している様子でした。ちょっとしたアクセントの違いなのに、たいへんなこと騒動になってしまいました(Raffaella
De Lia、イタリア)。
子どもたちの案内
子どもたちの参加者に国連本部の案内をすることは、ガイドとしてやりがいのあることのひとつです。子どもたちがガイドたちに投げかけるあどけない質問に、思わず苦笑してしまうこともあります。総会議場で、子どもたちに問われたことのうち、いくつかをご紹介します。
「外交官の耳が大きすぎて、イヤフォンができなかったら、どうするの」
「この議場には何頭ぐらいの恐竜を入れることができますか」
ヨルダン(Jordan)のネームプレートを見て、「マイケル・ジョーダンもここに座るの」と質問した子どもがいました。
7,8年前のある日、私は大人14人、子ども2人のグループを案内していました。軍縮の展示場で、私がそれらの訪問客に対し、対人地雷とは何か、一つの地雷のコストはどのくらいか、質問しました。大人たちの顔を見ながら、答えを待っていると、一人の子どもが言ったのです。「一つの地雷で人間ひとりの命」。沈黙が続きました。子どものこの答えに、私は胸を締め付けられる思いでした。涙がでそうでした。それこそ本当の答えです。地雷を作るのにいくらかかるのかということよりも、それによって人間の命が奪われるということが一番大きな問題なのです」(M.
Carolina Ramirez、コロンビア)。
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